2018年にリリースされたビットコインASICのうち利益が出るのは5機種のみ
Crypto Times 編集部
2018年は仮想通貨市場全体が下落傾向にあった事もあり、より高いハッシュパワーを少ない電力で得る事ができる高性能なマイニングリグへの需要が高まりました。
しかし、そんな努力を尻目に下落し続けるビットコインによって、その多くは利益を出せない状況に陥っています。さらに驚きなのが、今年リリースされたマイニングリグのうちの多くがいまだに発送すらされていないという点です。
目次
利益を出す事ができる5つのマイニングリグ
2018年はSHA-256アルゴリズムを採用しているBitcoin Cash(BCH)、Bitcoin(BTC)、Peercoin(PPC)などの通貨がその価値の大半を失いました。その影響により、今年リリースされたばかりのマイニングリグの多くは利益を生み出せない状況になっており、いくつかの機種は現在購入すらできないと報じられています。
Asicminervalue.comのリアルタイム統計によると、現在は5機種のみが利益を出せるとされていますが、そのうちの2機種はいまだ発売されていません。(当記事執筆時点では25機種ほどにまで回復)
この統計は電気料金とネットワークの難易度、現在のレート、ブロック報酬などの情報を元に利益を算出しています。
大きなテラハッシュを持つASICを持ってしても利益は小さめ
現時点で利益を出す事のできるマイニングリグの多くはEbang、Asicminer、Innosilicon、Bitmainによって製造されたものです。
Ebang Ebit E11++は消費電力1980W、毎秒44テラハッシュで元記事執筆時点では最も利益が出せるマイニングリグとなっています。このマイニングリグは2500ドルで販売されており、執筆時のBTCの価格だと1日あたり1.39ドルの利益を出す事ができます。
Asicminer 8 Nanoも同様に毎秒44テラハッシュで稼働しますが、消費電力が2100WとEbangよりも高くなっています。こちらは今年10月に発売されたモデルで、1日の利益が1.02ドルとなっています。Asicminer 8 NanoはMining Caveというカナダのディーラーから購入可能で価格は2045ドルに設定されています。
そして、InnosiliconからはT3という新型のマイニングリグが販売されています。こちらは出力が毎秒43テラハッシュとなっていますが、現時点では一般向けには販売されていません。販売予定は2019年1月で価格は2500ドルに設定されています。こちらのマイニングリグは1日あたり0.84ドルの利益が出せる計算となっています。
マイニングすればするほど赤字に
元記事執筆時点で利益を出せるマイニングリグは少数だと紹介しましたが、それはつまり起動しておけばおくほど赤字になるマイニングリグが数多く存在するという事になります。
GMOのB2とB3というマイニングリグは24-33TH/sほどの処理能力を誇りますが、1日あたりの利益はマイナス1.90から4.98ドルとなっています。また、Innosiliconの現行モデルは入手不可能なT3を除いて全て利益がマイナスという事態に陥っています。
Whatsminerというメーカーのトップ4機種(M10、M10s、M3、M3X)も他の機種と同じで、1日の利益はマイナス1から4.25ドルと厳しい状況に追い込まれています。さらに、マイニング最大手のBitmainやCanaanらの機種ですら多くが利益を出せないのが現状です。
BTC価格が大幅に回復しない限りマイナーの厳しい状況は続く見込み
今年は多くのマイニングリグメーカーが7nmおよび10nmプロセスチップを搭載し、電力効率を大幅に改善した機種を発表しましたが、ベアーマーケットが続く中で利益が出せる機種は非常に限られてしまうという状況になりました。
しかし、今回紹介したデータはあくまで記事執筆時点でのビットコインのレートを元に算出されたものであり、これらの数字は毎日変化し続けています。2019年に入り、トレンドが転換するのであれば、マイナーはより多くの利益を獲得する事ができるでしょう。
記事ソース: Bitcoin.com