仮想通貨のセキュリティを強化する量子耐性って何??
   公開日 : 2018/04/18

仮想通貨のセキュリティを強化する量子耐性って何??

Crypto Times 編集部

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今回の記事では、最近よく耳にするようになった「量子耐性」についての記事になります。

この記事では量子耐性についての説明や、現在量子耐性を採用している仮想通貨をご紹介していきます。

量子耐性はテクノロジーの進化に伴って将来必要になってくるセキュリティなので今の内に押さえておきましょう

量子コンピュータとは?

量子

まず初めに量子コンピュータとはなんなのでしょうか。Wikipediaの定義を見てみると、「量子力学的な重ね合わせを用いて並列性を実現するコンピュータ」と書いてあります。

つまり、簡単に言うと従来のコンピュータとは違ったアプローチで、飛躍的な処理速度を実現可能なコンピュータということですね。

現在は世界中で研究段階にありますが、一説には近い将来に実用化されるという話も出ています。

量子コンピュータが脅かす仮想通貨のセキュリティ

セキュリティ

量子コンピュータが登場すると、仮想通貨のセキュリティは簡単に破られてしまう可能性があります。それは、量子コンピュータの演算能力が高いため、取引データの改ざんやウォレットのハッキングなどができてしまうからです。

従来のコンピュータでハッキングを試みる場合はパスワードの流出やウイルス感染などのステップを用いてパスワードを不正入手する必要があります。しかし、量子コンピュータがあれば直接パスワードを解読することが可能になってしまいます。

また、今現在「ウォレットの暗号鍵は2027年までに量子コンピュータによってハッキングされる」という予測が発表されています。

現在のブロックチェーンのセキュリティである「公開鍵暗号方式」とは?

金庫

現在のブロックチェーンを用いた仮想通貨では暗号方式として「公開鍵暗号方式」というものが使われています。これは、インターネットの暗号方式としても使われているシステムで、秘密鍵と暗号鍵の二つの鍵を用いて暗号化したり解読を行ったりします

最初に受信者が送信者へ公開鍵というものを渡しておきます。送信者はその鍵を用いてデータを暗号化し、送信します。そして受信者は自分が持っている秘密鍵でデータを解読するというシステムです。

現在は秘密鍵を探すのが難しいとされていますが、量子コンピュータが登場すれば短時間で秘密鍵を探し当ててしまう可能性が出てきます。

量子耐性への4つのアプローチ

key

現状仮想通貨のセキュリティを高め、量子耐性を持たせる方法として4つの方法が考案されています。

秘密鍵の暗号強度の強化

これはシンプルに先ほど説明した暗号を解読するのに必要な秘密鍵を長くしたりより複雑なものにして量子耐性を得るという方法になります。

もちろん、秘密鍵のサイズが大きくなることで、処理速度は低下しますが、量子コンピュータが実用化されれば処理速度の問題は解決されるでしょう。

3進数の採用

現在コンピュータで主に使われているのは2進数です。10進数や16進数も使われてはいますが、やはりメインは2進数となっています。そこで、秘密鍵に3進数を採用するという斬新な発想が生まれました。

つまりこのアプローチは、あえて非常識的な3進数を使用することで、量子コンピュータでも計算が困難になるという方法です。

ハッシュ関数の強度を強化

ハッシュ関数とはあるデータが与えられた際にそのデータを代表する数値を得るための関数です。そして、はじき出された数値を「ハッシュ値」と呼びます。

例えば、ハッシュ関数が全ての数字を足して偶数なら「0」、奇数なら「1」を出すハッシュ関数があると仮定します。ここに「1234」というデータを入力すると、合計は10なので「0」というハッシュ値が得られます。これを受信者が自分で計算したハッシュ値と比較し、データに改ざんがないか確認するという方法です。

この方法でも、ハッシュ関数をより難しく複雑なものにすることで、量子耐性を持たせています。

使い捨てパスワードの採用

使い捨てのパスワードというのは今現在も使われている方法です。ネットバンクやお金が絡むサービスでワンタイムパスワードの入力を求められたことはありませんか?そういったワンタイムパスワードや取引所で入力する二段階認証のパスワードが使い捨てパスワードに当たります。

これらは一時的なものなので、解読されたとしても、すぐに使えなくなるため安全性は高いと言えるでしょう。

量子耐性を持つ仮想通貨一覧

coins

現段階で以下の通貨が量子耐性を持つと言われています。

  • NEO(NEO)
  • ADA(Cardano)
  • IOT(IOTA)
  • QTUM(Qtum)
  • QRL(Quantum Resistant Ledger)
  • HSR(HShare)
  • IOC(I/O Coin)
  • XSH(SHIELD)

国内の取引所では扱っていない銘柄がほとんどですが、今後はさらに多くの通貨が量子耐性に対応していくことでしょう

まとめ

bitcoin

量子耐性が必要といっても、それがないと必ずハッキングされるというわけではありません。また、現在量子耐性を持っていない通貨でも、ハードフォークやアップデートによって量子耐性に対応する可能性は十分にあります

量子耐性を気にすることも大切ですが、まずは今のセキュリティを見直して自分の資産を安全に管理しましょう!

kaz
量子コンピュータはセキュリティ的には脅威かもしれないけど純粋に実用化が楽しみ

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