米国、暗号資産分野で後退の可能性|米投資運用会社が指摘

米国、暗号資産分野で後退の可能性|米投資運用会社が指摘

米国が暗号資産分野において最前線の地位から退く可能性があると米投資運用会社「ARK Invest」がニュースレターの中で指摘しました。

米仮想通貨取引所Coinbaseの株を保有していることでも知られるARK Invest。同社のYassine Elmandjra氏は、Jane Street GroupやJump Tradingが同国での暗号資産関連事業の縮小をおこなった事例を挙げながら、米国の暗号資産エコシステムに対する機関投資家の注目が停滞する可能性が高いと指摘しました。

今月上旬、世界最大規模のマーケットメーカーとして知られ2020年に17兆ドルの証券取引をおこなったとされるJane Streetは世界的に暗号資産分野での事業を縮小。同じく大手マーケットメーカーのJump Tradingも規制の不確実性を理由に米国市場から撤退していることが報じられています。

昨今、米国における暗号資産の流動性は大きく減少しボラティリティは増加傾向にあるなか、先週、仮想通貨取引所Binance.USでのビットコイン価格が他の主要取引所と比較し600ドル高かったことは、*価格発見が弱いことを示しているとElmandjra氏は述べています。*価格発見 = 価格が取引対象の価値を適正にあらわすこと

同氏は、ニュースレターの中で米国の代わりに変革産業を牽引する可能性のある国としてUAE、韓国、オーストラリア、スイスなどの国を挙げました。

今年3月にCoinbaseが米国証券取引委員会(SEC)からWells Noticeを受け取ったことなどをきっかけに、同社は米国からの撤退の可能性も検討していることを示唆しています。

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同社は現在、Elmandjra氏も候補として挙げていたUAE(アラブ首長国連邦)に進出中で、UAE構成国の1つで人口約1140万人を抱えるアブダビにおいて、Coinbaseは金融サービス規制庁(FSRA)と規制対象取引所のライセンス取得の可能性について協議を行っています。

今月上旬には創設者兼CEOのブライアン・アームストロング氏を含む幹部チームがUAEに訪問。政策立案者や規制当局との積極的なコミュニケーションを取っていることを明かしました。

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先日、バイデン政権は米国の競争力および国家安全保障に不可欠な重要・新興技術に関する業界標準(Standard)に関する国家戦略を発表し、その中でデジタルIDインフラと分散型台帳技術を対象項目として挙げました。

米国の暗号資産市場に対する規制当局や政府、米に拠点を構える暗号資産関連企業の今後の動きが注視されます。

記事ソース:ARK InvestBloomberg

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