【IVS Crypto 2022 NAHA】『スタートアップの挑戦と苦悩:L1・DeFi編』レポート
Crypto Times 編集部
先日沖縄でカンファレンス『IVS Crypto 2022 NAHA』が開催された。
先日開催された『IVS Crypto 2022 NAHA』のレポート記事が公開されました✨
「#有意義」といった謎のバズワードが誕生した本イベントの正体が明らかに!?
イベントに参加された方もそうでない方も是非ご覧ください!#IVS2022 #IVSCrypto #IVS2022NAHA https://t.co/0cjUTT6b5E
— CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 9, 2022
国内外から数百名のスピーカーが登壇したトークセッションでは、業界有識者達によるディスカッションが実施。
行われた30以上のトークセッションから今回はL1・DeFiプロジェクト代表者によるWeb3とスタートアップに関するセッションを紹介していく。
トークセッション
- 登壇者
・竹田 匡宏氏 (司会) – 幻冬舎 あたらしい経済編集者・記者
・斯波 晃士氏 – InsureDAO Founder
・Neo氏 – Starlay Founder
・石川 駿氏 – Stake Technologies (Astar Network) COO
・徐 楽楽氏 – COINJINJA CEO
「”Web3.0″で出せば良い時代は終わった」
セッションは今の市場の状況を事業者側はどのように捉えているのかというテーマから始まった。
「”Web3.0″で出せば良い時代は終わった」
Astar Networkを手がけるStake Technologies COOの石川氏はこう語る。
今回の下落の要因は従来のクリプトの冬の時代とは異なり、規制ではなくマクロ指標の悪化だという。
その中で、これまでのように”Web3″というだけで、一定のエクスポージャーが取れる時代は終了し、マーケットの選定等をさらに戦略的に行わなければならないと同氏は語った。
Astar NetworkはPolychainやAlameda Reserchといった大手VCからの出資を受けている。
石川氏によると、VCから「4年のランウェイを持て」と言われており、成果を出すまでに最長で4年間はかかる前提でファイナンスを組んでいるという。
「時間が無くて出来なかったところをじっくり開発できる」
現在の市場のポジティブな面についてInsureDAO 創設者の斯波氏はこう語る。
市場の流れが緩やかになり、テック部分に集中せざるを得なくなることで、これまで手が回らなかった部分にしっかりと取り組めると、ベアマーケットならではの利点を述べた。
「前回の冬は技術がどう消化されていくか見えづらかった」
前回の冬の時代についての話となり、当時の体験をスピーカー達が語った。
「前回の冬は技術がどう消化されていくか見えづらかった」
Starlay 創設者のNeo氏は、前回の冬の時代の最中、こう感じていたという。
当時は、現在のDeFiのようにマーケットにフィットしたプロダクトは存在せず、Solidity(開発言語)の技術が実際どのように利用されていくかが分からなかったと同氏。
実際に周りのデベロッパー達はSolidityで経験を積むのであれば、Rust等の汎用性の高い言語を学んだ方が良いという傾向もあったという。
Neo氏は上記のような状況でも、タフに取り組み続けた人達がUniswapなどのプロダクトを作り上げたと推察していると話した。
では今の相場はどのような状況で今後はどうなっていくのか。
COINJINJA CEOの徐 楽楽氏は、冬の時代の定義を「とにかく誰もいない状態」とし、昨今のNFT周辺の盛り上がり具合から冬が来るのはもう少し先であると予測した。
また、これまでと違うジャンルとしてNFTが存在してるので、今後の相場に関して正確な予想をするのは困難であると述べた。
マインドセットをグローバル化する
セッションは「これまでプロジェクトとしてやってよかったことは何か?」という話題に移る。
石川氏によると、Astarのチームでは日本語の話せない人物をチームにいれ、マインドセットを半強制的にグローバル化させたことがチームの成長理由の1つとした。
また、コーポレートスキームを初めからグローバルで組むことで、様々な負担を減らせると同氏は語った。
「タイミングがとにかく重要」
COINJINJAの徐氏は過去の経験をこのように振り返った。
月の出来高として2億ドル以上を記録するtofuNFTを手がけるCOINJINJAは、OpenSeaが急成長していた当時、BSCに良いマーケットプレイスがなかったため、プロダクトをBSC上に構築したという。
その後、tofuNFTは特に強いアイテムを持っていないにも関わらず、順調に成長できたと同氏は説明する。
さらに徐氏は、冬を乗り越えられるのは資金調達をしっかり行なっているプロジェクトであるため、今のタイミングで新しいプロジェクトを立ち上げることなおすすめしないと自身の考えを語った。
まとめ
レイヤー1やDeFi領域での事業を手がける有識者達によるトークセッションでは、本記事で紹介した以外にネットだけでは集めるのが難しい情報がたくさん話されていた。
筆者の経験上、これまでのカンファレンスではトークセッションよりもネットワーキングに価値を感じることが多かったが、『IVS Crypto 2022 NAHA』では、セッション自体が非常に勉強なるものが多かったように思う。
CRYPTO TIMESでは、引き続きIVSのレポートを公開していく。