即時流動性と高スループットを実現!新世代L1「Sunrise」AMAレポート

2025/06/10・

boarding bridge

即時流動性と高スループットを実現!新世代L1「Sunrise」AMAレポート

執筆:summerchon

即時流動性と高スループットを実現する新世代L1「Sunrise」のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティboarding bridge(bb)にて開催しました。

今回のAMAでは、Sunriseが採用する独自の技術アーキテクチャや、DEX・DA領域における設計思想、ブランド刷新の背景、Animoca Brands Japanとのパートナーシップの狙い、そして今後のロードマップについて伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2025年5月31日(土)21:00 JST

場所:bb Discord & X Space

Giveaway:100USDT × 3名


スピーカー

Yu Kimura | Sunrise CEO & CTO

Takeru | Sunrise COO

Yusuke Jindo | Animoca Brands Japan CFO

AKI | boarding bridge

(敬称略)

質問トピック

自己紹介

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Yu Kimura | X

SunriseのCEO兼CTOを務めるKimuraと申します。中学3年生の頃にゲーム機のハッキングをきっかけにエンジニアリングの世界に入りました。その後、ホワイトハッカーとして5億円相当の暗号資産を救出した経験もあります。現在はSunriseにてプロジェクト全体の技術戦略と経営を担当しております。本日はよろしくお願いいたします。

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Takeru | X

SunriseでCOOを務めておりますTakeruと申します。これまでの経歴としては、戦略コンサルタントとしてのキャリアを経た後、現CEOのKimuraと共にステーブルコイン発行企業を共同創業し、同社でCOOを担当しておりました。その後、Sunriseプロジェクトを立ち上げ、現在は事業全体の運営を統括しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

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Yusuke Jindo | X

Animoca Brands JapanでCFOを務めておりますJindoと申します。公認会計士として、現在は日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)の税制検討部会にて幹事も担当し、日本における税制改正の推進活動にも従事しております。これまでの経歴としては、監査法人トーマツにて暗号資産交換業者の会計監査および分別管理監査を経験し、その後は株式会社メルコインにて暗号資産交換業ライセンスの取得やAccounting & Taxマネージャーを経て、現職に至りました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

各プロジェクトについて簡単な紹介をお願いします。

Sunriseは「The base layer for InterLiquid Networks」という立ち位置で、企業や団体が開発するアプリケーションチェーン(※1)の基盤として機能するL1ブロックチェーンです。それぞれの独自チェーンが抱える流動性の分断問題を解消すべく、Sunriseはその中央的なハブとしてチェーン間の資産や情報の相互運用性を実現します。

Animoca Brands Japanは、親会社であるAnimoca Brandsの戦略的子会社として、日本と海外のWeb3プロジェクトをつなぐゲートウェイの役割を担っています。事業の柱は「IP事業」と「Web3プロジェクト支援」の2つで、前者では2025年3月に、IPとRWA(※2)の融合による推し活プラットフォーム「MetaChara」をローンチ。後者では日本発プロジェクトの海外展開支援や、海外プロジェクトの日本進出をサポートするだけでなく、バリデーター(※3)としてネットワーク基盤の運営にも関与しています。

アプリケーションチェーン
特定用途に最適化された独自のブロックチェーン。個別プロジェクトごとのニーズに応じて設計される
RWA(Real World Asset)
不動産や株式、知的財産など、現実世界の資産をトークン化してブロックチェーン上で取り扱う仕組み
バリデーター
ブロックチェーンにおいて取引の正当性を検証し、新しいブロックを生成するノード

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Sunrise Japan | X

Sunriseならではの強みや独自性を教えてください。

Sunriseの最大の特徴は、チェーン間のスワップが1トランザクションで完了する点にあります。これは一見、DEX Aggregator(※1)のような機能にも見えますが、従来のDEX Aggregatorはアプリケーションであって、パーミッションレスなプロトコルではありません。したがって、個別チェーンに分断された流動性を根本的に解決するものとは言えませんでした。

一方、Sunriseはパーミッションレス(※2)なプロトコルとして、チェーンをまたいだスワップを実現しています。これにより、開発者が独自チェーンやレイヤー2ソリューション(※3)を構築する際にも、Sunriseを基盤に組み込むことで相互運用性のあるスワップ機能を簡易に導入できるようになります。

また、「DA(Data Availability)」という表現については、Sunriseではあえて頻繁には使用しておらず、代わりに実際に相互運用性を担保する機構としての機能強化を重視しています。

DEX Aggregator(分散型取引所アグリゲーター)
複数のDEX(分散型取引所)から最適なレートで取引を実行するアプリケーション
パーミッションレス
参加や利用に特別な許可が不要なシステム。誰でも自由にアクセス・参加できる特徴を持つ
レイヤー2ソリューション
メインのブロックチェーン(レイヤー1)の外で取引処理を行い、スケーラビリティやコストを改善する技術

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Sunrise Japan | X

Sunriseのリブランドについて内容と目的について教えてください。

今回のリブランドでは、機能的な変更は行っていません。しかし、「データ可用性(DA)」という言葉を用いることで、Sunriseがあたかも「Ethereum L2」の代替DA(Alt DA)として限定的な文脈で捉えられるという誤解が生じていました。

我々の本質的なメッセージはそこにはなく、Sunriseが実現したいのはSovereign Rollup(※1)=主権型ロールアップによる新たなWebと金融のインフラのパラダイムの提示です。つまり、「Ethereumの部品」ではなく、「独立したインフラ」としての思想を打ち出すことが目的でした。

加えて、Sunriseを基盤に主権型ロールアップを構築することで、チェーン間で分断されていた流動性が解消されるという明確なメリットもあります。こうした独自の強みを、より簡潔に伝えるために、新しいブランド表現へとリフレーミングを行ったというのが今回のリブランドの背景です。

Sovereign Rollup(主権型ロールアップ)
他のチェーンに依存せず、独自の検証ルールやガバナンスを持つロールアップ方式。独立性と拡張性を両立しやすいアーキテクチャ

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Sunrise Japan | X

SunriseとAnimoca Brands Japanのパートナーシップについて教えてください。

Sunriseとしては、Animoca Brands Japan様が日本国内におけるWeb3プロジェクトの展開支援や、独自レイヤー2ソリューションの導入を検討している企業に対する支援などを行っている点に強い共感を抱いています。
我々が目指す方向性と非常に近く、戦略的な連携によって両者の活動を補完し合える関係が築けると考え、パートナーシップ締結に至りました。

一方、Animoca Brands Japanは、2025年1月にSunriseへの出資と戦略的パートナーシップの締結を発表しました。
この提携には、Sunriseバリデーターとしての参加や、ユースケースの共創などが含まれており、持続的なエコシステムの拡充を支援することが目的とされています。

また、同社は2024年後半よりDePIN(※1)領域に注目しており、Sunriseの技術がこの分野におけるユースケース創出にも大きく貢献できると評価しています。加えて、ディープテックや知的財産管理など多様なWeb3領域においても、Sunriseが技術基盤として活用される可能性に注目が集まっています。

DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Networks
物理的なインフラ(例:センサー、通信、ストレージ)を分散型で構築・運用するWeb3の新領域

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Sunrise Japan | X

今後のロードマップについて教えてください。

Sunriseの今後の展開としては、まずコミュニティラウンドによるパブリックセールを実施し、その後にメインネットローンチおよびTGE(※1)を予定しています。

また、まだ正式には発表できない段階ですが、Sunriseを基盤とした他社の独自ブロックチェーンソリューションについても複数のアナウンスを控えています。これに加え、我々自身もSunrise基盤のレイヤー2ソリューションを開発しており、それをショーケース的に紹介することで、Sunriseの優れた使い方の例として示すことを目指しています。

さらに、最近発表した「InterLiquid SDK(※2)」も、そうした活用例のヒントとなるものです。今後、このSDKを通じて、Sunrise上でのアプリ開発がより加速し、多様なユースケースが創出されることを期待しています。

TGE(Token Generation Event)
プロジェクトが独自トークンを正式に発行・配布するイベント
InterLiquid SDK
Sunriseネットワーク上で相互運用性のあるアプリケーションを開発するためのソフトウェア開発キット(Software Development Kit)

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Sunrise Japan | X

Sunriseではどのようなセキュリティ対策を取られていますか?

Sunriseのセキュリティ設計は、基本的にはProof of Stake(PoS)モデルの拡張的な仕組みを採用しており、PoSと同等かそれ以上の堅牢性を備えています。

具体的には、「Proof of Liquidity」と呼ばれる独自のセキュリティ構造を導入しており、これがvRISE(※1)と密接に連動しています。vRISEとは、一定の流動性を供給することによって初めて獲得可能となる設計であり、これを前提としたステーキングにより、ネットワークの正当性を保証しています。

この構造により、ただのPoSに比べてもより経済的インセンティブと一体化したセキュリティレイヤーが構築されており、信頼性の高いバリデーション環境が実現されています。

vRISE
Sunriseにおけるステーキングと流動性供給が結びついたセキュリティ構造の中核要素(トークン)。獲得には流動性提供が前提となる

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Sunrise Japan | X

「InterLiquid SDK」で最初にサポートしたい業界は何ですか?

「InterLiquid SDK」は、相互運用性を活かしたアプリケーション開発を支援するツールキットですが、その中でも最初に重点的にサポートしたいのは金融系の業界です。

ブロックチェーン技術と親和性の高い領域として、分散型金融(DeFi)やGameFi(※1)などが挙げられます。これらは広義の「金融」に分類され、トークンを用いた価値移転や経済圏の構築において、相互運用性のニーズが特に高い分野です。

そのため、まずはこうした金融関連領域に向けたユースケースの確立を進め、SDKの機能やメリットを明確に提示することが、初期フェーズの戦略として最も効果的であると考えています。

GameFi(Game + Finance)
ゲームの中で経済活動を行い、トークンやNFTを用いて報酬を得る仕組みを持つブロックチェーンゲーム

競合と比較した場合のPoLや流動性ハブ以外の強みは何ですか?

Sunriseにおける最大の差別化要素は、やはり「流動性ハブ(※1)」としての機能にあります。

例えば、CelestiaやAvailといった他のプロジェクトは、データ可用性(DA)レイヤーとしての機能に特化しており、主に「Layer2の基盤になれる」という役割を訴求しています。しかし、このモデルだけでは明確な差別化要素に欠け、経済的にもサステナブルとは言いがたいのが現状です。

実際、Celestiaのように高い時価総額を誇るプロジェクトであっても、ブロックチェーン上で日々発生するトークンバーン(※2)の金額はわずか数百ドル程度にとどまっており、収益性の観点で「安売り状態」に陥っているというデータもDeFiLlama(※3)等で確認できます。

Sunriseでは、このようなデータ可用性レイヤー単独での限界を踏まえ、「流動性ハブ」という機能をあわせ持つことで、ネットワークの経済的自立と持続可能性の両立を実現しようとしています。この設計思想により、単なるインフラではなく、長期的に稼働しうるイノベーション基盤としてのチェーン構築が可能となると考えています。

流動性ハブ
複数のチェーン間で資産をシームレスに移動・交換できる中心的なネットワーク機能
トークンバーン
供給量の抑制やインフレ対策を目的として、発行済みトークンを意図的に市場から除去する仕組み
DeFiLlama
分散型金融(DeFi)プロジェクトのデータを集計・可視化する代表的な分析プラットフォーム

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Sunrise Japan | X

将来的に目指すWeb3の姿についてビジョンを教えてください。

現在のWeb3領域では、EVMやSolana Virtual Machine、Move Virtual Machineなど、既存の技術環境における性能改善ばかりが注目されており、破壊的なイノベーションがやや乏しい状況にあると感じています。
これが今のWeb3における面白みに欠ける一因であり、真に新しいユーザー体験をもたらす革新性が求められていると考えます。

その点で特に参考にしているのが、「Hyperliquid」です。彼らは独自のチェーン上でパーペチュアル取引所を構築することで、新しいUX(ユーザー体験)を創出し、Web3に革新をもたらしました。これは、単なる仮想マシンの最適化とは一線を画す、本質的な価値提供です。

私自身は「ハイパーEVM」のような、既存技術の延長線上にあるものにはあまり魅力を感じておらず、Hyperliquidのように“地下鉄を掘る”レベルの大規模かつ根本的な開発こそが、Web3の未来を切り拓くものだと思っています。

とはいえ、誰もが巨大なインフラを構築できるわけではありません。だからこそ、Sunriseのレイヤー2ソリューションを活用することで、よりスピーディーかつ柔軟に“自分たちの地下鉄”を掘ることができる環境を提供したいと考えています。これは、開発者一人ひとりが創造力を最大限に発揮できるWeb3の未来像に通じるものです。

まとめ

今回のAMAでは、「即時流動性」と「高スループット」を両立する新世代のL1ブロックチェーン「Sunrise」について、その技術的背景とエコシステム、今後の展望が多角的に語られました。

Sunriseは、企業や団体が独自に構築するアプリケーションチェーンの基盤となることを想定した設計で、流動性の分断を解消する「流動性ハブ」機能を中核に据えています。これにより、相互運用性を前提とした柔軟なアーキテクチャを実現しています。

加えて、リブランドの背景では「Sovereign Rollup(主権型ロールアップ)」という構想が示され、単なるEthereum L2の代替ではなく、新しいWebと金融インフラの根幹を担う存在であることが強調されました。

また、Animoca Brands Japanとの戦略的パートナーシップや、InterLiquid SDKのリリース、メインネットとTGEに向けたコミュニティセールの計画など、実際の事業展開においても具体的な進展が語られました。

中でも注目すべきは、「Hyperliquid」などの革新的なプロジェクトに着想を得た“破壊的イノベーション”への志向です。Sunriseは、既存技術の延長線上ではなく、「誰もが地下鉄を掘れる」ような開発環境を提供することで、Web3の未来像をより拓かれたものへと導こうとしています。

Sunriseは、真に相互運用性と経済的サステナビリティを両立させる基盤として、今後のWeb3エコシステムでの存在感を一層強めていくことでしょう。

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