12月8日深夜に控えるEthereum(イーサリアム)の次期アップデート「イスタンブール」の概要

2019/12/03・

Shota

12月8日深夜に控えるEthereum(イーサリアム)の次期アップデート「イスタンブール」の概要
ct analysis

Ethereum(イーサリアム)では、12月8日AM4:00頃に予定の9,069,000ブロックでネットワークのアップデート「イスタンブール」が予定されています。

このアップデートはEthereumのロードマップで8番目のアップデートに該当し、今年2月末に行われた「コンスタンティノープル」の次のものに該当します。

本記事では、明後日に予定されるイスタンブールの具体的なアップデートの内容を見ていきます。

※内容はEthereumのwikiを参考にしています。内容に間違い等ある可能性がございますがその際は、ご指摘ください。

イスタンブールでのアップデート内容

Ethereumのアップデートは、EIP (Ethereum Improvement Proposal)と呼ばれる新規の改善案をベースに行われていきます。

これには、プロトコルのコア技術の仕様やクライアントのAPI, コントラクトの規格などが明記されています。

以下は、今回のイスタンブールで実装が予定されているEIPになります。一つずつ見ていきましょう。

EIP-1679 イスタンブール

このEIPには、イスタンブールのハードフォークに伴うプロトコルの変更に関するリストが記載されています。

イスタンブールにおける主な変更点は以下の4つになります;

  • 計算コストやDoS攻撃への耐性に基づいた、いくつかのOpCodesのGas消費量の見直し
  • SNARKs, STARKsの技術を利用したレイヤー2(オフチェーン処理)のスケーリング改善
  • EthereumとZCashのインターオペラビリティ
  • コントラクトにより多くの機能を追加

EIP-152:ZCashとのインターオペラビリティ

Ethereumの一つのコントラクト内でEqualhash PoWの検証が完結する。これによりZCashとの相互運用性が生まれる。

詳細:https://github.com/ethereum/EIPs/pull/2129

EIP-1108:zk-SNARKs

zk-SNARKsのガス消費がより安価に。安価でスケールし、プライバシーの保護もできるアプリケーション開発が可能に。

例:Matter Labs, Aztec, Rollup, Zether

詳細:https://eips.ethereum.org/EIPS/eip-1108

EIP-1344:コントラクトの正当チェーン追跡

コントラクトが正しいチェーンを追跡できるように。特にハードフォーク時に、レイヤー2(ステートチャネルやPlasma)が正しいレイヤー1のチェーンを追跡できるように。

詳細:https://eips.ethereum.org/EIPS/eip-1344

EIP-1884:EVMのOpCodes, ガス消費量の調整

トランザクションのスパムを防ぎブロックの均一化を図るため、いくつかのEVMのOpCodesのガス消費量を調整。Ethereumのネットワークで発生する手数料が計算コストに基づいたものに。

現在、安価なOpCodesも計算コストに比例して割高に。

詳細:https://eips.ethereum.org/EIPS/eip-1884

EIP-2028:データ呼び出しコストの下方修正

トランザクションにおけるデータ呼び出しのコストを下げることで、zk-SNARKs, zk-STARKsを安価に。これによりレイヤー2のスケーリングにおけるスループットが改善。

詳細:https://eips.ethereum.org/EIPS/eip-2028

EIP-2200:EVMストレージコストの計算方法見直し

EVMにおけるストレージコストの計算方法変更, 同一のコントラクトに対するmulti-send(複数回送信)などの新たな機能追加。

詳細:https://eips.ethereum.org/EIPS/eip-2200

まとめ

残り数日に迫るEthereumの次期アップデート, イスタンブールについてこの変更点をまとめました。

このアップデートでは、特にプライバシーとレイヤー2(オフチェーン)におけるスケーリングが大幅に改善されると考えられます。

参考:Istanbul October 2019 Planned Ethereum Network Upgrade

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