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2018/04/10【BeyondBlocks二日日レポート】基調講演 NEX Fabio Canesin氏
NEXはNEOベースでの分散型取引所を開発するプロジェクトです。 NEOベースで分散型取引所を開発するのはNEXが初めてとなり、日本でも注目も集まっています。4月に行われたICOの抽選には多くの人数が応募したため、その当選倍率はかなりのものとなりました。 そして、そんな大注目のNEXの共同設立者であるFabio Canesin氏が先日行われたBeyond Blocks 2018に登壇しました。 ユーザーを増やしていくには? Fabio氏の基調講演は、どのようにユーザーを分散型アプリケーションに導いていくのかという内容からスタートしました。 そんな中で、NEXが考えるビジョンは分散型エコシステムを作り上げ、それをユーザーに使ってもらうことであるとしています。 GoogleはYahoo!と比べてデザインがとてもシンプルである。 そして、NEXのアプリケーションもシンプルなデザインであるべきだ!と発言していました。 「分散型の取引」というのは名詞ではなく動詞である。なかなか興味深い言葉ですね。 実際に何かを買ったりする行為の背後にはアプリケーションが存在し動いています。 下記の画像は、検証されたエントリーがどれくらいあるかを示しており、世界中に存在することが分かります。 国によって、良いUIというものは変わります。そのため、アプリを提供する場合は、国によってそのデザインを変えることが望まれるとFabio氏は考えているようです。 しかし、そうなると同じサービスを世界中の人に提供するのが難しくなってくるかもしれません。 そこでNEXでは特にUXを尊重するとFabio氏は述べていました。 用語解説UI:ユーザーインターフェース。ユーザーからみたデザイン。 UX:ユーザーエクスペリエンス。ユーザーが得られる経験(体験) NEXのアプリ 下記画像はログイン画面で、ユーザー名とパスワードを入力してログインする様子です。 NEXでは「ユーザー名はハッシュ化され、パスワードはプライベートキー繋げられて管理される」という過程をアプリケーションの裏側で行っていますが、ユーザーからはその過程を見ることはできません。 これは、ユーザーにとってはその過程は関係なく、シンプルで分かりやすい方がユーザーにとって良いと考えるからと述べています。 基本的には何かの取引を行う際、クレジットカードで支払いができるというのが理想と考えられており、 NEXでは、API(他のシステムやソフトウェアに機能を提供するための規約)を利用しクレジットカード決済のような形にしているようです。 下記の画像のように例があげられていました。ヤンキースとナショナルズのどちらが勝つのかの賭けに関してです。 この場合ユーザーはトークンに対して賭けをすることができます。APIを利用しているため、他のトークンの利用が可能となるようです。 トークンのやり取りの際の行程はユーザー側にはほとんど見えません。必要なものを選択し、送ったり貰ったりするだけです。 NEXは限りなく、ユーザーの経験に寄り添った設計になっているようです。 現在のNEXと他社との比較図は下記のようになっており、今後、さらなるグローバル化が求められているようです。 NEXはこれからもUXを特に重視して開発を進めていくといい、講演は終了しました。 まとめ NEXでは、ユーザー経験を大事にしてユーザーにとって分かりやすい形で分散型アプリケーションを広めていくようです。 分散型取引のことを全く知らない人でも、簡単にNEXのアプリを利用して様々なやり取りができるようになる世界を目指しているようです。 今後のNEXの動向にもかなり注目したいですね! 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況
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2018/04/09【Beyond Blocks二日目レポート】[基調講演] 分散型取引所
CryptoTimesもメディアパートナーとして参加した、恵比寿のウェスティンホテルで行われたBeyond Blocks 二日目のレポートになります。 本記事は、KyberNetworkのCEOであるLoi Luu(ロイ・ルー)氏、NEXの共同創業者であるFabio Canesin(ファビオ・カネシン)氏、QuoineのCFOである紺野勝弥氏とモデレーターの4名で行われた分散型取引所に関しての講演をまとめたレポートになります。 パネル登壇者 Moderator: Masa Keith Nakatsu ロイ・ルー(Loi Luu)/Kyber Network 共同創設者兼CEO ファビオ・カネジン(Fabio Canesin)/NEX 共同創設者 Katsuya Konno, Chief Financial Officer, QuoineJohn Burbank氏 (創設者・投資顧問, Passport Capital) 集権型の取引所の問題点は? この講演は分散型取引所に触れる前に、集権的取引所にどのような問題があるのかという切り口で始まりました。 Quoine紺野氏は、これに関してセキュリティが最も重要な課題と答えました。現に、大きなハッキング事件(Mt.GOXとCoincheck)は両者日本国内で起きています。 また、セキュリティの問題を踏まえつつもブロックチェーンが金融産業において重要になった際、安全な集権的取引所が必要になってくるだろうとして、Quoineでは集権的取引所としてセキュリティに特に力を入れていると話しました。 一方でNEXのFabio氏は、集権型取引所のケースにおいてサードパーティ・保証人に信頼を置かなければいけない点を問題として捉えていました。また、機関投資家など扱うお金が大きくなればなるほどセキュリティ(資産の安全確保)の問題は重要になっていきます。 更に、失敗や問題(この場合だとハッキングや脆弱性の発見)に対していかに素早く行動・対策ができるかが重要になってくるとも話していました。 KyberのLoi氏は、manipulation(取引操作)の可能性などが問題であるとし、集権的取引所の取引すべてに透明性を確保する必要があると話しました。 三者によって挙げられた集権型取引所の問題 金融産業の規模拡大に伴う取引所の安全の確保(セキュリティ) 個人と個人の取引を仲介する第三者に信頼を置かなければならない点 取引における透明性の確保 機関投資家の参入 次に、仮想通貨の今後の市場規模拡大に際して機関投資家の参入が見込まれるが、そこで取引所サイドとして考えられる問題・解決策に関しての議論へと進んでいきます。 Quoine紺野氏はこれに関して、分散型の取引所のみではこれを対処することは難しく、高いパフォーマンスを持つ集権型の取引所が必要であると答えます。Quoinexは現在毎秒100万トランザクションを扱うことが可能で、これを500万まで引き上げるつもりであると話していました。 いずれにせよ、取引所としてセキュリティは必ず強力なものにしていかなければならないとしています。 NEXのFabio氏も、オーナーシップの担保やハッキングのインパクト、考えうるリスクなどどれをとってもセキュリティは重要な課題であると答えました。 一方KyberのLoi氏はこれに対して、集権型であれば個人投資家への透明性がない点、分散型であればこれはすべてブロックチェーン上の何千ものノードによって担保される点など、集権型と分散型でそれぞれセキュリティと一口に言っても何を考えるべきかが異なると話しました。 しかし、両者に共通して言えることは機関投資家の参入による取引所の流動性と拡張性を考えていかなければならないということだとしています。 集権型取引所と分散型取引所が強力していく可能性 これまでの議論でセキュリティに課題が残る一方で高いパフォーマンスを実現することが可能な集権型取引所と、透明性を持つ一方で機関投資家の参入に対する対処が難しい分散型取引所、両者の利点や課題が明らかになりました。 続いては、これら両者が将来どのように相互で機能していくかについての議論が行われます。 NEXのFabio氏は、分散型取引所が集権型の取引所と強力していくことは十分に可能で、この場合分散型取引所はグローバルプールとして機能し流動性の確保に貢献するだろうと語りました。 一方、Quoine紺野氏によれば、QuoinexではLIQUIDプラットフォームと呼ばれるものを構築しており、これによりQuoinexは分散型取引所を含む20以上の世界各地の取引所と繋がっているようです。 KyberのLoi氏は、セキュリティに関しては集権型取引所が分散型取引所から学ぶべきことはたくさんあると話します。また、今後流動性をさらに高めていくうえでの課題として、現状異なるブロックチェーン同士でのアトミックスワップが難しい点に関しても言及しました。 まとめ 仮想通貨の取引所の将来を考えていくうえで、集権型の取引所のセキュリティと透明性・流動性の確保は今後の課題として解決していく必要があります。 また、議論後の質問セッションでは、分散型取引所への完全移行にはKYCやスキャムコインの上場、各国の法律など多くの課題にそれぞれ対処していく必要があり、集権型取引所との協力・コラボレーションの形が現実的であり、そのフォーカスで議論が展開されていました。 日本では、顧客保護の観点から分散型取引所が第三者によって保護されていない点などを踏まえると広く普及していくまでには時間がかかりそうです。 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況 【BeyondBlocks初日レポート】Wanchain(ワンチェーン) 基調講演 【BeyondBlocks初日レポート】Skycoin Brandon Synth氏 ブロックチェーンの未来とその課題 【BeyondBlocks初日レポート】Passport Capital 海外ファンドが見る「仮想通貨時代の到来」 【BeyondBlocks初日レポート】パネルディスカッション ICO VS. VC

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2018/04/09【Beyond Blocks二日目レポート】パネルディスカッション プロ投資家たちの本音!ブロックチェーンをめぐる投資・取引
4月5日 恵比寿のウィストンホテル東京にて行われたBeyond Blocks2日目。Crypto Timesではメディアパートナーとして参加させていただきました。 今回は、世界各国で活躍されている投資ファンドの投資家たちがブロックチェーンをめぐる投資・取引の違いや特徴についてパネルディスカッション形式で議論したもののレポート記事となります。 パネル登壇者 司会: Jonathan Ha氏 (CEO, Redpulse) John Burbank氏 (創設者・投資顧問, Passport Capital) Phil Woods氏 (マネジング・パートナー, Abele International Pte Ltd) Darius Sit氏 (マネジング・パートナー, QCP Capital) Masa Kakiya氏 (CEO, Smart Contract Inc.) Nithin Eapen氏 (投資顧問, Arcade Crypto Ventures) 投資と取引の違いとは? ディスカッションの最初の焦点はブロックチェーン技術をめぐる投資と取引の違いについてでした。 1日目にも登場したPassport Capital 創設者のJohn Burbank氏は「短期的な取引といえばアービトラージ。投資というと長期的な目線でコツコツとお金を入れていくことになる。」と語ります。 アービトラージとは取引所ごとの価格差を利用して利益を稼ぐ手法です。 例えば、取引所Aで1Xコインを100円で購入します。それを1Xコインあたり102円で買取をしてくれる取引所Bに売りさばくのです。そうすると2円の儲けが出ますね。 ファンド業界に20年以上携わってきたBurbank氏は、アービトラージは長期型投資の待ち時間に利益を出す良い方法だとしました。 これに反してWoods氏とKakiya氏は、こうしたアービトラージは自動売買などのツールが揃った投資機関だからこそできるものであるということを指摘しました。 つまり、小規模、または個人投資家等の場合、多数の取引所を個々にチェックしたり取引を行なっている間に、投機がなくなってしまうということです。 Brubank氏 vs. Eapen氏 アービトラージはするべき? ディスカッションが一番盛り上がったのがBurbank氏とEapen氏が対極した投資戦略について語っている時でした。 前述の通りアービトラージをアクティブに利用していくBurbank氏に対し、Eapen氏はアービトラージを避ける戦略であることを明らかにしました。 「ブロックチェーンへの短期的な投資・取引はボラティリティーに振り回される。Arcade Crypto Venturesでは、長期的な戦略を固めていて、こまめに仮想通貨に投資を積み立てている。」とEapen氏は語ります。 Woods氏やSit氏も賛成する一方でBurbank氏は「自分の金ならそれでも良いだろうが、クライアントの資金を動かす時はそっち側の顔色も伺って短期で結果も出さなければいけない。」と反論します。 それに対しEapen氏は、「クライアントの皆さんには"とにかく気長に待って!"と言っています。短期的な価格の上下で恐怖感を抱くのはわかるが、5年、10年と待てば必ず成果が出る」と返答しました。 まとめ 短期的な投機獲得、長期的な投資の両方とも長所・短所があるということがよくわかるディスカッションでした。 短期で利益を出す手法としてアービトラージを使うというのは投資機関だからこそできることであり、クライアントが資金が引かないようにするための経営戦略でもあるということでした。 一方で、ブロックチェーンの長期的な成長は大きく期待されており、短い時間軸での上下に一喜一憂せず5~10年という長いスパンで見ていくことが大切だとのことでした。

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2018/04/08【Beyond Blocks二日目レポート】RedPulse Jonathan Ha氏 シェアリングエコノミーの新しい世界
今回はBeyond Blocks二日目に行われた、Red PulseのJonathan Ha氏による基調講演「シェアリングエコノミーの新しい世界」についてレポートしていきます。 下記のYoutubeでも当日の様子を見ることが可能です。 シェアリングエコノミーとは? 冒頭、Red Pulseが実現を目指すシェアリングエコノミーについて、その概説から始まりました。Jonathan Ha氏によると、シェアリングエコノミーの条件は、 ・オンデマンドであること ・交換できるということ ・拡張可能であること ・使用することができること ・P2Pであること ・コミュニティであること だということです。 そしてシェアリングエコノミーという考え方は実は昔からある考え方で、小さな村では井戸を共有したり、知識を伝え合ったりしていました。 しかし、文明の発達とともに大都市が出現し、その中で知らない人と何かを共有するのに、人々は見返りを要求するようになりました。 かつて小さな村では無料で行われていたことは、今はお金が発生するようになったのです。 既存のシェアリングエコノミーサービス 次の画像は、既存のシェアリングエコノミーサービスを先述した6項目で評価したものです。 このように、既存のサービスはシェアリングエコノミーを達成できていないということです。 シェアリングエコノミーは、使われていない資産の有効活用を行うものですが、ほとんどのサービスの中では、わざわざオフィススぺースを設置して貸し出す人などが多く、人が普段使用している資産のシェアは実質行われにくいという現実があります。 続けて、シェアリングエコノミーサービスが現在抱える問題と解決策を上げています。 1.インターネットの世界では勝者がすべてをとってしまう。規模の拡大とともに独占するメンバーが現れる。VCの資金を使うと、利益を上げる要求をされてしまう。 →資金調達にICOを選択することでVCによる利益追求から解放される。 2.資産の有効活用ができていない。 →資産の割合を軽くする。これは拡張性のニーズを減らすことで可能になる。 3.コミュニティではなく、プラットフォーム自体に価値がついてしまう。 →トークンをユーザー個人が保有することで価値をユーザーそれぞれが保有することができる。 4.プラットフォームが巨大になると、弱小競合企業が追いつけない間に、彼らは規制逃れに躍起になる。 →自由に行動することができるトークンセールをすることでこの問題は解決できる。規制面的には世界的な枠組みがあるとより改善される。 情報の価値 続いてHa氏はシェアリングエコノミーで実際に共有される「情報」の価値についての考察を行いました。 実線が「一般的な情報」、破線が「専門性の高い情報」、縦軸左側が「その情報に興味のある消費者の数」、縦軸右側が「その情報に対して払える対価」になります。 一般的な情報はいたるところで手に入れることができるので、対価を払おうとする人は少ないです。 しかし、専門性が高い情報になればなるほど、興味のある人は減る一方で、大金を払ってでも手に入れたいと思う消費者がいるのです。 トークンを用いたシェアリングエコノミー そして、シェアリングエコノミーにトークンを活用するとどう働くのかを解説しました。 まず、トークン発行者が存在するためインフラ率をコントロールすることができるとともに、コミュニティに貢献した人に報酬を与えることができます。これをインセンティブとして情報のシェアを促進することが可能になります。 また、税金を集めるのが難しい構造だったとしても、トークンを利用することでエコシステム内で税金を集めることができます。 Red Pulseの実現するシェアリングエコノミー 前章で話したトークンを用いたシェアリングエコノミーを達成するのがRed Pulseのプロジェクトです。 上記のように、Red Pulseは情報の専門家によるネットワークになります。 ネットワークを通じて専門家を探すことができ、調査を依頼することもできます。そのような仕事に対しトークンで報酬が支払われる仕組みです。 これからの課題と動向 最後にHa氏は、シェアリングエコノミーを達成するための、これからの課題と動向について語りました。 公平で透明化されたトークンエコノミーの枠組みを作るのが難しい。 アルゴリズムに依存しているため、それを強力にしなければならない。 仮想通貨に関する各国の規制が変わりつつある。 トークンエコノミーに移行することは悪いことではなく、ビジネスモデル転換のいいきっかけである。 というように、積極的なトークンエコノミーへの移行をリスナーに投げかける形で講演は終了しました。 まとめ 現在、UberやAirbnbなどのシェアリングエコノミーが流行の兆しを見せていますが、本当のシェアリングエコノミーを実現しているサービスは少ないようです。 Red Pulseはトークンを用いることでその課題解決に乗り出しています。これからの開発にも注目していきましょう。

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2018/04/07【Beyond Blocks初日レポート】パネルディスカッション ICO VS. VC
今回はBeyond Blocks東京サミットの1日目の最後に行われたパネルディスカッション『ICO vs VC』についてレポートしていきます。 【パネルディスカッション登壇者】モデレーター アバサ・フィリップス(Abasa Phillips)/Zilla 創設者兼CEO 小林 慎和(Noritaka Kobayashi, Ph.D)/Last Roots 創設者 マーク・ビヴェンズ(Mark Bivens)/Truffle Venture Capital ベンチャーパートナー マリナ・チトワ(Marina Titova)/ NBK Group デジタル・キャピタル・マーケット部トップ スティーブン・ネラヨフ(Steven Nerayoff)/Alchemist 創設者兼CEO Natavudh “Moo” Pungcharoenpong, Co-CEO, SIX Network ディスカッションの中で上がったテーマごとに登壇者の方々の意見をまとめていきたいと思います。 まずはICOとVCについて簡単な説明です、お読みください。 ICOとは Initial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファリング)の略称で、コイン(デジタルトークン・暗号通貨)の発行による資金調達・クラウドファンディングのこと。 VCとは Venture Capital(ベンチャー・キャピタル)の略称で、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のこと。ここでは、主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下することを指す。 資金調達にICOを選んだ理由 ディスカッションは、資金調達の手段としてICOをなぜ選んだのかという切り口で始まります。 「ICOとVCの両方の選択肢があったけれども、資金調達方法のトレンドを見てICOを選ぶことに決めた。」 「トークンは使う人がいて初めて価値が生まれるため、ユーザーが直接参加できるICOを選択した。」 「VCでの資金調達はパートナーシップ関係が必要であり、トークンへの投資は行われないことが多いです。この問題を変えつつも、ICOを追及することが大事だと思っている。」 このように、投資対象としては新興である仮想通貨プロジェクトであるからこそICOを選んだようです。実際、多くの仮想通貨プロジェクトは資金調達にICOを採用しています。 また、トークセッションの中でICOという資金調達法に関しては下記のようにも語られました。 「数年前ではシリコンバレーの企業しかできなかった資金調達が、ICOのおかげで従来よりも簡単に行うことができるようになった。」 「『トークン=新しい資産』という理解が広がりつつあると思う。」 ICOという資金調達手段が新しく、今まさに世間に浸透し始めているということが確認できる意見のように感じました。 資金調達の手段はICOか?それともVCか? そして、資金調達の手段としてはICOとVC、どちらを選ぶべきかという議論が続いて展開されます。 「VCの多くはこれまで長期的な所有者だったけれども、仮想通貨ヘッジファンドは長期的に所有はしたくないということが多い。」 「VCによって支配されるようなスタートアップを迎えるのが嫌だという意見もある。」 「VCを選ぶなら、開発のマイルストーンを設定し、その達成の度に資金を渡すのがいいと思う。」 など、VCでは従来の方法での資金調達は双方から見て難しいという意見が目立ちました。また、プロジェクト側から見たICOとVCの違いについても言及がありました。 「仮想通貨は価格の予測が特に難しい。というのも前例が少ないため。VCは長期投資なのでいつまでもいるが、ICOで参加したトークンホルダーはいつまでもホールドし続けるとは限らない。」 「VCはチームの中で期日などを決めなければならず、内部からのプレッシャーがある。一方でICOでは外部からのプレッシャーがある。理由はトークンホルダー達は価格の上昇を望んでおり、開発期間が長いほどそのプレッシャーは増していく。」 というように、VCは長期的、ICOは短期的な価格の変動を期待する投資家が多いと語られました。 投資家サイドと実際にICOの経験がある登壇者により意見は交わされたので、あまり聞くことのないICOとVCの性質について詳しく知ることができたディスカッションでした。 Q&A ICOの調達額を決める目安は? 従来のキャピタルマーケットの考えに基づいて考えている。企業の案件をもとに考えたり、過去の類似するプロジェクトと比較するのも良い。 また、開発者が何人必要なプロジェクトなのか。開発期間はどれほどか、を考慮すると良い。ただしプロジェクトの目標や環境、ターゲットとするマーケットにもよる。 どんなトークンを使うべきか? どんなトークンでも関係ない。現在ICOはたくさん行われており、あまり違いはない。 ホワイトペーパーにも書いてあるが、まずはいい商品があることが前提である。ICOの前にしっかりプロダクトの内容を考えることが大事。 IPOは減っていくか? ICOと比べると、そのトレンドはある。アメリカでは特にテクノロジーのIPOでその傾向がある。また現在ミニIPOというものが増えている。 まとめ 登壇者の方がセッションで言っていたように、今ICOは資金調達におけるトレンドでしょう。しかし、プロジェクトの中身をよく考えて、どのように資金調達の方法を選ぶのかはとても大切なことです。 また、投資家もプロジェクトがICOをする理由や調達額の内訳を確認しつつ投資することが大事です。 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況 - CRYPTO TIMES 【BeyondBlocks初日レポート】Wanchain(ワンチェーン) 基調講演 - CRYPTO TIMES 【BeyondBlocks初日レポート】Skycoin Brandon Synth氏 ブロックチェーンの未来とその課題 - CRYPTO TIMES

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2018/04/07【Beyond Blocks初日レポート】Passport Capital 海外ファンドが見る「仮想通貨時代の到来」
4月4日 恵比寿のウィストンホテル東京にて行われたBeyond Blocksに関して、Crypto Timesではメディアパートナーとして参加させていただいております。 今回は、サンフランシスコベースの投資ファンド Passport Capitalの創設者であるJohn Burbank氏の「仮想通貨時代の到来」をテーマにした講演に関してのレポート記事です。 「トレンドを見越す」投資 Burbank氏は講演の始めに「革新的な技術に伴う市場の上昇トレンド到来を見越して投資し、のちに平均線へのリターン(=上昇トレンドの崩壊)をヘッジする」ことが投資のゴールであると語りました。 Burbank氏は続いて革新的な技術の例を業界別で挙げました: ブロックチェーン・仮想通貨 (金融/流通) 遺伝学 (ヘルスケア) 自動運転車 (交通) Katerra (建設) 人工知能 (機械が仕事を奪う時代) 遺伝子検査のコストが例年激減していることや、自動運転車がすでにレベル3(=ほとんどの状況で安全に運転をこなせる)に達していることなどを例に挙げ、「こういったテクノロジーは思うより早く私たちの生活に影響を及ぼす」と主張しました。 また、仮想通貨・金融の業界でも、規制の不透明さ、保証人の不在、手数料の高さなどといった従来のブロックチェーンをめぐる問題を解決するサービスが次々と登場してきていることも指摘しました。 テクノロジー・プラットフォームの歴史 Burbank氏は、テクノロジー・プラットフォームは歴史を通して集権化と分権化の動きを交互に繰り返しており、次の時代ではブロックチェーンが分権化を進めると語りました。 およそ1960-80年、IBMやTANDEMなどの時代が「メインフレーム時代」、集権的と取れる時期だとしました。 続いて、80-2000年がEMCやMicrosoftなどの「クライアント・サーバー時代」、テクノロジーが分権化に振れた時代だと語りました。 そして2000年から現在がAmazon、FacebookやGoogleなどの「クラウド時代」であるといいます。大企業が莫大なデータをコントロールする集権的な時代となったとBurbank氏は主張します。 Burbank氏は、まだ時間がかかるものの、いずれは「ブロックチェーン時代」がテクノロジーをまた分権的なものにすると予測しています。 仮想通貨の種類 講演の後半はより仮想通貨にフォーカスしたものとなりました。最も興味深かったトピックの一つが、用途からみる仮想通貨の違いでした。 仮想通貨・トークンは開発者の意図に応じて、以下の四種類に別れるといいます。 支払い用途・お金 国境を越えた素早い取引 国家の金融政策を受けない 銀行へのアクセスがない人(世界の役35%)を助ける 例: Bitcoin, Bitcoin Cash, Monero 分権型プラットフォーム スマートコントラクトを利用し詐欺、監視、第三者の介入を防ぐ 仲介者不要のサービス 証明可能安全性(パブリック・ブロックチェーン) 例: Ethereum, Stellar, NEM ユーティリティー・トークン 未使用のストレージやCPUの計算能力などを「資産」と考え、活用する 流動性の増加 未使用の資産をアクセスの届かない人々が使用できる(例: ブロードバンド) 例: Augur, Filecoin セキュリティー・トークン ブロックチェーンを利用した金融商品の取引 仲介人不要なトレード 決済時間の短縮 例: Bitcoin Capital, Science Blockchain まとめ 以上がBurbank氏による講演のレポートとなります。 投資で成功するにはトレンドを見越す必要があり、ブロックチェーンを始めとする数々のテクノロジーは既に急成長を見せ始めている、ということでした。 Burbank氏は的確な考察をすごくわかりやすく説明していたので、個人的にとても勉強になりました。

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2018/04/07【BeyondBlocks初日レポート】Skycoin Brandon Synth氏 ブロックチェーンの未来とその課題
CryptoTimesもメディアパートナーとして参加した、恵比寿のウェスティンホテルで行われたBeyond Blocks 1日目のレポートになります。 本記事は、Skycoinの創設者の一人であるBrandon Synth氏による『基調講演: ブロックチェーンの歴史、ブロックチェーンの未来とその課題』のレポートになります。 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況 - CRYPTO TIMES 【BeyondBlocks初日レポート】Wanchain(ワンチェーン) 基調講演 - CRYPTO TIMES ビットコインの数学的な観点からの分析 Synth氏は自身の数学に関するバックグランドを生かし、ビットコインの価格やドミナンスの観点から解説していました。 仮想通貨市場全体の時価総額が$300bilであるのに対して、ビットコインの現在の時価総額が$150bilである点(ドミナンスの理論)、日付と対数変換を施した価格の線形回帰分析、法定通貨や金、銀などの他の資産と比較した時価総額など、様々なデータの分析に基づいた独自のビットコインの理論を展開していました このデータをベースにSynth氏は、 『ビットコインは最初の仮想通貨であるがこれが最後にはならない』 『ビットコインは(仮想通貨の大衆への普及を成功させた仮想通貨にすぎず)仮想通貨のプロトタイプである』 と結論付け、次に価格やドミナンスの下方変動が、具体的にどのような問題のために起き、プロトタイプであるビットコインの何を解決していかなければならないのかを語りました ビットコインの問題点、今後の課題は? Synth氏のスライドにはBitcoin will die(ビットコインは死ぬ)の文字がありました。 その中でも特に重要な問題として挙げられたのは、世間で騒がれているビットコインのスケーラビリティ問題やトランザクションのスピードではありませんでした。 Synth氏によれば、ビットコインの技術的な問題が永久に解決できないわけではないようです。 現にLN(Lightning Network)の普及などで大幅にトランザクションのスピードやスケーラビリティ問題は改善されています。 更に今後も他のソリューションと組み合わせることで、必ず解決のベクトルに向かうことができます。 しかし、現状ビットコインのマイナーは少数のマイニングプールによって占有されています。マイニングのシステム上トランザクションの手数料は採掘報酬と共にマイナーへと支払われる仕組みになっています。 Synth氏は、『ビットコインの技術的な問題を解決するソリューションがあったとしても、コミュニティ(一部のマイナー)がビットコインの送金手数料の報酬のために、恣意的に問題の解決を拒んでいる』と説明しました。 ビットコインにおいて、この一部が合意形成の権力を持つ状態が技術以上に大きな問題であるとし、Skycoinの解決策へとプレゼンテーションは続きます。 Skycoinの導き出した解決策 Skycoinには従来のPoWやPoSにおける合意形成の問題を反映した、Obelisk(オベリスク)というシステムを採用した新たな合意形成のアルゴリズムが反映されています。 このシステムでは、PoWであれば計算能力の多少、PoSであれば保有するトークンの枚数などによって、エコシステムの発展を妨げる可能性のあった合意形成アルゴリズム(マイニング)が必要とされません。 更に、ビットコインのTPSが(1秒あたりのトランザクション数)6~7であることやトランザクションに数時間から数日かかるようでは、現実社会での決済手段としての実用は難しいとし、これをSkycoinが解決すると話しました。 Skycoinのブロックはいかなるトランザクションのレートにも対応できるよう、ブロックサイズに柔軟性を持たせた設計になっています。 また、トランザクションは、新たな合意形成アルゴリズムのために数秒で完了し、他のあらゆる通貨においても、このスピードはクレジットカードやAlipayに勝るものでなくてはならないと語りました。 最後に Synth氏は、ビットコインの手数料は現在、形式上PoWによって使われる5万戸の家と同等或いはそれ以上の電力を、ユーザーが手数料という形で負担する構図になっていると話しました。 これはクレジットカードの1回のトランザクションの数千倍の電力消費に相当します。 ユーザーにとって不本意な形で行われる合意形成のために、ユーザビリティが低下している点やユーザーの利便性をコインが反映しきれてない点などを今後の仮想通貨への課題としプレゼンテーションは幕を閉じました。

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2018/04/05【BeyondBlocks初日レポート】Wanchain(ワンチェーン) 基調講演
4月4日にウェスティン東京で行われたBeyond Blocksには、海外のプロジェクトも沢山参加しています。 先日BINANCEにも上場し、注目度もかなり高いWanchainというプロジェクトの創設者であるJack LuがWanchainと今後、Wanchainのプラットフォームを利用したアプリケーションのプロジェクトの代表らと共に登壇をしました。 本レポートでは、その講演の内容をまとめたレポートになります。 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況 - CRYPTO TIMES Wanchainに関して - 創業者Jack Lu Wanchainは「世界の人たちを繋げる」という目的で開発された金融プラットフォームです。 Jack Lu氏は2014年にFactomのプロジェクトを始め、世界中にブロックチェーンを売り込んでいたようです。その後、2016年に中国に戻り、2017年にWanchainのプロダクトを開始しました。 Wanchainは、パブリックキーもしくはプライベートキーを使っていればパーミッション無しでのアクセスが可能になります。 Wanchainのブロックチェーンにはパブリックチェーンとプライベートチェーンの両方があります。 これらは独自のテクノロジーを使っており、パーミション無しでアクセスが可能となっています。 Wanchainは新しいブロックチェーンのプロトコルを作っており、それぞれのエコシステムを相互につなぐことができるようになります。今年中にはビットコインとイーサリアムとも繋げる予定であると述べています。 また、新たにエンタープライズソリューションにLanchainを作り、出したいと思っています。 Lanchainによって、伝統的な企業が作ったブロックチェーンやプロトコルを新しいものと繋げることができるようです。 WanLABとは? WanchainはWanLabというラボのことに関しても説明をしました。 このラボはブロックチェーン技術と従来の事業を融合させることを目標としています。またこのラボ自体でマーケティングも行っていき、単なるサポートだけでなく、チームビルディングなども行っていきます。 WanLABでは、プロジェクトを選定する際に3つのポイントを重視しています。 ・Pain Point ・Team ・Resources Pain pointとは、従来の事業に弱点があるということ(Facebookで例えると、コンテンツ提供者にしっかりとした権利が付与されていないなど) Teamとは、一匹狼ではなくチームとして活動しているということ。 Resourcesとは、成熟フィールドの中ではある一定リソースがないといけないということ。 WanLABではKPIを見てより良いブロックチェーンアプリケーションを選んでいます。 その際、アプリケーションプロジェクトはMAU,SKU,GMV,TPSなどを見ています。 現在では、実際に、3つのプロジェクトがWanLABによって始動しています。 Utour 現在のOTA(Online Travel Agent)は顧客のニーズに応えられていないという問題があります。 現在のシステムでは、トリップアドバイザーが旅行者を本当に連れていきたいところに連れて行きづらく、反対に旅行者は本当に行きたい所に行きづらいという問題があります。(例えば、本場の飲食店など) これをブロックチェーン技術によって解決しようとするのがUtourです。 具体的には、DTSを用いて全てのスマートコントラクトを記録します。 こうすることで、通訳やサーフィンのコーチをした人、そしてサービス提供者に対して口コミなどをした人に余計な中間手数料無しに正当な報酬をトークンで支払うことが可能となります。 このサービスによって、誰でも旅行者にもサービス提供者にもなることができるようです。 All Spark ALLSPARKではスマートコントラクトによって、個人間でやり取りすることでUGCやSelf-Mediaの問題を解決することができます。 例えば、服を作りたいけどデザインの素材を持っていない人と、デザインの素材だけを作っている人が共同で「服」をつくることが出来ます。 また、ALLSPARKは既存のアプリと結合でき、運用コストが低く、早くて安全なためAdvertiserの問題も解決できます。 All Spark Chainは3つのポイントがあります。 ・UGC ・Self-Media ・Advertiser UGC 現在では、自分のソーシャルメディアにアップしたコンテンツ、セルフメディアコンテンツがあまり注目されなかったり、勝手に利用されることがあります。 Self-media メディアの世界でもマシュー効果(金持ちがさらに金持ちになること)があり、大きなメディアは利益を独占していき個人のメディアがなかなか成果をあげることができません。 Advertiser 現在広告コストは高騰しており、コンテンツの質が低下する要因となっています。 ALLSPARKが成功するとされる理由は、Facebookなどのリソースが沢山あることです(沢山の価値がついていないコンテンツが転がっている) Gamebank 分散型のゲームプラットフォームを作ります。自由度がアップしたプラットフォームです。 これによりゲームのやり方を変えることが期待されます。 具体的にはアセット(ここでいうアセットとは効果音や画像などのゲームの素材)を違った使い方をします。 ゲーム業界の中でキャッシュフローを守ることが可能になります。 まとめ WanchainとWanchainプラットフォーム上でこれから登場するプロジェクトによるスピーチ内容の大まかなレポートでしたが内容は伝わったでしょうか? 様々な分野で、これまでの体系が崩され新しい流れが生まれていくと予想される未来にWanchainはどこまで影響を与えることが出来るでしょうか。 今後の各プロジェクトの進捗に注目していきたいですね。

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2018/04/05【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況
4月4日 恵比寿のウィストンホテル東京にて行われたBeyond Blocksに関して、CRYOPTO TIMESではメディアパートナーとして参加させていただいております。 世界各国から集まっている注目プロジェクトやブロックチェーンの関係者によるイベントで会場は満員です。 bitFlyer加納社長も講演!Beyond Blocks 東京サミット開催 (2018年4月4日-5日) - CRYPTO TIMES 今回はBeyond Blocks Summit Tokyoの初日の基調講演を飾った、bitFlyerの加納さんによる講演に関してのレポート記事です。 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況 bitFlyerは世界で最もコンプライアンスが高い取引所と言われている。という言葉から講演は始まりました。 現在では、日本だけではなく、アメリカでもヨーロッパでも認可を受けた取引所になっています。 現在、bitFlyerはブロックチェーンと仮想通貨取引の両方をやっていますが、設立した2014年頭所から、両方の事業をやろうと考えていたと述べています。 ブロックチェーンとは? 日本ブロックチェーン業界では、ビザンチン問題を含む幾つものノード間で時間の経過とともに取引が覆る可能性が0に近づく実装がされていることと定義されています。 実際の所、定義自体は人により変わってくるものの、 ・ブロックがあること ・トランザクションのチェーンが存在すること がブロックチェーンには必要と言われていると加納さんは語っていました。 データを一つのブロックで変えるとすると、残りのブロックも全て変えなくてはいけないというものがブロックチェーンで、実際問題、不正が一切できないということです。 ブロックチェーンが、国際的な規格ができるまでには時間がかかると思いますが、世界を変えるものになるのではないかと考えているようです。 ブロックチェーンの可能性 ブロックチェーンの市場は世界では300兆円、日本政府も67兆円の市場だと試算しているようです。 現在では、主にデジタル通貨だけに注目が集まっていますが、今後は仮想通貨だけでなくトレーサビリティーやProof of Documentにもなり得る可能性があります。 そして、bitFlyerでは現在、プライベートチェーンであるMiyabiの開発に力を入れているようです。 従来のままだと、セキュリティは高いが、処理が遅いという問題がありました。 処理速度をあげることで、金融機関で使えるのではないかというところからmiyabiはスタートしているようです。 次世代のブロックチェーン型データベースmiyabi - bitFlyer 日本のICOの現状 現在、ICOでの資金調達は、VCと比べてもかなり規模が大きいと言われています。 VCによる資金調達では、書類を書いたり、事前準備をしても断られることもあるようで、その点から考えると、ICOというのはプロジェクトにとっては楽な資金調達方法であるといえます。 VCによる調達では、100万ドルの調達でも大変なのに、ICOではそれ以上の金銭を集めることできます。勿論、その中の9割以上は怪しいものが多いようです。 ICOに関する日本の法律 ICOを実施する場合は、日本にある企業か、日本向けに提供するサービスであるなら日本の法律に乗っ取らなければいけないようです。 主に日本人向けのサービスを提供したり、日本にオフィスがなければ関係はありません。 現状では、仮想通貨法が最もICOに関する法律となっていますが、仮想通貨として認知されていない、登録されていないものも多数あると語っています。 日本のICOに関する仮想通貨タイプは下記の通りです。 法定通貨型 → 銀行のみで、一般の人はやらない。 仮想通貨型 → 仮想通貨法に基づく。 配当型 → 金融商品法にて規制。配当を法定通貨で払うと配当型に該当 e-Money型 → Suicaなどの電子マネーでもデポジットが必要。 No-rewardタイプ → トークン出してるだけなら法律は必要がない。 現在では、日本では消費者保護が一番の問題となっており、会計士や弁護士が研究会を開き、消費者保護を担保するかに関してを話しているようです。 まとめ 以上が、加納さんによるキーノート講演のまとめになります。 講演の中でも、加納さんはブロックチェーンやICOの両方共に可能性があると何回も話していました。 現在は、色んなユースケースについても議論をしているようですし、個人的には日本を代表するキーノート講演にふさわしい内容だったと思います。 Beyond Blocks 初日のレポートはまだまだ続きます!

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2018/03/08【レポート】TV-TWOミートアップレポート
こんにちは、ぽんた(@suhara_ponta)です。 今回はテレビ広告のエコシステムにイノベーションを起こそうというTV-TWOのミートアップに参加してきたので、そのレポートをしたいと思います。 TV-TWOの創業者二人のセッションの後に行われた、アラタさん×edindinさんのトークセッションの様子もお伝えします。 TV-TWO(ティーブイツー)とは? TV-TWOはドイツ生まれのプロジェクトで、「パーソナライズされたビデオストリーミング」オプションを使い、個人に対し、通常のテレビ体験との融合によって生まれる全く新しい「オープンコンテンツプラットフォーム」を提供するプロジェクトです。 現在、TV-TWOはPre-sale期間中で参加者には通常より30%のボーナスが付与されます。 CRYPTO TIMESでもTV-TWOに関して取り上げているので、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓ 【ICO】TV-TWO (ティーブイツー) 現在のテレビエコシステムを解決するための分散型ソリューション - CRYPTO TIMES TV-TWO Tokyo Meetupのレポート 今回のミートアップは、3月4日に神田のC-Loungeで開催されました。参加者は20人くらいで男性が多かったです。 創業者のトークセッション スピーカーはTV-TWO共同創業者のPhilipp Schulz氏とJan Phillip Hofste氏の2人。Philippがマーケティングやパートナーシップなどのビジネスサイドを担当し、Janがエンジニアとしてテクノロジー面を担当しています。 Jan Phillip Hofste氏 Philipp Schulz氏 現在はアジア各国を巡るキャンペーンの途中で、上海と香港の次に東京、最後にソウルへ行くとのことでした。 創業のきっかけ 2人はモバイル広告事業の会社をやっていました。事業はとても上手くいき、Telefónicaというスペイン最大手の通信会社に売却してエグジットしました。 モバイル広告事業を通して、企業の広告予算の大半はテレビ広告に使われていて、モバイル広告にはあまり使われないという現状に直面しました。 モバイル広告のプレイヤーは数多く存在し、イノベーションも頻繁に起きているのに対して、テレビ広告は数十年間同じスキームが取られていて、イノベーションが起きていません。200兆円の市場があるのにです。 そこで2人はテレビ向け広告にイノベーションを起こすべくTV-TWOを起業しました。TV-TWOはテレビ2.0のような意味合いで名付けられています。 スマートTVはスマートフォンのようにスマートには使われていません。全世界に7000万台あるスマートTVが、何かを待っています。 モバイル広告に追いつくだけではなく、ブロックチェーンを使ってよりさらに先の広告を作りたいという想いでTV-TWOを創業しました。 TV-TWOのコンセプト 現在のテレビ広告は、広告主と消費者との間で、テレビ局がゲートキーパーになっています。 TV-TWOはブロックチェーンとトークンを用いて、仲介人の排除ができて、透明性を高めます。 テレビで流れているのは、スポンサーコンテンツ(CM)とオーガニックコンテンツ(TV番組)の2つですが、現在はテレビ局という仲介人を通して配信されています。 TV-TWOでは広告主がスポンサーコンテンツ(CM)を出稿するためにトークン(TTV)を払い、視聴者はスポンサーコンテンツを視聴するとトークンの一部をもらえます。オーガニックコンテンツの作成者はコンテンツを見た視聴者からトークンをもらえます。この時、視聴者は広告主から受け取れるトークンの方がオーガニックコンテンツ視聴のためのトークンより多いので、課金する必要はありません。 広告費はテレビ局に搾取されず、ユーザーとコンテンツクリエイターの元に届くようになるのです。広告主は、今までブラックボックスになっていた、広告が誰にどのくらい届けられたかというデータを正確に入手することができます。 デモ 次にスクリーンでデモを行ってくれました。すでにプロトタイプが公開されていて、LGとSAMSUNGのスマートTVに対応しています。 [embed]https://www.youtube.com/watch?v=PyRo4LmwM1s[/embed] まずスマホのローカルウォレットとスマートTVとを接続します。スマートTVに表示されるQRコードをスキャンすることで一瞬で接続されていました。 次に見たい動画のジャンルを選択します。ここではジャンルが次々と表示されるのでTinderのように「見たい」と「見たくない」に仕分けしていきます。 そして動画を見始めます。スポンサーコンテンツを見ると終了時に画面の右上に計算中という小さなアイコンが出て、視聴時間に応じてすぐにトークンがローカルウォレットに付与されます。スポンサーコンテンツはスキップすることも可能です。視聴データが溜まっていくとどんどんパーソナライズされていきます。 ユーザーが得たトークンはプレットフォーム上で使用すること(プレミアムコンテンツの視聴など)もできるし、取引所でBTCやETHなど他の暗号通貨に交換することも可能です。すでにTrade.ioへの上場が決まっています。 現在はテストネットで試されていて4000人のテストユーザーがいますが、テストで得られたトークンは取引所で交換できるものではありません。 最初に配信されるコンテンツはYoutubeを考えています。YoutubeはオープンAPIがあるので最初に見れます。YoutuberもYoutubeに依存しない収益源としてのサブチャンネルとして興味を示してくれています。まずサブチャンネルとして始めてもらって、TV-TWOの方が儲かると思えばファンごと移行してもらいたいと思っています。 Q&Aセッション Q1.ユーザーはコンテンツを見るために課金する必要があるということですか? A1. 広告を見ることで得られるトークンの方が大きいので、実質払う必要はないです。Netflixのような月額課金は一切ありません。広告主としてはすでにAudiがいるし,メルセデスやワーナーブラザーズなども興味を示してくれています。 Q2.広告のアルゴリズムを詳しく知りたいです。 A2. AIで最適なアウトプットを見つけ出していくという形なので、ルールのようなものではありません。例えばアストンマーチンの広告コンテンツを見て、その後視聴したテニスの試合の中にロレックスのロゴがあるから、AIが判断してロレックスのCMを流すということが起きたことがあります。 我々のプロジェクトはビデオ配信を非中央集権化するものではないことをご理解ください。まず広告予算の使われ方を非中央集権化して、後々ビデオの配信を非中央集権化していきたいと考えています。 Q3.パートナー企業にゴールドマンサックス、マッキンゼー、Microsoftがいるがなぜですか? A3.一部はチームメンバーが以前いた会社です。ファイナンスのスペシャリストやストラテジーのスペシャリストをチームに入れたかったので、アドバイザーとして入ってもらい、企業とも提携を結んでいます。テレビ業界の人も多いです。 Q4.最初にターゲットにする世代はどこですか? A4.特に考えていません。テレビ(大きなスクリーン)は世代に関わらずみんなが見るもので、時代が変わってもリビングの中心にあると思っています。テストネットに登録しているのは30~40代が多いですが、スマートテレビをセクシーで魅力的なものにすることで若い世代の人にも楽しんで欲しいです。 Q5.テレビを何個も並べて広告をただ流すだけの人が出てきそうですが? A5.30分間なんのインタラクションもなければ「Are you still there?」と聞かれるシステムにするので、それは防止できます。 Q6.広告費がユーザーに落ちてしまったら、クリエイターがコンテンツにかける予算が減ってしまい、クオリティーが落ちてしまうのではないですか? A6.クリエイターにはちゃんとお金が入ります。また、最初に想定しているコンテンツクリエイターはYoutuberなどで動画もそこまで長くないものです。そこまで大掛かりな予算がかかるものではないと思っています。 日本人スピーカー(アラタさん×edindinさん)トークセッション edindinさん ICOの最大の懸念は投資したのにいつまでたってもプロダクトが出てこないというケースですね。その点TV-TWOはプロトタイプがすでにあるので安心です。 アラタさん プロトタイプがあると紹介もしやすいですね。日本人にとってテレビはオワコンってイメージがあるけど、確かにテレビ番組を見る機会は減っていても、動画コンテンツを見る機会は増えてますよね。 edindinさん 最初に気になったのは、「テレビだからアダルトコンテンツはないの?」という点です笑 philippさん トークンホルダーによる投票制度を考えているので、もしかしたら将来的に載る可能性がありますね。 edindinさん 投資額を増やします。笑 edindinさん ICOの99%は「非中央集権化で解決するよ」と謳っているんだけど、既存の中央集権的な体制でどれだけマージンが取られているかが問題なんですよ。それがテレビは相当搾取されているはずです。Youtubeに流れてるのは搾取される量がマシだから。 アラタさん 同じくICOあるあるで言えば、ICOで集めたお金のほとんどをマーケティングに使うというケースが多いです。プロダクト自体は本当は少額でできるのに、広告費のためと言って大量に資金調達して、流れてくるはずの広告を全然見ないというケース。その点TV-TWOは60%を開発に回すと言ってるので好印象です。一方でマーケティングのプランは気になります。 philippさん 第一のフェーズはICOです。ICOをすることで知名度が広がりますし、投資してくれた人はプロジェクトが成功して欲しいので積極的に拡散してくれるはずです。 第二のフェーズとして、コンテンツクリエイター(Youtuberなど)にサブチャンネルとして働きかけることを考えています。もしうまくいってTV-TWOの方が儲かると判断してくれれば移動してくれます。そうすればファンも引き抜けます。 最後にスマートTVならではの点で、スマートTVメーカーに直接働きかけることができます。ICOで調達した資金のうち少しを使えば、LGやSAMSUNGのスマートTVにプリインストールしてもらう交渉ができると思います。スマートTVはアプリが少ないので、メーカー側もキラーアプリを欲しているでしょう。 アラタさん なるほどですね。コンテンツ発信者は確かに移行しやすいと思いますよ。コンテンツ発信者はコンテンツを有料化しづらいんですよ。金の亡者感が出るから笑。 その点TV-TWOのシステムであれば金の亡者感は出なくていいですね。 まとめ TV-TWOのTokyo Meetupは盛況のうちに終わりました。セッションが終了してからも登壇者への質問や参加者同士のネットワーキングが活発に行われていました。 ぽんた 今回初めて仮想通貨関係のMeetupに参加しました。結論としてとても楽しかったです。 TV-TWOのプレゼンも興味深かったですし、アラタさんとedindinさんのなかなか聞けない投資の話も聞けて面白かったです。 TV-TWO、僕は投資をしていませんし、投資予定もありません。投資余力がないのとスマートTVを持っていないからです涙 そんな利害のない僕の立場から見ても、TV-TWOは有望なプロジェクトだなと思いました! テレビ局が牛耳っているテレビ広告業界に風穴を開けて欲しいですし、Philippは24歳、Janは27歳という若さなので同世代として期待しています。














