仮想通貨のミライ【第1回】「コンドラチェフ循環とブロックチェーン」
ユッシ
最近は少し下火の仮想通貨ですがみなさんはどのような仮想通貨の未来を思い描いているでしょうか。
「ブロックチェーンはすごい」「ブロックチェーンは世界を変える」と世間では言われてきましたが実際どうなるのでしょうか。
今回は経済学という一歩引いた視点からブロックチェーン、仮想通貨について考えてみたいと思います。
それではいきましょう!!
目次
景気循環という考え方
好景気、不景気はある一定のパターンで循環するという「景気循環」という考え方があります。
この景気循環にはキチン循環、ジュグラー循環、クズネッツ循環、コンドラチェフ循環と呼ばれる代表的な4つのものがあります。
それぞれ簡単に説明します。
キチン循環は企業の在庫の変動が景気循環を形成するという考え方で、1〜2年程度が景気循環の周期であるとされています。
ジュグラー循環は設備投資が景気循環を形成しているという考え方で、10年を景気循環の周期としています。
クズネッツ循環は、建設投資が景気循環を形成しているという考え方で、約20年を1周期として定義されています。
そして、最後が今回の記事で重要なキーワードであるコンドラチェフ循環です。
コンドラチェフ循環は新技術が景気循環の流れを形成しているとする考え方で、そのサイクルは約50年と言われています。
ざっと代表的な4つの景気循環について説明したところで、今回のメインテーマであるコンドラチェフ循環について詳しく見ていきたいと思います。
コンドラチェフ循環
コンドラチェフ循環とはソ連の経済学者であるニコライ・コンドラチェフが唱えた説です。
コンドラチェフ循環は技術革新が景気循環を形成しているという考え方です。
景気が落ち込んだ時に画期的な新しい技術が生まれ、その技術が世界経済を引っ張っていくと考えます。
新技術に牽引された経済は50年ほどで衰退し、衰退したところでまた新しい技術が生まれて好景気の波が生まれるというふうに循環していきます。
新技術が生まれる→景気が良くなる→景気が落ち込む→新技術が生まれる→景気がよくなる…….
というように経済が循環しているということです。
この技術革新によって経済が循環していうコンドラチェフ循環を図で示すと以下のようになります。
上の図は景気が落ち込んだ時に革新的なイノベーションが生まれ、それらが景気を牽引してきたということを示しています。(周期は約50年)
現在は、エレクトロニクス(ITと捉えてOK)などを始めとする技術が世界経済を牽引してきた第4波の時代が終わろうとしており、新しい上昇気流が起き始めているあたりと考えられています。(これには諸説あり)
ここで1つ重要なポイントがあります。
それは、1つの技術が経済を引っ張るのではなく複数の技術が絡み合って好景気の波を起こすという点です。このポイントは今回のコラム「仮想通貨のミライ」で重要なポイントになっているので頭の片隅に留めておいてください。
ここで一旦今まで説明したコンドラチェフ循環の特徴をまとめておきます。
コンドラチェフ循環の特徴
・約50年周期で経済は循環する
・景気が落ち込んだ時に技術革新が生まれ、それらが好景気へと牽引する
・1つの技術ではなく、2つ以上の技術が絡み合って経済を牽引する
来る(もうすでに来つつある)第5波は何の技術によって牽引されるのでしょうか。次に説明していきたいと思います。
どの技術が次の時代を牽引するのか
これまで、コンドラチェフ循環の特徴を説明してきましたがどの新しい技術がこれからの時代を牽引していくことになるのでしょうか。
時代を牽引する技術の有力候補と言われているのがブロックチェーン技術です。
ブロックチェーンは分散型台帳と呼ばれ、中央集権的にデータを管理するのではなく、分散して個人個人が監視し合ってデータを管理するシステムです。
トランザクションと呼ばれる取引データをいくつかまとめてブロックにし繋いでいるのでブロックチェーンと呼ばれています。
よく分からないという方は「取引を時系列順にまとめた電子帳簿のようなもの」と捉えてもらえれば良いかと思います。
・例え話を紹介!ブロックチェーンの仕組みを上手く説明・解説する方法
・【仮想通貨】Bitcoin(ビットコイン) の仕組みに関して
「分散型に管理ができる」「データの改ざんが不可能」なブロックチェーンがあることによって世界の何がどう変わって、それが経済にどう影響するのでしょうか。
そもそも好景気ってどういう状態?
さきほどのコンドラチェフ循環の説明の中で好景気という言葉をさらっと使いましたがそもそも好景気とはどういう状態なのでしょうか。
「好景気」とは経済活動の勢いが活発な状態のことを言います。
経済活動とは人間の社会生活において、金銭や物資の交換を行うことです。
「バンバン買い物してお金を使う。企業側もバンバン製品を売る」といった状態を好景気と言うことができます。代謝がすごい良い子供みたいな感じとイメージすると分かりやすいかもしれません。
では、次の時代を牽引すると期待されているブロックチェーンがどうやって世界経済の循環を良くするのか見ていきたいと思います。
価値を送れることで循環する
ブロックチェーンは「価値」を簡単に送ることができます。
これは何も国際送金など海外にお金を安く早く送れるという意味だけではありません。
ブロックチェーンを元にしたスマートコントラクトという技術を使えば、取引データは信頼性が確保されているのでC2C(個人同士)で価値を送ることができます。
価値が送ることができるようになれば、必然的に経済の循環が良くなります。
個人が簡単に金融市場を作り出せる
これまで金融市場を作るには莫大なコストが必要でした。
しかし、ブロックチェーン技術が持つ世界中の人が監視し合うという仕組みのおかげで大幅に管理コストを削減し、誰でも新しい経済圏を創り出すことが可能となります。
これによりこれまでと違った小さな経済の循環が沢山起きることが予想されます。
まとめ
コンドラチェフ循環の説明から、なぜブロックチェーンが新時代を牽引する技術と期待されているかについて色々と書いてきましたがいかがだったでしょうか。
ブロックチェーン技術はMicrosoft、Yahoo!、LINE、Googleなど世界の大企業がこぞって取り入れている技術です。また、世界中のベンチャー企業もブロックチェーン業界の第一人者になろうと力を入れています。
かつてインターネットの登場により世界が大きく変わったように、ブロックチェーンによってこれまでとは大きく変わった新しい時代が来ると私は思っています。
ブロックチェーンはインターネットと違い直接表に出てくるものではありませんので体感はしにくいと思いますが、ブロックチェーン、特に「価値を簡単に送ることができる」という点はそれぐらい画期的なものだと思ってます。
既存のものを破壊し新しいものを創造するRockなブロックチェーンによって、現代社会の課題を解決し、より良い社会に生まれ変わることを期待しましょう!
最後まで読んでくださってありがとうございました!
コラム「仮想通貨のミライ」はまだまだ続きますので楽しみにしてください!