ICOにおいてEthereum(イーサリアム)の代わりとなる仮想通貨はあるのか?
Crypto Times 編集部
この記事の3つのポイント!
- 今まで、大半のICOはプラットフォームとしてイーサリアムを利用してきた。
- イーサリアム以外のブロックチェーンを利用したICOが出始めている。
- これからもICOのイーサリアム基軸は続くが、分散化も進むとみられる。
イーサリアム一強のICO市場
イーサリアムはICO市場においてプラットフォームとして長い間支配的な立場にあり、ICOを行う際、大半の場合はイーサリアムが使われてきました。
その理由としては、イーサリアムは新しく独自のブロックチェーンを作るのに適切で便利とされるためです。
またそれに加えイーサリアムをベースにした信頼できるトークンの統一基準であるERC20があることも挙げられます。
ERC20トークンはCoin Market Capにおいて軒並み上位にランクインしており、Tether(Omni)とNEOを除いてCoin market Cap上位100位にランクインしているトークンはすべてイーサリアムをベースとしています。
イーサリアム以外のICOプラットフォーム
しかし、イーサリアムの代わりになり得るとされるブロックチェーンが既に多くあり、イーサリアムの優位性を脅かす動きもあります。
例えば、1月にICOが行われたMobiusは、イーサリアムではなく、Stellarをプラットフォームに使用し、大きな注目を浴びました。
またイーサリアム以外に、Stellar,NEO,Omni,Qtum,Bitshares,Wavesのように既にICOを成功させたブロックチェーンは13個あります。
この中でもとくに、NEOはイーサリアムと全く違う性質を持ちながらも、イーサリアムの代わりになり得るとして大きく期待されています。
事実として、NEOをプラットフォームにした4つのトークンが、1月に中国のブロックチェーンプラットフォームおいて、上位200位にランクインしています。
またWavesはICOプラットフォームとして人気を博し、Tetherは珍しいビットコインをベースにしたオープンソースプラットフォームとして知られています。
Stella,Qtum,NEMもまだ初期段階ながらも、すでに有望なプロジェクトを開始しています。
2018年これからのICO市場はどうなるのか
イーサリアムが2018年のICO市場において直面している状況は、2017年の仮想通貨市場でのビットコインを想起させます。
ビットコインは長年にわたり、仮想通貨市場資本の90%を占めていましたが、2017にイーサリアムを筆頭にアルトコインがシェアを奪い始めました。
しかし結局ビットコインのシェア率がアルトコインに追い抜かれるパラダイムシフトは起きることはなく、ビットコインは年初から市場資本の三分の一を占めており、依然として仮想通貨市場の主要通貨です。
これと同様にイーサリアムのICOプラットフォームとしての支配的役割は揺らぐことはなく、ERC20規格も新しいトークンを作る際の重要な基準であり続けると考えられます。
しかしながら、今後ますますイーサリアム以外のブロックチェーンがICOに利用されるようになり、ICOを行う際、選択の幅が広がるとみられています。
それにより、それぞれのブロックチェーンの性質を考慮する傾向が進み、ICO市場はますます分散化が進んでいくことが推測されます。