ビットコイン手数料56%減、10万ドル割れでマイナー危機か

ビットコイン（BTC）の価格が11万ドルを割り込んだだけでなく、2025年に入りネットワーク手数料は年初来で56%も減少しており、マイニング企業の収益が圧迫される危険性が増しています。

1日の平均手数料は1月初旬の約4.7BTCから現在は2BTC強まで落ち込んでいます。マイナーの総報酬に占める手数料の割合も第1四半期の1.35%から直近3ヶ月では0.78%まで低下しました。

この手数料減少はマイナーの収益構造に変化をもたらしています。ブロック生成報酬（3.125 BTC）は固定のためマイナーの収益はビットコインの市場価格への依存度を強めています。価格が10万ドルを下回るような下落局面ではマイナーの収益が急激に圧迫されるリスクがあります。

米中合意でリスクオン？ビットコインに資金流入期待

一方でネットワークの混雑はほぼ解消されました。平均ブロックサイズも第1四半期から約10%縮小しています。利用者にとっては送金が安価かつ迅速に処理される利点となっています。

歴史的に価格上昇はネットワークの混雑を伴いました。しかし現在は価格と手数料の間に負の相関が見られます。この事実は取引活動が取引所やカストディアンによるオフチェーン（ブロックチェーン外）処理へ移行した可能性を示しています。

ネットワークが安価で安定稼働している現在の状態は、機関投資家の利用を支える「新しい平衡状態」とも考えられます。