【追記】UST、LUNAの動向まとめ | 10億枚を再分配か
   公開日 : 2022/05/16

【追記】UST、LUNAの動向まとめ | 10億枚を再分配か

Crypto Times 編集部

ブロックチェーン専門メディアCRYPTO TIMES編集部です。CRYPTO TIMESのニュース、コラム、インタビューなど全ての編集を行っています。 元エンジニア出身なので、ブロックチェーンのノードを建てたり、簡単なスマコンの実装まで対応できます。Twitterもよろしく。

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UST, LUNAの暗号資産史上に残る記録的な崩壊後、5月15日までの数日間、周辺のエコシステムで大きな動きがありました。

しかし、上記の情報は内容が専門的であるため国内メディアでもほとんど報じられておらず、しっかりとキャッチアップ出来ている人は少ないのではないでしょうか。

本記事では、UST,LUNA崩壊後のTerra周辺のマーケットやガバナンスなど、複数のポイントでの動きをまとめていきます。

ステーブルコインUSTの暴落とその仕組みについては、先日解説した以下の記事をご覧ください。

関連【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察

本記事で言及するプロダクトは、取引の推奨や助言を行うものではなく、情報提供のみを目的としていますのでご理解お願いいたします。

BinanceとFTX

Binanceは、5月13日までに全てのLUNAの先物市場の廃止を決定しています。

現在、Binanceでは、LUNA/BUSD, UST/BUSDの現物ペアのみが取引可能な状態となっており、Terraのネットワーク再開に合わせ、LUNA, USTの入出金も再開しています。

Binanceに続いてFTXでも、5月14日に無期限先物(LUNAPERP)の取り扱いが廃止されました。

USTの価格は記事執筆時点で$0.18付近を推移、供給枚数は112.8億枚となっており、暴落前の水準から70億枚近く減少しています。

引用:Messari

一方で、残る60%以上の110億枚近くのUSTには裏付けがなく、これらをいかに素早く市場から取り除くかがポイントとなっています。

引用:Messari

LUNAは、5月12日の段階では、新規鋳造枚数は+12.5億枚でしたが、そこから5月15日までの間に6.51兆枚まで到達しています。

13日のネットワーク停止後は、LUNAの新規鋳造は行われていないようです。

TerraForm Labs周辺

Terraの開発元として知られるTerraForm Labs (TFL)は5月12日より、システムの回復を目指していくつかの施策を提案しています。

ガバナンスによる投票が始まっているProposal 1164では、パラメータの変更によりUSTの償還ペースを上げる提案が可決の閾値を上回っており、投票が終了する3日後に変更が実装される予定となっています。

また、5月12日、Terraの公式Twitter(TFL)より、3つの緊急アクションが提案されました。

上記の内容としては、

  1. コミュニティプールのUSTのバーン(提案)
  2. Ethereum上の3.71億USTのバーン(提案)
  3. TFLが2.4億LUNAをガバナンスの攻撃から守るためにステークを実行

というものになります。

前者2つの提案は、Proposal 1188で投票のフェーズに入っており、 定足数まで残りわずかの状態となっています。

仮にこれが可決すると、5月15日時点での供給量の7.5%相当となる13.88億USTがバーンされ、供給から取り除かれる結果となります(詳細)。

Terraブロックチェーンの停止

5月13日に、Terraのネットワークの参加者(バリデーター)間の決定により、ブロックチェーンが停止しました。

上記はLUNAの新規鋳造(インフレ)により、オリジナルのバリデーターの持つ投票力が希釈され続ける状況に陥ったためであると説明されています。

ネットワークの停止後間も無く、GitHubで最新のパッチが公開され、新規のLUNA保有者による代理投票の仕組みが無効化された状態でネットワークが再開されました。

これにより、今後のガバナンス提案、投票はLUNAのインフレによる投票力希釈前の状態のバリデーターが主体となって行われることになります。

Do Kwon氏 (Terra創業者)

Terraの創業者の一人であるDo Kwon氏は、5月14日に自身のTwitterで、Terraエコシステムのリバイバルプランを発表しました。

上記の提案は、Terraネットワークをリセットし、10億枚のトークン(LUNA)を複数の条件に分けて過去のエコシステム参加者に分配するという内容になっています。

具体的な分配の内容は以下の通りです。

  • 40% (400,000,000枚) – ペッグが外れる前のLUNA保有者 (bLUNAなどのステーキングポジションを含む)。ここからTerraの開発元であるTerraForm Labsの保有分は除外
  • 40% (400,000,000枚) – ネットワークアップグレードのタイミングでのUST保有者向けに保有量に比例して分配
  • 10% (100,000,000枚) – チェーン停止時のLUNA保有者
  • 10% (100,000,000枚) – コミュニティプール

現在、提案はフォーラムでディスカッションが行われている状態で、この提案が可決されるかどうかはわかりませんが、コミュニティからTerraの新たなネットワークが誕生する可能性も考えられます。

また、その場合、現在のTerraのメインネットから、新ネットワークへの移行が起こることが予想され、旧ネットワークの資産等の扱いなどに関しての対応に注目しておく必要があるでしょう。

LFG (Luna Foundation Guard)

USTの準備金としてBTCやAVAXなどを購入していたLuna Foundation Guard(LFG)は、5月9日に、USTのペッグを守る目的で、7.5億ドル相当のBTCをOTCのトレーディングファームへ貸し付けると発表していました。

その翌日の5月10日には、LFGの新たなウォレットアドレスをTwitterで公開しています。

暴落後、LFGの保有するBTCに関しての市場からの関心が高まっていますが、5月15日現在は、公式説明が待たれている状況となっています。

LFGが財務状況を公開 (5月16日追記)

LFGが日本時間5月16日18時に公式Twitterを更新し、UST崩壊後からの対応と現在の財務状況を明かしました。

ツイートによるとLFGは、5月7日時点で上記ツイート分の積立金を保有しており、USTが1ドルを大幅に下回り始めた5月8日に積立金の売却をはじめ、USTの買い支えを開始しました。

具体的には約2630万USDT、約2360万USDC、52,189BTCをオンチェーンスワップで取引相手に送金するなどして、USTで販売。

その後追加で33,206BTCをUSTで売却し、最終的にLFGの積立金は、下記ツイートの通りとなりました。

BTCだけで見てみると、今回のUST騒動によりLFGの準備金は80,394 BTCから313BTCへと大幅に減少し、これは現在価格で約3100億円にあたる80,081BTCが市場で売られたことになります。

LFGは残った資産をUSTユーザーへの補償に充てる予定としています。

今後注目すべきポイント

今後の展開として注目すべき点としては、以下のようなポイントが挙げられます。

  • LFGの持つBTCの所在や使途に関する透明性の高い開示
  • Terraの新ネットワークへの移行の可否と既存のTerraエコシステム参加者/開発者との協調
  • Terra公式Twitterアカウントによる、今回の一連の事件の説明

現在も、UST, LUNA共に価格が不安定な状態が継続しており、取引には十分なリスクの理解と注意が必要です。

CRYPTO TIMESでは、引き続きUSTやLUNAに関する情報を発信していくので是非チェックしてください。

また、CRYPTO TIMESが手がけるリサーチレポート「CT Analysis」では、下記のレポートでUSTをはじめとするステーブルコインの仕組みについて解説しているのでご覧ください。

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