米、脱中国依存へ10億ドル投資。BTCは「デジタルゴールド」になれるか

米国防総省（ペンタゴン）がレアアース（希土類）などの重要鉱物を確保するため、10億ドル規模の備蓄計画を開始しました。この動きは中国への資源依存からの脱却を目指す国家安全保障上の戦略であり、金（ゴールド）やビットコイン（BTC）といった資産の役割にも影響を与え始めています。

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THE PENTAGON IS MOVING TO STOCKPILE UP TO $1 BILLION IN CRITICAL MINERALS

The race is on…

— Gold Telegraph ⚡ (@GoldTelegraph_) October 12, 2025

この計画は電気自動車や最新鋭の戦闘機、半導体の製造に不可欠な鉱物を国内で備蓄することを目的としています。背景には中国がレアアースの輸出規制を強化し、サプライチェーンへの懸念が世界的に高まったことがあります。米国だけでなく欧州各国も同様にエネルギー転換や地政学的リスクに備えて備蓄を急いでいます。

こうした緊張の中、中国政府は先週末に態度を軟化させました。輸出規制は完全な禁輸措置ではなく国際法に則った合法的なものであると主張し、基準を満たす申請は承認されると表明。この発表は市場が織り込んでいた最悪のシナリオへの懸念を和らげ投資家の不安をいくらか後退させました。

トランプ発言で市場動揺。ビットコインに資金集中

伝統的に資源をめぐる国家間の緊張は安全資産である金の価値を高めてきました。しかし今回はリチウムやコバルトといった「戦略的鉱物」もまた安全保障上の価値を持つと見なされ始めており金の新たな競争相手となっています。

一方、ビットコインは物理的な供給網から独立した「デジタルゴールド」としての側面を持ちます。貿易摩擦が悪化すれば、その価値は避難先として見直される可能性があります。しかし、市場全体のリスク回避ムードには脆弱であり半導体不足などがマイニングの経済性に影響を与える可能性も指摘されています。

ペンタゴンの動きは「価値の保存手段」の定義が従来の金だけでなく戦略的重要性を持つ鉱物やデジタル資産へと多様化していることを象徴しています。