【レポート】TV-TWOミートアップレポート
Crypto Times 編集部
こんにちは、ぽんた(@suhara_ponta)です。
今回はテレビ広告のエコシステムにイノベーションを起こそうというTV-TWOのミートアップに参加してきたので、そのレポートをしたいと思います。
TV-TWOの創業者二人のセッションの後に行われた、アラタさん×edindinさんのトークセッションの様子もお伝えします。
目次
TV-TWO(ティーブイツー)とは?
TV-TWOはドイツ生まれのプロジェクトで、「パーソナライズされたビデオストリーミング」オプションを使い、個人に対し、通常のテレビ体験との融合によって生まれる全く新しい「オープンコンテンツプラットフォーム」を提供するプロジェクトです。
現在、TV-TWOはPre-sale期間中で参加者には通常より30%のボーナスが付与されます。
CRYPTO TIMESでもTV-TWOに関して取り上げているので、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
【ICO】TV-TWO (ティーブイツー) 現在のテレビエコシステムを解決するための分散型ソリューション – CRYPTO TIMES
TV-TWO Tokyo Meetupのレポート
今回のミートアップは、3月4日に神田のC-Loungeで開催されました。参加者は20人くらいで男性が多かったです。
創業者のトークセッション
スピーカーはTV-TWO共同創業者のPhilipp Schulz氏とJan Phillip Hofste氏の2人。Philippがマーケティングやパートナーシップなどのビジネスサイドを担当し、Janがエンジニアとしてテクノロジー面を担当しています。
Jan Phillip Hofste氏
Philipp Schulz氏
現在はアジア各国を巡るキャンペーンの途中で、上海と香港の次に東京、最後にソウルへ行くとのことでした。
創業のきっかけ
2人はモバイル広告事業の会社をやっていました。事業はとても上手くいき、Telefónicaというスペイン最大手の通信会社に売却してエグジットしました。
モバイル広告事業を通して、企業の広告予算の大半はテレビ広告に使われていて、モバイル広告にはあまり使われないという現状に直面しました。
モバイル広告のプレイヤーは数多く存在し、イノベーションも頻繁に起きているのに対して、テレビ広告は数十年間同じスキームが取られていて、イノベーションが起きていません。200兆円の市場があるのにです。
そこで2人はテレビ向け広告にイノベーションを起こすべくTV-TWOを起業しました。TV-TWOはテレビ2.0のような意味合いで名付けられています。
スマートTVはスマートフォンのようにスマートには使われていません。全世界に7000万台あるスマートTVが、何かを待っています。
モバイル広告に追いつくだけではなく、ブロックチェーンを使ってよりさらに先の広告を作りたいという想いでTV-TWOを創業しました。
TV-TWOのコンセプト
現在のテレビ広告は、広告主と消費者との間で、テレビ局がゲートキーパーになっています。
TV-TWOはブロックチェーンとトークンを用いて、仲介人の排除ができて、透明性を高めます。
テレビで流れているのは、スポンサーコンテンツ(CM)とオーガニックコンテンツ(TV番組)の2つですが、現在はテレビ局という仲介人を通して配信されています。
TV-TWOでは広告主がスポンサーコンテンツ(CM)を出稿するためにトークン(TTV)を払い、視聴者はスポンサーコンテンツを視聴するとトークンの一部をもらえます。オーガニックコンテンツの作成者はコンテンツを見た視聴者からトークンをもらえます。この時、視聴者は広告主から受け取れるトークンの方がオーガニックコンテンツ視聴のためのトークンより多いので、課金する必要はありません。
広告費はテレビ局に搾取されず、ユーザーとコンテンツクリエイターの元に届くようになるのです。広告主は、今までブラックボックスになっていた、広告が誰にどのくらい届けられたかというデータを正確に入手することができます。
デモ
次にスクリーンでデモを行ってくれました。すでにプロトタイプが公開されていて、LGとSAMSUNGのスマートTVに対応しています。
https://www.youtube.com/watch?v=PyRo4LmwM1s
まずスマホのローカルウォレットとスマートTVとを接続します。スマートTVに表示されるQRコードをスキャンすることで一瞬で接続されていました。
次に見たい動画のジャンルを選択します。ここではジャンルが次々と表示されるのでTinderのように「見たい」と「見たくない」に仕分けしていきます。
そして動画を見始めます。スポンサーコンテンツを見ると終了時に画面の右上に計算中という小さなアイコンが出て、視聴時間に応じてすぐにトークンがローカルウォレットに付与されます。スポンサーコンテンツはスキップすることも可能です。視聴データが溜まっていくとどんどんパーソナライズされていきます。
ユーザーが得たトークンはプレットフォーム上で使用すること(プレミアムコンテンツの視聴など)もできるし、取引所でBTCやETHなど他の暗号通貨に交換することも可能です。すでにTrade.ioへの上場が決まっています。
現在はテストネットで試されていて4000人のテストユーザーがいますが、テストで得られたトークンは取引所で交換できるものではありません。
最初に配信されるコンテンツはYoutubeを考えています。YoutubeはオープンAPIがあるので最初に見れます。YoutuberもYoutubeに依存しない収益源としてのサブチャンネルとして興味を示してくれています。まずサブチャンネルとして始めてもらって、TV-TWOの方が儲かると思えばファンごと移行してもらいたいと思っています。
Q&Aセッション
Q1.ユーザーはコンテンツを見るために課金する必要があるということですか?
A1. 広告を見ることで得られるトークンの方が大きいので、実質払う必要はないです。Netflixのような月額課金は一切ありません。広告主としてはすでにAudiがいるし,メルセデスやワーナーブラザーズなども興味を示してくれています。
Q2.広告のアルゴリズムを詳しく知りたいです。
A2. AIで最適なアウトプットを見つけ出していくという形なので、ルールのようなものではありません。例えばアストンマーチンの広告コンテンツを見て、その後視聴したテニスの試合の中にロレックスのロゴがあるから、AIが判断してロレックスのCMを流すということが起きたことがあります。
我々のプロジェクトはビデオ配信を非中央集権化するものではないことをご理解ください。まず広告予算の使われ方を非中央集権化して、後々ビデオの配信を非中央集権化していきたいと考えています。
Q3.パートナー企業にゴールドマンサックス、マッキンゼー、Microsoftがいるがなぜですか?
A3.一部はチームメンバーが以前いた会社です。ファイナンスのスペシャリストやストラテジーのスペシャリストをチームに入れたかったので、アドバイザーとして入ってもらい、企業とも提携を結んでいます。テレビ業界の人も多いです。
Q4.最初にターゲットにする世代はどこですか?
A4.特に考えていません。テレビ(大きなスクリーン)は世代に関わらずみんなが見るもので、時代が変わってもリビングの中心にあると思っています。テストネットに登録しているのは30~40代が多いですが、スマートテレビをセクシーで魅力的なものにすることで若い世代の人にも楽しんで欲しいです。
Q5.テレビを何個も並べて広告をただ流すだけの人が出てきそうですが?
A5.30分間なんのインタラクションもなければ「Are you still there?」と聞かれるシステムにするので、それは防止できます。
Q6.広告費がユーザーに落ちてしまったら、クリエイターがコンテンツにかける予算が減ってしまい、クオリティーが落ちてしまうのではないですか?
A6.クリエイターにはちゃんとお金が入ります。また、最初に想定しているコンテンツクリエイターはYoutuberなどで動画もそこまで長くないものです。そこまで大掛かりな予算がかかるものではないと思っています。
日本人スピーカー(アラタさん×edindinさん)トークセッション
第二のフェーズとして、コンテンツクリエイター(Youtuberなど)にサブチャンネルとして働きかけることを考えています。もしうまくいってTV-TWOの方が儲かると判断してくれれば移動してくれます。そうすればファンも引き抜けます。
最後にスマートTVならではの点で、スマートTVメーカーに直接働きかけることができます。ICOで調達した資金のうち少しを使えば、LGやSAMSUNGのスマートTVにプリインストールしてもらう交渉ができると思います。スマートTVはアプリが少ないので、メーカー側もキラーアプリを欲しているでしょう。
その点TV-TWOのシステムであれば金の亡者感は出なくていいですね。
まとめ
TV-TWOのTokyo Meetupは盛況のうちに終わりました。セッションが終了してからも登壇者への質問や参加者同士のネットワーキングが活発に行われていました。
TV-TWOのプレゼンも興味深かったですし、アラタさんとedindinさんのなかなか聞けない投資の話も聞けて面白かったです。
TV-TWO、僕は投資をしていませんし、投資予定もありません。投資余力がないのとスマートTVを持っていないからです涙
そんな利害のない僕の立場から見ても、TV-TWOは有望なプロジェクトだなと思いました!
テレビ局が牛耳っているテレビ広告業界に風穴を開けて欲しいですし、Philippは24歳、Janは27歳という若さなので同世代として期待しています。