2/13-2/19 資金調達を実施したプロジェクト 11選
あどまん
今週は資金調達を行ったプロジェクトの中から11PJをピックアップして紹介します。
簡単にL2チェーンを作成できるRollup as a serviceのCalderaや、暗号資産市場の時価総額TOP25のインデックス商品を提供するAlongside、Lightningに対応したWeb5コミュニケーションツールのZionなどが個人的に気になりました。
あとは、L1チェーンも毎週のように開発されており、注目されているモジュラー型ブロックチェーン分野も徐々に開発ツールが充実し始めており、エコシステム周りも目が離せません。
それでは、解説していきます。
目次
Caldera
POINTS900万ドルの資金調達を実施。Sequoia CapitalとDragonflyがリードし、NEO Foundation, 1kx, Ethereal Venturesが参加。
EVMチェーン上にOptimistic Rollupをノーコードで作成できるRollup as a service(RaaS)
CalderaはEVM上でカスタマイズ可能なレイヤー2のOptimistic Rollupを作成できるRaasです。
Calderaアーキテクチャに基づくRollupには、高スループット、低レイテンー、カスタマイズ、および EVM 互換性という特徴があります。
現在このカルデラ・プラットフォームは、イーサリアムとPolygonのDeFiとゲームの分野で指定されたプロジェクトのみメインネットで稼働しており、夏頃を正式に利用可能になる予定です。
コードを 1 行も書かずにRollupをワンクリックで展開できるようになれば、パブリック チェーンの開発者は、専門の開発チームを雇う必要がなくなり、コストを大幅に節約できます。 Rollup as a serviceのようなサービスが充実すれば、L2で展開するプロジェクトも増えてくるため、今後のトレンドの追い風になるのではないかと考えています。
公式サイト:https://caldera.xyz/
Twitter:https://twitter.com/Calderaxyz
Blog:https://mirror.xyz/calderachains.eth
Doc:https://calderaxyz.gitbook.io/caldera-documentation/getting-started/overview
Monad
POINTSeed Roundで1,900万ドルの資金調達を実施。 Dragonfly Capitalがリードし、Placeholder, Lemniscap, Shima Capital等が参加。
EVMと互換性を持つレイヤー1スマコンプラットフォーム
Monad: What Is It?
How we’re building an EVM-compatible L1 that is 1,000x faster than Ethereum
An (oversimplified) mini thread👇
[1/8] pic.twitter.com/HqosDS0n5K— Monad (@monad_xyz) January 12, 2023
MonadはJump TradingでHFT(High Frequency Trading)のシステムを構築する業務に7年以上従事した開発者が立ち上げたレイヤー1ブロックチェーンプロジェクトです。「Ethereumより1000倍高速なEVM互換のL1チェーン」と主張しており最終的には1日あたり10億件のトランザクションを処理できるシステムを目指しています。
Ethereumコードベースを使用したクローン的なものではなく、ゼロから新しく構築しており、EVMをより高性能にしたものとのことです。Ethereumを便利にする、連携するというよりEthereumにとって替わることを狙うプロジェクトとなっています。
今後数ヶ月以内にテストネット、今年後半にメインネットがローンチされる予定となっています。
Ethereumのシェアを狙うレイヤー1プロジェクトにはSolana、Avalanche、Algorand、Internet Computerなどの強豪がすでにいるのでそこにどう割って入るのか期待したいです。
公式サイト:https://www.monad.xyz/
Twitter:https://twitter.com/monad_xyz
Discord:https://discord.com/invite/monad
Telegram:https://t.me/monad_xyz
Medium:https://medium.com/monad-labs
Superplastic
POINTSeries A-4で2,000万ドルの資金調達を実施。 Alexa Fundがリードし、Google Ventures, Galaxy Digital, Sony Japan, Animoca Brands等が参加。
キャラクターデザイン及びデジタルコレクション、ビニールフィギュアの製作を手掛ける制作スタジオ
SuperPlasticはキャラクターデザイン及びデジタルコレクション、ビニールフィギュアの製作を手掛けています。
JankyAndGuggimonという2人組のシンセティックセレブブレティが人気で、それぞれがTikTOKやInstagramなどのSNSで数百万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーとして様々なブランドや自分自身のプロモーションを行っています。最近ではメルセデスベンツのプロモーション動画や大人気ゲームフォートナイトにも登場しました。
今回の資金調達に伴い、AmazonStudioとテレビおよび映画でのファーストルック契約を結んでおり、Amazonプライムビデオオリジナルコンテンツとして「The Janky & Guggimon Show」の動画が制作中です。
この「The Janky & Guggimon Show」はSuperplasticの2人の有名キャラクターを使って、「金持ちになって有名になることに執念を燃やすが、その跡に混乱と破壊の痕跡を残す、怠惰で壮大な無能の親友2人」の冒険を描く内容となっています。
ビニールフィギュアではコレクティブルNFTの作品をいくつか制作しており、BAYCの精巧なフィギュアも売られていたりするので気になった方は見てみると面白いと思います。
公式サイト:https://hoo.be/superplastic
Twitter:https://twitter.com/SUPERPLASTIC
Discord:https://discord.com/invite/superplasticnft?utm_source=hoobe&utm_medium=social
NFEX
POINTSeed Roundで300万ドルの資金調達を実施。 ABCDE Capitalがリードし、Amber Group, Firestone Venturesが参加。
NFEXはNFTの分散型デリバティブ取引所
NFEXは、ブルーチップNFTのPerpetual取引を提供する分散型デリバティブ取引所です。
現在はBored Ape Yacht Club、Mutant Ape Yacht Club、Azuki、CLONE X、CryptoPunksの5種類のNFTに対応しています。
また、NFEXの特徴は以下の4点です。
- 取引機会の拡大 : NFTを保有しない状態での空売りが可能になり、ヘッジ、投機、裁定取引など、多様な取引戦略が可能に。
- レバレッジ: NFEXは、人気のあるNFTコレクションにポジションを持つための参入障壁を大幅に下げます。投資家の資金を最大10倍のレバレッジで活用し、原資産の最低0.01%の取引を可能にします。
- 取引手数料とネガティブメーカー手数料が安い。 一般的なNFTマーケットプレイスは、最大10%のロイヤリティと2.5%の取引手数料がかかります。一方、NFEXは、取引手数料を業界最低水準に抑え、さらにNFEXはマーケットメーカーへの報酬インセンティブを開始することで、NFT取引プレーを強化し、高い流動性の恩恵を受けるために取引手数料の高い割合を返済する最初のムーバーになることを目指しています。
- 業界全体の流動性向上。 NFEXは、上記のような最先端のイノベーションにより、発展途上のNFT業界に改革をもたらし、より大きな流動性を手頃なコストで提供することを目的としています。
Beta版のWaitList申請を受付中
現在NFEXはBeta版で利用することができ、PolygonのMumbai上で稼働しています。
このテスト環境で利用するためにはWaitlistの申請を行う必要があります。
興味がある方は以下フォームより申請を行なってください。
最近NFTに特化したデリバティブDEXが増えてきました。
これまでブルーチップと言われるNFTは保有することによるメリットがある一方で、ヘッジができない、流動性が少ない等のリスクもありました。また、BAYCなど高額NFTも少額からポジションを持つことが可能になり、トレードの選択肢が増えますね。
NFEXはトークンをまだローンチしておらず、このベータ版を利用しているユーザーに対して何らかのインセンティブを与える可能性もあるので、ぜひ興味ある方は利用してみください。
公式サイト:https://www.nfex.io/
Twitter:https://twitter.com/nfex_official
discord:http://discord.gg/SQABdeZBZ2
Alongside
POINTSeed Roundで1,100万ドルの資金調達を実施。a16zがリードし、Coinbase Ventures, Franklin Templeton Investments等が参加。
インデックス商品のAlongside Crypto Market Index($AMKT)を提供
Alongside Crypto Market Index(AMKTトークン)は、暗号資産市場の時価総額を追跡するために設計されたインデックストークンです。
このAMKTトークンは仮想通貨市場における時価総額トップ25の資産によって完全に担保されています。
その中には、ステーブルコインとセキュリティ状態に疑問のあるトークンは含まれておらず、現段階では以下のような割合でインデックスが構成されています。
現在、AMKTトークンは、Polygon、Uniswap、SushiSwap、Gate.io、Rainbow、BitGoなど、CEX、DEXにて取引することができます。
Alongsideのインデックスは以下のような機能を備えています。
- 完全担保 – 担保を預けて鋳造するため、構成資産と1対1で裏付けされています。
- 換金可能 – 各トークンは、インデックス構成銘柄と交換可能。
- プログラマビリティ – トークンはERC20トークンとして配布され、DeFiアプリケーションとの完全なコンポーザブルを実現 します。
Alongsideのインデックスは、参加者は担保を預けることでトークンをMintまたはburnすることができ、今後はレイヤー2を中心とした様々な製品の発売予定で、機関投資家向けのインデックス商品も充実していきそうです。
公式サイト:https://alongside.xyz/
Twitter:https://twitter.com/alongsidefi
Discord:https://discord.com/invite/Gh8k9WHJzZ
Modular Cloud
POINTPre-Seedで170万ドルの資金調達を実施。
Maven11, Blockchain Capitalがリードし、NFX, Celestia Foundation, Eclipseが参加。
モジュラー型ブロックチェーン用のエクスプローラー
Modular Cloudは、モジュラー型ブロックチェーン用のブロックチェーンExplorerを提供しています。
モジュラーデータの可用性、決済、実行の各レイヤーを単一のプラットフォームで統合しており、各プロトコルの相互関係のコンテキストを理解するため、モジュラー・スタックの新しいピースを構築するプロセスを簡素化します。
エクスプローラーの特徴は3つあります。
- 柔軟性のための最適化:エクスプローラは独自の実装を持つ多くのプロトコルと統合できるように設計されているため、あらゆるプロトコルからあらゆるデータを取得し、あらゆる方法で表示することができます。開発者のエクスペリエンスに重点を置き、Explorerはシンプルな統合プロセスで、あらゆるプロジェクトに高品質のブロックエクスプローラを提供しています。
- パワーユーザー向け:Modular Cloudはホスト版のExplorerを動かすクラウドバックエンドを構築しています。最初は単純なデータ検索APIですが、今後はモジュラー型ブロックチェーンのインデックスを作成し、モジュラーアーキテクチャを理解するプログラマブルな計算およびデータエンジンとして機能する予定です。これにより、エクスプローラーはプロ級の研究開発ツールとして、エンジニアがボタンを押すだけでクラウドの計算やクエリーを実行できるAWSのウェブコンソールに類似しています。
- オープンソースとソブリン:Modular Cloudは、Explorerを無償のオープンソースソフトウェアとしてリリースしています。
現在はCelestia、Dymension、Eclipseと統合している
現在、Explorerはモジュラー型ブロックチェーンのCelestia、Dymension、Eclipseと統合しています。
まもなく、あらゆる実行、決済、データ利用可能なレイヤーの自動統合や、モジュールスタックの全レイヤーを通るトランザクションフローの可視化が実現され、今後は有料のクラウドサービスやその他モジュラープロジェクトとの統合も予定しています。
公式サイト:https://explorer.modular.cloud/
Twitter:https://twitter.com/modularcloud1
Zion
POINT600万ドルの資金調達を実施。Humla Venturesがリードし、Kingsway Capital, Bitcoiner Ventures, UTXO Management等が参加。
コミュニティやメッセージングサービス、Lightning NetworkでBTCを送金する機能を兼ね備えたWeb5アプリ
ZionはLightning対応のWeb5クリエイターネットワークで、 オープングローバルでスケーラブルな分散型コミュニティプラットフォームです。
ソーシャル・プロファイル
SNSサービスのようにフィードに投稿したり、フォロワーとコミュニケーションを交わすことができます。
lightning wallet
ZionにはBitcoin Lightningウォレットが搭載されており、即時決済やユーザーにBTCを送金することが可能です。
クリエイターコミュニティ
Zionは誰でもコミュニティを作ることができ、コミュニティの目的や投稿のルールも自分で決めることができます。
公式サイト:https://www.zion.fyi/
Twitter:https://twitter.com/get_zion
Doc:https://docs.zion.fyi/introduction/zion-v2
Salsa
アドレスや分散型IDから共通点のある人を見つけてやりとりができるメッセージングアプリ
すでにスマホアプリのβ版がリリースされていて、ウォレットを接続すると登録者同士で交流することができます。POAPと提携しており、相手が過去に参加したイベントやコミュニティを確認できるため、共通点のある相手を容易に見つけられます。
※POAP(Proof of Attendance Protocol)はリアルや仮想空間のイベントに参加したことの証明として発行できるNFT。持っているPOAPの数や種類で特典が受けられることも多い。
さらに直接アプリ内でPOAPを発行することも可能です。タイトルや画像は好きなものを設定できるので、共通の趣味や体験を持つ人とつながるのに役立ちます。
また個人間だけでなく、ブランドやクリエイターが自分たちのサービスのファンを見つけ、どうアプローチしていくのか決めるのにも使えます。
現在でもアドレスからの資産の流れやNFTの購入履歴を追うことでその人の趣味嗜好や考え方を多少想像することはできますが、Salsaを使うことでアドレスがそのままその人のアイコンとして機能しそうです。
公式サイト:https://salsa.me/
Twitter:https://twitter.com/salsadotme
Sending Labs
POINTSeed Roundで1,250万ドルの資金調達を実施。 Insignia Venture Partners, MindWorks Capital, Signum Capitalがリードし、K3 Ventures, Lingfeng Innovation Fund等が参加。
コミュニケーション主導のDAppsの開発とその利用をサポートする企業
Sending LabはすべてのエンゲージメントコミュニティをWEB3方式で構築可能にすることを目的にテキサス州オースティンで設立されました。
今回の資金調達発表に合わせて開発者向けのサービス「SendingNetwork」とユーザー向けサービス「SendingMe」をリリースしています。
SendingNetworkは独自の通信プロトコルが組み込まれた開発者向けのSDKで利用することでさまざまな機能を手軽に実装できるようになります。
SendingMeはSendingNetwork上に構築された分散型チャットプラットフォームです。自分のデジタルアセットやDIDを安全に他人とやりとり可能で、コミュニティ内での報酬の支払いなどにも向いています。
現在はEthereumチェーンのみのサポートですが、今後数ヶ月以内にPolygon、BNB、Avalanche及びそのための非EVMチェーンも追加する予定となっています。
公式サイト:https://sending.me/
Twitter:https://twitter.com/SendingMe_IM
Telegram:https://t.me/SendingMe_official
Stelo Labs
POINTSeed Roundで600万ドルの資金調達を実施。 a16z cryptoが投資。
詐欺やフィッシングから人々を守るためのサービスを提供
Stelo Labsは「WEB3を安全にわかりやすくする」という目標に設立されたセキュリティ企業です。CEOのBen Scharfstein氏とCTOのAman Dhesi氏はそれぞれGoogleやFacebookにてプロダクトマネジメント関連の業務についていました。
昨年9月にGoogle拡張機能をリリース済です。この拡張機能は接続したウォレットがトランザクションを送信する前に自動で立ち上がり、悪意のあるトランザクションやフィッシング、ソーシャルエンジニアリングの被害を防ぎます。
具体的にはリスクの度合い(低・中・高)や種類を一覧表示して、危険をユーザーに伝えてくれるといったものでWindowsのファイアウォールに近い内容です。
自分が今どんなやりとりに署名しようとしているのか詳しく説明してくれるので、WEB3に不慣れなユーザーも安心してさまざまなDAppsを触ることができます。
現在はEthereumトランザクション自体を人がそのまま読めるようにするための方法を模索しており、最終的にはあらゆるサービスのトランザクションにてSteloが間に入るようにしたいとのことです。
公式サイト:https://www.stelolabs.com/
Twitter:https://twitter.com/stelolabs
Nefta
POINTSeed Roundで500万ドルの資金調達を実施。 Play Venturesがリードし、Polygon Ventures,Sfermion等が参加。
WEB3ゲームの構築から顧客の獲得、経済圏を作るまでをサポートするエンドツーエンドのプラットフォーム
Nefraは2022年ロンドンで立ち上げられたスタートアップで、企業がWEB3領域への参入、成長していくためのツールを提供を目指しています。
特注のAPIやSDKの利用によりウォレット機能の実装・トークンの発行・マーケットプレイスの構築・コミュニティへの報酬の支払いなどをスムーズに行うことが可能です。結果、コンテンツ内容に焦点を当てた開発と最高のユーザー体験の両立が実現するとNefraは主張しています。
また近日中に「プランドの広告プラットフォーム」「プロバイダーとユーザー双方の収益化を改善するための広告SDK」をリリースするとのことです。
WEB3ゲームがまだ世に広まってない理由に「既存のゲームと比べて圧倒的に面白いタイトルがない」という意見がよく挙げられますが、開発側がコンテンツの内容に集中できるようになれば、状況が変わるかもしれません。
公式サイト:https://nefta.io/
Twitter:https://twitter.com/nefta_io
Doc:https://docs.nefta.io/docs
今週は以上となります。