【イベントレポート】Tokyo Blockchain Contents Conference 2020 ~ アート業界におけるNFT活用

【イベントレポート】Tokyo Blockchain Contents Conference 2020 ~ アート業界におけるNFT活用
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    こちらの記事は、2020年10月23日に開催されたTokyo Blockchain Contents Conference 2020 (例年はTokyo Blockchain Game Conference 2020)の中のアート業界におけるNFT活用に関するディスカッションのレポートです。

    今回のディスカッションはミスビットコインの司会のもと、アメリカの人気DJである3LAUをはじめ、ブロックチェーン上でアートの売買を行うSuperRareのCEO、John Crainなどの特別ゲストを交えたセッションでした。

    豪華メンバーを交えたセッションではアーティストによるNFTの活用方法や、NFTによって可能になるアーティストとファンの新たな関わり方などについて話し合いました。

    登壇者

    ミスビットコイン(藤本真衣)

    ブロックチェーン業界に10年ほど関わっており、Double jump、Animoca、Aniqueのアドバイザーを務めている。

    綾斗優

    10年ほどビジュアルプログラム業界で働いたのち、暗号資産業界へ。2006年からメディアアーティストとして活動しPremiumJapanProject合同会社・代表の代表を務めている。

    John Crain

    SuperRareの創始者でありCEO。暗号資産に携わる前はクリエイティブテクノロジーと広告業界で働いていた。また、​ジェ ネレーティブ​アーテイストとしても活動しており、アートと暗号資産を融合する仕事をしている。

    SuperRareには553人のアーティストがいて、1500点近くのアートが展示されている。

    Justin(3LAU)

    世界的に有名なアメリカ人 DJ、そしてエレクトリックダンスミュージックプロデューサーとしても活動している。ブロックチェーン業界には6年程携わっており、音楽とアートの新しいショーケースとしてNFTは1年ほど関わってい る。

    Steve Lee

    Block Tower Capitalに務めており、2017年から暗号資産業界に携わる。以前はポートフォリオマネージャー兼投資家として8年間ほどゴールドマン・サックスで働いていた。

    Tokyo Blockchain Contents Conference 2020

    Super Rareの優れた点や可能性

    セッションはトークン化されたデジタルアートワークピースの売買を行うことができるプラットフォームSuper Rareについての談議から始まりました。

    Super Rareではレベルの高いアーティストが揃っていることが特徴となっていますが、アーティストのリクルート、アーティストからSuper Rareの利用を始める両方により使われるプラットフォームとなっています。

    現在では、Super Rareを用いることは、コロナウイルスの影響でイベントが開催できなくなったアーティストたちの新たな収入を作ることができるので、時代のニーズを捉えたサービスになっています。

    その中の特徴として、グラミー賞受賞アーティストである、RACがSuperRareで初めてNFTを使って売り出した際に26,000ドルの値段がつくなどの盛り上がりを見せています。

    また、アーティストがいつアートを展示するか自分で決められることもサービスを利用したアーティストから評価されていることも特徴としてあげられています。

    実際にプラットフォームを利用したJustin氏は、他のプラットフォームと比べて優れている点として、アートの質、収益のスムーズな支払い、そして運営とアーティストのコミュニケーションを上げました。

    Justin氏によると、Super Rareは「僕のアート作品をプラットフォーム上で展示する時に、他のアー ティストの作品の質も高くあって欲しい」というアーティストの想いに応えるプラットフォームになっているようです。また、技術面に関しては「アーティストが値段に合意し、取引が成立したらすぐにイーサリアムが支払われる。スマートコントラクトシス テムは透明性があるし(安心だ)」とコメントしています。

    NFTから生まれる価値とは

    Super Rareについての議論の後、Steve氏が「どうして人々はNFTを持ちたがるのか。(NFTを用いることで、)既存のビジュアルアートや、ダウンロードできるビジュアルデジタルミュージックとは別の、どんな新しいものを提供 できるのか。」と問いかけました。

    それに対し、Justin氏は過去にSteve氏をバックステージに招待したことを話し、NFTを保有するユーザーに対しこのようにショーのバックステージに招待するサービスを作ろうと考えていることを明かしました。

    また、「アーティストにどのぐらい好きだとか尊敬しているかを伝えられる事(がNFTの利点である)。既存のアーティストへの貢献方法はグッズの購入やコンサートの参加だけど、それではアーティストへはそれほどお金が入ってこない。実際、僕のNFTを買った人のTwitterをフォローしてるんだ。NFTのすごいところは、 もっと強くて近い絆をファンとアーティストの間に構築できる事だね。」と新たなアーティストとファンの関わり方の可能性について指摘しました。

    日本でもUltraのような音楽カンファレンスがたくさん存在しており、その中で珍しいNFTを使っていきたいことも明かしていきました。

    今後の展望について

    今後の活動予定について、John氏は「改良されたオークションシステムをローンチするんだ。それと、EUXとかを使って面白いディスプレイソリューションを作ることもしているよ。家でもアートを楽しめるようになったら素敵だろう。」と答えています。

    またJustin氏もディスプレイにアートを表示させていると明かしました。また、今後の活動については「ミュージックビデオを作っていると思う。簡単に言うと、ある新しいテクノロジーがあって、レーザーを照射してデジタルアートを壁にディスプレイで きるんだ。僕のアートをプログラムして、レーザーで君の家の壁一面に照射できるわ け。」と新たな取り組みについて語りました。

    最後に

    今回のカンファレンスはNFTを用いた新たなアート業界について学ぶとてもいい機会となりました。

    日本ではNFTのユースケースとしてはゲームが主流になっていますが、アーティストたちはゲーム業界以外にもNFTを取り入れることができると主張していました。

    日本ではまだ馴染みのないアート業界におけるNFTの活用事例について、読者の皆さんも興味を持っていただけたら嬉しいです。

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