好きでつながるバーチャルワールド「Yay!」AMA内容まとめ

2023/11/30・

boarding bridge

好きでつながるバーチャルワールド「Yay!」AMA内容まとめ

執筆:Taka

2020年1月に誕生したバーチャルワールドとして、現在すでに800万人以上のユーザーを擁する「Yay!」のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。

今回のAMAでは、web2のソーシャルメディアとして躍進してきたYay!がweb3に進出した背景や、トークンを用いたエコノミクスの仕組みについてお話しを伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

目次

イベント概要

日時:2023年11月27日(月)21:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice/Chat

Giveaway:Proof of AMA × 10名

スピーカー

いしはま | Yay! Founder

arata | CryptoTimes

(敬称略)

AMAの内容

自己紹介

いしはま

2013年5月創業の株式会社ナナメウエの代表取締役を務めています。

誰もが素が出せるバーチャルワールド「Yay!(イェイ)」というサービスを運営しており、現在累計ユーザーは800万人規模となっています。これまでに20億ほどの資金調達を行なっています。

よろしくお願いします。

質問トピック

Yay!とはどのようなソーシャルメディアなのか教えてください。

Yay!はメディア化しないことを掲げている匿名性のソーシャルプラットフォームです。X (旧Twitter)のようなタイムラインや、Discordのようなコミュニティを作る機能、さらにはボイスチャット機能なども備えています。

現在のソーシャルはどんどんメディア化している傾向があると考えています。ユーザーはインフルエンサーやオピニオンリーダーの意見を見るだけで、単方向の発信の場になっているのです。本質的なソーシャルというのはそういうものではなく、双方向であるべきです。誰でも気軽に素を出せる。そんなSNSを目指して運営しています。

Yay!について | LP

機能面で他のSNSと差別化できる点はどのようなところですか?

現在のソーシャルメディアは、機能ベースでいえば違いがあまりありません。国内ではFacebookやInstagram、XやLINEなど、さまざまなSNSが普及していますが、どれも投稿ができて写真をあげられたり、フォローできたりと一般的な機能は似たようなもので、違うのはコンセプトです。

Yay!ではフラットなコミュニティを創るために、メディア化してしまわないよう機能やアルゴリズムを調整して運営しています。

トークン(NFT&FT)を用いたエコノミクス設計について説明をお願いします。

プラットフォームにはFTとしてYAYとEMPLE、NFTとしてYay! GenesisとYay! Palが存在します。

YAY

概要:ガバナンストークン、Ethereumで発行、発行上限100億

YAYはガバナンストークンであり、Yay!のエコシステムに関しての重大な意思決定権を持ちます。利用者はEMPLを引き出す際に、市場価格でYAYに交換することで出金が可能です。取引所で取得できるほか、ステーキング、Palの購入数やGenesis保有者のPalミント数等の条件を満たす事により、YAYを報酬として受け取ることができます。

EMPLE(EMPL)

概要:ユーティリティトークン、Arbitrumで発行、発行上限なし

ユーティリティトークンであり、コミュニティ貢献に対する対価として新規発行され、Palのバトルの結果に応じて配布されます。

各種報酬はEMPLとLocked EMPLに分かれます。EMPLとLocked EMPLは、サービス内での利用においては同一のものとして扱われ、Locked EMPLが先に消費されます。Locked EMPLは出金することができませんが、EMPLは市場レートでYAYに交換することでサービス外に出金できます。

トークン | LP

Yay! Genesis(Genesis)

概要:Yay! Palをミントする権利をもつNFT、Ethereumで発行、発行上限5000枚

Genesis | Yay! ホワイトペーパー

Genesisには、専用ページにて決められた額のETHと引き換えにPalをミントする機能があります。Genesisは5000体の有限発行で、Ethereum上に存在していますが、LayerZeroを使ってPalをArbitrum上でミントをすることができるような設計です。

Genesis保有者はPalをプールに供給する、あるいはマーケットプレイスで売却することができます。Palをプールに供給した場合、一定のYAYを120日間にわたり受け取ることができます。Palをマーケットプレイスで売却する場合は即座に売却益を得ることができます。

Yay! Pal(Pal)

概要:Play to EarnのためのNFT、Arbitrumで発行、発行上限なし

Pal | Yay! ホワイトペーパー

PalはPlay to Earn用のNFTとしてデジタルペットをモチーフにしており、Arbitrum上で発行されています。

Yay!の利用者は、Palを保有してコミュニティ貢献を行うことでバトルに参加でき、EMPLとLocked EMPLを報酬として受け取ります。Palには寿命があり、寿命を迎えるとコミュニティ貢献による報酬は受けられなくなります。しかしその後も特別なユーティリティが用意されています。

Palの取得方法としては、マーケットプレイスでPalを購入する方法(有料)と、プールでPalを取得する方法(無料)の2種類があります。 後者ではPalを無料で取得することができますが、マーケットプレイスで購入する場合に比べて報酬が少なくなります。

GameFiやSocialFiで課題となっているサステナビリティをどのようにカバーしますか?

通常のGameFiはミントをPlay to EarnのNFT同士で行うため、非線形に増えていってしまうというということが課題でした。

Palにはまず特徴として、寿命があること、更にミントがGenesisからしか行えず、Genesisの個数は有限であること、Genesisがミントした後にクールダウンタイムがあることから市場の個数が増えすぎない仕組みがあります。それでもマーケットプレイスで買い圧が足りない場合は、ミントしたPalをプールに入れることができるような設計になっており、ユーザーは無償でPalをプールから引き出してPlay to Earnできる仕様になっています。無料で使えるのであれば、Palの在庫は捌けるであろうという発想です。

加えて、GenesisがPalをミントする際に使われるETHやNFTのトランザクションで発生するETHは、すべてYAYトークンの購入に使われます。そのため通常のGameFiのように、その部分の収益のETH自体を運営費に充てることはありません。なぜなら、Yay!自体に関してはユーザーが増えていけば自ずと売上が増える構造になっています。これは広告やギフト、サブスク会員から得られる収益です。その外部収益でコストをまかないつつ、トークンを買い上げる設計にしているため、ユーザーにとってプラスサムな経済圏を創ることを考えています。

トークン買いの仕組みですが、ユーザーがEMPLを出金するときにYAYに交換する形で出金できるようになっています。例えば$1000のEMPLを出金すると、APIを通じてbitFlyerでトレジャリーのETHを原資にYAYを$1000分購入します。そして、そのうちの$850のYAYをユーザーのウォレットに送金し、15%は交換手数料としていただく形になっています。

つまり利用者の出金はYAYの買い圧力につながり、仮に利用者が出金後にYAYを売却したとしても、手数料によって売り圧力よりも買い圧力の方が大きくなるように設計されています。

YAYに価値を還元する仕組み | Yay! ホワイトペーパー

トークンアロケーションにおけるIEOとエアドロップについてお聞かせください。

IEOとエアドロップはそれぞれ3%と4%を想定しており、海外のプロジェクトをベンチマークしながら作成しています。

IEO販売

アロケーション:300,000,000 YAY(3%)

国内取引所bitFlyerでのIEO実施により、投資家に対して販売されます。

エアドロップ

アロケーション:400,000,000 YAY(4%)

コミュニティへの貢献やテストネットの参加、各種イベントに参加することに対しての報酬として、トークンリスティングの前に配布されます。

YAYの保有者分布| Yay! ホワイトペーパー

コミュニティ質問

コミュニティ貢献とは具体的に何を指しますか?

コミュニティ貢献とは、投稿するだけ、または投稿にいいねするだけという単純なものではなく、GoogleのSEOのようにアルゴリズムが組まれています。具体的には、ユーザーの信頼度を長期で計測するトラストスコアと、ユーザーの行動を計測するアクティビティスコアという2つの要素を数値化して掛け合わせています。このスコアの高さによってコミュニティ貢献ゲージの貯まりやすさが変わってきます。

Yay!のアクティブユーザー数はどれくらいですか?

現在DAUベースで数十万には達していますが、現時点で具体的な数字は公開していません。こちらは然るべきフェーズがきたら公開する予定です。

ブロックチェーンに詳しくないユーザーへのアプローチはどのように考えていますか?

ブロックチェーンであること、トークンNFTであることをユーザーに意識させないことが最重要だと考えています。これは、メタマスクや取引所という概念に触れずに、今までのアプリの延長線上で使いながら稼げるような仕組みを構築しています。

Yay!のユーザー層は、未成年が15%、18歳から22歳までが45%、28歳以上が15%という割合です。EMPLはAmazonギフト券などにも交換できるため、未成年やweb3の知識がないユーザーでも金銭化まで完結することができるようになっています。しかし、Amazonギフト券に交換するよりもウォレットや取引所に出金する方が換金率は良くなるため、稼いだ後にweb3に触れるきっかけを提供していければと思います。

Palのバトルはどのような形式ですか?

こちらは属性やレベルといった要素は取り入れつつ、シンプルなものにしていきます。Yay!はあくまでオンボーディングプラットフォームであり、ユーザーがゲームを楽しみつつ、そのコミュニティがYay!で形成されることが理想形です。そのため、アプリケーションの一部であるゲームの機能は、リッチさを追求するよりも、誰もが気軽に遊べるものにしていきたいです。

アプリの海外展開は予定していますか?

現在、ユーザーの約1割はタイとインドネシアのユーザーが占めています。トークンの上場なども含めて、まずはアジアを中心に展開していけたらと思っています。

オリジナルのウォレットアプリを作る予定はありますか?

STEPNと同じように、Yay!のアプリにウォレット機能が内蔵されます。そういう意味ではオリジナルのウォレットを作ることになりますが、ウォレット単体をプロダクトとしてリリースする予定はありません。

Yay!の構築にあたって参考にした他のSocialFiアプリはありますか?

他のSocialFiプロジェクトと同様に、コンテンツをブロックチェーン上に持ち込むことは重要だと考えている反面、アプローチの順番が違うと感じています。そもそもなぜソーシャル情報をブロックチェーンに書き込む必要があるかといえば、そのコンテンツが失われると困るからです。中央集権的なプラットフォームでは、運営のさじ加減で投稿を削除されてしまう可能性が問題とされていますが、それはそのプラットフォームに思い入れがあってこその話だと考えています。Yay!では、まずプラットフォームとしてユーザーに必要性を感じてもらうことを第一に考えています。

SocialFi要素を取り入れることで、既存ユーザーの属性に影響しませんか?

ユーザー属性に影響を与える懸念はたしかにあります。とはいえ、XやYoutubeもユーザーの収益化を進めている中で、変化はあるものの受け入れられているように感じています。Yay!でもおそらく多少の変化は予測されますが、大きな成長をするためにはそのリスクを取る必要があります。

世界には数億のユーザーベースを持つアプリが存在します。Yay!の800万人というユーザー数は、ソーシャルプラットフォームとしてはまだ大きな数字ではありません。そうした中で勝ち残るためには、トークンを用いたサステナブルな金銭的インセンティブを取り入れることが大きな突破口になると考えています。

まとめ

Yay!では2種類のFTと2種類のNFTを用いたトークノミクスが構築されており、LayerZeroのクロスチェーンメッセージングを用いて、EthereumメインネットのNFTを元にレイヤー2のArbitrumでNFTをミントするという高度な仕組みが採用されている点は特徴的です。

その一方で、ユーザーにはブロックチェーンを意識させずにインセンティブを提供できるUI/UXに取り組んでおり、web3の障壁を下げるゲームチェンジャーとして期待されます。国内でのIEOも発表されており、今後のアップデートにも注目していきたいところです。

関連リンク

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