
レポート
2025/11/07ステーブルコインxUSD、72時間で400億円が消えた ー Stream Finance事件が暴く、DeFiの”見えない支配者”Curatorの正体
2025年11月3日、DeFi市場に激震が走った。わずか3日間で、ひとつのステーブルコインが87%下落し、その余波は瞬く間にエコシステム全体へと広がった。 事の発端は、Stream FinanceとそのステーブルコインxUSDの突然の崩壊だった。「外部運用者による損失」という一報とともに出入金が停止され、市場価格は$1.26から$0.16へと急落。直接損失は$93M(約130億円)に達した。 しかし、真の悪夢はここから始まった。 xUSDを担保として受け入れていたMorpho、Euler、Siloなど、DeFi界を代表する複数のレンディングプロトコルで、清算メカニズムが完全に機能停止。推定$285M(約400億円)相当の債務が「凍結」状態に陥り、数万人の貸し手が資金を引き出せていない事態となった。さらに別のステーブルコインUSDXやdeUSDも連鎖的にデペッグし、一部のレンディングプールでは金利が800%を超える異常事態が発生した。 「なぜこれほど多くのプロトコルが、同時に、Depegという同じ過ちを犯したのか?」 その答えは、DeFiの表舞台には決して現れない、しかし莫大な影響力を持つ存在——「Curator(キュレーター)」である。 彼らは上位5社だけでDeFi全体の推定60%の資産配分に影響を与える、事実上の市場支配者だ。しかし、その実態はほとんど知られていない。レンディングプロトコルの中で一部彼らの名前を見かけるものの、「一体何者なのか?」「なぜこれほどの資金を動かせるのか?」「そして今回、なぜ大規模な損失を招いたのか?」——多くの一般投資家にとって、彼らは謎に包まれた存在だった。 Stream Finance事件は、この「見えない支配者」の構造的欠陥を白日の下に晒した。問題の核心は、Curatorが設定・承認した「ハードコード・オラクル」——市場価格が$0.16まで暴落しても、担保価値を$1.00と評価し続ける、一見すると便利だが致命的な時限爆弾——にあった。さらに、彼らの報酬体系そのものに内在する利益相反が、過度なリスクテイクを誘発していた構造も明らかになった。 本記事では、DeFiエコシステムの進化とともに台頭し、今や数千億円規模の資産を管理しながらも、その実態が一般投資家には見えにくい「Curator」の正体に徹底的に迫る。 Triaカードは世界中どこでも決済が可能な仮想通貨クレジットカード(約3000円〜)で、驚愕の最大6%が仮想通貨でキャッシュバックされます。さらに、予定されている仮想通貨の無料配布では先行登録者に大きなチャンスも!! 面倒な審査は不要です。現在、期間限定の割引セール中なので是非この機会に登録しておきましょう。(登録に必要なアクセスコード:MWVJXJ6475) 関連:仮想通貨クレジットカード「Tria」の登録方法・使い方【徹底解説】 TriaのWeb3カードに登録 Curatorの正体:DeFiの新しい支配者たち 信頼不要のはずが、専門家への依存へ DeFi(分散型金融)は「Code is law(ソース・コードが絶対)」「Trustless(信頼できる中央機関を決して置かないというポリシー)」「No Middleman(仲介者不要)」を標榜し、ブロックチェーン上で自律的に機能する金融システムとして登場した。しかし市場が成熟するにつれ、皮肉にも「プロフェッショナル管理者」の必要性が浮上する。 その役割を担うのが「Curator(キュレーター)」である。 Curatorとは、2020年代初頭にMorpho、Eulerなどの主要レンディングプロトコルが採用した、新しい形態の「プロフェッショナル管理者」だ。彼らは経営権を求めず、プロトコルのパラメータ設定、リスク管理、資産配分戦略を専門的に担当する。 【Curatorの主要な役割】 項目 内容 影響範囲 市場・Vault創設 新しい貸借市場や運用プールの設計・立ち上げ プロトコル全体の資産配分 リスクパラメータ設定 LTV(担保率)、金利カーブ、清算閾値の決定 数百億円規模の資金の安全性 オラクル選定 価格情報源の選択と設定 清算メカニズムの機能性 資産リスト管理 担保・借入可能資産の承認/除外 ユーザーの投資選択肢 市場を支配する少数の巨人たち Curator名 推定管理資産 主な特徴 主要プロトコル Gauntlet $5B+(約7,000億円) データ分析・機械学習に強み Aave, Morpho, Compound Steakhouse Financial $3B+(約4,200億円) TradFi出身、財務管理専門 MakerDAO, Morpho, Spark MEV Capital $1B+(約1,400億円) 高リスク・高リターン戦略 Morpho, Euler Re7 Labs $800M+(約1,100億円) クロスチェーン戦略 Morpho, Silo, Radiant 【主要Curator一覧(2025年11月時点)】 DefiLlamaのデータによると、上位5社のCuratorが、DeFi全体のTVL(総預かり資産)の推定60%に影響を与えている。この集中度は、「分散化」を標榜するDeFiの理念とは対照的である。 投資哲学と市場での圧倒的影響力 彼らは、表面的には短期的な利益のみを追求する存在とは異なる、独自の哲学と行動規範を掲げている。 純投資パートナー: 経営権を求めず、プロトコルの成長を支える「パートナー」としての立場 専門知識の提供: 一般ユーザーには困難なリスク分析と最適化を代行 資本効率の最大化: 複雑な戦略を「ワンクリック」でユーザーに提供 透明性の追求: オンチェーン活動による「見える化」 圧倒的な実績: Morpho Vaults市場では、2024年にCurator主導のVaultがTVLシェアの70%超を占める Gauntletは、2023年にAaveのリスクパラメータ最適化により、推定$50M(約50億円)の損失を防いだとして表彰される これまでにCurator全体で、63社以上のプロトコルに関与し、数千件のパラメータ変更提案を実施 つまりCuratorとは、突如現れた謎の存在ではなく、DeFiの成長とともに台頭し、今やエコシステムの中枢神経として機能する、したたかなプロフェッショナル集団なのです。 ビジネスモデルの光と影:なぜ彼らは選ばれるのか 提供価値:複雑性の民主化 Curatorが急速に支持を集めた理由は明確である。彼らは以下の価値を提供する: 【ユーザーにとってのメリット】 専門知識へのアクセス 複雑なリスク分析を「ワンクリック」で利用可能 最適化された利回り戦略への即座の参加 個人では不可能な分散投資の実現 時間と労力の節約 24/7のモニタリングを専門家に委任 パラメータ調整の継続的な最適化 市場変動への迅速な対応 規模の経済 大規模資金ならではの優遇条件 プロトコル横断的なポートフォリオ 機関投資家レベルの戦略へのアクセス 収益モデル:非対称なインセンティブ構造 しかし、Curatorのビジネスモデルには構造的な問題が潜んでいる。 【標準的な報酬体系(Morpho V2準拠)】 パフォーマンスフィー: 運用益の 5〜50%(平均20%) 管理手数料: TVLの年率 0〜5%(平均2%) 損失時のペナルティ: 基本的になし 具体例で見る利益相反: シナリオA(成功時): ユーザー資産 $100M → $120M(+20%) → Curator収益 = $4M(利益$20Mの20%)+ 管理手数料 シナリオB(失敗時): ユーザー資産 $100M → $50M(-50%) → Curator損失 = 評判のダメージのみ(金銭的ペナルティなし) [caption id="attachment_147264" align="aligncenter" width="730"] Morpho MEV Capital提供のVaultはPerformance Feeが10%に[/caption] この構造は、「元本はユーザー、利益は分配、損失もユーザー」という非対称性を生み出す。 これは必然的に、Curatorは以下のインセンティブを持つ: 高リスク・高リターン戦略への傾倒 短期的な利回り最大化の優先 潜在的リスクの過小評価 透明性よりも成果の誇示 Stream Finance事件の全貌:$285M凍結までの3日間 今回、Stream Financeが発行するxUSDは下記のようなタイムラインで事が進んでいった。 タイムライン:崩壊の72時間 日時(UTC) イベント 市場への影響 10月下旬 Balancer v2プールへのハッキング攻撃 DeFi市場全体に不安が拡散 11月3日 午前 Stream Financeの運用に関する疑惑がSNSで拡散 小規模な資金流出が始まる 11月3日 午後 公式発表:外部運用者による$93M損失、出入金停止 xUSD価格 $1.26 → $0.80に急落 11月4日 早朝 xUSDが$0.30を割り込む パニック売りが加速 11月4日 午後 最安値$0.16を記録、Morpho/Euler/Siloで借入利用率100%に 推定$285M債務が凍結状態に 11月5日 USDX(関連ステーブルコイン)も連鎖デペグ開始 $1.00 → $0.60へ下落 11月6日 Lista DAOがUSDX担保の緊急清算実施、sUSDXプール金利が800%超に DeFi市場で流動性危機 根本原因1:再帰的ループによる人為的TVL膨張 Now that people seem to be paying attention to what's actually behind the yield coin meta, few more fun facts for you. The Stream xUSD wallet holds 60% of the outstanding xUSD all of which is levered up. While the comingling of funds between their products make it impossible to… https://t.co/0LyqewXJRc pic.twitter.com/4ddkIOLjKG — Schlag (@Schlagonia) October 27, 2025 オンチェーン分析(0xSchlag氏の調査)により、驚愕の事実が明らかになった: 【再帰的ループの構造】 Step 1: Stream FinanceがxUSDをミント ↓ Step 2: ElixirプロトコルでxUSDを担保に資金を借入 ↓ Step 3: 借入資金でさらにxUSDをミント ↓ Step 4: そのxUSDを再びElixirで担保に(ループ) 驚くべき数字: 実質的な自己資金:$1.9M(約2.7億円) 生成されたxUSD:$14.5M(約20億円) レバレッジ倍率:約7.6倍 この構造は一見すると資本効率が良く見えるが、実際にはわずかな市場変動で連鎖的に崩壊する極めて脆弱なシステムである。 根本原因2:Curatorの過度なリスクテイク 複数のCuratorがxUSD市場に顧客資金を大量投入した背景には、明確なインセンティブが存在した: xUSD市場の提供APY:20〜30%(市場平均の2〜3倍) 高APY → TVL急増 → 管理手数料とパフォーマンスフィーの増加 リスク警告は複数のアナリストから出ていたが、競合に顧客を奪われる恐怖から無視 根本原因3:ハードコード・オラクルによる清算機能の麻痺 Stream Finance事件で決定的な役割を果たしたのが、MorphoやEulerのCuratorが設定した「ハードコード・オラクル」である。 【通常のオラクル vs ハードコード・オラクル】 項目 通常のオラクル ハードコード・オラクル 価格ソース リアルタイム市場価格 事前設定の固定値 更新頻度 数秒〜数分ごと 手動更新または更新なし xUSD $0.16時の評価 $0.16(実勢) $1.00(固定)⚠️ 清算発動 即座に発動 発動せず ⚠️ リスク 価格操作リスク 隠れた不良債権リスク 【Curatorの論理(事後的な推測)】 MorphoやEulerのCuratorがハードコード・オラクルを採用した背景には、以下の判断があったと考えられる: xUSDは「実績のある」ステーブルコインである(過去の小規模デペッグからの回復実績) 短期的な価格変動による清算は、ユーザー体験を悪化させる $1.00固定評価により、市場の「一時的パニック」を吸収できる 競合プロトコルも同様の設定を採用していた(同調圧力) しかし、「真のデペッグ」と「一時的パニック」の区別は事実上不可能であり、この判断は致命的な誤りだった。 平時の「利点」: 短期的な価格変動による不必要な清算を防止 ステーブルコインの「安定」を演出 ユーザー体験の向上(清算頻度の低下) 危機時の「悪夢」: 真のデペッグ時に清算が機能しない 不良債権が水面下で蓄積 最終的に貸し手が全損失を負担 波及効果:$285Mの債務凍結 Stream Finance事件では、xUSDが$0.16まで暴落したにもかかわらず、MorphoやEuler上では「$1.00の担保」として扱われ続けた。その結果、$285Mの債務が「清算不可能」な状態で凍結された。 この仕組みは、透明性と即応性を犠牲にして短期的な安定を優先する設計であり、真の危機においては市場メカニズムを機能不全に陥らせる時限爆弾となった。 xUSD崩壊の直接的影響は、以下のプロトコルに波及している: プロトコル 凍結債務額(推定) 主な問題 Morpho $150M+ 複数VaultでxUSD担保ポジションが清算不能に Euler $80M+ Vault Kitを使用した市場が機能停止 Silo $40M+ 孤立市場の特性が裏目、流動性完全枯渇 その他 $15M+ Radiant Capital等の小規模プロトコル さらに、USDXやdeUSD(ともに別の合成ステーブルコイン)も連鎖的にデペッグし、sUSDXレンディングプールの金利が800%に達するなど、市場全体が流動性危機に陥った。 Triaカードは世界中どこでも決済が可能な仮想通貨クレジットカード(約3000円〜)で、驚愕の最大6%が仮想通貨でキャッシュバックされます。さらに、予定されている仮想通貨の無料配布では先行登録者に大きなチャンスも!! 面倒な審査は不要です。現在、期間限定の割引セール中なので是非この機会に登録しておきましょう。(登録に必要なアクセスコード:MWVJXJ6475) 関連:仮想通貨クレジットカード「Tria」の登録方法・使い方【徹底解説】 TriaのWeb3カードに登録 次なる危機?Ethena/USDeへの波及リスク なぜUSDeが注目されるのか [caption id="attachment_147266" align="aligncenter" width="780"] USDe TVL推移(DeFiLlamaより)[/caption] Stream Finance事件を受け、市場の関心は別の高利回りステーブルコインUSDe(Ethena Labs発行)に向かっている。理由は明確だ: 高い利回り: 15〜30% APYを提供(時期により変動) 急速な成長: 2024年のピーク時にTVL $14.9B(約2.1兆円) レンディング市場での利用: Morpho、Euler、Siloなどに約$500M(約700億円)が流入 しかし急激な縮小: 2025年11月時点でTVLは$9.1B(-39%)まで減少 ⚠️ 重要な事実 現時点(2025年11月6日)において、Ethena Labs の USDe/sUSDe は直接的な Stream Finance 損失や xUSD デペグの影響を受けていない。 しかし、Morpho・Euler・Silo など Curator が管理する貸借市場に約$500M(TVL比3〜5%)が流入しているとされており、間接的な波及経路が存在しうる。 xUSDとUSDeの構造的差異 両者のメカニズムは根本的に異なる: 要素 xUSD(Stream Finance) USDe(Ethena Labs) 担保構造 不透明(再帰的ループで膨張) 明確(ETH/BTCの現物) 収益源 不明瞭な「外部運用」 ファンディングレート(数学的に明確) レバレッジ 7.6倍+ (事実値) 実質1倍(デルタニュートラル) 透明性 極めて低い 高い(リアルタイムダッシュボード、PoR公開) リスク管理 Curator依存 独立したRisk Committee 過剰担保率 不明 1.04倍(2025年11月時点) 【USDeの基本メカニズム:デルタニュートラル戦略】 [caption id="attachment_147267" align="aligncenter" width="724"] USDe のメカニズム(Whitepaperより)[/caption] Step 1: ユーザーがETHを預ける(例:$100M) ↓ Step 2: Ethenaが同額のショートポジションをBinance、OKX、 Deribitなど複数のCEXで建てる(例:$100M分) ↓ 結果: ETH価格変動の影響がキャンセル(ニュートラル) + ファンディングレートで収益獲得 + 取引所破綻リスクを分散 この戦略は数学的に健全で、xUSDのような「ブラックボックス」とは一線を画す。 USDeの実績:2025年10月の試練 USDeの堅牢性は、実際のストレステストで証明されている: 【2025年10月10日の市場暴落】 状況: 暗号市場全体が急落、Binanceのみで一時的にUSDeが$0.65まで下落 償還規模: 24時間で$2B(約2,800億円)の償還が発生 結果: Ethenaは全ての償還を滞りなく処理、USDe価格は速やかに回復 最大デペッグ: Binanceでのみ0.35%の乖離が起きたが、CurveなどではDepegは怒らなかった。 この実績は、USDeの基本メカニズムが短期的なストレスに対して高い耐性を持つことを示している。 3つの波及経路とそのリスク しかし、Stream Finance事件からUSDeへの波及リスクはゼロではない。主に以下の3つの経路が存在する: 波及チャネル メカニズム 現状規模 想定インパクト ① 間接担保リスク CuratorがxUSD等を担保にUSDeを借入→xUSDデペグで清算&USDe売却 Morpho/Euler/Siloの USDe建玉 約$500M 清算同時発生で一時的に USDe市場売り圧 ② ループ解消リスク USDe→貸付→再購入→再預入(4-5倍)のレバ戦略をCuratorが一括巻き戻し 推定$200M規模 ヘッジ解消コスト上昇、 ペッグ乖離拡大の可能性 ③ 信用不安波及 「Curator=ブラックボックス」批判高まり→USDe保有者が償還へ 10月実績:24時間で $2B償還を処理 短期的には処理能力あり、 持続すればヘッジ原資確保が課題 USDeの現状分析 【TVL推移(2025年10月〜11月)】 指標 2025年10月1日 2025年11月6日 変化率 Ethena TVL $14.88B $9.12B -38.7% USDe供給量 $9B $6B -33% Curator管理市場への流入 $620M $500M -19% 過剰担保率 1.08倍 1.04倍 バッファ縮小 重要なポイント: TVLの大半は自家準備金であり、Curator管理市場はごく一部(約5%) 10月に$2B償還を処理した実績があり、短期的な清算耐性は確認済み ただし過剰担保バッファが1.04倍へ縮小。持続的な大量償還が続けばヘッジ費用が跳ね上がる可能性 TVL縮小により市場流動性が薄化、Curatorの売却が価格に与える影響が拡大 リスクシナリオと確率評価 シナリオ 発生確率 影響度 触媒 A. Curatorが不適切担保を承認し複数Vault同時デフォルト 中 中 追加デペグ案件(新興合成ドル等) B. レバレッジループ解消でUSDe売り圧>償還能力 低 中 BTC急落+ファンディングレートスパイク C. 政策・規制がCuratorに登録義務を課し流動性低下 中 低 米SECのファンド告発 D. 情報不透明批判でユーザー償還連鎖、ペッグ崩壊 低 高 PoR更新停止・大型ハッキング Ethenaの対応策:波及リスクの緩和に向けて Stream Finance事件を受け、Ethenaおよび関連プロトコルは以下の対策を進めている: 【実施中・予定の緩和策】 Curator審査強化 Morpho/EulerがProof-of-Due-Diligence提出を義務化予定 担保承認プロセスの透明化 動的LTV & ループ上限 Curator VaultのLTVをオラクル・ボラティリティ連動型へ Stream事故を受け議論進行中 Ethena自身のPoR拡充 11月5日公開のダッシュボードで取引所別オラクルと担保可用性をリアルタイム表示 透明性の更なる向上 清算インフラ多元化 Bybit以外にOKX・Deribit先物をヘッジ先として追加 ファンディングレート変動リスクを分散 取引所破綻リスクの軽減 総合評価:波及リスクの現実的評価 結論 時間軸 リスク評価 根拠 短期 (1-3ヶ月) 低 10月に$2B償還を処理した実績 Curator経由の流入はTVLの5%のみ 基本メカニズムは数学的に健全 中期 (3-12ヶ月) 中 TVL縮小で流動性薄化 過剰担保バッファ1.04倍へ縮小 Curatorの不透明性が残存 長期 (1年以上) 中 Curator依存の構造的課題 規制強化の可能性 持続的なTVL縮小トレンド 重要な認識: USDeの基本設計はxUSDより遥かに堅牢 しかしDeFiエコシステムへの統合そのものが新たなリスクベクトルを生み出している Curatorが介在するレンディング市場での利用拡大は、設計段階では想定されていなかった「外部性リスク」 波及リスクは「ゼロではないが、管理可能な範囲」というのが現実的な評価 歴史的教訓:Terra/UST、USDC危機との比較 今回のStream Financeから起きたxUSDおよびUSDX、deUSDのデペグ問題を、過去に発生した大規模なステーブルコイン危機と比較することで、DeFi市場が直面するリスクの本質的な変化を浮き彫りにする。 比較対象は、Terra/USTの完全崩壊(2022年5月)とSVB破綻によるUSDCデペッグ(2023年3月)である。これら三つの事件は、それぞれ異なる原因で発生したが、いずれも市場に深刻な影響を与え、ステーブルコインの信頼性に対する根本的な問いを投げかけた。 三大ステーブルコイン危機の構造比較 要素 Terra/UST (2022年5月) USDC/SVB (2023年3月) Stream/xUSD (2025年11月) タイプ アルゴリズミック フィアット担保 暗号資産担保(合成) 根本原因 Death Spiral設計 銀行破綻(外部) Curator依存+オラクル欠陥 最大デペッグ 100%($0.00) 13%($0.87) 87%($0.16) 損失規模 $60B蒸発 一時的、完全回復 直接$93M、波及$285M 回復 不可能 2-3日で完全回復 部分的、調査中 透明性 低 高 極めて低い 波及範囲 暗号市場全体 ステーブルコイン限定 DeFiレンディング Terra/UST:アルゴリズムの崩壊 【メカニズムの致命的欠陥】 Terra/USTは、担保を持たない「アルゴリズミック・ステーブルコイン」として設計された。その価値維持メカニズムは、姉妹トークンLUNAとの交換レートに完全に依存していた: 【Death Spiralの構造】 1. USTへの信頼低下 → 売り圧力 ↓ 2. $1維持のためLUNAを増発して買い支え ↓ 3. LUNA供給増加 → LUNA価格下落 ↓ 4. LUNA下落 → USTへの信頼さらに低下 ↓ 5. Step 1に戻る(無限ループ) 崩壊のトリガー: Anchor Protocolの20% APYが持続不可能と判明 LFG(Luna Foundation Guard)の$1.5Bビットコイン売却も効果なし 市場パニックが加速し、数日で両トークンが事実上ゼロに 暗号市場全体で$400B以上の時価総額が蒸発 特徴:自己完結型の失敗 Terra/USTの崩壊は、外部要因ではなく、設計そのものの欠陥によるものだった。担保を持たず、純粋に市場の信頼にのみ依存するシステムは、一度信頼が揺らぐと止めようのない連鎖反応を引き起こす。これは「数学的には美しいが、心理学的には脆弱」なモデルの限界を示した。 また、Do Kwon氏率いるTerraform Labsの傲慢な姿勢や、批判者への攻撃的な対応も、コミュニティの信頼を失わせる要因となった。透明性の欠如と説明責任の放棄は、技術的欠陥と同じくらい致命的だった。 USDC:伝統金融リスクの侵入 【突然の信頼喪失】 USDCは、米ドル準備金で完全に担保された「フィアット担保型ステーブルコイン」として、最も信頼性の高い選択肢の一つとされていた。しかし2023年3月、伝統的金融システムの脆弱性が、暗号資産市場に侵入した。 事件の経緯: 2023年3月9日: Silvergate Bank、Signature Bankが経営破綻 3月10日: Silicon Valley Bank(SVB)が破綻 3月11日早朝: Circle社が準備金$3.3B(約4,600億円)がSVBに預けられていたことを公表 同日午後: 市場パニック、USDC価格が$0.87まで下落 3月13日: 米政府(FDIC)が全預金者保護を発表 3月14日: USDCが$1.00に完全回復 特徴:オフチェーンリスク USDCの一時的デペッグは、DeFiプロトコルの問題ではなく、伝統的金融システムの問題だった。しかし、この事件は重要な教訓を残した: カストディアンの分散が不可欠: 準備金を単一の銀行に集中させることの危険性 透明性が信頼回復の鍵: Circle社の迅速な情報開示が、より深刻な事態を防いだ 政府保証の威力: FDIC保証が決定的な役割を果たし、わずか2-3日で完全回復 「リスクフリー」は幻想: 最も安全とされるステーブルコインでさえ、外部リスクから完全には自由ではない 興味深いことに、この事件はUSDCの長期的な信頼性を高める結果となった。Circle社の対応の速さと透明性、そして米政府の保護が機能したことで、「危機に耐えられるステーブルコイン」としての評価を得たのである。 Stream/xUSD:第3世代リスクの顕在化 【新しいタイプのシステミックリスク】 Stream Finance事件が示したのは、以下の特徴を持つ「第3世代リスク」である: 世代 リスクの性質 代表例 第1世代 プロトコル設計の失敗 Terra/UST 第2世代 外部依存先の失敗 USDC/SVB 第3世代 エコシステム内部アクターの失敗 Stream Finance/xUSD 第3世代リスクの4つの特徴: 内部アクターの暴走: プロトコル設計(第1世代)でも外部依存(第2世代)でもなく、エコシステム内部のアクター(Curator)が引き起こした 相互依存による連鎖: 単一プロトコルの問題が、相互依存性により複数プロトコルに瞬時に連鎖 ガバナンス欠如: Curatorを監視・制御する仕組みが不在で、単一障害点が形成されていた 透明性の幻想: オンチェーンで全てが見えるはずなのに、実際の意思決定プロセスは完全にブラックボックス これは、DeFiが新しいフェーズに入ったことを意味する。もはや「プロトコルを正しく設計すれば安全」ではなく、「エコシステム全体の健全性」が問われる時代になったのだ。 個々のスマートコントラクトが完璧に動作していても、それを管理・運用する人間やアルゴリズムが不適切であれば、システム全体が崩壊する。これは、DeFiが「コードの信頼性」から「ガバナンスの信頼性」へと課題が移行したことを示している。 三つの危機の比較分析:類似点と相違点 【類似点:全てに共通する「信頼の崩壊」】 三つの事件すべてにおいて、「透明性の欠如」と「信頼の急速な喪失」が決定的な役割を果たした: Terra/UST: アルゴリズムへの盲目的信頼 → 設計欠陥の露呈で瞬時に崩壊 USDC: 銀行システムへの信頼 → 準備金凍結の判明で一時的動揺 xUSD: Curatorと運用への信頼 → ブラックボックスの崩壊で市場離脱 いずれのケースでも、「見えないリスク」が突然顕在化し、市場参加者が一斉に出口に殺到する「バンクラン」が発生した。ステーブルコインの価値維持は、最終的には「信頼」という無形の資産に依存しており、それが失われた瞬間、あらゆる技術的メカニズムは無力化する。 【重要な相違点】 観点 Terra/UST USDC xUSD 回復可能性 不可能(設計の根本的欠陥) 完全回復(政府保証) 部分回復の可能性(法的手続き) 失敗の所在 プロトコル設計そのもの 外部依存先(銀行) 中間管理者(Curator) 影響範囲 暗号市場全体($400B+) 限定的、短期 DeFiレンディング($285M波及) 救済の可能性 なし 政府介入により可能 コミュニティ/法的措置により部分的に可能 予防可能性 理論的には可能(別の設計) 可能(カストディ分散) 可能(Curator監視体制) 共通する教訓 三つの事件から導かれる普遍的な教訓: 💡 5つの不変の真理 透明性は信頼の基盤 ブラックボックスは危機時に致命的 情報開示の速さと正確さが回復速度を決定する 「見えないリスク」は必ず最悪のタイミングで顕在化する 単一障害点の排除 集中は必ず裏切られる 分散は効率を犠牲にするが、レジリエンスを高める 「大きすぎて潰せない」は暗号資産市場では通用しない インセンティブ設計の重要性 利益相反がモラルハザードを生む 短期的利益の追求が長期的崩壊を招く 「利益は自分、損失は他人」の構造は必ず破綻する ストレステストの限界 平時に機能するシステムが危機時に崩壊 想定外は必ず発生する 真のストレスは予測不可能なタイミングで訪れる 市場の記憶は短い 同じ過ちが形を変えて繰り返される 新しい「革新的」メカニズムが古い問題を再生産 歴史から学ばない者は、歴史を繰り返す運命にある そして、教訓は活かされるのか? 皮肉な真実 Terra/USTの崩壊からわずか3年。USDC危機から2年半。そしてStream Finance事件が発生した。 形は変わっても、根本的な問題——透明性の欠如、集中リスク、利益相反、過度な信頼——は何も変わっていない。 市場は成長した。プロトコルは高度化した。しかし、人間の本質——貪欲、恐怖、集団心理——は不変である。 次の危機は、また違う形で訪れるだろう。そして我々は、再び同じ教訓を学ぶことになるのかもしれない。 Triaカードは世界中どこでも決済が可能な仮想通貨クレジットカード(約3000円〜)で、驚愕の最大6%が仮想通貨でキャッシュバックされます。さらに、予定されている仮想通貨の無料配布では先行登録者に大きなチャンスも!! 面倒な審査は不要です。現在、期間限定の割引セール中なので是非この機会に登録しておきましょう。(登録に必要なアクセスコード:MWVJXJ6475) 関連:仮想通貨クレジットカード「Tria」の登録方法・使い方【徹底解説】 TriaのWeb3カードに登録 まとめ:分散化の理想と集中化の現実 我々はどこにいるのか Stream Finance/xUSD事件は、DeFiが「青年期」から「成人期」への過渡期にあることを明確に示している。 青年期(2020-2024)は、無制限の実験と成長の時代だった。失敗は許容され、理想主義的なビジョンが市場を牽引した。「Code is Law」——コードこそが法であり、人間の介入を排除すれば完璧なシステムが実現できるという信念が支配的だった。プロトコルは次々と革新的な機能を追加し、TVLは指数関数的に成長し、DeFiは「金融の未来」として輝いて見えた。 しかし成人期(2025-)に入った今、市場は異なる現実に直面している。持続可能な成長が求められ、責任とアカウンタビリティが問われる。現実的な制約——規制、リスク管理、ユーザー保護——を認識しなければならない。そして何より、「信頼」の再定義が必要になっている。 Curatorの台頭は、まさにこの移行を象徴している。彼らは「分散化の理想」と「効率性の現実」の狭間で生まれた、必然的な存在である。完全に分散化されたシステムは理想的だが、一般ユーザーにとっては複雑すぎて近づきがたい。専門家による管理は効率的だが、集中リスクを生み出す。DeFiは、この矛盾と向き合わなければならない段階に入ったのだ。 Curatorは敵か、味方か この問いへの答えは単純ではない。Curatorは「どちらでもある」——それが現実である。 味方としての側面を見れば、Curatorは間違いなくDeFiの発展に貢献している。複雑なリスク分析を代行し、一般ユーザーが高度な戦略にアクセスできるようにした。専門知識によってプロトコルの安全性を向上させ、適切なパラメータ設定を通じて数多くの潜在的損失を未然に防いできた。イノベーションを加速させ、新しい金融商品を次々と市場に投入し、DeFiエコシステム全体の拡大に寄与している。彼らがいなければ、多くのプロトコルは適切なリスク管理ができず、多くのユーザーは複雑すぎて参加できなかっただろう。 しかし敵としての側面も同時に存在する。上位5社が市場の60%に影響を与えるという集中度は、システミックリスクの震源地を形成している。Stream Finance事件が示したように、彼らの判断ミスや過度なリスクテイクは、一瞬にして数百億円規模の損失を引き起こす。「利益は分配、損失はユーザー」という非対称なインセンティブ構造は、モラルハザードを必然的に生み出す。そして、透明性を標榜するDeFiにおいて、Curatorの意思決定プロセスは依然として不透明なブラックボックスのままだ。新たな情報非対称性を生み出し、一般ユーザーと専門家の間の格差を広げている。 この二面性こそが、Curatorという存在の本質である。彼らは天使でも悪魔でもない——ただの人間であり、人間が設計したシステムであり、人間の欲望と恐怖、知恵と愚かさを併せ持つ存在なのだ。 最終的な洞察 Stream Finance事件が我々に教えるのは、「Curatorを排除すること」ではない。それは現実的でもなければ、望ましくもない。むしろ、「Curatorをどう適切に機能させるか」——これこそが、DeFiが次のステージへ進むための中心的な課題である。 第一の認識:分散化は手段であって目的ではない。 我々が本当に目指すべきは、分散化それ自体ではなく、公平で透明で持続可能な金融システムの構築だ。 もし適切に設計され、監視され、制約された「仲介者」がそのゴールに貢献するなら、それを認めることに躊躇する理由はない。 重要なのは、その仲介者が誰のために、何のために存在するのかを明確にすることだ。Curatorは、自らの利益のためではなく、エコシステム全体の健全性のために機能しなければならない。 第二の認識:完璧な解はない。 あらゆるシステムにはトレードオフが存在する。分散化を追求すれば効率性を失い、効率性を追求すれば集中リスクを生む。透明性を高めればプライバシーが損なわれ、プライバシーを守れば説明責任が曖昧になる。 完璧なバランスを見つけることは不可能だ。しかし、リスクを理解し、継続的に管理し、必要に応じて調整することは可能である。DeFiの成熟とは、この不完全性を受け入れ、それでもなお前進し続けることを意味する。 第三の認識:進化は続く。 DeFiは完成品ではない。それは常に進化の途上にあり、失敗から学び、改善を重ねるプロセスそのものだ。 Terra/USTの崩壊、USDC危機、そしてStream Finance事件——これらは終わりではなく、次の段階への踏み台である。 痛みを伴う教訓だが、それを無駄にしなければ、より強靭なシステムを構築できる。歴史は、金融システムが常に危機と改革を繰り返しながら進化してきたことを示している。DeFiも例外ではない。 投資家として銘記すべきこと Curatorが関わるプロトコルに資金を預けるということは、単に「高い利回りを得る」ことではない。それは、専門家の知見を活用する利点を享受すると同時に、彼らのインセンティブ構造を理解する責任を負うことを意味する。Curatorがいつ、どのように、なぜ出口戦略(利益確定や損切り)を実行するかを常に意識し、その影響を予測しなければならない。 そして何より重要なのは、最終的な責任は自分にあることを忘れないということだ。Curatorは助言者であり、管理者であるかもしれないが、あなたの資産の所有者ではない。判断を委ねることと、責任を放棄することは異なる。DYOR(Do Your Own Research)という原則は、Curator時代においてもなお、いや、Curator時代だからこそ、より一層重要になっている。 高い利回りの裏には必ずリスクがある。透明性が高いと主張されるシステムにも、見えないリスクが潜んでいる。「専門家が管理しているから安全」という思い込みは、しばしば最も危険な錯覚である。Stream Finance事件は、この真理を数百億円という代償とともに思い出させてくれた。 DeFiの未来へ Stream Finance事件は、確かに痛烈な教訓だった。しかしそれは同時に、エコシステムが成熟するための必要な通過儀礼でもある。DeFiはまた今回の失敗を通じて成長する。 重要なのは、この失敗を無駄にしないことだ。透明性の向上——Curatorの意思決定プロセス、リスク評価モデル、報酬構造の完全な開示。インセンティブの再設計——損失時のペナルティ導入、長期的成果への報酬シフト、ステークによる「skin in the game」の確保。規制との建設的対話——過度な規制でもなく完全な無規制でもない、適応的で柔軟なガバナンス・フレームワークの構築。これらを通じて、DeFiは次のステージへと進化できる。 Curatorという存在は、その進化の最前線にいる。彼らが「分散化の守護者」となるか「システミックリスクの震源地」となるかは、Curator自身の選択、プロトコルの監視体制、規制当局の対応、そして我々投資家の行動——これら全ての相互作用によって決まる。 参考文献・データソース 主要情報源 The Block - "Analysts map $285M in potential exposure across DeFi after Stream Finance's $93M loss" (2025年11月4日) PANews - "Stream Finance事件分析:Curatorの役割と責任" (2025年11月6日) The Defiant - "How Stream Finance's Collapse Exposed DeFi's Looping Yield Bubble" (2025年11月6日) DefiLlama - プロトコルTVLデータ、Curator統計 Morpho Documentation - Vault Creation and Curator Roles Ethena Documentation - USDe Mechanism and Risk Management オンチェーン分析 0xSchlag (@0xSchlag) - X投稿による再帰的ループ分析 Nansen - スマートマネーフロー分析 Dune Analytics - カスタムダッシュボード 歴史的事例 BlockApps - "What Caused the Depeg of TerraUSD" (2024年12月) CoinMarketCap - "SVB Fallout and USDC De-Peg" (2023年3月) 免責事項 ・本記事は教育・情報提供を目的としており、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。DeFiプロトコルの利用にはスマートコントラクトリスク、清算リスク、オラクルリスク、Curatorリスク、その他様々なリスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

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2025/10/14Grand Tuna Carving Dinner w/ ZKsync | Grvt | Abstract — 参加レポート
はじめに KBW(Korea Blockchain Week)期間中の9月25日、ソウルで開催された Grand Tuna Carving Dinner w/ ZKsync | Grvt | Abstract に招待を受け、参加した。 このイベントは、ZKsync、Grvt、Abstract が共同で主催した完全招待制のプライベートディナーで、限られた業界関係者のみが招かれる特別な場であった。 Wrapping up KBW with a tuna carving dinner event with @zksync and @AbstractChain Who knew 🐟, friends, and web3 go well together? 🤷♂️ pic.twitter.com/Eek2vW3dUP — Grvt (@grvt_io) September 26, 2025 Crypto Timesはこれまで、Grvtに対してマーケティング戦略面でサポートを行うとともに、自社としても投資を行っている。 その関係から今回Grvtより正式に招待を受けた。結果として、GrvtとZKsyncの間にある深い協働関係、そしてZKsyncが自らのエコシステム内でGrvtを極めて重要なプロジェクトとして位置づけていることを実感する機会となった。 イベント概要と雰囲気 会場は高級感と静けさが両立した空間で、ミシュランのビブグルマンにも名を連ねるシェフ、Jihyung氏が手掛けるマグロの解体パフォーマンスと寿司職人 Woo Tae Un氏によるコース料理が提供された。 パフォーマンスを通じて料理と文化を融合させた演出がなされており、“もてなし”の質の高さが印象的だった。 特筆すべきは席数が非常に限られていたこと。 日本からの参加者は実質的にCrypto Timesのみであり、主催者側も多くのメンバーが食事を取らず、来場者を優先するホスピタリティが徹底されていた。人数を絞ることで会話が自然に生まれ、プロジェクトの垣根を超えた濃密な交流が可能となっていた。 出席者と交流 今回の来場者は、主に韓国の著名KOLやインフルエンサーたち。 普段は顔を出さないメンバーも多く、業界関係者が一堂に会する貴重な機会となった。 日本人参加者が自分ひとりという状況の中でも、各韓国KOLが非常にフレンドリーに声をかけてくれ、互いの国のマーケティング手法やコミュニティ形成の違いについて情報を交換できたのは大きな収穫だった。 具体的には、以下のような影響力あるKOLたちが参加していた: @ONEMINNFT — フォロワー11万人超。Web3ゲーミングとNFT情報を積極的に発信する韓国のKOL。0G LabsやSei Networkのアンバサダーでもある。 @ArkInsight —韓国の暗号通貨コミュニティネットワークで、プライベートTelegramグループとエアドロップ/投資情報を共有するKOL。 @heedan123 —韓国で、Web3/NFTプロジェクトのプロモーションと「Yapping」(KaitoAIなどのソーシャル活動)を中心にTelegramコミュニティを運営するKOL。 @legoleecm —韓国発のCrypto Alphaチャネル「Crypto Expedition」創設者で、Web3/NFTイベント参加とエアドロップ情報を共有するKOL。 @vvxiaoyu8888 —BNB Chain中心のmemeコイン・DeFiトレーダー兼Sidekickライブストリーマーで、Web3イベント参加とエアドロップ情報を共有する中国人KOL。 このイベントの前日にビジネスパートナーのDeSpreadのオフィスへ訪問し、昨今の韓国市場でのKOL事情を聞いてきたばかりであったが、確かに韓国のKOLシーンは今、細分化と成長が同時進行しており、個々が自分のコミュニティを持ちつつ、DeFiなど実際の運用にも積極的に関与している。 また日本と異なり、単なる情報発信にとどまらず、「自らの言葉でプロジェクトを体験的に語る」スタイルが主流になっていることが印象的だった。 Grvt・ZKsync・Abstractの現在地 [caption id="attachment_145185" align="aligncenter" width="407"] 写真左より、Steven Correll 氏, Senior Business Development Manager / Alex Gluchowski 氏, Co-Inventor of ZKsync; Co-Founder & CEO of Matter Labs, Hong Yea氏 Co-founder, CEO of Grvt[/caption] このような影響力あるKOLたちを自然に集められること自体がGrvt・ZKsync・Abstractのブランド力と信頼の証といえる。 ZKsyncが投資家としてGrvtを支えながら、同時に“自らのエコシステムの中核的存在”として位置づけている構図が今回のイベントではっきりと見て取れた。 Crypto Timesとしても、関係者・投資先・開発者・KOLが同じテーブルにつく“水平な交流の場”という形式に今後のイベントモデルの可能性を感じた。ネットワーキングの中心に“食と文化”を置いた今回の設計は単なるPRを超えたブランド戦略の進化形といえるだろう。 総括 — 新しいステージへ 今回のGrand Tuna Carving Dinnerは、華やかな演出の裏に、プロジェクト同士・投資家・KOLを信頼でつなぐ静かな場としての意味を持っていた。 GrvtやZKsyncが次のフェーズに進んでいることを象徴するイベントであり、Crypto Timesとしても、アジアを起点とするエコシステムの成熟と、そこに寄り添う役割を改めて実感した。 [caption id="attachment_145187" align="aligncenter" width="271"] 来場者に配布されたGrvtオリジナルグッズ。終始ホスピタリティを意識していたイベントであった。[/caption]

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2025/10/10Pantera x Multipli | KBW Liquid VIP Dinner Table — 参加レポート
はじめに KBW(Korea Blockchain Week)期間中に開催された 「 Pantera x Multipli | KBW Liquid VIP Dinner Table 」に参加した。 今回の招待は、ETH DenverでMultipliチームと出会ったことをきっかけに実現したもの。Crypto Times コンサルティング事業部としても、Multipli側との交流をさらに深め、TGEを控える彼らの動きや組織体制の成熟度を確認することが目的だった。 Multipliチームの印象と組織体制 Multipli ( https://x.com/multiplifi )はETH Denverの頃から着実に成長しており、職務の分離・責任範囲の明確化が進んでいる印象を受けた。当時デンバーで会ったShaaran氏 ( https://x.com/Shaaran5 ) は現在ドバイに拠点を置き、開発に専念している。一方、今回のイベントではNakul氏 ( https://x.com/nakul___gupta )が現地でプロジェクト代表として対応しており、明確な役割分担が徹底されていた。 暗号資産プロジェクトの中には、海外でのイベント開催の度にコアメンバーが移動してしまい、開発進行が停滞するケースも少なくない。だが、Multipliに関してはそうしたリスクマネジメントも十分に機能しており、安心感と組織的成熟を感じた。 会場と参加者層 Had a great time hosting private @multiplifi dinner at KBW with @PanteraCapital Lot of energy and excitement for yield on tokenized RWAs - could not be more bullish on building in this space 🫡 Thanks to all our partners and upcoming projects for attending! pic.twitter.com/NVmGCFDJvc — Nakul G (@nakul___gupta) September 25, 2025 会場は完全招待制のクローズドな雰囲気で、来場メンバーの大半が著名プロジェクトのFounderやVC関係者。プロジェクトの方向性や資金調達、戦略的パートナーシップといったビジネス面を中心に実務的なディスカッションが活発に行われていた。 形式的なパネルやスピーチはなく、小規模なテーブルごとの対話が中心。互いの経験を共有しながら、資本と開発、投資と運用のリアルな課題が率直に語られていた。 Crypto TimesとしてもMultipliチームを通じて海外の資本運用者層・DeFiビルダー層への理解をさらに深める貴重な機会となった。 イベントの潮流と業界の二極化 今年の夏にCrypto TimesがWebX期間中に主催したサイドイベントと同様、Web3イベントは明確に二極化しつつあると感じた。 一方は、今回のような招待制・クローズド型のビジネスネットワーキングイベント。ここでは、明確な目的を持った関係者が集まり、実質的なパートナーシップや資本連携を模索する。もう一方は、一般ユーザーや開発者向けのオープンイベント。新規層へのアプローチや啓蒙的要素が強い。 一般開放型のイベントは短期的な収益性が低く、運営側の支出構造が重くなりやすい。グッズ制作やケータリングなどの体験要素を充実させるほどコストが膨らみ、結果として開催頻度が制約を受けやすい点は否めない。 業界全体として“広げるフェーズ”から“深めるフェーズ”へと移行していることを今回のイベントでも強く実感した。 総括 — 深まる関係、成熟するフェーズへ ETH Denverでの初対面から半年。Multipliはプロジェクトとして確実に進化し、組織面・技術面ともに安定した運営体制を築いていた。今回のディナーでは、彼らの落ち着きと自信、そして開発を止めない実務志向の姿勢が印象的だった。 Crypto Timesとしてもこうしたグローバルで信頼性の高いプロジェクトとの関係を深化させることが今後の戦略支援・クライアント提案の質を高める重要な要素になると感じている。 Pantera x Multipliのディナーは表に見えにくい場所でこそ、確かな前進が生まれていることを実感させる時間だった。 Multipliの解説動画はこちら↓

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2025/10/08Movement Summit@KBW 2025 参加レポート ― 新体制下で見せた「開発者主導の熱量」―
ソウル・江南で開催された「Movement Summit @ KBW 2025」は、前CEOのRushi氏退任後、新CEO Torab氏 ( https://x.com/torabyou )の体制で開催されたサイドイベントとして注目を集めた。Luma上では1,000名を超える参加登録が確認され、会場は開場直後から熱気に包まれていた。 KBW has been a movie. pic.twitter.com/RRLqXhtEAv — The Movement (@moveindustries) September 23, 2025 Crypto Times コンサルティング事業部としては、単なる来場ではなく、新体制の方向性・開発者層の反応・韓国拠点戦略の実効性を見極めることを目的に現地へ足を運んだ。 プログラムの主な構成は以下の通り: Opening Keynote:Movement の進化と “Mobile-First 未来” Move Tank:投資家パネル + ピッチアリーナ チェインリンク × Movement Fireside Chat 開発者向け統合・ツール解説(サイドセッション) 閉会セッション 新体制の始動と「Movement 2.0」 [caption id="attachment_145031" align="aligncenter" width="507"] 新CEO Torab氏によるプレゼンテーション[/caption] オープニングセッションでは、新CEO Torab氏によるプレゼンテーションが行われ、 「Movement 2.0」の発表 韓国をアジア展開の中核拠点とする “Movement Hub” の設立 Aptosから新たに迎え入れたデベロッパーの紹介 といった様々なニュースが次々に打ち出された。 熱量の中心にあった「開発者コミュニティ」 [caption id="attachment_145034" align="aligncenter" width="537"] ピッチに参加したプロジェクトメンバーの皆様[/caption] 今回のサイドイベントを特徴づけたのは、来場者の層の厚さと熱量だ。 一般ユーザーだけでなく、Movement上でプロダクトを構築する各種プロジェクトのCEO・CTO・リードデベロッパーたちが多数来場していた。 参加プロジェクト一覧 Meridian https://x.com/meridian_money Mosaic https://x.com/mosaicagg Stableyard https://x.com/stableyardfi Spyre https://x.com/spyreio Up Network https://x.com/upnetworkhq LayerBank https://x.com/LayerBankFi Neony https://x.com/NeonyExchange サイドイベントではセッションの最中でも、来場者がネットワーキングに精を出しすぎるがゆえノイズが多くなることがありがちだが、当該イベントで開催されたプロジェクトのピッチセッションでは皆が真剣にプレゼンテーションを聞いていた。 [caption id="attachment_145033" align="aligncenter" width="523"] SpyreのCEOによるプレゼンテーション[/caption] 他のイベントにありがちな“案件獲得中心”のムードとは異なり、ここには“現場のエンジニアたちが技術を語り合う空気”があり、開発コミュニティとしての盛り上がりを肌で感じられた。 ネットワーキングと現場の空気 プレゼン・ピッチ後のネットワーキングでは、開発者同士の情報交換や新規コラボレーションの相談が各所で行われた。 開発者以外の来場者も楽しめるよう、会場ではMovementチームが準備したケータリングや各種ノベルティグッズも配布され、参加者の間で連絡先交換とともに話題をつなぐきっかけとなっていた。 [caption id="attachment_145030" align="aligncenter" width="571"] Movementが大事にしているコミュニティと世界観が分かる遊び心あふれるデザインが会場全体に展開されていた[/caption] [caption id="attachment_145059" align="aligncenter" width="574"] Swag ブース / Movement 上で開発されているプロジェクトのグッズなども配布されていた[/caption] 特に今回配布された中でも非常に面白かったのがdope.cards。 Cardsをスマホにタップさせるとウォレットが自動的に生成され、遊び心からか69 $MOVEがエアドロップされた。 Movement Summitで来場者に配られたDope Card @dopedotcards . 遊び心か、カード経由で “https://t.co/V27b1zemM8”のアプリをインストールしたら、69 $MOVE がプレゼント。 今回のサイドイベントのピッチでは他にも新しいプロジェクトが出てきてて、引き続き要注目のMovementです。 👇Dope… https://t.co/srDwYHZpys pic.twitter.com/ZHVoEINGP6 — Henry (@HenryWells1837) September 23, 2025 [caption id="attachment_145037" align="aligncenter" width="403"] オリジナルのキャップ[/caption] [caption id="attachment_145036" align="aligncenter" width="419"] オリジナルのプロシャツ[/caption] Crypto Timesチームとしても、Moveエコシステムの複数プロジェクト関係者と接点を持ち、投資家としての立場だけでなく日本市場での情報発信・PR連携など、今後の具体的な協業の糸口を探ることができた。 総括 ―「継続」と「成熟」のフェーズへ Rushi前CEOの退任という節目を経て、Movementは“リブート”でも“再構築”でもなく「継続と成熟」の段階へと移行しているように感じた。 2月のETH Denverで会ったときのRushi氏は、カリスマ性と推進力を前面に出す性質のリーダーだったが、今回のTorab氏はその真逆。落ち着いた物腰の中に、開発者とともに一歩ずつ前へ進めていくような誠実さと精度志向のマネジメントスタイルを印象づけた。 興味深いのは、リーダーが交代してもコミュニティの熱が冷めていないことだ。むしろ、Movement上でプロダクトを開発するエンジニアやプロジェクトのリーダーたちが、以前にも増して主体的に盛り上げようとしている。この“開発者コミュニティの芯の強さ”こそが、Movementが持つ最大の資産であり、ブランドとしての生命線だろう。 韓国をアジア拠点とする戦略もまた、その地盤の強化を象徴している。開発者人口の多さ、投資ネットワークの厚み、ローカルでの技術イベントの頻度を考慮すれば、韓国Hub設立は理にかなった布陣だ。 今回のSummitを通じて感じたのは、“変化”ではなく“成長”だ。 Movementは今、過去の推進力と新体制の安定感が交わる地点に立ち、次のステージに向けた穏やかな雰囲気の中での確信を手に入れつつある。開発者たちの笑顔と議論の熱量がその未来の方向をすでに示していた。

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2025/05/15bb Community Meetup Vol.2 イベントレポート
boarding bridge(bb)のコミュニティ設立3周年を記念し、Crypto Lounge GOXにてオフラインミートアップを開催しました。 今回のイベントでは、日頃からコミュニティを盛り上げてくれるコアメンバーや、bbと関係の深いプロジェクトのチームメンバーを招待し、オフラインならではの深い交流を楽しみました。 本記事はイベントの概要と当日の様子をまとめたレポートです。 イベント概要 日時:2025年5月11日(日)18:30-21:30 会場:Crypto Lounge GOX ゲスト:70名 bb Community Meetup Vol.2 開催決定✈️ 📅 5月11日(日) @groove_on_x 🥩 近江牛ローストビーフ @wagyuinternat 🎁 豪華リワードが当たるお楽しみ抽選会 🍰 記念ケーキ、シャンパン、ノベルティ他 詳細&応募はこちら(WL制) ▶️ https://t.co/DNRE3RK1HD pic.twitter.com/qwNArePFk9 — boarding bridge (@bb_jpdao) April 24, 2025 オープニング 開場とともにゲストが来場し、受付では記念クッキーが配布されました。 今回の司会進行は、boarding bridgeのOfficerとして主にMCを担当するAkiと、同じくオフィサーでありCryptoTimesのライターとしても活躍するMaFiが担当しました。 二人の軽快なトークでイベントは幕を開け、その後FounderのTakaより、新たに設立されたDAO LLCのロードマップや、あまり知られていない過去の裏話などが語られました。 MC ・Aki | boarding bridge ・MaFi | boarding bridge bbの紹介 ・taka.eth | boarding bridge Founder 乾杯 会場の空気も温まったところでオリジナルシャンパンが提供され、DAO LLCのCo-FounderであるADMENより乾杯挨拶が行われました。 シャンパンは3周年を記念した特別ボトルで、bbのOfficerとして主にデザインを担当する特攻の拓より協賛されました。 乾杯挨拶 ・ADMEN | boarding bridge Co-Founder オリジナルシャンパン協賛 ・特攻の拓 | boarding bridge ディナーパーティー 今やbbのイベントでは恒例となっているwagyu internationalの近江牛ディナー。今回もローストビーフとステーキ合わせて10kgの和牛をご用意しました。 デザートには、渋谷で行列ができるほど大人気のCream on Crullerが登場。美味しい食事の中でオフラインならではの楽しいひと時をお過ごしいただきました。 さらにbbの3周年を祝い、過去のイベントバナーをプリントしたバースデーケーキをご用意。みんなでbbでの思い出を分かち合いました。 ディナーメニュー ・近江牛ローストビーフ&ステーキ | wagyu international ・おむすび&サンドイッチBOX | 松庵文庫 ・シュークルーラー | Cream or Cruller ・bb 3周年バースデーケーキ 大抽選会 イベントの目玉は、豪華協賛品による大抽選会。計20名の個人およびプロジェクトからご協賛いただきました。 リワードの総額はなんと約40万円となり、参加者一同手に汗握る抽選会となりました。 ご協賛者さま・プロジェクト(敬称略) ・Tsun | boarding bridge ・特攻の拓(ぶっこみのたく) | boarding bridge ・arata | boarding bridge / CRYPTO TIMES ・Rairu | boarding bridge ・MaFi | boarding bridge ・あつまれ クリプトの森 | boarding bridge ・taka.eth | boarding bridge ・ホリ | 元加賀市職員 ・Zn1 | 全財産ネンマツイッセンマン | boarding bridge ・杞憂(Kiyu) | boarding bridge ・leidream | boarding bridge ・Aki | boarding bridge ・わごむ | Crypto Lounge GOX ・StakeStone ・🔺NBUU ・MOLYA | もりや | W3GA ・Startale Japan ・ユッシ|CryptoTimes 編集部 ・ADMEN | boarding bridge / CRYPTO TIMES クロージング イベントの最後には、bb DAO LLCのCo-Founderでありロクブンノニグループの代表であるarataよりご挨拶申し上げました。 今回のイベント開催の趣旨とご来場への感謝を述べ、盛況のうちに楽しいイベントは幕を閉じました。 挨拶 arata | boarding bridge Co-Founder / 株式会社ロクブンノニCEO まとめ boarding bridge発足から3年、コミュニティの歩みを振り返りながらも、次のフェーズへ踏み出す“節目”となる一夜でした。70名の熱量あるコミュニティメンバーとパートナーが一堂に会し、DAO LLCとしての新たなロードマップを共有しつつ、レクリエーションを通じてリアルな繋がりを再確認しました。 bbは今後も「web3への搭乗橋」としてさらなる実験と拡張を続けていきます。来年のミートアップで、また新しい仲間と再会できる日を楽しみにしています。 ご参加・ご協力いただいたすべての皆さまに心から感謝いたします。 関連リンク boarding bridge Website | X (Twitter) | Discord | Link3

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2024/12/06Puffpaw日本初のミートアップイベント「Tokyo Puff Club」イベントレポート
2024年12月6日 19時に東京の原宿にあるQ Plaza Harajukuにて、Berachainのエコシステムプロジェクトである「Puffpaw」が日本国内のWeb3.0コンサルティングファームである「DeFimans」と共同でPuffpaw日本初のミートアップイベント「Tokyo Puff Club」を実施しました。 私たちは日本に来ます! We are coming to Japan! Tokyo Puff Club Friday, December 6th, 7PM to 10PM Register here 👉 https://t.co/pH37Auz0Sr Brought by @puffpaw_xyz & @DeFimans Come join us to check out our real product! Free giveaway 1 x Puff Pass, 5 x WL and 5 x boxes of pods.… — Puffpaw 💨 PUFF PASS on Dec 9th (@puffpaw_xyz) November 22, 2024 会場内の雰囲気は、サイケデリックかつお洒落で多くのユーザーが会場でネットワーキングを楽しんでいました。 その後は、Puffpawチームによるミニセッションが行われ、下記の内容はミニセッションの内容になります。 PuffPawチームミニセッション PaffpawはBerachain上で開発されており、使用することで暗号通貨を稼ぐことができる革新的なブロックチェーン基盤のVape(ヴェポライザー)を開発しています。PuffPawは、10K NFTセールを含むグローバル戦略の一環として、日本市場ではニコチンフリーの製品を展開予定で、その他の国ではシーシャや大麻ヴェポライザー市場への拡大も視野に入れています。 Puffpawでは、6,000,000ドルのシードラウンドの資金調達に成功しており、世界中の13億人の喫煙者向け製品にブロックチェーン技術を統合することで、新しい経済モデルを構築しようとしています。 日本初の「吸って稼ぐ」コンセプト セッションでは、Puffpawのコアコンセプトである「吸って稼ぐ(Vape to Earn)」について詳しく紹介されました。このヴェポライザーは、ブロックチェーン基盤で動作し、マイニングマシンとして機能します。特に日本では、法的な規制によりニコチンフリーの製品に限定されています。現在、Puffpawでは10K NFTセールを準備しており、これらのNFTは無料ヴェポライザー製品やトークンといった特典を提供する限定アイテムです。 Puffpawは、今後はアメリカ市場への展開も考えているとともに、その他シーシャや大麻ヴェポライザー市場への進出を視野に入れ、さらに他産業との技術統合にも取り組んでいくと述べています。 イベントまとめ PuffpawはBerachainのエコシステムにおいても非常に面白い取り組みのプロジェクトで、Vape to Earnのコンセプトを元にして、今も勢いのあるプロジェクトです。Berachainからのインキュベーションも認められた最初のDePINプロジェクトとなっています。これから、10,000個限定のPuffpass NFT Saleも控えており、注目しておくと良いでしょう。 イベント自体も多くの人が常にネットワーキングをしており、日本初のpuffpawミートアップは大盛況であったと言えるでしょう。今後のPuffpawの市場展開に注目が集まります。 Puffpaw各種Info Official Website : https://www.puffpaw.xyz/ X : https://x.com/puffpaw_xyz

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2024/08/30Aavegotchi が語る、DAOで3,000万ドルを調達した方法【DAO TOKYO 2024 レポート】
2024年8月21日~22日に開催されたDAO TOKYOにて「Aavegotchi」によるセッション「Bootstrapping a DAO-governed gaming platform」が行われた。 Aavegotchiは、AavegotchiDAOによって管理・分散化されたDeFi対応の仮想通貨収集ゲームプラットフォームだ。 本セッションでは、AavegotchiチームがどのようにDAOガバナンスをブートストラップし、完全に分散化された方法で、VCなしでプラットフォームのために3,000万ドルを調達したのか、その方法が語られた。 DAO ICO:歴史とAavegotchiの挑戦 セッションは、2017年頃のICOブームを振り返ることから始まった。当時、多くのプロジェクトがホワイトペーパーとビジョンだけで巨額の資金を集めたが、その多くは約束を果たせなかった。 イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、この状況を問題視し、「DAO ICO」という新たな資金調達モデルを提案した。DAO ICOは、従来のICOとは異なり、資金調達とプロジェクト管理をDAOに委ね、段階的に資金を分配することで、透明性と責任を向上させることを目指している。 Aavegotchiは、このDAO ICOという概念に共感し、自分たちのプロジェクトに採用しようと考えた。しかし、当時、実際にDAO ICOを実施したプロジェクトは存在せず、手探りで方法を探ることになった。 Aragonのテンプレートを活用した資金調達 試行錯誤の末、AavegotchiチームはAragonが提供する資金調達テンプレートにたどり着く。Aragonは、DAOの構築に必要なツールやテンプレートを提供するプラットフォームである。 このテンプレートは、人々がDAIをAavegotchiに送り、その代わりにAavegotchiのガバナンストークンであるGHSTを受け取ることができるボンディングカーブを作成するものだった。時間経過とともに、より多くのDAIがボンディングカーブに入るにつれてGHSTの価格は上昇していく仕組みだ。 Aavegotchiは、Aragonのテンプレートをわずかに修正し、2020年9月に独自のボンディングカーブを立ち上げた。結果は大成功を収め、コミュニティからの多くの参加と投資を集めることができた。 ボンディングカーブのクローズと3,000万ドルの調達 Aavegotchiのボンディングカーブは約3年間運用され、その間、プロジェクトチームは毎月、DAOの承認を得て、開発資金をボンディングカーブから引き出すことができた。 しかし、2023年に暗号通貨業界全体を揺るがす出来事が起こる。MakerDAOの「Endgame」計画と、それに続くシリコンバレー銀行の破綻である。 これらの出来事をきっかけに、AavegotchiチームはDAIの価格変動リスクを懸念し、ボンディングカーブのクローズを決断する。DAOでの議論と投票を経て、ボンディングカーブはクローズされ、Aavegotchiは最終的に3年間で約3,000万ドルのDAIを調達することに成功した。 今後の展開:独自のL3チェーン「Geist」 Aavegotchiはまもなく、独自のゲーミングL3チェーン「Geist」を立ち上げる予定だ。Geistは、Aavegotchiゲーム専用のdAppチェーンとなり、GHSTトークンはこのチェーンのガストークンになる。 Introducing Geist, a new L3 built with @arbitrum Orbit, @base for settlement, and @AlchemyPlatform as our rollup partner. Gaming will onboard the next billion users onchain.@PlayOnGeist is where the best will play (and earn). Read on and learn how to get access🧵👇 pic.twitter.com/we3LoyAfJE — Aavegotchi 👻 (@aavegotchi) August 15, 2024 Geistは、誰でも取引に参加できるオープンなチェーンだが、ゲームをプレイしてメンバーにならないと報酬を得ることができない「メンバー限定ブロックチェーン」となる予定だ。 DAO TOKYO 2024のセッションでは、Aavegotchiのチームは、DAO ICOという革新的な資金調達モデルの可能性とDAO主導型ゲームプラットフォームの構築に向けたビジョンを示した。 Aavegotchiの挑戦は、暗号通貨業界における分散化とコミュニティ主導のプロジェクトの成功例として注目に値するだろう。 [no_toc]

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2024/06/29NFT ART TOKYO 4:未来を形作る国内最大級のNFTイベント【レポート】
2023年6月28日、渋谷TRUNKホテルで開催された「NFT ART TOKYO 4」(以下、NAT4)。 国内最大級のNFTイベントとして知られるNATは、今回で4回目の開催を迎え、会場規模をさらに拡大。NFT市場の熱気と未来への期待を感じさせる一方、冷静な視点も重要となる「今」を象徴するイベントとなった。 進化を続けるプロジェクトと広がるNFTの可能性 イベント会場1階には、数多くのプロジェクトブースが軒を連ね、来場者は熱心に説明に聞き入っていた。注目すべきは、単なるプロフィール画像(PFP)の枠を超え、独自のコンセプトと仕組みを備えたNFTプロジェクトが増えていることだ。 また、Ethereumだけでなく、Bitcoin、Base、Seiといった多様なブロックチェーンを活用したプロジェクトも登場し、NFT分野の広がりを感じさせた。 有識者セッションが示す、NFT市場の課題と未来への展望 会場では、NFT業界の有識者によるセッションも行われた。仮想通貨のETF承認/申請など、伝統金融との融合が進む中で、NFT市場とどのように融合させていくかが今後の課題として挙げられた。 トークセッションの中では「日本のユーザーはクリプトに関する知識が豊富」という意見も。海外から見た日本市場についての最新の見解について示された。 活気あふれるコミュニティブース 会場2階には、個性豊かなコミュニティブースエリアが展開されていた。 クリプト分野では、コミュニティへの参加による情報収集が欠かせない。NAT4では、初心者のオンボーティング、中上級者がさらに学びを深めれる場となる国内のWeb3コミュニティへの導線が用意されていた。 「Daoko」、「呂布カルマ」も参戦。音楽ライブが彩るエンタメ空間 NAT4は、エンターテイメントの側面も充実していた。1階エントランス付近では、アーティストによるライブパフォーマンスが繰り広げられ、会場の熱気をさらに高めた。 Daoko氏、呂布カルマ氏など豪華アーティストのライブは、アートと密接に関係するNFTイベントに華を添えていた。 NFTは技術革新の手段、真価を発揮する時代に NFT市場は、一時の熱狂を超え、冷静な視点での評価が進んでいる。著名プロジェクトにおいても、フロア価格は調整期を迎えている。しかし、NAT4の熱気は、NFTに対する根強い期待と、新たなユースケース開拓への強い意欲を示していた。 NFTは、バズワードとして用いられることが多いが、本来は技術的なソリューションである。一時的な熱狂が落ち着いた今こそ、NFT本来の価値が見直され、真の可能性が追求されるだろう。NAT4は、NFTの可能性をより強く体感できるイベントとなっていた。 [no_toc]

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2024/06/19カシオ羽村技術センター見学ツアー|VIRTUAL G-SHOCKの裏側とは【レポート】
創立から65年以上経過し、日本人で知らない人はいない世界的企業のカシオ計算機。 同社は昨年より「VIRTUAL G-SHOCK」と呼ばれる主力製品のG-SHOCKシリーズを元にしたNFT活用のWeb3プロジェクトを開始している。 Starting today, September 5th, G-SHOCK's new challenge "VIRTUAL G-SHOCK (VG)" begins! VIRTUAL G-SHOCK will provide new experiences through community development in the virtual world, including NFTs and the metaverse⚡️ Check out the VIRTUAL G-SHOCK special website for more… pic.twitter.com/e9yzNi4Twd — VIRTUAL G-SHOCK (@VIRTUALGSHOCK) September 5, 2023 今回はVIRTUAL G-SHOCK NFTのホルダーを対象に招待された羽村技術センターの見学ツアーの様子をお届けする。 カシオのVIRTUAL G-SHOCKとは? 「VIRTUAL G-SHOCK」はカシオ計算機株式会社が昨年より開始した同社の世界的な人気時計シリーズ「G-SHOCK」を主軸に、NFTなどの最先端技術を活用しながら新しい形のコミュニティ形成を行っていくプロジェクト。 プロジェクトは特定コミュニティや共創企画への参加権が付随するPolygon上のNFT「G-SHOCK CREATOR PASS(GSCP)」を皮切りに開始。昨年末には、NFTとしてデジタル上で耐衝撃構造が表現された新たなG-SHOCK「VGA-001」「VGA-002」が0.1 ETHで発売されるなどしてプロジェクトの活動が進められている。 VIRTUAL G-SHOCK NFTは12/15に販売開始! これからの未来もずっとタフであり続けるために🚀#VIRTUALGSHOCK はバーチャル上の全てのチャレンジャーの相棒です🌐 詳しくはこちら!⏩https://t.co/BMVKTFpIkd#VIRTUALTOUGHNESS pic.twitter.com/N8k8livooR — VIRTUAL G-SHOCK(JP) (@VIRTUALGSHOCKJP) December 13, 2023 VIRTUAL G-SHOCKでは、Discordにて様々な対話が行われており、G-SHOCK CREATOR PASSのカラーを自身でデザインするイベントがコミュニティ内で実施されるなど、プロジェクト側と参加ユーザーの双方的なコミュニケーションが行われている。 [caption id="attachment_115763" align="aligncenter" width="677"] VIRTUAL G-SHOCKコミュニティ内の様子。G-SHOCK CREATOR PASSのカラーデザインコンテストが行われた。[/caption] 羽村技術センター見学ツアーに参加 VIRTUAL G-SHOCK NFTのユーティリティの中にカシオの羽村技術センターの見学ツアーが含まれており、NFTホルダーはカシオの製品開発を支える裏側やVIRTUAL G-SHOCKのデザインについて、最前線で活躍する社員の説明や実際の実験室を見ながら学ぶことができる。 Crypto Timesのメディアチームは今回、同見学ツアーに参加したのでその様子をお届けする。 ツアーの流れ VIRTUAL G-SHOCKについての説明 カシオ計算機の歴史などについての説明 羽村技術センターの実験室の紹介 VIRTUAL G-SHOCKのデザインの説明 参加者とカシオ社員のディスカッション 東京都羽村市にある羽村技術センターに集合した10名ほどの参加者は同センター内の一室に集められた。 会場には様々なG-SHOCK製品やG-SHOCKの開発過程の模型などが展示されていた他、10弱のカシオの社員が同席しており、参加者全員がいつでも気軽に質問できる状況が用意されていた。 [caption id="attachment_115434" align="aligncenter" width="895"] 会場の様子[/caption] DoodlesやAstarとのコラボレーション事例も ツアーの最初にVIRTUAL G-SHOCKのコミュニティ運営などを担当する佐藤 一輝氏によるプロジェクトの説明が行われた。 VIRTUAL G-SHOCKの概要のほか、コミュニティ内でデザインコンテストが行なわれた事例などが佐藤氏によって紹介されるなか、人気NFTプロジェクト「Doodles」や日本発プロジェクトであるAstar Network(アスターネットワーク)との取り組みについても説明があった。 コンセプトは「Absolute Toughness」 続いて、カシオ計算機やG-SHOCKの歴史について、商品企画のエキスパートである井崎 達也氏によるセッションが行われた。 1957年(昭和32年)に樫尾(かしお)忠雄氏、樫尾 俊雄氏、樫尾 和雄氏、樫尾幸雄氏の四兄弟によって設立されたカシオ計算機株式会社は、これまで小型計算機や電子楽器、時計など様々な製品を開発。そんな中で、1981年に「Absolute Toughness」をコンセプトにどんな衝撃や水圧にも耐えられるタフネスな時計の開発がスタートしたという。伊部 菊雄氏を中心に開発着手から200以上の試作を繰り返し約2年の歳月を経て、初代G-SHOCKが誕生したと井崎氏は説明する。 その後、G-SHOCKはあらゆるシーンで使える時計として様々なデザインと共に販売されてきたという。 また、G-SHOCKで搭載されるELバックライトと呼ばれる技術により、文字盤の液晶に大きくはっきりとアイコンを映し出せる仕様は他ブランドから評判がよく、様々なコラボレーションが提案され若者のカルチャーシーンでメッセージを発信するブランドとなったと井崎氏は明かした。 「人間の汗」に時計を浸す 一連の説明が終わった後、今回のツアーのメインイベントとも言える実際の実験室の見学が行われた。 紹介されたのは開発段階の製品・部品の評価を行う実験室の1つで、水中や泥水の中に時計を沈め、正常にボタンが作動するかや、ハンマーや落下の衝撃によって時計に影響が出ないかなどあらゆる方面から実験がここで行われる。 [caption id="attachment_115442" align="aligncenter" width="826"] 水中でボタンが正常に作動するかの実験(左)とハンマーでG-SHOCKに衝撃を与える実験(右)[/caption] ツアーではより日常シーンでの使用に関する実験も紹介された。中でも参加者の注目を特に集めたのが「人工的に作った人間の汗に時計を浸す」というもの。実際に実験で使われる液体が紹介され、ツアー参加者はその匂いを嗅ぎ様々なリアクションをとっていた。 [caption id="attachment_115443" align="aligncenter" width="402"] 人工汗浸漬の実験の紹介パネル[/caption] 独自の審査基準と共にユーザー目線に立ちながらG-SHOCKの最大のコンセプトである「Absolute Toughness」を実現するため、羽村技術センターには様々な実験設備が備えられていた。 「バーチャル空間でも耐衝撃構造にこだわりたい」 一連の実験室見学が終了し、再度説明会場に戻ってきた参加者は、次にVIRTUAL G-SHOCKのNFTのデザインについて赤城 貴康氏より紹介を受けた。 現実世界で世界トップクラスの技術を持つカシオがバーチャル空間で時計をデザインする際、何をよりどころにデザインするべきか試行錯誤された結果、G-SHOCKのコアテクノロジーである「耐衝撃構造」をデザインのコンセプトとしてフォーカスすることになったと赤城氏は明かす。 「VGA-001」の時計デザインでは、バルーンをモチーフに耐衝撃構造を表現するために、細かいパーツで構成されるG-SHOCKの特徴をデジタル空間ならではのポップでカラフルなデザインが施されているという。また、「VGA-002」では、リボンのようなスプリングをモチーフに弾力性のあるデザインを設計。実物が存在しないこれらの時計では、イメージ動画も重要な要素となるため、音楽もコンセプトに合うものを作成するなどのこだわりを詰め込んだという。 VIRTUAL G-SHOCK NFTは12/15に販売開始! これからの未来もずっとタフであり続けるために🚀#VIRTUALGSHOCK はバーチャル上の全てのチャレンジャーの相棒です🌐 詳しくはこちら!⏩https://t.co/BMVKTFpIkd#VIRTUALTOUGHNESS pic.twitter.com/N8k8livooR — VIRTUAL G-SHOCK(JP) (@VIRTUALGSHOCKJP) December 13, 2023 「フィジカル製品を出して欲しい」 最後にツアー参加者とカシオの社員とのディスカッションが行われた。 各々の参加者から意見が出るなか、最も多かったのは「NFTを現実世界の時計として販売して欲しい」といった内容だ。 現物の時計を購入、身につけてきた経験を持っているG-SHOCKのファンの多くは、デジタルの世界だけに限定される時計ではなくフィジカルでの製品を望んでいるという。 前述の「VGA-001」「VGA-002」は現実世界で実現することは難しく、これらが実際に可能となると取り組みの幅は大きく広がると社員は説明していた。また、フィジカル製品を前提としてNFTをデザインするアイディアも参加者から挙がっていた。 海外のツアー参加者からは「G-SHOCKの人気はあるがVIRTUAL G-SHOCKの存在自体がそもそも知られていない」との指摘もなされた。 ツアー参加者側、カシオ側共にG-SHOCKへの思い入れが強いこともあってか、本イベントによるディスカッションでは、忌憚ない有用な意見が多くみられた。 ツアーに参加してみて 今回、見学ツアーに参加してみて、世界トップクラスの技術や長い歴史を持つカシオがどこまでWeb3の文化や構造を理解、共感を得られるかがVIRTUAL G-SHOCKプロジェクトの今後に大きく関わってくると感じた。 カシオの最新の決算報告書を見ると、G-SHOCKのファンはアジアやアセアンエリアなどに多く存在し、今後はインドでの展開強化も行なっていくとしている。英語を日常的に使用したり、自国通貨が不安定な国はクリプトやWeb3と相性が良く、今後これらの国にどれだけアプローチできるかが重要になるだろう。 PFPとしてのユーティリティをメインに持つNFTの価値が大きく下落しているなか、強固なコミュニティの作成/維持はNFTを活用したWeb3プロジェクトには必要不可欠である。長年顧客目線で最高品質の製品を世に送り出してきた、世界トップ企業のカシオのVIRTUAL G-SHOCKプロジェクトに今後も注目していきたい。

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2024/03/19株式会社gumi主催「web3 Futures Meetup」イベントレポート
株式会社gumiによるweb3ミートアップ「web3 Futures Meetup」を、boarding bridge(bb)およびCryptoTimesのサポートにより開催しました。 gumiが主導する次世代の推し活プラットフォーム「OSHI3」に焦点を当てたこのイベントでは、今後のエンターテイメントの展望を話し合うパネルセッションや、ゲスト同士で親交を深めるディナーパーティーが行われました。 本記事はイベントの概要と当日の様子をまとめたレポートです。 イベント概要 「web3 Futures Meetup」 日時:3月15日(金)Start 18:00 – Close 21:30 会場:CryptoLounge GOX(東新宿駅徒歩3分) 規模:60名(完全招待制) イベント内容 オープン 本イベントは事前に登録されたゲストだけが参加可能な半クローズドイベントとなっており、約60名の業界関係者ならびにインフルエンサーが参加しました。 会場は東新宿のweb3向けのイベントスペース「CryptoLoungeGOX」で、OSHI3のイメージカラーである赤を基調に華やかな空間が演出されました。 18時の開場とともに多くのゲストが来場し、受付では今回のメインプロジェクトであるOSHI3のロゴクッキーとノベルティが配布されました。 OSHI3の紹介 トークセッションの前半では、gumiが推進する新しいエンターテイメントプラットフォーム「OSHI3」の説明が行われました。 これまでは、現実世界での “推し活” が主流でしたが、OSHI3はブロックチェーン技術とコンテンツプラットフォームを掛け合わせてデジタル領域での“推し活” をアップデートすることを目的としています。 「作る」「選ぶ」「集める」「広げる」新たな “推し活” 体験を国内外に届けていくことを掲げており、すでに「ファンキルオルタナ」や「ブレイブフロンティアバーサス」などのコンテンツがOSHI3から公開されています。 パネルセッション 後半は「Web3エンタメの展望と課題」をテーマに、パネルセッションが行われました。以下に登壇者と内容の一部を紹介します。 登壇者(敬称略) ・Jison | 株式会社gumi Head of Blockchain Business ・アサカ | OSHI3 統括責任者 ・ゆりてぃ | web3 MC Web3ゲーム業界が伸びるためにどのような課題があると考えていますか? 寺村 今回ファンキルオルタナをリリースしてみての感触として、まずは多くのweb2ユーザーにも触れてもらえる機会を作ることができました。 また、web2ゲームと遜色ない売上水準が作れることを示すことができ、大きな転換点になると考えています。 安積 2024年は、去年から仕込んできた企業が続々と大型タイトルをリリースし、Web3ゲーム業界は大きく盛り上がるでしょう。 その中でスマホゲームにおけるパズドラ、モンストのような幾つかのキラーコンテンツが出てくれば、世の中の見方も大きく変わり、Web3ゲームへの追い風になると思います。 これを更に拡大するための課題としては、ゲーム外の取引所を使用する障壁を減らし、ゲームの延長線上でWeb3体験が出来るようになることが理想です。そこでファンキルオルタナでは、ゲーム内で引いたキャラに課金すると報酬を得ることができる仕組を採用しています。 今後Web2ユーザーを巻き込んで広く普及していく為に必要なことは何だと思いますか? 寺村 Web3であることを意識しなくても良いインフラの整備か、Web3の壁を超えるほどのキラーコンテンツの存在だと思います。政府や大手新聞社・テレビ局等のメディアを通じた普及活動も必要です。 安積 Web3サービスを作る場合、「なぜWeb3なのか?ブロックチェーンを使う意味はあるか」というところを確りと考えないと広がりません。しかしエンタメ分野では、ファンの熱量が高ければそうしたWeb3の必要性を超えてくる可能性はあると思っています。 例えば「あのアイドルのチケットが買えるから」「あのアニメの限定グッズが買えるから」という理由から、それまでWeb3に触れたことのない人が参入するケースは大いにあり得えます。これこそエンタメのポテンシャルです。 大手IPやアイドルなどがWeb3的な試みを始めればパラダイムシフトは起こると考えており、そのためには今後のロビイングも必要です。 ディナーパーティー パネルセッションの後には、ゲスト同士で交流を深めて今後の機会を模索するためにネットワーキングの時間が設けられ、近江牛をメインにしたディナーが振る舞われました。 提供:wagyu international まとめ 当初は金融分野での利用を目的として発展してきたブロックチェーンですが、今日ではゲームやソーシャルといったさまざまな分野で活用されるようになりつつあります。一方、日本はアニメやアイドルといった豊富なコンテンツを抱えており、Web2を牽引してきた様々な企業がweb3への参入を試みています。 gumiが推進するOSHI3はそのパイオニアとして、エンタメ業界にパラダイムシフトをもたらすことが期待されます。今後OSHI3からリリースされるコンテンツやアップデートについては、公式ウェブサイトならびにソーシャルメディアをご確認ください。 関連リンク OSHI3 gumiが主体となって推進するリリースする「OSHI3」では、ブロックチェーン技術とコンテンツプラットフォームの掛け合わせでデジタル領域での“推し活” をアップデート。「作る」「選ぶ」「集める」「広げる」新たな “推し活” 体験を国内外に届ける。 Website | X(Twitter) | Discord Support CRYPTO TIMES Website | X (Twitter) | YouTube boarding bridge X (Twitter) | Discord | Link3 | Articles














