IOSTインタビュー ブロックチェーンブーム再到来の中国で次のステップは?
   公開日 : 2019/11/13

IOSTインタビュー ブロックチェーンブーム再到来の中国で次のステップは?

Yuya【CRYPTO TIMES公式ライター】

YuyaCRYPTO TIMES公式ライター

CRYPTO TIMESの記事編集全般を担当しています。バックグラウンドは経済学とファイナンスなので、政府発行型暗号資産の仕組みや、行動ファイナンス的観点から見る市場の動きなどに興味があります。

IOSTはスケーラビリティと非集権性の両立を目指すブロックチェーンプラットフォームです。

今年2月にメインネットをリリースしてから大きな進展を遂げているIOSTですが、CRYPTO TIMESはこれまで、CEOをはじめとするチームメンバーにインタビューを行ってきました。

CEOのJimmy Zhong氏、CTOのTerrance Wang氏、CMOのSamantha Wang氏に次いで今回インタビューに応じていただいたのは、IOSTでマーケティング代表を務めるBingjing Meiさんです。

フランスのメガバンク ソシエテ・ジェネラル出身のMeiさんは、従来の金融システムの短所に疑問を抱き、昨年末にIOSTチームに加わりました。

Meiさんは今年2月のメインネットローンチ前までは技術チームに属していましたが、以降マーケティングチームで代表を務めることになりました。

以下は、Meiさんとのインタビューを編集したものになります。

中国のブロックチェーン事情について

−−中国では、習近平首相によるブロックチェーン推進発言が注目を集め、中国アルトコイン銘柄の上昇などにも繋がりましたね。他国はこの件をポジティブに捉えている印象がありますが、中国国内ではどうですか?

Meiさん: 習近平首相の発言は、2017年のビットコイン急騰時に次ぐ第二のブロックチェーンブームを呼び起こしたと考えています。

2017年のブームでは、中国はまだ市場をどのように規制すべきかわかっていない状況にありました。ブロックチェーン技術や仮想通貨自体には2013年から目をつけていた政府ですが、今回は規制が整備できてきたと見たのか積極的に開発を進める動きに出たようです。

私は、首相の発言はどちらかというと政治的なインパクトがメインだと考えています。

中国は政府発行型暗号通貨(CBDC)の話もあり、米国のリブラの競合になっています。リブラが規制当局からバッシングを受け停滞する中、中国は我先にと新興技術の開発に注力しています。国ぐるみで開発戦略を立て、専門チームを作り、国内マイニング企業のIPOにも協力的な姿勢を示しています。

加えて中国の都市はそれぞれが業界の中心となるべく、優れた才能を持つ人間を取り合っています。

そんな中、IOSTは中国系プロジェクトの中でもトップレベルに属するとみなされているため、少なくともIOSTとしてはこの新たなブームの到来はとても好ましいものと受け止めています。

(IOSTのCTOであるTerrance Wang氏は、習近平首相の発言に関するコメンテーターとして中国の国営テレビにも出ています)

−−それでは、この絶好のチャンスを受け、IOSTはどのように前進していく計画ですか?

Meiさん: IOSTでは、B2CとB2Bそれぞれの分野で次の動きを計画しています。

まずB2Cにおいては、色々なモデルが実際に登場してきて、キャッシュフローも生み出せるようになりました。Crypto Sanguoは大きな成功例のひとつです。IOSTではこういったプロジェクトが成功するようにアシスタンスを提供しており、個別にトレーニングセッションを設けることまであります。

Crypto Sanguo

B2Cにおけるこれからの課題は、国際展開などに向けてコンプライアンス問題を解決することです。特に、DApps使用状況におけるギャンブルアプリの割合には注意しています。

この辺りは、IOSTによるインキュベーションの対象を、ネットワークのエンゲージメントを高めるものに絞ることで、プラットフォームの分散性を保ちながら健全性のバランスも取りたいと考えています。

これからより肝心になってくるB2Bに関しては、ビッグデータやサプライチェーンマネジメントなどの分野でプロジェクトを進めています。

こういった企業の中にはこれまでブロックチェーン技術の重要さを完全に把握していなかったところもありましたが、習近平首相の発言などもあり法人向けソリューションも注目されるようになってきました。

−−具体的にどんなプロジェクトがあるのか教えていただくことはできますか?

Meiさん: 政府にサービスを提供しているIT系企業とは、ブロックチェーンを活用したソリューションを提供できないか話し合っています。政府のデータはセンシティブなものも多いので、こちらは現在開発中のコンソーシアムチェーンソリューションを活用していくかもしれません。

それから、資産のトークン化という分野では、あるギャラリーと協力してアンティーク商品の証明書をブロックチェーン上に発行するシステム開発に取り組んでいます。こちらは、特典や割引のあるメンバーシップのトークン化にも力を注いでいます。

また、ドローン関係でもIOSTの技術を活用する話が挙がっています。ドローンが発信する情報には異なるプライバシーレベルのものがあるため、ブロックチェーンを用いたソリューションが効果を発揮します。こちらはすでに実証実験段階のプロジェクトとなっています。

今後の日本での展開について

−−日本ではステラ・ルーメン(XLM)が日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)によって承認され、コインチェックで上場しましたね。IOSTもトークンを日本で上場させる為の活動を行っていますか?

Meiさん: もちろんです。日本は規制が明確に設けられているので、これから私たちは慎重に物事を決断していかなければなりません。特に、先程話したコンプライアンスに関する問題は対処していかなければいけません。

今のところ、私たちのエコシステムでは全体の30%ほどをギャンブル系が占めていますが、これを例えば20%以下にまで持っていき、進出のメドが立つまでさらにネットワークの実用性をブラッシュアップしたいと考えています。

−−最後に、日本の皆さんに一言お願いします。

Meiさん: 私たちはもっとたくさんの日本の方々と一緒にプロジェクトを大きくしていきたいと考えています。日本の政府や企業もブロックチェーン技術の重要さにより注目しており、IOSTにとっても良いタイミングだと感じています。

日本マーケットへの進出もとても前向きに考えていますので、たくさんの日本企業と協力して実用的なビジネスモデルを築き上げることでコンプライアンス面でも説得力を持たせていきたいと思います。

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