仮想通貨に送金革命!?ライトニングネットワークとは何かを解説!

仮想通貨に送金革命!?ライトニングネットワークとは何かを解説!

はじめまして、hayataです。今回は、ライトニングネットワーク(以下、LN)についてやさしく解説していきたいと思います。

技術的な細かい話よりも、全体の理解のしやすさを優先しつつ出来るだけ丁寧に解説しています。また、すべてビットコインを例に解説しています。

この記事の3つのポイント!

  1. LNは、ブロックチェーンの外で行われる。
  2. LNで、速く安く少額の送金が可能に!
  3. LNには、経路選択問題という課題がある。

ライトニングネットワーク(LN)とは何か

LNを出来るだけ短く説明すると、「オフチェーンで、網状に連絡した相互で行われる送金ネットワーク」と言えるでしょう。よく分からないと思うので、具体的に説明します。

まず、LNはオフチェーンで行われます。オフチェーンとは、ブロックチェーン外で行われているという意味なのですが、感覚的にはブロックチェーンと対応した裏世界というイメージです。以下の画像を参考にしてください。

そして、LNはオフチェーンに参加しているAさんとBさんの間{二者の間}にチャネルと呼ばれる管のようなものを作り、そこを通じてやり取りを出来るようにします。

(チャネル作成の為に、両者が秘密鍵をもつマルチシグアドレスに通貨を送金する必要があります。この送金した合計額よりも大きな額は送金できません。)

そして、両者のチャネル間で複数回取引が行われた後に、チャネル(両者を結ぶ管)は閉じます。それによって、最終的な収支の状態だけがブロックチェーンへと記録されます。

以下の画像を理解の助けとしてください。AさんとBさんの10BTCと5BTCの取引がチャネル上で行われた【上段】後に、その収支である5BTCの送金【下段】だけがブロックチェーン上に反映されます。

上の例では理解しやすいように二者で説明しましたが、実際には利用者は無数に存在します。なので、この二者間の関係を多数の人と行っているという認識が必要です。(上の文章を、三者以上で送金し合っているとして読み直すと理解しやすいと思います。)

また、あなたの指定した送金先まで第三者のチャネルを中継して最短経路で送金することも特徴です。経由した第三者を送金者は信頼する必要なしに送金が可能です。送金中に第三者に通貨を盗まれることはありません。

冒頭で、LNは「オフチェーンで、網状に連絡した相互で行われる送金ネットワーク」だと言いましたが、「網状に連絡した」とは二者の関係を多数の人とで行っているという意味です。以下のツイートの画像が視覚的に参考になると思います。

ここまでは、LNの仕組みについてお話しました。次は、LNの利点や問題点(課題点)について解説します。

ライトニングネットワークのメリット・デメリット

LNのメリットとデメリットを解説いたします。

LNによるメリット

メリットを簡単に言うと、送金・送金・の送金が可能になることです。それぞれ解説します。

 

まず、LNによって、高速な送金が可能となります。現在のビットコインは、常にブロックチェーン上で送金されているため、ブロックが生成された後に複数回承認されなければ送金は完了しません(通常6承認必要)。1ブロック10分で生成されるとして、6承認なら1時間かかりますね。

スムーズに承認されればいいのですが、送金詰まりが発生している時に安い手数料で送金した場合には数週間も送金が完了しない時もあります。

しかし、LNによってオフチェーンで取引がなされるため承認を待たずに送金できるようになるのです。

 

次に、安い送金・細かい送金が可能となることです。LNによって、1satoshi(1億分の1BTC)までの少額の支払いが可能になります。現状では、そこまでの少額は送金の下限があり、送ることは出来ません。また、現在BTC送金にはトランザクション手数料を含めるとおおよそ0.001BTCかかります。送金するごとに1000円程度(1BTC=100万円換算で)かかってしまいますから、送金できたとしても少額すぎるBTCを送る人はいないでしょう。

送金額が安くなるのは、LNでは、チャネルの開閉時にしか送料が発生しないからです。複数回の送金が開閉にかかる手数料だけで可能となります。

また、送金詰まり(スケーラビリティ)の問題も改善すると考えられています。上記で述べましたが最終的な取引結果しかブロックチェーンには反映されないのでデータ量の節約が出来ます。

スケーラビリティ問題を改善しつつ、速く安く少額の送金が出来る未来は楽しみですね!しかし、そんなLNにも課題があることを以下で解説します。

LNのデメリット

LNのデメリットはチャネルの経路問題やセキュリティだと言えるでしょう。

安定してLNを稼働させ続けるためにはチャネルの経路問題が発生しないようにすることが必要です。

経路問題が発生しないように、効率的に取引をまとめてブロックチェーンに記載するために多くのチャネルを開いている必要があります。そして、LNで送金するためにはチャネルを開き続けて、送金相手までの最短経路を発見することが必要です。

ここで注意すべきことはただ単に最短経路を発見するのではなく、送金相手までに中継したすべてのチャネルに自身の送金額よりも多くの残高が必要であるということです。

よって、LNにおいて効率的な送金を実現し続けるために、中継点にあるBTCが塩漬けになるという問題点が出てきます。

また、送金の効率的な経路選択の結果として、特定の中継点がばかりが利用されてしまうことになるでしょう

その結果、その中継点に依存した中央集権的な構造となれば、簡単に言うとネットワークの信頼度が下がります。

特定の中継点に依存しない分散型のネットワークが構築されることが理想です。(完全な分散化は構造上不可能だと思います。)

極端な例ですが、以下の図のように一つの中継点にチャネルが集中しており他の経路が無い場合には、赤い中継点のチャネルの開閉や残高不足などによってその中継点が利用出来なくなればLNは利用できなくなります。

LNでの送金の特性上、自分より出来るだけ多くの資金を塩漬けにしている中継点を経由した方が効率的に送金することが出来るので(←上で述べたが、送金額よりもプールしている額が大きくないと送金できないため)、チャネルが集中化してしまうハブ化と呼ばれる現象は避けることは出来ないでしょう。

そして、そのハブ化してしまった中継点は金融規制法の対象になると言われています。(法律は詳しくないのでここの詳細は分かりかねます。)

 

また、セキュリティに関しても課題点があります。

LNはインターネットに接続されたホットウォレットでやり取りされ、その経過はブロックチェーン上での取引でもありません。

2018年1月末にコインチェックで盗難されたnemはホットウォレットでマルチシグネチャされてませんでした。

LNでは、ホットウォレットでしか稼働出来ませんが、マルチシグネチャという複数の秘密鍵でチャネル開設に必要な仮想通貨を管理できます。(余談ですが、仮想通貨はコールドウォレットというインターネットと隔離させた環境で管理することが盗難防止のためには望ましいです。)

LNはブロックチェーン上での取引ではないため、LN上でのセキュリティについても考える必要があります。

誰がどのように管理していくのか。この点で、本当に仮想通貨である強みを活かすことが出来るのかという疑問を抱きました。

終わりに

LNは既にテストトランザクションが開始されており、依然テスト段階ではありますが、執筆時点で決済のチャネルは1000を超えました。

ノードを建てる人は増加し続けています。また、LNに対する期待感は強く、一刻も早く採用されるべきという声が強いと個人的には感じます。

最後に、本文を再度まとめます。

メリットは、速く安く少額の送金が出来ることです。一方で、デメリットはチャネルのハブ化による中央主権化とLN自体のセキュリティの問題です。

これらを総合的に判断すると、メリットは魅力的ですが、分散型で管理できる仮想通貨の強みが活かせていないようにも感じます。

LN全体の管理を分散型で出来ればいいのですが、そのようなビジョンが見えずらいのが現状です。とはいえ、LN自体は仮想通貨を実社会で普及させ広く利用していくためには重要な技術であると個人的に考えており、今後の進展には期待を寄せています。

記事参考:

①ビットコイン研究所ブログ ライトニングネットワークの衝撃 doublehash.me/what-is-lighting-network

②Zoom zoom-blc.com/lightning-network

③bitTHINK youtu.be/k14EDcB-DcE

期待感の強いLNですが、あえて否定的な考え方も入れつつ中立的に述べるように心がけました。これからの発展が楽しみですね!
読んでいただきありがとうございました。twitterフォローして頂けると嬉しいです!

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