PolicyPal Networkミートアップレポート
   公開日 : 2018/02/11

PolicyPal Networkミートアップレポート

Crypto Times 編集部

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「投資は自己責任」とはいいますが、サイバー犯罪で自分の資産が危険にさらされたときにそれをカバーしてくれる保険があったら素敵だとは思いませんか?

今回はそんな「仮想通貨保有者のための次世代保険」を目指すPolicyPalのミートアップに参加してきたので、そのレポートをしたいと思います。

PolicyPal Networkとは

初めに、プロジェクトの概要を説明します。PolicyPal Networkは銀行口座を持たない人々や仮想通貨の安全管理のための次世代の保険のプロジェクトです。

PolicyPal Network Website

PolicyPalについて

PolicyPalは既存のビジネスを持ったスタートアップで、シンガポールで保険証書の管理ツールを発行しており、シンガポール金融庁(MAS)から保険代理業としての認可を受けています。また、プロダクトのローンチからおよそ12か月間の間にシンガポールだけで3万2千人のユーザーを獲得しました。

PolicyPalはMASのレギュラトリー・サンドボックスに初めて選ばれ、唯一卒業したスタートアップでもあります。

レギュラトリー・サンドボックスとは現行の法制度では想定されていない先進的な商品やサービスに対して、それらの事業育成のために安全な実験環境において規制緩和を行うもので、フィンテックのイノベーションや競争促進を目的に実施されています。

保険業界で躍進してきたPolicyPalが次のステップとして始めるのがPolicyPal Networkです。

ブロックチェーンを用いることにより、P2Pの保険という新たな形をつくり、今まで保険が存在していなかった仮想通貨資産や、今まで保険に加入できなかった銀行口座を持たない人々にまで、保険の適用を目指します。

PolicyPalトークンについて

PolicyPal Networkにおけるトークンは、シンボルPYPLで表されるERC20トークンです。

現段階ではEthereumブロックチェーン上で開発が進められていますが、ネットワークが完全にローンチされ様々な業界による保険へのニーズでトランザクションが大幅に増加したときのことを考え、PolicyPal Network独自のブロックチェーンを開発予定です。

PYPLトークンを所持しておくことによって得られるメリットは3つあります。

1つ目は、PolicyPal Networkの発展のためのアンケート調査に参加権が得られ、そのアンケートに協力することによってボーナスとしてPYPLトークンを受け取ることができます。このアンケートに参加することによってPYPLトークンが使われることはありません。

2つ目はPolicyPalプラットフォーム上で保険を購入した場合、PYPLトークンで2%のボーナスを受け取ることが出来ます

3つ目はPolicyPal NetworkにはPoS(プルーフオブステーク)が適用されるので、今まで中央集権的だった保険業界において分散化した形でキーとなる役割を握ることが可能になり、同時にホールドしておくことによって資産を増やすことも出来ます

PolicyPal Network meetup

今回のミートアップは、2月5日に虎ノ門で開催されました。当初予定されていた人数よりも増枠し、会場もにぎわっていました。すでに保険業界で活躍しているスタートアップのICOということもあって、保険の分野に精通している参加者の方もいらっしゃいました。

CEOのトークセッション

PolicyPalは2016年に会社を設立し、保険の管理ツールであるモバイルアプリを提供してきました。

事業を進める中でスタートアップブートキャンプや500 Startupsなどの投資を受け、2017年からMASのレギュラトリー・サンドボックスに選ばれ、同年にシンガポールの保険業のライセンスを取得しビジネスを行っています。

またICOに向けてFENBUSI CAPITALやBlock Assetからも投資を受けています。

PolicyPalの今まで

PolicyPalを始めるに至った経緯を説明します。

2013年頃にCEOのVal Yapさんのお母さんは、癌を罹患しました。運のよいことに癌は完治しましたが、その際に治療費の申請を保険会社に行うために、何度も書類のやり取りをしましたが、更新を怠っていたために拒否されてしまいました。

その年の暮れに今度はお父さんが心臓発作になり、その治療費がどこまで保険で賄えるのかがわからず契約していた複数の保険会社に問い合わせをしなければいけませんでした。

Yapさんは両親の病気という2つの大変な経験をうけて、保険の申請や更新の手間の問題を解決したいと考えPolicyPalを始めました。

現在、シンガポールだけで3万人を超えるPolicyPalのユーザーがいます。

これらが現在PolicyPalのアプリが対応している保険会社です。カメラで保険証書を撮影し、それをコンピュータビジョンで情報を解析することが出来ます。保険会社によって使用している用語が異なっている場合もありますが、その違いにも対応しています。

PolicyPal Networkについて

これから次のステップとしてPolicyPal Networkというものを始めようとしています。

既にシンガポールでは保険代理業のライセンスを取得しており、シンガポールにはブロックチェーンスタートアップも多いことから、仮想通貨資産の保険というものを考えました。

先日のCoinCheckの事件や、Mt.GOXの問題などは皆さんもご存知だと思います。そういった背景を踏まえてAAランクの世界的な保険会社と提携し、仮想通貨のサイバーセキュリティに対する保険を提供していきます。

この保険は価格の上下動に対するものではなく、ハッキングや不正出金などに対する保険になります。

 

もう一つのビジネスとして、シンガポールの周りのインドネシア、ベトナム、ミャンマー、タイ、フィリピンなどの新興国に対して、P2Pの保険を提供していきたいと考えています。

ブロックチェーンを保険の業務に適用するメリットとしては、一つ目は何か問題が起こった時に保険の申請を自動化し不正を防ぐなどスマートコントラクトの有用性が高いことです。

二つ目はバックエンドのプロセスを自動化できることです。すべての情報が分散化してデジタル化されているので従来の紙面での時間と手間をかけたプロセスが必要なくなります。

三つ目は、先ほど述べたように情報がデジタル化されていることによって、コストの削減が可能なことです。

そういったメリットがあるので、私たちは新興国において銀行口座を持っていなくて保険に加入できていないという人にむけて、新しい保険の形であるP2Pの保険というものを提供したいと考えています。

銀行口座を持たない人々に対して保険を提供し、自動化によってコストを削減し、ブロックチェーンを用いることによって透明性の高いサービスを提供していきます。

PolicyPal Networkのサービスはインドネシアでスタートし、後にタイ、ベトナム、フィリピン、ミャンマーに拡げていく予定です。

通常の保険の申請はとても時間がかかり、代理店等で申請してから何度か書類のやりとりがあり、数週間から数か月ほどかかります。申請された後の審査に関しても、とても長い時間がかかります。

PolicyPal Networkはインドネシアで規制対象になっていないビジネスモデルで、P2Pで相互補助のような形で運用されていきます。

共通の保険をかけるグループを作り、そのリスクをPolicyPalが査定し、保険に加入することができます。何か問題が起こり請求した場合は事前の取り決めに従って保険金が支払われます。

これらの過程において、ブロックチェーンを用いることにより、ヒューマンエラーの可能性を減らします。

Q&Aセッション

Q1:今まで何社の保険会社とアライアンスをしていますか。

A1:14社です。

 

Q2:仮想通貨の保険ということですが、誰を顧客にすることを想定していますか。個人ですか、それともウォレットなどのサービスプロバイダーですか。

A2:最初のターゲットはブロックチェーンのスタートアップです。そのあと、他のサービス事業者や個人向けにも展開していく予定です。

 

Q3:どのような犯罪だとこの保険でカバーされますか。先日コインチェックの問題がありましたが、あの問題に関してはこの保険でカバーできるのでしょうか。

A3:最初から取引所のような規模が大きいところに対応してしまうとリスクが高くなってしまうので、当面の顧客ターゲットはスタートアップやウォレットサービスのプロバイダーなどになります。将来的には取引所も私たちの顧客になる可能性がありますが、その際には保険料も相応に高くなります。

 

Q4:保険という分野ではiXledgerなどのプロジェクトがあると思いますが、どのような差別化を図っていますか。

A4:iXledgerは再保険会社(保険会社に保険をかける会社)のマーケットをターゲットにしているので、B2Bです。そのため、このプロジェクトの競合とは言えません。

 

Q5:アジアの新興国をターゲットにしているとのことでしたが、そこで保険に加入していない人々は安ければ保険に入りたいと考えているのか、それとも保険そのものにあまり関心を持っていないという状況なのかを教えていただきたいです。

A5:銀行口座を持っていないとなかなか保険に加入することが出来ないということと、インドネシアに関して言えば、多くの離島があるため、保険のエージェントのようなタッチポイントにアクセスしづらい、というのが現状です。PolicyPalは携帯会社やコンビニエンスストアなど他の業態のパートナーと提携することによってタッチポイントを増やしていきたいと考えています。

 

Q6:日本の保険会社と提携していますが、そのねらいはなんですか。

A6:日本は、一人当たり5~7の保険に加入しているというデータがあり、非常に成熟したマーケットであり、その取引のほとんどが紙ベースで行われていることから、もともと保険証書の管理ツールとして始めたPolicyPalにとっては非常に大きなマーケットではないかと考えました。また、日本の保険会社が東南アジアの新興国のマーケットに非常に興味を持っていることもわかり、新興国でのアライアンスも進めていきたいと考えています。

まとめ

自分自身が保険についてあまり知識がない状態ではありましたが、コインチェックの件も記憶に新しい今、とてもホットなプロジェクト内容なのではないかと思いました。

実際に取引所が保険のターゲットになるのはだいぶ先の話になるかもしれませんが、イタチごっこのようにサイバー犯罪が繰り返される業界だからこそ、プロジェクトのこれからに大いに期待できるのではないでしょうか。

Policypal NetworkのICOは2月の下旬に予定されています。

PolicyPal Network Website

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