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2024/06/06コインベース、「スマートウォレット」を正式発表
大手暗号資産取引所コインベースは、「スマートウォレット」を正式に発表しました。 The wait is over. Smart wallets are here. pic.twitter.com/jtXUNu1dq3 — Coinbase Wallet 🛡️ (@CoinbaseWallet) June 5, 2024 今回発表された「スマートウォレット」は、これまでのウォレットにあった複雑さを排除し、ユーザーフレンドリーな要素を多く搭載したものとなっています。 スマートウォレットの特徴として以下が挙げられます。 アプリ不要:wallet.coinbase.comにアクセスするだけで、保管、取引、送金など、様々な操作が可能です。 生体認証に対応:指紋、Face ID、Yubikey、Google Chromeのプロフィールなどを使ってウォレットにアクセスできます。パスワードは不要です。 コインベース残高を直接使用:コインベースアカウント内の暗号資産をオンチェーン取引に利用できます。 ガスレスなオンチェーン体験:従来のウォレットで必要だったガス代(取引手数料)を不要にし、よりスムーズな取引を実現しています。 簡単なオンボーディング:複雑な設定やリカバリーフレーズを不要にし、ウェブサイトへのログインと同じくらい簡単にブロックチェーンを利用できるようにしています。 多様なブロックチェーンに対応:Base、Ethereum、Optimism、Arbitrum、Polygon、Avalanche、BNB、Zoraなど、複数のブロックチェーンをサポートしています。 最新技術を搭載したウォレットサービスを提供することで、オンチェーン体験を簡素化した新しいウォレットサービスは、コインベースの10億人以上の新規ユーザー獲得へ向けた試みの1つと言えるでしょう。 情報ソース:コインベースウォレット
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2024/06/05Microsoft Indiaの公式Xアカウント、暗号資産詐欺師に乗っ取られる
暗号資産詐欺師が、Microsoft Indiaの公式X(旧Twitter)アカウントを乗っ取り、有名なミーム株トレーダーKeith Gill氏のハンドルネーム「Roaring Kitty」を装って詐欺行為を行いました。 [caption id="attachment_114784" align="aligncenter" width="1439"] 画像引用元:Bleeping Computer[/caption] 犯人は、Microsoft Indiaのアカウントの信頼性を悪用し、Xユーザーを偽のGameStop暗号資産先行販売サイトに誘導しました。 このサイトは、接続したユーザーのウォレットから資産を盗み出すように設計されており、また多数のボットアカウントがこれらの投稿をリツイートすることで、被害が拡大しました。 Xを利用した詐欺行為に注意[no_toc] ここ最近、Xの認証済みアカウントが暗号資産詐欺やウォレットドレイナーを宣伝するハッキングの被害に遭うケースが増えています。 今年1月、アメリカ証券取引委員会(SEC)のアカウントがSIMスワッピング攻撃によって乗っ取られ、偽のビットコインETF承認発表が投稿されました。XのSafetyチームは、SECのアカウントがハッキング時に二要素認証(2FA)を有効にしていなかったと指摘しています。 Xは、暗号資産に関する情報収集の場として多くのユーザーに活用されていますが、詐欺情報も多く拡散されています。被害に遭わないよう細心の注意及び対策が必要です。 情報ソース:Bleeping Computer
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2024/06/055月のレイヤー2収益、Baseが首位に|2位Optimismを4倍以上突き放す
Baseが、5月のレイヤー2オンチェーン収益で首位となったことをクリプトデータアナリストのKofi氏(@0xKofi)が報告しました。 Here's how much onchain profit L2s earned in May Onchain profit = Revenue from L2 gas fees - Costs of posting batches and verifying proofs on L1 1. Base - $6.98M 2. Optimism - $1.57M 3. Scroll - $1.35M 4. Arbitrum - $802k 5. Linea - $612k pic.twitter.com/BuvV0yCm3a — Kofi (@0xKofi) June 3, 2024 オンチェーン収益は、 「レイヤー2ガス代からの収入」−「レイヤー1での証明検証コスト」で計算されています。 Kofi氏によると、1位となったBaseの収益は698万ドルであり、2位のOptimismの157万ドルに4倍以上の差をつけています。 Base Ecosystem FundによるBaseの盛り上がり[no_toc] [caption id="attachment_114770" align="aligncenter" width="1395"] 画像引用元:DefiLlama[/caption] 3月以降、Baseチェーンの盛り上がりが著しくなっています。この背景として、Base Ecosystem Fundによる積極的な投資が挙げられます。 BaseのTVLは、3月1日には4億8000万ドルでしたが、4月1日には11億ドルに急成長しており、現在(6月5日)は、17億ドルのTVLを有しています。 dAppsの活動も盛んとなっており、Baseチェーンで最大のTVLを有しているAerodromeのTVLは、3月1日から現在まで4.5倍の急成長を見せました。 今回、レイヤー2の中でBaseが収益首位を獲得したのは、Base Ecosystem Fundの試みが功を奏した結果と言えるかもしれません。 情報ソース:DefiLlama
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2024/06/05StarkWare、ビットコインのスケーリングにゼロ知識証明の導入を計画
Starknetの開発元であるStarkWareは、イーサリアムと並行してビットコインのスケーリングを可能にするゼロ知識証明の導入計画を発表しました。 Bitcoin's biggest challenge is scalability. StarkWare has a vision to change that. The concept of STARK scaling for blockchains was first introduced by @EliBenSasson at a Bitcoin conference in early 2013. It's now time to scale Bitcoin with ZK-STARK, making it more accessible… pic.twitter.com/sdx7sQJzur — StarkWare 🐺🐱 (@StarkWareLtd) June 4, 2024 これは、ビットコインにSTARKスケーリングをもたらすための枠組みを提供する「OP_CAT」と呼ばれる提案に続くものです。 StarkWareは、現在コミュニティでOP_CAT提案が議論されているためゼロ知識スケーリング技術をビットコインに導入する適切な時期であり、また、OP_CATはビットコイン上でSTARKスケーリングを可能にするのに十分なフレームワークを提供するとしています。 同社は、ゼロ知識証明とビットコインの統合に取り組んでいるZeroSyncなどのビットコインプロジェクトを支援しており、ビットコインネットワークの主要な支持者であると主張しています。 イーサリアムとビットコインのどちらか、または両方で決済を選択可能に[no_toc] StarkWareによると、同じStarknetネットワーク、ガバナンス、トークノミクスを使用し、フォークを必要とせずにビットコインのスケーリングをサポートする計画とのことです。 同社CEOであるEli Ben-Sasson氏は、「Starknetは、ビットコインとイーサリアムの両方で同時に決済し、ビットコインを毎秒数千トランザクションにスケーリングする最初のネットワークになるだろう」と述べています。 ビットコインへのSTARK導入は、2021年11月のビットコインのTaprootアップグレードに続く研究によって実現可能となったとのことです。 OP_CATとは?|技術導入に対する懸念も[no_toc] OP_CATのようなCovenant提案は、ビットコインの使用方法に特定の条件を課すことができる高度なスクリプト機能です。 これにより、安全な「Vault」の作成、自動定期支払い、様々なシナリオに対応したタイムロック転送、複雑な金融商品などが可能になります。 OP_CATは元々ビットコインの最初のオペコードの一つとして含まれていましたが、脆弱性につながる可能性があるスクリプトを作成できるという懸念から、2010年に他のいくつかのオペコードと共に無効化されました。 今回行われたCovenant提案は、Ethan Heilman氏とArmin Sabouri氏によって行われたものであり、ビットコインのスクリプトの他の運用制限を変更することなく、後方互換性のあるソフトフォークによってOP_CATをビットコインに再導入することを目指すものとしています。 しかしながら、ビットコインコミュニティでは、OP_CATを支持しない声や、他のCovenant提案を支持する声もあります。また、OP_CATの実装による予期せぬ結果を懸念する声も上がっています。 情報ソース:The Block
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2024/06/05Worldcoin、スペインでの活動を一時停止へ
スペインのデータ保護当局(AEPD)は昨年3月、Worldcoinプロジェクトの一環として同国で行われていた個人データの収集と処理を停止するよう、Tools for Humanity Corporationに暫定的な措置を命じました。 [caption id="attachment_114718" align="aligncenter" width="1512"] 画像引用元:AEPD公式X[/caption] AEPDが課した暫定措置は、一般データ保護規則(GDPR)第66条1項で規定されている、利害関係者の権利と自由を保護するためのものであり、スペインの裁判所は、「企業の特定の利益よりも、関係者の個人データ保護の権利を保護するという公益の保護」を優先すると判断したとのことです。 この暫定措置の後、Tools for Humanity Corporationは、年齢確認のための管理の導入や、虹彩コードの削除の可能性など、運用上の変更を発表しました。 ドイツでも同様の調査が進む[no_toc] Worldcoinは、ドイツ・バイエルン州に欧州における主要拠点を置いていますが、同州のデータ保護当局(BayLDA)からも調査を受けています。 近々、関係するすべての欧州監督当局と連携した最終決定が下される予定とされており、この状況を受けWorldcoinは、年末までまたはBayLDAが最終決定を下すまで、スペインでの活動を再開しないことを法的に拘束力のある形で誓約しました。 この法的な誓約は、BayLDAまたはAEPDが、Worldcoinがこれらの義務に違反した場合に追加の監督措置を講じる権限に影響を与えないとのことです。 情報ソース:AEPD
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2024/06/04ウィスコンシン州投資委員会、ビットコインETFを年金基金に追加
ウィスコンシン州投資委員会(SWIB)のビットコインETFへの投資が、積極的に拡大する可能性が指摘されています。 [caption id="attachment_114677" align="aligncenter" width="1439"] 画像引用元:State of Wisconsin Investment Board[/caption] SWIBは第1四半期、年金基金のポートフォリオにブラックロックのiShares Bitcoin Trust (IBIT)とグレイスケールのBitcoin Trust (GBTC)の2種類のETFを追加し、合計1億6400万ドルを投資しています。 通常、年金基金はビットコインETFのような新しいETFには投資しない傾向があるため、SWIBのビットコインETFへの投資は業界に大きな衝撃を与えていました。 しかしながら、2023年末時点でのSWIBの運用金額が1560億ドルであることを考慮すると、ビットコインETFは0.1%ほどのわずかな割合しか占めていないとも言えます。 このSWIBの動きに関して、マーケット大学のDavid Krause教授は、今回のビットコインETFへの投資は試験的なものであり、長期的にはSWIBはビットコインETFへの投資額を増やし、他の年金基金も追随する可能性があると予測しています。 5月には、大手機関当社会社の内944社がビットコインETFを保有していることが、SECフォーム13Fの分析によって判明していました。 SWIBのビットコインETFへの投資は、年金基金といった保守的な機関投資家もビットコインETFに関心を持っていることの表れであり、今後もこの流れが他投資委員会にも波及するかどうかに注目が集まります。 大手機関投資会社944社がビットコインETFを保有|合計額は107億ドル 情報ソース:PBS Wisconsin
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2024/06/04イーサリアムETF、手数料競争に注目集まる|Ark Investは撤退
最新のイーサリアムETF(上場投資信託)申請書類が提出される中、手数料競争が激化する可能性が示唆されています。 5月23日、証券取引委員会(SEC)は、Cboe、NYSE Arca、Nasdaqが提出した19b-4提案を承認し、これらの取引所でのイーサリアムETFの上場を許可しました。 現在、SECはイーサリアムETFの上場前の最終ステップとして、SECはS-1登録届出書の審査を行っている最中です。 [caption id="attachment_114670" align="aligncenter" width="1439"] 画像引用元:360b / Shutterstock.com[/caption] 申請書の中で最も注目を浴びているのが、手数料です。今回、Franklin Templetonが、イーサリアムファンドの手数料を0.19%に設定していることが判明しました。 Franklin Templetonは手数料を公開した最初の運用会社となりますが、これはビットコインETFで発生したような運用会社間での手数料競争を引き起こす可能性があります。 Ark InvestはイーサリアムETFから撤退[no_toc] 今回の申請書でもうひとつ注目を浴びたのが、Ark Investの名前が記載されていなかったことです。 Ark Investは、21Sharesと提携してスポットビットコインETFを立ち上げており、Ark 21Shares Bitcoin ETF (ARKB) は、約32億ドルの資産を運用しています。 21Sharesの広報担当者は、Ark Investをパートナーとせずに21Shares Core イーサリアム ETFの立ち上げを目指すとしています。 グレイスケール$GBTCは手数料競争の結果、保有量が50%減少[no_toc] 手数料競争に遅れをとったことでシェアが大幅に低下して例として、グレイスケール$GBTCが挙げられます。 $GBTCは、他社ビットコインETFの手数料の多くが0.5%以下に設定されている中、1.5%という手数料設定をしたこともあり、保有量が1月10日(ビットコイン現物ETF転換日)の62万BTCから、28.5万BTCへと50%以上減少しています。 手数料はETF運用会社のシェア争いに大きな影響を及ぼす要素であり、イーサリアムETFの手数料設定に注目が集まります。 グレイスケール$GBTCの保有量が50%減少|ビットコインETF承認以降、他社へ資金流出相次ぐ 情報ソース:Blockworks
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2024/06/03イーサリアムETF承認後、取引所から30億ドルのイーサリアムが流出
アメリカでイーサリアムETF(上場投資信託)が承認された5月23日以降、中央集権型取引所から30億ドル(約4700億円)以上のイーサリアムが流出しています。 [caption id="attachment_114632" align="aligncenter" width="1439"] 画像引用元:Cryptoquant[/caption] CryptoQuantのデータによると、取引所でのイーサリアムの保有量は、5月23日から6月2日の間に約79万7000ETH減少しています。 これは、投資家がイーサリアムを自己管理に移し、長期的に保有する方針であることを示唆していると考えられ、イーサリアムの供給不足へ繋がる可能性があります。 ビットコインはETF承認後、過去最高値を更新[no_toc] ビットコインは1月10日のETF承認以降、多くの資金が流入し過去最高値を更新しました。 イーサリアムETFが取引開始となり、ビットコインETFと同様に需要が高まった場合、イーサリアムが過去最高値を更新する可能性があります。 イーサリアムの過去最高値は、2021年11月に記録された4,878ドルです。現在は3,815ドルで推移しています。 情報ソース:Cryptoquant
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2024/06/03Matter Labs、「ZK」の商標申請を断念
zkSyncを開発するMatter Labsが、「ZK」の商標申請を断念したことを、公式Xにて発表しました。 Thank you to everyone who reached out following our post, offering ideas, support, and feedback. As a result of these conversations, we decided to drop all trademark applications for the term “ZK”. These discussions came down to one important fact: it would be impossible to… — Matter Labs (∎, ∆) (@the_matter_labs) June 2, 2024 Matter Labsは、「ゼロ知識証明(zero-knowledge)」の略称である「ZK」の商標登録申請を複数の国で行っており、ゼロ知識証明を活用する主要企業から大きな反発を受けていました。 StarkWare社CEOであるEli Ben-Sasson氏は「IPの不条理な強奪」と非難しており、多くの業界のトップ専門家たちも商標申請の撤回を求める公開書簡を提出していました。 また、Polyhedraは、zkSyncとの1週間にわたるティッカー「ZK」をめぐる衝突を受け、取引所でのティッカーを「ZKJ」に変更していました。 Matter Labsは商標申請の断念理由として、「ほぼすべての人が信頼できる中立的な立場であると認識するグループに合意することは不可能である」と述べています。 Matter Labs、「ZK」商標申請で業界から批判殺到
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2024/06/02DMMビットコイン、流出事件の最新情報まとめ|約482億円の行方とは
暗号資産交換業者のDMMビットコインは2024年5月31日、同社ウォレットから4502.9BTC(約482億円相当)のビットコインが不正に流出したと発表しました。 DMM Bitcoinから482億円分のビットコインが流出、全額保証へ DMMビットコインは、令和5年3月期の事業報告によると、37万以上の顧客口座および、顧客預かり資産として400億円を有している日本有数の暗号資産交換業者です。 今回の記事は、事件の詳細および流出したビットコインの行方や過去の流出事件を特集したものとなります。 DMMビットコイン流出事件の概要 [caption id="attachment_114572" align="aligncenter" width="786"] 画像引用元:DMMグループ[/caption] DMMビットコインによると、不正流出は5月31日13時26分頃に検知され、ビットコインは500BTCずつ9回に分けて1つのアドレスに集約されたとのことです。 同社は、顧客の資産についてはグループ会社の支援を受けて全額保証する方針を示しています。また、新規口座開設の審査や暗号資産の出庫処理など、一部サービスの利用を停止し、被害状況や原因の調査を進めています。 今回の不正流出は、暗号資産業界全体のセキュリティ対策の重要性を改めて浮き彫りにする出来事となりました。 現時点(6/2)での情報まとめ 流出日時: 2024年5月31日13時26分頃 流出額: 4502.9BTC(約482億円相当) 流出先: 1つのアドレスに集約 顧客資産: 全額保証の方針 サービス: 一部停止中 原因: 調査中 これまでの日本における暗号資産流出事件について これまでにも日本国内における暗号資産の流出事件は何度か発生しており、主要なものとしては以下が挙げられます。 発生した年 企業名 流出額(単位:億円) 2014 マウントゴックス 480 2018 コインチェック 580 2018 テックビューロ (Zaif) 70 2019 ビットポイントジャパン 35 2021 リキッド 100 2024 DMMビットコイン 482 今回のDMMのビットコイン流出事件は、日本の暗号資産流出事件の中では過去2番目の規模となっています。 流出したビットコインの詳細及び業界各社の反応 事件から2日が経ちましたが、未だ詳細な事件内容や金融庁の反応などは分かっていません。 この記事では、現時点ではビットコイン流出事件に関して発生しうる多くの疑問について、解説して行きます。 注意: 本記事は記事執筆時点で入手可能な情報に基づいて作成されており、今後の調査状況によっては内容が変更となる可能性があります。 ビットコイン流出の該当トランザクション [caption id="attachment_114557" align="aligncenter" width="1439"] 画像引用元:Whale Alert[/caption] DMMから流出したビットコインのトランザクションは既に把握されており、Whale Alertによって検知されていました。 トランザクションの詳細から、およそ500BTCずつが9回にわたって送付されたことがわかります。 また、トランザクション手数料が、0.1BTCとなっていることにも注目です。0.1BTCは、トランザクションの大きさと比べて異常なほど高額の手数料となっています。 盗まれたビットコインの行方|現在は特に動きはなし [caption id="attachment_114558" align="aligncenter" width="1439"] 画像引用元:Arkham[/caption] 流出したビットコインの動向は、オンチェーン上で調べることができます。 オンチェーンデータプラットフォームのArkhamを使って送付先アドレスを検索すると、そのアドレスからどのアドレスへ暗号資産が送付されたかを調べられます。 記事執筆時(6月2日)では、これといった動きはなく、盗まれたビットコインはどのアドレスにも送付されていないことが分かります。 仮に、このアドレスに動きがあった場合には、オンチェーン上での範囲においては、誰でも調べることが可能です。 何故コールドウォレットから資金流出したのか?|内部調査の続報が待たれる [caption id="attachment_114559" align="aligncenter" width="1439"] 画像引用元:DMM Bitcoinセキュリティ体制[/caption] DMMビットコインは自社のセキュリティ体制に関して、顧客資産の95%以上はコールドウォレットに保管し、毎営業日ごとに確認していると発表されています。 また、コールドウォレットからホットウォレットへ暗号資産を移動する際には、取締役も含めた複数部署の承認のもと、二人体制で移動作業を行っているとしています。 コールドウォレットとは、ウォレットの保管方法の1つであり、ウォレットをネットワークから切り離して安全なところに保管することで、オンライン上でのハッキングから保護する仕組みです。 今回流出した4502.9BTC(約482億円相当)のビットコインは、DMMビットコインの預かり資産の大部分に相当する金額です。同社が顧客資産の95%以上をコールドウォレットに保管する方針であることを考慮すると、コールドウォレット内の資産も含めた流出であることが予想されます。 ネットワークから切り離されたコールドウォレットから資金が流出したことから、マルウェア感染だけでなく内部犯行の可能性も一部で指摘されており、今後のDMMビットコインの内部調査の進展に注目が集まります。 今回の事件に対する業界主要企業からの反応 DMMのビットコイン流出が報告されてから、日本の主要暗号資産交換業者が顧客の不安感を払拭するために、資産管理状況及び対応についてアナウンスをしました。 SBI VC Trade 2024年5月31日の国内暗号資産交換業者からの顧客暗号資産の流出に関する発表及び各種報道を受け、多数のお問い合わせを頂戴していることから、お客様の資産管理状況及び当社対応についてご報告いたします。https://t.co/VP4s0nDljs — SBI VC Trade (SBI VCトレード) (@sbivc_official) June 1, 2024 bitFlyer DMM Bitcoinでビットコインの流出被害が確認されました。当社では被害がないことを確認しております。 当社では創業以来、流出被害は発生しておらず、お客様の資産は安全に保管されております。 当社以外の取引所に暗号資産を送付される際は十分にご注意ください。… — bitFlyer(ビットフライヤー) (@bitFlyer) May 31, 2024 Coincheck 【当社におけるお客様からの預かり資産の保全について】 当社において、現在、お客様よりお預かりしているすべての資産について分別管理ができており安全に保管されていることを確認いたしましたので、お知らせいたします。… — Coincheck(コインチェック) Status (@CoincheckStatus) June 1, 2024 日本暗号資産取引業協会 (JVCEA) [caption id="attachment_114584" align="aligncenter" width="639"] 画像引用元:JVCEA[/caption] この他にも、楽天など暗号資産を取り扱う会社はそれぞれ自社の顧客資産情報の調査を報告しています。 今後の暗号資産規制はどうなるか 事件からまだ2日の経過であり、詳細な事件の報告が待たれますが、今回の事件をきっかけとして日本における暗号資産に対する規制がさらに厳しくなる可能性もあります。 暗号資産の法規制の大きなきっかけとなったコインチェック事件 [caption id="attachment_114574" align="aligncenter" width="777"] 画像引用元:コインチェック公式HP[/caption] コインチェック事件は、2018年1月に発生した、当時国内最大規模の暗号資産流出事件です。 事件の概要 発生日時: 2018年1月26日午前0時2分から午前8時26分までの間 流出暗号資産: 5億2630万XEM(当時価値約580億円) 原因: コインチェックのNEM保管用ホットウォレットへの不正アクセス 事件の経緯 不正アクセス: コインチェックの従業員が受信したフィッシングメールを開封し、マルウェアに感染。これにより、外部からの不正アクセスが可能となりました。 NEM流出: 攻撃者は、不正アクセスを通じてNEMの秘密鍵を盗み出し、外部のアドレスにNEMを送金しました。 発覚と対応: コインチェックは、NEMの残高異常に気づき、不正アクセスとNEM流出を確認。NEMの入出金を停止し、金融庁に報告しました。 顧客への補償: コインチェックは、流出したNEMを日本円で買い戻し、顧客に補償することを発表しました。 法改正によって規制が強化|コールドウォレットによる管理が義務化へ コインチェック事件をきっかけの1つとして、日本の暗号資産に対する規制は主に以下の点で強化されました。 法改正による規制強化 改正資金決済法の施行 (2019年5月、令和元年法律第28号):顧客資金を信託銀行等に信託する義務、コールドウォレット等での信頼性の高い方法での管理義務化やホットウォレット分については弁済原資の保持が必須、カストディ業務が暗号資産交換業の定義に追加。 自主規制団体の設立とルール策定 日本暗号資産交換業協会 (JVCEA) の設立:業界の自主規制団体が設立され、セキュリティ対策や顧客保護に関する自主規制ルールを策定し、会員企業に対して遵守を義務付けました。 DMMビットコイン流出事件が法規制に与える影響 日本における暗号資産規制の大きなきっかけとなったコインチェック事件は、フィッシングメールの開封によって発生しましたが、今回のDMMビットコイン流出事件では、現時点ではそのようは報告はありません。 しかしながら、コインチェック事件をきっかけにコールドウォレット等での管理が義務化されたものの、今回のDMMビットコイン流出事件ではコールドウォレットからの資金流出が濃厚とされており、企業の内部統制に関する疑念が沸き起こっています。 今後、コインチェック事件による法改正と同様、DMMビットコイン流出事件をきっかけとして、暗号資産交換業者の内部コンプライアンスや資産管理に関する包括的な法規制議論が進む可能性があります。 情報ソース:DMMビットコイン令和5年3月期事業報告、Whale Alert、Arkham、DMMビットコイン(セキュリティ体制、流出報告・第一報)、JVCEA、改正資金決済法(令和元年法律第28号)