メインネット稼働開始!相互流動性のための基盤レイヤー「Sunrise」AMAレポート

2025/09/06・

boarding bridge

メインネット稼働開始!相互流動性のための基盤レイヤー「Sunrise」AMAレポート

執筆:summerchon

ブロックチェーン間における流動性の断片化を解決するための基盤レイヤーを構築する「Sunrise」のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティ「boarding bridge(bb)」にて開催しました。

今回のAMAでは、8月13日に待望のメインネットが始動したSunriseの独自アーキテクチャ、ネイティブステーブルコイン「USDrise」の仕組み、開催中のポイントプログラム、TGE(トークン生成イベント)を含む今後のロードマップについて詳しく伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2025年8月23日(土)21:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice X(twitter)

Giveaway:100USDT × 3名

スピーカー

Yu Kimura | Sunrise CEO & CTO

Takeru | Sunrise COO

ADMEN | boarding bridge

AKI | boarding bridge

(敬称略)

質問トピック

自己紹介

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Yu Kimura | X

SunriseにてCEO兼CTOを務める木村です。中学時代にゲーム機のハッキングを始めたことからエンジニアリングの世界に入り、これまでに5億円相当の暗号資産を救出したホワイトハッカーとしての経験も持っています。本日はよろしくお願いいたします。

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Takeru | X

SunriseでCOOを務めるTakeruです。戦略コンサルタントを経験した後、CEOの木村と共に日本でブロックチェーンの開発を行う企業を共同創業しました。そこでもCOOを務め、その経験を経て現在のSunriseプロジェクトを立ち上げています。よろしくお願いいたします。

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ADMEN | X

ADMEN(アドマン)と申します。普段はCryptoTimesおよびコミュニティboarding bridge(bb)に所属しています。CryptoTimesではメディア業務を担当しつつ、最近は特にSolanaエコシステムを中心としたプロジェクトリサーチに注力しています。本日は先日メインネットをローンチし大きな注目を集めているSunriseについて、皆様と一緒に深く掘り下げていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

Sunriseはどのようなプロジェクトですか?

Sunriseは「The base layer for InterLiquid Networks」、つまりInterliquidity(相互流動性)のための基盤レイヤーとなることを目指すプロジェクトです。

主な役割は、企業などが開発する独自のブロックチェーン(Appchainなど)の基盤となることです。通常、多くの独自チェーンが乱立すると、それぞれのチェーンで資産やユーザーが孤立し、流動性の分断(※1)という問題が発生します。

Sunriseは、これらの独自チェーンが私たちのネットワークを通じてシームレスに繋がり、互いの流動性を共有できる仕組みを提供することで、この課題を解決します。

流動性の分断(Liquidity Fragmentation)
複数のブロックチェーン上で同じような資産が取引されることにより、取引の厚み(流動性)が各所に分散してしまう状態。これにより、価格の乖離や取引コストの増大といった非効率が生じる

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Sunrise Japan | X

ネイティブステーブルコイン「USDrise」について詳しく教えてください。

USDriseは、Sunriseチェーンのネイティブステーブルコインです。

このステーブルコインは、米国債を裏付け資産とする利回り付きのステーブルコインであり、CosmosエコシステムでネイティブUSDCなどを発行するNoble(※1)の資産をラップ(※2)する形で、米ドルと1:1の価値を担保しています。

USDCのように安定資産として利用できるだけでなく、主に以下の2つの重要な特徴を持っています。

  1. $RISEステーカーへの利回り分配
    USDriseが生み出す利回りは、$RISE, $vRISEのステーカーに分配され、ステーキングの重要なインセンティブとなります。
  2. ガス代としての利用とバーンメカニズム
    Fee Abstraction(※3)という仕組みにより、ガス代の支払いにも使用できます。ユーザーは$USDriseを持っていなくても、USDCなどから自動で変換されるため、非常にスムーズな取引が可能です。さらに、ガス代として支払われた$USDriseの50%は、$RISEに交換された上でバーン(焼却)され、トークンの希少価値を高める役割も担います。
Noble
CosmosエコシステムおよびIBC(Inter-Blockchain Communication)接続されたチェーン向けに、ネイティブなステーブルコインやRWA(現実世界資産)の発行を行うために特化したブロックチェーン
ラップ(Wrap)
あるブロックチェーン上の資産を別のブロックチェーン上で同等の価値を持つトークンとして表現する技術
Fee Abstraction(料金の抽象化)
ユーザーがそのブロックチェーンのネイティブトークン(例:ETH)を持っていなくても、ステーブルコイン(例:USDC)など他のトークンでガス代を支払えるようにする仕組み

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Sunrise Japan | X

ポイントプログラムについて詳しく教えてください。

メインネットの始動を記念し、ユーザーのアクティビティを奨励するためのポイントプログラムを約3ヶ月間の予定で実施しています。このプログラムでは、$RISE総供給量の3%を参加者が獲得したポイントの割合に応じてエアドロップされます。

ポイントは主に以下の方法で獲得できます。

  • 流動性の提供(LP※1)
    特定のプールに流動性を提供することで、その種類と金額に応じてポイントが付与されます。
  • vRISE(※2)のステーキング
    vRISEをステーキングすると、1 vRISEあたり1日100ポイントが貯まります。
  • 紹介プログラム
    自身が紹介したユーザーが獲得したポイントの10%を追加で受け取れます。
  • 簡単な初期設定
    EVMウォレットの接続(500pt)やXアカウントの連携(100pt)といった一度きりのタスクでも獲得可能です。

注意点として、貯まったポイントは20時間ごとに手動でClaim(請求)する必要がありますので、お忘れなくご参加ください。

流動性の提供(LP, Liquidity Providing)
DEX(分散型取引所)などのプロトコルに、自身が保有する暗号資産をペアで預け入れる行為。取引を円滑にする見返りとして、手数料収入や報酬を得ることができる
vRISE
SunriseのDEX上のプールにLPingすることで得られるトークン。保有することで、プロトコルの意思決定への参加権や、ステーキング報酬を受け取る権利を証明する

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Sunrise Japan | X

「Golden Egg NFT」のユーティリティ(用途)について教えてください。

Golden Egg NFTは、現在開催中のポイントプログラムの効果を増幅させるブースターの役割を持つ特別なユーティリティ(※1)NFTです。

メインネット上の様々なアクティビティでポイントを獲得できるのに加え、このNFTを保有しているホルダーは、以下のような限定的な特典を享受できます。

  • $RISEの追加エアドロップ
    通常のポイント配分とは別に、NFTホルダー限定の$RISEが付与されます。
  • ポイント獲得量のブースト
    日々の活動で得られるポイントが増加します。
  • 紹介ボーナスの増額
    紹介プログラムで得られる報酬がさらに多くなります。

このように、Golden Egg NFTはSunriseエコシステムに積極的に参加するユーザーがより大きなリターンを得られるように設計されています。

ユーティリティ(Utility)
NFTにおける実用性や有用性を指す言葉。単なる鑑賞や所有だけでなく、特定の機能やサービスへのアクセス権、特典の受け取りなど、保有することで得られる具体的なメリットのこと

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Sunrise Japan | 公式medium

今後の展開やTGE(トークン生成イベント)の予定について教えてください。

メインネットは我々にとって重要な一歩であり、ここからさらにエコシステムを拡大していきます。今後の主な展開は以下の通りです。($RISEは記事公開時点で既に上場済)

  1. TGE(トークン生成イベント※1)
    $RISEトークンのTGEは、2025年第3四半期(Q3)を予定しています。TGE後、$RISEは複数のDEX(分散型取引所)およびCEX(中央集権型取引所)(※2)に上場し、誰でも取引が可能になる予定です。
  2. 戦略的パートナーシップ
    エコシステムの信頼性と実用性を高めるため、複数の有力企業との戦略的提携を進めています。これには、ソニー銀行のような日本の大手金融機関との実証実験も含まれており、今後の発表にご期待ください。
  3. 新機能と収益機会の提供
    今後も新しいDeFi機能や、新しいプールを段階的にリリースしていきます。これにより、ユーザーの皆様に対して、さらなる収益機会を提供していく計画です。
TGE(Token Generation Event)
暗号資産プロジェクトがそのネイティブトークンを初めて発行し、市場に流通させるイベントのこと。取引所への上場(リスティング)と同時に行われることが多い
DEX / CEX
DEX(Decentralized Exchange)は、スマートコントラクトによって自動で取引が行われる分散型の取引所。CEX(Centralized Exchange)は、企業によって運営・管理される従来の中央集権型の取引所を指す

Sunriseのセキュリティについてどのように対策していますか?

Sunriseのセキュリティは、Proof of Stake(PoS※1)と同様に攻撃を仕掛けるよりも正直にネットワークに参加した方がインセンティブが高くなるように設計されています。

具体的には、Sunriseチェーンを攻撃するためには、ガバナンストークンであるvRISEを大量に集める必要があります。

しかし、このvRISEは市場で直接買い占めることはできず、Sunriseチェーンに流動性を提供することによってのみ獲得できます。つまり、攻撃に必要な力を得るためには、まず攻撃者自身が大量の流動性を提供し、ネットワークを強化・安定させなければならないというジレンマが生じます。

攻撃者が大量の流動性を提供すると、Sunriseの流動性プールは厚みを増し、チェーン全体の収益性が高まります。その結果、攻撃者にとっては、リスクを冒して攻撃を仕掛けるよりも、正直な流動性提供者としてステーキング報酬や手数料収益を得続ける方がはるかに利益が大きくなるのです。

このようにProof of Liquidityは、攻撃しない方が得をするという経済的なインセンティブによって、ネットワークの安全性を担保する仕組みになっています。

Proof of Stake (PoS)
ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムの一種。トークンのステーキング量が多いほど、ブロックを生成・承認する権利を得やすくなる。悪意のある攻撃を行うには大量のトークンが必要となり、攻撃が成功するとそのトークンの価値が暴落するため、攻撃の動機を経済的に抑制する仕組み

$RISEの供給量は10億枚ですか?それとも5億枚ですか?

その2つの数字はどちらも正しく、それぞれ以下のように意味が異なります。

  • 初期の総供給量:5億枚
    TGE(トークン生成イベント)の時点で発行される枚数です。現在議論されている各種割り当て(例:NFTホルダーへの1%)は、この5億枚を基準に計算されています。
  • 最大供給量(上限):10億枚
    ステーキング報酬などによって、市場に流通するトークンは徐々に増えていきますが、その上限が10億枚に設定されています。これ以上、$RISEが発行されることはありません。

$RISEの長期的な価値をどのように維持・向上させますか?

$RISEは単なるガバナンストークンではなく、チェーンの利用価値とトークン価値が連動する強力なデフレメカニズムが組み込まれています。

具体的には、以下のような仕組みです。

  • ユーザーはSunriseチェーン上で、ネイティブステーブルコインのUSDriseを使ってガス代を支払うことができます。
  • 支払われたUSDriseのうち50%はプロトコルによって自動的に$RISEにスワップ(交換)されます。
  • そして、その$RISEは即座にバーン(焼却)され、市場から永久に取り除かれます。

この設計によって、Sunriseチェーンが使われれば使われるほど、$RISEの供給量が減っていくというサイクルが生まれます。この継続的な供給圧力の減少が$RISEの長期的な価値を維持・向上させるための中心的な戦略となります。

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Sunrise Japan | X

USDriseのガス代としての使用はユーザー体験をどのように向上させますか?

これはユーザー体験(UX)における最大の摩擦を解消するための重要な機能です。

通常、新しいブロックチェーンを利用する際、ユーザーはまず取引所でそのチェーンのネイティブトークンを購入し、ウォレットに送金しなければ、最初の取引すら行えません。これは非常に手間がかかります。

SunriseのFee Abstraction(料金の抽象化)機能は、この問題を解決します。ユーザーはUSDCのような一般的なステーブルコインをSunriseにブリッジするだけで、ガス代である$USDriseを別途用意することなく、$RISE(やUSDC)で直接ガス代を支払うことができます。

TGE後にDEX(分散型取引所)上で深い「$RISE / USDrise」の流動性プールが作られることで、このガス代の自動スワップが裏側でスムーズに行われます。結果として、ユーザーはガス代の存在をほとんど意識することなく、シームレスにdAppsを利用開始できるのです。

RWA(現実世界資産)の流動性ハブとしての役割も視野にありますか?

はい、まさにその通りです。Sunriseブロックチェーンを基盤として、RWA(※1)の流動性ハブとなることは、私たちのロードマップにおいて当然視野に入れています。

すでにシンガポールの事業者などからも高い関心を寄せられており、この分野における展開も具体的に進めている状況です。Interliquidityの基盤を固めた上で、次のステップとしてRWA領域へ本格的に展開していくのでご期待ください。

RWA(Real World Assets)
不動産、株式、債券、美術品といった、ブロックチェーンの外に存在する現実世界の資産をトークン化したもの。DeFi(分散型金融)と伝統的金融を繋ぐ次世代の資産クラスとして注目されている

Sunriseの収益はどこから生み出されますか?

Sunriseのプロトコル収益は、主に$RISEまたはvRISEのステーキングに参加することで得られます。

ステーキングを行ったユーザーに対しては、現在以下の3種類のトークンが報酬として分配されています。

  • USDrise(ネイティブステーブルコイン)
  • USDN(USDriseの裏付け資産)
  • $RISE(ネイティブトークン)

この仕組みの重要な点は、報酬が$RISEだけでないことです。$RISEをステーキングして$RISEが増えるだけでは価値の増減が分かりにくいですが、Sunriseでは米ドル建てのステーブルコイン(USDrise/USDN)が報酬に含まれるため、ユーザーは安定した価値を持つリアルイールド(実際の収益)を直接受け取ることができます。

まとめ

今回のAMAでは、8月13日にメインネットを始動させた日本発のレイヤー1「Sunrise」の全貌が語られました。独自チェーンの流動性分断を解決するInterliquidity(相互流動性)構想、セキュリティを担保するProof of Liquidity、チェーンの利用価値がトークン価値に直結する$RISEのBurnメカニズムなどの持続可能な経済モデルが支えている点が明らかになりました。

ユーザーは、現在開催中の大規模なポイントプログラムを通じて初期の成長に参加できるほか、ガス代の支払いに$USDriseを必須としないFee Abstraction機能によりWeb3の複雑さを感じさせないスムーズな体験を享受できます。

ソニー銀行との連携も視野に入れた戦略的パートナーシップも明かされ、技術とビジネスの両面から日本のWeb3を牽引する存在になることが期待されます。

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