web3マーケティングSaaS「ocean dict.」AMA内容まとめ

2023/12/14・

boarding bridge

web3マーケティングSaaS「ocean dict.」AMA内容まとめ

執筆:Taka

セプテーニ・インキュベートが開発を手がけるブロックチェーンプロジェクト向けのマーケティング支援ツール「ocean dict.」のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。

今回のAMAでは、プロダクトを開発した背景や新たに始まった「ocean dict. Giveaway Week」についてお話しを伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

イベント概要

日時:2023年12月1日(金)21:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice/Chat

Giveaway:Nintendo Switch × 1名、Amazonギフトカード5,000円 × 3名

スピーカー

kayato | ocean dict. (セプテーニ・インキュベート)

Taka | bb

noob botter | CryptoTimes

(敬称略)

AMAの内容

自己紹介

kayato

セプテーニ・インキュベートweb3事業部の責任者をしております。斉藤 彼野人です。web3・ブロックチェーン関係プロジェクトのマーケティングサポートを行っており、本日紹介するプロダクトであるweb3マーケティングSaaS ocean dict.の開発 / 運営も行っています。

2014年ごろに暗号資産取引所の無料配布キャンペーンで貰った500円分のBTCが、2017年ごろに2万円ぐらいになったことでブロックチェーンに興味を持ちました。ビジネスとしては2021年のNFTバブルあたりから開始しています。

趣味はダークソウルなどFromSoftwareのゲームで遊ぶことや、最近は登山にもハマっています。

本日はどうぞよろしくお願いします。

質問トピック

ocean dict.とはどのようなサービスなのか教えてください。

ocean dict.はNFTやブロックチェーンゲームなど、様々なweb3プロジェクトのマーケティングの支援を行うためのサービスです。

web3関係のプロジェクトでは、Giveawayやエアドロップなど、トークン配布を行うキャンペーンが多くあるかと思います。そういったトークン配布を行うようなキャンペーンをサポートするためのweb3に特化した申込みフォームと、オンチェーンおよびオフチェーンのデータを統合しユーザーエンゲージメントを解析するためのweb3アナリティクスの2つの機能を提供しています。

ocean dict.のプロダクト理念は「デジタルアイデンティティの相互運用性を高めるために、ブロックチェーン(デジタル公共財)のデータ活用を加速させる」です。特定のサービスや事業者のデータベースにデジタルアイデンティティを依存させずに、ユーザーが主権を持ったデジタルアイデンティティが評価される社会基盤を作るために、ブロックチェーンのデータ活用を推し進めることをミッションとしております。

ocean dict.は2022年12月にクローズドβ版を公開し、現在はパブリックβ版として皆様にご提供しながらフィードバックをいただいています。

PICK UP CAMPAIGN | ocean dict.

このプロダクトを開発しようと思った背景などをお聞かせください。

web3におけるキャンペーンでは、トークンが無料でもらえることから、複数アカウントでの応募やプログラミングを活用して自動応募を繰り返すBOTが乱立し、プロジェクトに本当に貢献しているユーザーが埋もれてしまうという事態によく遭遇しました。

実際に我々がNFTプロジェクトのマーケティング支援を行っている中で、Giveawayやエアドロップの施策を行った際、ocean dict.を開発する前はGoogleフォームなどでX(旧Twitter)のIDやウォレットアドレスを回収していました。リポストやいいね・フォローなどの申し込み条件をクリアしているかGoogleフォームから入力されたSNSのIDをひとつずつ確認したり、EtherscanやDeBankなどでオンチェーンの履歴を確認したり、全て手作業で行っていました。数十件の申し込みであればマニュアル対応でやっていけましたが、数百を超える応募になると全て目視で確認するのは不可能でした。

NFTや暗号資産等のトークンは発行上限があるため、貴重なマーケティングの原資をBOTや同じアカウントに重複して配ってしまうのは非常にもったいないと感じていました。それらの背景からweb3に特化した申込みフォームを作成し、SNSなどのオフチェーンデータとブロックチェーン上のオンチェーンデータを統合させ、BOTを排除しながらエンゲージメントスコアが高いユーザーを見つけ出すプロダクトを作ろうと思いました。

またアローリスト(AL)を配布する場面でも別の問題が生じていました。インフルエンサーやコミュニティー別にALを活用したGiveawayを行うのですが、当選者を一元管理できていないため、同じユーザーが何度もALに重複当選してしまったり、その分何度も申し込みしてくれているユーザーが一度もALに当選しないという事態が生じることもありました。こうした申し込みリストをキャンペーン横断で管理することで、重複当選を防ぎより幅広いユーザーの方にALを届けられると考えていました。

また少し脱線しますが、私はweb3関連のビジネスをやる以前は、デジタル広告関係のビジネスに従事しており、Ad Fraudとよばれる広告不正の問題と向き合ってきました。ウェブサイトで表示される広告は表示単価やクリック単価など様々な指標で収益化されていますが、これらの指標を欺いて不正に広告費を稼ぐプレイヤーがいます。その際にもBOTとの戦いをしていたのですが、web3領域でも同じような構造になってしまっていると感じ、この課題を解決したいと思ったのです。

エントリーフォーム |ocean dict..

競合と比較したocean dict.の強みは何ですか?

Giveawayやエアドロップを集約しているサービスはグローバルで見てもプレイヤーが多いと感じています。その中で見れば私たちは後発組です。

一方で我々ocean dict.が最終的に目指していきたいのは、プレゼントキャンペーンに関するプラットフォームではなく、デジタルアイデンティティを評価するためのエコシステムです。企業のデータベースではなく、ブロックチェーンに刻まれたトランザクション履歴を元にユーザーが便益を受けられるような社会を目指しています。

そのためフォームの機能よりも、プロジェクトがユーザーをデータ分析するための解析機能に力を入れております。オンチェーン / オフチェーンのデータを統合しながらユーザーを評価することで、資産性だけでなくサービスの積極的な利用度やコミュニティーでの活躍など多角的にユーザーの与信評価を行い、その結果、ユーザー自体がインセンティブを受け取れるような機能拡充をしていきたいです。

ocean dict.について | PRTIMES

今後どのような機能を追加していく予定(いきたい)ですか?

直近のアップデートでは、ユーザーがキャンペーンを友だちに紹介することができる招待コードを作成するリファラル機能や、ocean dict.に登録したプロジェクト同士でコラボレーションを円滑に進めることができるコラボレーション機能などを追加する予定です(※)。

また対応チェーンも増やしており、EVM系ではOasysへの対応に加え、Arbitrum / Optimism / Ronin / zkSync等にも対応しております。中長期では非EVM系のチェーンの対応もしていく予定です。

さらに「デジタル公共財のデータ活用を加速させる」という活動の軸をぶらさずに、ユーザーのオンチェーンでのトランザクション履歴を与信として活用できる機能を準備していきたいと考えています。具体的にはGiveawayやエアドロップに参加したということもオンチェーンに刻むことで、古くからプロジェクトに対して関心を持って応援してくれたことをトランザクションに残すことなど考えております。

※リファラル機能やコラボレーション機能追加等のアップデートについては、現在完了しています。

(プレスリリース:https://www.septeni-holdings.co.jp/news/release/2023/12013642.html

ocean dict.

新たに始まった「ocean dict. Giveaway Week」の内容について教えてください。

国内外の人気ゲームプロジェクトが参加し、NFT/トークンを含む総額5,000$分の豪華景品を日替わりで提供するGiveaway企画です。12月4日~19日に開催します。期間中にはAMAを開催し、参加ゲームプロジェクトへの理解を深めてもらう企画もご用意しています。

この「ocean dict. Giveaway Week」では、より多くのユーザーに国内外の注目の人気ゲームプロジェクトを知っていただき、さらにNFT/トークンなど豪華景品を配布することで、ゲームを始めてもらうきっかけを作り、ブロックチェーンゲーム市場の活性化につなげていきたいと考えています。

※「ocean dict. Giveaway Week」への参加はこちらから:https://oceandictweek.studio.site/

コミュニティ質問

ocean dict. という名前の由来は何ですか?

私たちがこのプロジェクトを始めた時期はちょうどNFTが大きなブームとなっており、中でもOpen Seaが大きな存在感を示していました。そして私たちもまた、ブロックチェーンとは誰にでも開かれたデータベースとして海のような存在であると考えています。そこで海を意味する別の単語である「Ocean」に「Dictionaly(辞書)」を掛け合わせてこの名前になりました。

チームの人数は何名くらいですか?

開発に携わっているのが10名弱で、マーケティングチームなども合わせると20名ほどのメンバーがいます。

人材は募集していますか?

現在、特に開発を行うエンジニアを強化したいため、我こそはという方がいればぜひご連絡ください。

利益は主にどのように出していく予定でしょうか?

現時点ではパブリックβ版として全てのサービスを無料で提供していますが、今後プロダクトの普及につれて有料化を検討しています。

X(旧Twitter)のAPIに関する変更で苦労した点はありますか?

ocean dict.では複数のSNSと連携しておりますが、中でもXのAPIアップデートの対応は苦労しました。急なAPIの仕様変更ではございましたが、開発チームの頑張りから今は安定して稼働しております。API利用側としてはスマートコントラクトのように急な仕様変更がなく安定的に機能を提供してくれることを願っています。

キャンペーン主催側として、ocean dict.は誰でも使えますか?

はい。現在はパブリックβ版として、フォームから申し込むことで利用が可能で、最近では申し込みがかなり増えてきています。ただし、スキャムプロジェクトによる利用を防ぐため、審査やオンライン面談等を設けています。

キャンペーン参加者から手数料を徴収する仕組みは考えていますか?

他のプラットフォームではシビルアタック対策のために参加手数料を課すところもありますが、ocean dict.では、誰でも無料で参加できるような仕組みを今後も継続していく予定です。エントリーの間口は広げつつ、シビルアタック対策としては、データ分析によって適正参加者を抽出できるようにしています。

Giveaway以外での使い方の例を教えてください

NFTのアローリスト配布やミームコンテストなど、フォーム形式で行う様々なキャンペーンに応用することができるかと思います。さらにこういった機能が欲しいといったフィードバックも随時受け付けています。

まとめ

ocean dict.はbbでも初期から利用しており、過去に10回以上のキャンペーンを開催してきました。AMA内でもあったように、オンチェーンからオフチェーンまでの膨大なデータをもとに、キャンペーンの内容や形式に合わせた適正参加者を抽出することができる点は、このツールの突出した強みであると言えます。

トークンを用いたweb3ならではのマーケティングが広がる中、不正やシビルアタックに耐性のある適切なインセンティブ設計が求められています。国内でocean dict.を使用するプロジェクトも徐々に増える中、新たに景品総額$5000以上の「ocean dict. Giveaway Week」も開始されました。

キャンペーン内容や今後のアップデートについては、ocean dict.の公式サイト並びに各種ソーシャルメディアをご確認ください。

関連リンク

ocean dict.

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