アスターネットワーク(Astar Network)とは?プロジェクトの概要を徹底解説!
airutosena
この記事では、Astarについて解説しています。
Astarは日本発のパブリックチェーンで、相互運用性やマスアダプションに焦点を当てたプロジェクトです。
日系企業との連携や、米国大手のCoinbaseから出資を受けているなど、注目点も多いです。
この記事では、そんなAstarについて以下のポイントから解説しています。
この記事のまとめ
・Astarはパラチェーンの1つ
・日系企業との連携に関するニュースなどが多い
・相互運用性などに焦点を当てる
・dAppに対してステーキングが可能
目次
Astarとは?日本発のパブリックチェーン
これから、Astarの基本的なポイントについて以下の観点から解説していきます。
・Astarの概要
・AstarとPolkadot
・AstarのTVL
Astarの大枠をチェックしていきましょう。
Astarの概要
Astarは、ブロックチェーンの相互運用性やマスアダプションに焦点を当てたプロジェクトです。
日本発のプロジェクトはいくつかありますが、その中でも代表的なプロジェクトの1つになっています。
Astarは複数の側面を持つプロジェクトですが、特に複数のVMへの対応と相互運用性、dApp ステーキング、著名な企業との連携などに対して注目が集まることが多いです。
直近では、ガバナンスやトークノミクスへの変更を行うAstar 2.0や、zkEVMへの展開など、積極的な開発が行われています。
AstarとPolkadot
Astar(Astar Network)は、Polkadotのパラチェーンの枠を獲得したプロジェクトの1つです。
そのため、AstarはPolkadotのエコシステムに組み込まれています。
Polkadotでは、リレーチェーンという中心となるチェーンに、パラチェーンというチェーンが複数接続されています。
リレーチェーンを囲む形で展開されているパラチェーン同士は相互運用性を持ち、ブロックチェーンを通してさまざまなものが行き来しています。
また、リレーチェーンを中心にパラチェーンに対して、バリデーターが割り当てられており、セキュリティもパラチェーン間で共有されています。
Astarは、そんなパラチェーンの1つです。
AstarのTVL
(引用元:DefiLlama)
DeFiLlamaによると、全体のランキングで41位、Astarの2023年9月時点におけるTVLは約2,800万ドルです。
最盛期の2022年4月には、3億ドルを超えるTVLを持っていたので、最盛期の10分の1ほどの規模になっています。
ASTR建てのTVLでは、6分の1程度の減少になっています。
もちろん、同時期は他チェーンのTVLについても、現在よりも非常に高いTVLを維持していたので、減少率に違いはあるものの、TVLの大幅なAstar特有の現象ではありません。
また、CoinMarketCapによると、ASTRの時価総額は400億円程度、98位です。
Astarの特徴
これから、Astarの持っている特徴について以下の点から解説していきます。
・複数のVM
・dApp ステーキング
・大企業との連携
・zkEVMへの展開
Astarの特別な点をチェックしていきましょう。
複数のVM
Astarの大きな特徴の1つが、EVMとWasmの両者に対応している点です。
EVMは、ブロックチェーンにおいてもっとも普及しているVMで多数の開発者が存在です。
ブロックチェーンにおいて、EVMの互換性の有無がdAppsがチェーンを採用する大きなポイントになることもあります。
EVMと比較して、Wasmは複数のプログラミング言語に対応していることや、性能の観点からメリットがあります。
しかし、ブロックチェーンにおいて、EVMほどの普及は見せていません。
Astarは、2023年4月に従来より目標としていたWasmの導入を完了させました。
dApp ステーキング
Astarにおいて、さまざまな面から注目を集めているポイントが、dApp ステーキングです。
dApp ステーキングを端的にまとめると、Astarで開発を行っている開発者に対して、インセンティブを与えるという趣旨の仕組みです。
具体的には、dApp ステーキングは、AstarのユーザーがAstar上のdAppにステーキングできる機能です。
dAppに対するステーキング量が多いdAppほどより多くの報酬を獲得できます。
ブロック報酬の一部が報酬の元となっており、ステーキングされている限り報酬も発生するので、dApp開発者から見ると安定的な収入になり得ます。
発生した報酬は、dAppの開発者とステーキングした主体の間で、分配される仕組みです。
通常のチェーンにおけるバリデーターなど、ネットワークを保護する主体が受け取っている報酬の一部を、dApp ステーキングでは開発者とステーキングを行った主体に回します。
活発な開発を促進したり、魅力的なプロジェクトが人気を集めやすくなるといった効果を期待しています。
記事執筆時点で、2万件を超えるステーカーによって1億8,000万ドル分の$ASTRが、dApp ステーキングに対してロックされています。
Astarは、Astar 2.0としてさまざまな設計に変更を加える方針となっており、その中にTokenomics 2.0があります。
上記では、元となる全体のブロック報酬が動的になったり、インセンティブの設計も変化し、dAppステーキングについても変更が加えられる方針です。
大企業との連携
Astarはもっとも日本の大手企業と何らかの連携を行っているプロジェクトの1つです。
Astarでは、この点を積極的に強化しており、さまざまな事例が見られます。
直近ではAstarの関連会社であるStartale LabsとSonyが合弁会社を設立し、ブロックチェーンやエコシステムを行う旨を明らかにしました。
\スターテイル・ラボと新会社設立へ/
「Sony Network Communiations Labs Pte. Ltd.」の設立が決定👐
新会社では、Web3時代を支えるグローバルインフラとなるブロックチェーンの開発を目指します。
スターテイル・ラボの詳細はこちら👇https://t.co/NmC59jccQS pic.twitter.com/GdH602nlPa
— ソニーネットワークコミュニケーションズ (@sonynetworkcom) September 12, 2023
直接Astar(Astar Network)に関連して、何らかの開発が行われるのか?については不明です。
しかし、Astarエコシステムとの連携を狙った動きは期待できるでしょう。
似たような動きは複数確認できるため、今後もAstarと日本の何らかの企業が協力していくといった動きが見られる可能性があります。
zkEVMへの展開
Astarは、2023年9月に新たにAstar zkEVMを発表しました。
Astar zkEVMは、EVMと互換性を持つゼロ知識証明を活用したイーサリアムベースのロールアップです。
ロールアップは、イーサリアムなどのL1をベースに構築したトランザクションを処理するもう1つの場所のようなもので、ロールアップを活用するとイーサリアムと比較してガス代が安くなります。
(ただし、パラチェーンベースのAstarとAstar zkEVMを比較した場合、前者の方がガス代は低い)
Polygon Labsと協力して提供され、10月にテストネットが運用される予定になっています。
今後、PolkadotのパラチェーンベースのAstarと、イーサリアムベースのロールアップであるAstar zkEVMが存在することになりますが、Astar zkEVMで独自のトークンを発行する予定はありません。
Astar zkEVMで発生したETH収入を元に、$ASTRを市場から買い戻し、バーンするといった大まかな方針は発表されている状態です。
これにより、$ASTR保有者に一定の恩恵が発生する可能性があります。
ただし、トークノミクスの詳細は、今後テストネットを通じて調整されます。
Astar zkEVMを通して、開発者の選択肢を増やしたり、イーサリアムのエコシステムとAstarが持つdApp ステーキングとの連携などを目指しています。
AstarのdApp ステーキングの使い方
これから、AstarのdApp ステーキングのやり方について以下の点から解説していきます。
・dApp ステーキングのやり方
・注意点
実際に、dAppにステーキングしていく手順をチェックしていきましょう。
dApp ステーキングのやり方
前提として、取引所などから購入した$ASTRと、それを送金したウォレットが必要となります。
推奨されているウォレットは「Polkadot{.js}」です。
コチラで、Polkadot{.js}の使い方については解説していきます。
また、MetaMaskなどを使用して、EVMからの転送を行う場合はXY Financeを使用する例が、公式ドキュメントでは紹介されています。
準備が完了したら、コチラのページにアクセスしてください。右上からウォレットを接続してください。
dApp Stakingの画面から任意のプロジェクトを選択し、以下のステーキングの画面にアクセスしてください。
使用する残高、金額やトランザクションのスピードを選択して「Confirm」を選択してください。
また、ステーキングが完了すると、「dApp Staking」の「My Staking」現在のステーキングの状態が表示されます。
各項目の意味は以下のとおりです。
- Total Staked :ステークした総額
- Estimated Rewards:推定される未確定の報酬。実際は変動可能性あり
- Re-Stake After Claiming:報酬請求時の自動的な再ステーク
- Total Earned (all time):これまでの獲得報酬
直近で解除する意志がないなら、Re-Stake After Claimingをオンにしておくと利便性が高いです。
また、すでに何らかのdAppsにステーキングしている場合、ほとんど同じ手順で残高を変更することで、そのまま別の新たにステーキングしたいdAppに資金を移すことも可能です。
注意点
dApp ステーキングには、いくつか注意点があります。
ステーキングを行う場合には、最低でも500ASTR以上が必要で、これ以下の金額をステーキングすることはできません。
上記に加えて、最低でも10ASTRがウォレットに残っている状態にしないといけないので、最低でも510ASTR以上が必要です。
また、ステーキングを解除できるのは10日間を経過した後からです。
一定期間はロックされるので、予め押さえておきましょう。
$ASTR購入方法
$ASTRは、さまざまな取引所から購入可能です。
ただし、国内仮想通貨取引所で$ASTRを扱っているところは限定的です。
すでに国内仮想通貨取引所で、$ASTRが扱われていない場合は、OKCoinJapanなどから購入しましょう。
OKCoinJapanでは$ASTRを取り扱っており、取引所・販売所・積立など基本的にニーズの高いサービスに対応しています。
OKCoinJapan経由から、直接ASTRのネットワークに送金することも可能です。
Astarについてまとめ
この記事では、Astarについて解説しました。
日本の代表的なプロジェクトの1つであり、日系企業とのさまざまな連携など期待したい話題の多いプロジェクトでもあります。
今後、関連会社とSonyのブロックチェーン開発や、zkEVMなど注目ポイントが多いので注視していきたいと言えるでしょう。