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2023/05/31中国は仮想通貨への姿勢を変えるのか
先日、中華人民共和国北京市から「インターネット3.0のイノベーションと発展に関するホワイトペーパー(以下:白書)」が公開され、ブロックチェーン技術やNFTなどについて言及されました。 中国特別行政区である香港で6月1日から個人による仮想通貨取引所での取引が解禁予定であることから、金融ハブ香港のクリプト市場に多くの個人投資家が参入することが予想されるなか、今後中国本土の仮想通貨への姿勢に変化が生じる可能性が一部で囁かれています。 (下記は世界最大手仮想通貨取引所BinanceのCEOのツイート。白書の公開に関して"興味深いタイミング"と述べている。) Interesting timing on this Web 3.0 white paper from the Beijing government tech committee with the June 1st anticipation in Hong Kong. pic.twitter.com/0Ts1UB0jnL — CZ 🔶 Binance (@cz_binance) May 27, 2023 米大手仮想通貨取引所Coinbaseが米撤退の可能性を示唆した事例や、EUで仮想通貨に関する規制法案MiCAが可決されたことなどから、今後仮想通貨/ブロックチェーン市場の環境が大きく変化する可能性があるなか、中国とその首都北京による同分野への取り組みや見解をホワイトペーパーの内容を元にまとめていきます。 北京市が公開した「インターネット3.0」のホワイトペーパー 前提 今回公開されたホワイトペーパーは、人工知能やブロックチェーン、XR(AR+VR+MRの総称)端末などの分野における100社以上の企業の研究、清華大学や北京大学などの大学機関、中国政府委託の専門研究機関「中国信息通信研究院」等の専門家との協議に基づき*北京市科学技術委員会と中関村科学技術園管理委員会によって作成された文書で、民間企業によって作成されたものではありません。 白書を作成した北京市科学技術委員会と中関村科学技術園管理委員会は北京市の機関ですが、中央委員会の指針が同機関に反映される背景や、混乱を避けるため「白書内の意見=中国政府の意見」という前提で話を進めていきます。 北京市科学技術委員会、中関村科学技術園管理委員会とは 北京市科学技術委員会 = 市政府の一部門。中関村科学技術園管理委員会 = 市政府の派遣機関。両者は併設されており、中国共産党の最高指導機関である中央委員会の指針・政策と市党委員会の関連業務要求を実施する役割を担っている。 インターネット3.0とは 白書のメインキーワードとして「インターネット3.0」という言葉が登場します。これは"没入感の高いインタラクティブな体験を持つ3次元空間"の意味を示す言葉で、メタバースやWeb3を内包する単語として文書内で使用されています。 インターネット3.0は下記4つのレイヤーと技術で構成されており、インフラ層では人工知能やブロックチェーン、コンピューティングチップ、通信ネットワークが主要技術として含まれています。 インフラ層:人工知能、ブロックチェーン、コンピューティングチップ、通信ネットワークなど インタラクティブ端末層:XR端末、ホログラム、ブレインコンピュータインターフェースなど プラットフォームツール層:デジタルコンテンツ制作、デジタルツインなど アプリケーション層 上記文書では、インターネット3.0は"未だ初期段階にある"としながら「情報革命、インターネット革命、人工知能革命、VR/AR技術革命の成果を完全に吸収し、現代科学技術の最高傑作となり、インターネット産業の今後の発展をリードしていく」と評価されています。 中国のクリプトへの評価/見解、取り組み 白書では複数の技術を含むインターネット3.0を軸に話が展開されていますが、一部でブロックチェーン、Web3、NFTの3つのクリプト関連ワードに言及がなされています。("仮想通貨"に対してはほとんど無し) 中国のクリプトに対する考え方を伺うために以下でそれぞれの単語について白書内の内容を紹介していきます。 「Web3」への評価/見解 白書は、EthereumやPolkadotの共同創設者として知られるギャビン・ウッド氏が提唱する"Web3"に対して「メタバースにおけるID認証、データ検証、資産取引、規制・ガバナンスの重要な基盤になる」と高い評価を下しています。 文書の中で引用されている中国政府委託の専門研究機関「中国信息通信研究院」が2022年に発表したレポートでは、Web3に関して「デジタル世界におけるデータ要素の識別や流通、取引などを行うための経済システムを構築し、デジタル経済と実体経済の統合の推進が期待できるもの」と表現されており、Web3は中国が取り組みを進めるインターネット3.0の重要要素と捉えられていることが分かります。 「ブロックチェーン」への評価/見解、取り組み ブロックチェーンについて白書では「インターネット3.0経済システム構築の重要な礎となる」と表現されており、前述のインターネット3.0のインフラ層を支える重要な技術であるとともに、インターネット3.0におけるデータのセキュリティやプライバシーを保護し、仮想世界の規制のインテリジェンスを向上させるために使用できる技術であると評価されています。 その一方で、ブロックチェーンを含むインターネット3.0を支えるインフラ層に関して「世界の主要国で新技術の開発が精力的に行われているが、現在の性能はインターネット3.0シナリオの大規模な実装をサポートするには程遠い状態」と説明されており、中国は現状のブロックチェーン技術を"未発達な段階"と捉えていることがわかります。 実際の取り組みとして、2022年1月に他国の内閣に相当する中華人民共和国国務院に属する行政機関「中華人民共和国工業情報化部」が"メタバース、ブロックチェーン、人工知能などの新興分野に参入する革新的な中小企業群を育成する"と表明。 また、北京市指導/支援のもと設立された研究開発機関BAECや清華大学などの研究機関や大学、Tencent等の企業によって中国初の独立制御型ブロックチェーンソフトウェア/ハードウェア技術システム「長安チェーンメーカー」が開発された事例や、中国国内でトップクラスの実力が集まっている北京市でブロックチェーンとセキュリティ、金融、法的規制に関して研究機関での基礎技術や理論の研究が行われている事例が挙げられています。 「NFT」への評価/見解、取り組み NFTに関しては、"AI、ブロックチェーン、グラフィック処理等の技術の発展を受けて将来的に最初の収益性の高いアプリケーション分野になると予想している"と白書は述べています。 また、インターネット3.0が今後様々なビジネスモデルを創出していくことを示す事例として、DecentralandやRTFKT StudiosなどのNFTプロジェクトが紹介されています。 NFTを含むデジタルコレクション分野に関するグローバル全体での中国のポジションとしては「中国は後発」と低評価が下されており、企業はより積極的にNFTビジネスに挑戦中。上海で有力企業によるNFT取引プラットフォーム構築の模索やNFTやその他の資産のデジタル化の早期推進、支援が提案されているとしています。 中国の課題 白書では、インターネット3.0全体の課題について、主に下記4つの観点が指摘されています。 1、技術が未成熟 →中国内の技術はインターネット3.0の完全なる実現をサポートするには至っておらず、強力なサポートが必要 2、知識の統合が図れていない →技術研究が一部の分野に限られており、統合の度合いが限定的。既存の技術者の知識構造ではインターネット3.0における複数分野の綿密な相互融合の需要を満たせない 3、ビジネスモデルの不充実 →応用シーンが限られており、市場が利益を得るモデルが多く、ユーザーの持続性や安定性に欠けている 4、データのセキュリティやプライバシー保護の分野が未発達 →インターネット3.0における個人のあらゆる活動はデータとして生成、送信されるが膨大な量のデータは常に漏洩や盗難のリスクにさらされている →データ流通全般に対する市場の監督に関する政策もまだ十分に展開されていない インターネット3.0は複数の専門分野が綿密に絡んでくるため、中国では他国同様に技術や人材、体制等が十分でないことが伺えます。 北京市の今後の方針 [caption id="attachment_93713" align="aligncenter" width="425"] Travelpixs / Shutterstock.com[/caption] 白書では、上記の課題をうけたうえで首都北京での今後の取り組みについて記されています。 中国の首都北京では、習近平国家主席が示した新時代の中国の特色ある社会主義思想を指針として作成された「北京市インターネット3.0産業の革新的発展を促進する作業計画(2023-2025)」を指針として、都市の連携促進や共同作業の形成を加速するとしています。 また、特定エリアにおいて、資金、土地の利用、家賃、税制などの面で支援策を提供し、インターネット3.0産業の発展を誘導予定。国立研究所や大学、研究機関に対しては、インターネット3.0産業の発展に焦点を当て、基礎理論研究を強化するよう指導するとしています。 上記に加えて、北京市はハードウェア・ソフトウェアコンピューティング、コンテンツ制作、デジタル資産の流通、光デバイス処理などのインターネット3.0を構成する技術の共通プラットフォームの構築を推進予定。 また、中国首都北京の優位性を活かし、都市部の資源の連携と統合を強化して都市、産業、工業、消費者分野を中心にインターネット3.0を積極的に開拓していくとしています。 その他にも北京市ではインターネット3.0投資ファンドの設立などを通して、北京のインターネット3.0のイノベーションエコシステムを徐々に育成していくとしています。 見えてきた中国の姿勢 今回、北京市科学技術委員会と中関村科学技術園管理委員会によって制作されたインターネット3.0の白書では、"仮想通貨"単体での章は設けられておらず、クリプト関連用語としては「Web3」「ブロックチェーン」「NFT」の3つの単語のみが言及されました。 前述のように中国はWeb3を超えた"インターネット3.0"という概念を提唱し、白書ではこれを「情報革命、インターネット革命、人工知能革命、VR/AR革命の成果を完全に吸収する現代科学技術の最高傑作」と非常に高い評価を与えています。 現状のクリプトは多分野での展開が行われているものの"金融革命"の文脈が強いと言えます。 白書内でも触れられていたように、中国国内の規制や技術開発が未だ不十分な点などからも、中国は金融革命の文脈が強いクリプト単体ではなく、その他多くの技術が複合的に絡み合うさらに大きな"インターネット3.0"の市場を獲りに行っていることが考えられます。 また、香港で6月1日から仮想通貨取引所が個人に対してサービスの提供が可能となることから、クリプトを用いた金融革命の文脈は中国特別行政区である香港に任せている可能性も予想できます。 いずれにしても、一部で噂されているような、6月1日から始まる香港での仮想通貨解禁に合わせた中国本土での規制緩和が行われる可能性は低いでしょう。 記事ソース:ホワイトペーパー、Chainmaker
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2022/11/09Binance(バイナンス)のFTX買収における4つの懸念点
世界最大手取引所BinanceのCEOを務めるCZ氏が、FTXの完全買収に関する基本合意に署名し、FTXの流動性の枯渇に関する問題に対処することを発表しました。 This afternoon, FTX asked for our help. There is a significant liquidity crunch. To protect users, we signed a non-binding LOI, intending to fully acquire https://t.co/BGtFlCmLXB and help cover the liquidity crunch. We will be conducting a full DD in the coming days. — CZ 🔶 Binance (@cz_binance) November 8, 2022 上記は現在、基本合意に署名した段階であり本格的な買収に関する協議は今後行われていくとしています。 本記事では、BinanceがFTXの買収を本格的に試みた場合の4つの懸念点について紹介していきます。 *本記事の内容は主観を多分に含み、特定の投資行動を推奨するものではありませんのでご留意ください BinanceのFTX買収による4つの懸念点 1、当局による規制 2、Alameda Research問題 3、投資家問題 4、サム氏とSolanaエコシステムへの信頼低下 1、当局による規制 BinanceがFTXの完全な買収を試みた場合、規制当局による監視が行われ、禁止される可能性があります。 Bloombergの報道によると、Binanceの昨年2021年の収益は少なくとも200億ドル(当時約2.3兆円)、CNBCの報道によるとFTXの2021年の収益は10.2億ドル(当時約1170億円)となっています。 - 収益以外にも、FTXはBinanceには及ばないものの、取引高やその他ブランド力なども含めて世界の主要な取引所の1つです。 そんなFTXをBinanceが本格的に買収しようと試みた場合、独占禁止法(反トラスト法)に抵触するとして、何かしらの規制を受ける可能性があります。 FTXを運営するFTXトレーディング社は、カリブ海東部に位置する島からなる国家アンティグア・バーブーダで法人化され、バハマに本社を構えている企業。 しかし、米国の規制当局が国外の企業への監視を強化する事例はこれまでも確認されているため、中国系企業/取引所であるBinanceによるFTXの完全買収が当局から受け入れられるかどうかは定かではありません。 - 追記 アメリカの政府機関である米商品先物取引委員会(CFTC)が、FTXの買収を監視していると広報担当者がReutersに語っていると報じられています。 BREAKING: 🇺🇸 U.S. CFTC is monitoring Binance's acquisition of FTX, spokesperson tells Reuters — Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) November 8, 2022 2、Alameda Research問題 BinanceがFTXを完全に買収したとしても、FTX親会社であるAlameda Researchの財政状況を改善できない可能性があります。 FTXの親会社であるAlameda Researchは、先日のCoinDeskによるリークで多くの資産をFTXが発行するFTTトークンやFTT担保で抱えていることが分かっています。 CoinDeskが報じたAlameda Researchの財務状況 【146億ドル分の資産の内訳】 – 36.6億ドルの$FTT(アンロック) – 33.7億ドルの仮想通貨(2.92億ドルの$SOL(アンロック)、8.63億ドルの$SOL(ロック)、0.41億ドルの$SOL担保) – 21.6億ドルの$FTT担保 – 1.34億ドルの現金と等価物 – 20億ドルの株式証券 – その他($SRM、$OXY、$MAPS、$FIDA等) 【80億ドルの負債の内訳】 – 74億ドルがローン – 2.92億ドル相当のFTTを借入 同社CEOは「他に100億ドル以上の資産がある」と発言していますが、詳細な財務状況は明かされておらず、さらに$FTTトークンも一時-80%に及ぶ大幅な価格下落を見せているため、Binanceがカバーできない可能性もシナリオの1つとして考えられます。 3、投資家問題 短期間でBinanceがFTXを比較的安価な値段で買収し、同社が抱える全ての負債を引き受けた場合、FTXの初期ラウンド等の投資家による訴訟が起こる可能性が考えられます。 FTXはこれまで巨額の資金を調達してきており、今年9月には最大10億ドルの資金調達を計画していることがCNBCの報道により分かっています。 仮にBinanceが短期間でFTXの買収を行った場合、FTXの初期投資家から訴訟を受ける可能性が予想されます。 4、サム氏とSolanaエコシステムの信頼低下 現在時価総額11位のSolanaは、FTXを率いるサム・バンクマン・フリード氏が全面的に支援しているプロジェクトとしても知られています。 今回のBinanceの買収やFTTトークン暴落によってサム氏への信頼性が市場の中で著しく低下した場合、それがSolanaエコシステムへの不信へと繋がる恐れもあります。 さらに、昨今注目を集め500億円に近い資金調達を実施しているAptosがSolanaの競合として一部で認識されていることも、上記の流れに拍車をかける可能性があります。 まとめ BinanceとFTXの間の取り決めは正確に明かされていないため、前述の懸念点はあくまで推察に過ぎません。 しかし、今回の一件は市場に確実に大きなインパクトをもたらしているため、今後も動向を注視する必要があるでしょう。 Binance (バイナンス)がFTXを完全買収か | 基本合意に署名 記事ソース:Bloomberg、CNBC
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2022/11/07バイナンスが$FTTの大量売却を発表 | 騒動の一連の流れを解説
Binanceの創設者兼CEOであるCZ氏が、FTX発行の$FTTトークンを売却していくとツイートしました。 As part of Binance’s exit from FTX equity last year, Binance received roughly $2.1 billion USD equivalent in cash (BUSD and FTT). Due to recent revelations that have came to light, we have decided to liquidate any remaining FTT on our books. 1/4 — CZ 🔶 Binance (@cz_binance) November 6, 2022 直近24時間の取引高で2.1兆円を誇るBinanceと、主要プレイヤーとしてBinanceと肩を並べるFTXの間で起こった今回の件に関して、一連の流れを時系列順に解説していきます。 売却発表後の市場の動きも解説しているので、是非最後までご覧ください。 今回の騒動の流れ ①CoinDeskがAlameda Researchの財務状況を報道 - 11月3日(木) ↓ ②クジラアカウントが2300万FTTをBinanceに送金 - 11月5日(土) ↓ ③Alameda ResearchのCEOが「貸借対照表に判定されていない100億ドル以上の資産がある」と発言 - 11月6日(日) ↓ ④CZ氏がFTTを売却していく旨を発表 - 11月7日(月) - 前提 ・Alameda ResearchはFTXの親会社の投資会社 ・$FTTは取引所FTXが発行するトークン ①CoinDeskがAlameda Researchの財務状況を報道 - 11月3日(木) 海外メディアCoinDeskが11月3日、6月30日時点におけるAlameda Researchの一部財務状況で、146億ドルの資産、80億ドルの負債を保有していると報道しました。 Billionaire @SBF_FTX’s cryptocurrency empire has officially broken into two main parts: @FTX_Official and Alameda Research.https://t.co/tI6yFyj1Xg — CoinDesk (@CoinDesk) November 6, 2022 CoinDeskが報じたAlameda Researchの財務状況 【146億ドル分の資産の内訳】 - 36.6億ドルの$FTT(アンロック) - 33.7億ドルの仮想通貨(2.92億ドルの$SOL(アンロック)、8.63億ドルの$SOL(ロック)、0.41億ドルの$SOL担保) - 21.6億ドルの$FTT担保 - 1.34億ドルの現金と等価物 - 20億ドルの株式証券 - その他($SRM、$OXY、$MAPS、$FIDA等) 【80億ドルの負債の内訳】 - 74億ドルがローン - 2.92億ドル相当のFTTを借入 上記内容をきっかけに、FTXの親会社であるAlameda Researchの資産の多くがFTXが発行するFTTトークンであることが問題視され、大きな話題を呼びました。 ②クジラのウォレットが約2300万FTTをBinanceに送金 - 11月5日(土) 上記報道の後、クジラ(資金を多く持っているアカウントを指す言葉)のウォレットが当時約780億円分の約2300万FTTをBinanceへ送金しました。 Yes, this is part of it. https://t.co/TnMSqRTutr — CZ 🔶 Binance (@cz_binance) November 6, 2022 後にCZ氏は「Yes, this is part of it. (はい。これは一部です)」とツイートしており、上記の送金がBinanceが保有するFTTの一部であることを認めています。 ③Alameda ResearchのCEOが「貸借対照表に判定されていない100億ドル以上の資産がある」と発言 - 11月6日(日) CoinDeskの報道から3日経った11月6日、Alameda ResearchのCEOを務めるCaroline Ellison氏が「最近出回っている賃借対照表に関するメモ」と題したツイートを行いました。 A few notes on the balance sheet info that has been circulating recently: - that specific balance sheet is for a subset of our corporate entities, we have > $10b of assets that aren’t reflected there — Caroline (@carolinecapital) November 6, 2022 Ellison氏はツイートの中で、 報じられた賃借対照表はAlamedaの事業体の一部を対象としている 上記に反映されていない資産が100億ドル以上ある 記載されていないヘッジがある 今年の仮想通貨クレジット分野引き締めを受けて、ローンのほとんどは返却済みである と述べ、CoinDeskによって報じられた内容はAlameda Researchの財務状況の全てを表すものではないとしました。 ④CZ氏がFTTを売却していく旨を発表 - 11月7日(月) 上記の流れの中、Binance CEOのCZ氏が本日11月7日未明、昨年FTXの株式からの撤退の一環で受け取った21億ドル相当のBUSDとFTTのうち、同社が保有する$FTTを売却する旨を発表しました。 As part of Binance’s exit from FTX equity last year, Binance received roughly $2.1 billion USD equivalent in cash (BUSD and FTT). Due to recent revelations that have came to light, we have decided to liquidate any remaining FTT on our books. 1/4 — CZ 🔶 Binance (@cz_binance) November 6, 2022 CZは市場への影響を最小限に抑えるために、数ヶ月にわたって売却を行なっていくと発言。さらに、 "「Binanceは常に業界のプレイヤー間のコラボレーションを推奨しています。これが競合他社に対する動きであるかどうかという憶測については、そうではありません。」" と競合他社(FTX)に対する動きであることを否定しました。 しかし、CZ氏は後に今回のFTT売却の理由について「LUNAから学ぶ出口後のリスク管理にすぎません。私たちは誰にも反対していません。しかし、陰で他の業界関係者に対してロビー活動を行う人々をサポートすることはありません。(一部省略)」と述べ、FTXのロビー活動に対する批判とも取れる文章を投稿しています。 Liquidating our FTT is just post-exit risk management, learning from LUNA. We gave support before, but we won't pretend to make love after divorce. We are not against anyone. But we won't support people who lobby against other industry players behind their backs. Onwards. — CZ 🔶 Binance (@cz_binance) November 6, 2022 FTX CEO サム・バンクマン・フリード氏の対応 上記の一連の出来事の後、FTX CEOを務めるサム・バンクマン・フリード氏は、今回の出来事に対する一連のスレッドを投稿しました。 1) A huge thank you to everyone who has supported us--we're excited to keep climbing together. And especially to those who stay level headed during crazy times. We deeply appreciate it. — SBF (@SBF_FTX) November 6, 2022 "「根拠のない噂がたくさん流されているが、FTXは監査済みの財務を保持しており、プロダクトについては高度に規制されています。本日何十億ドルの入出金を処理しており、大量のUSD⇆ステーブルコインの変換が行われています。自分の好きなところで取引をすればいいです。残ってくれた人たちに感謝し、この事態が収まれば他の人たちを歓迎します。(一部要約)」" サム氏は仮想通貨の送金の素晴らしさを改めて実感しているとともに「報復するかどうか、同じ方法を使用するかどうかに関わらず、今日の業界を構築するためにCZを含め皆さんが行なってきたことを心から尊敬する。」と述べています。 市場の動き 各種メディアやSNSで多く言及されている今回の件ですが、実際に市場ではどのような動きがあったのでしょうか。 CZ氏のFTT売却ツイート後の市場の動きをみていきます。 FTT/USDT -Binance (1分足) FTTは、CZ氏のツイートが行われた11月7日0時47分の直後に約13%の大幅下落を見せ、一時は1 FTT = 21.5 USDTに。その後価格は回復し、記事執筆時は22.59 USDTとなっています。 SOL/USDT -Binance (1分足) SOLはCZ氏のツイート直後に約4%の価格下落を見せました。 SOLの価格はその後右肩下がりとなっており、記事執筆現在は34.42ドルとなっています。 FTXのステーブルコイン残高 FTX's stablecoin reserve just reached a year-low. $51M as of now. -93% over the last two weeks.https://t.co/eG4SVOO6cV pic.twitter.com/GIj3nJGXf6 — Ki Young Ju (@ki_young_ju) November 6, 2022 データ分析会社CryptoQuantのデータによると、FTXのステーブルコイン残高は5100万ドルとなり、過去二週間で93%減となりました。 上記数字は、1年以来の低水準であるとしています。 FTXからのETH出金 FTX hourly withdrawals for $ETH just hit an all-time high.https://t.co/KUY0bMepl3 pic.twitter.com/2NNechANVp — Ki Young Ju (@ki_young_ju) November 6, 2022 同じくCryptoQuantのデータによると、FTXからのETHの出金におけるトランザクション数は過去最大となりました。 出金額は1800万ドルほどになっています。 情報の接し方について 仮想通貨取引所の2大トップとも言えるBinanceとFTXの騒動についてまとめてきました。 先日のCelsiusの一件で、財務状況が不透明なCEXに資金を預けることのリスクや、受動的に情報を受け取らず、自らリサーチを行う重要性を学んだ方は多いかと思います。 現在もSNSをはじめとする各種メディアでは、AlamedaやFTXに関する憶測や推測に基づく様々な情報が流れています。 CelsiusとAlamedaは構造や内容は異なりますが、我々ユーザーの情報に対する接し方のヒントとして、どちらも良い教材になるのではないでしょうか。 CRYPTO TIMESでは今後もより良質な情報を様々な角度で発信していくので、是非チェックしてください。 記事ソース:CoinDesk 免責事項 本記事は情報を伝えることが目的であり、投資等の勧誘、または推奨を目的としたものではありません。本記事により発生、誘発されたとされるいかなる損失についてもその理由やプロセスに関わらずCRYPTO TIMES、株式会社ロクブンノニ、筆者及び全ての関係者は一切その責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
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2022/08/02【-196億円】Nomadで大規模なハッキング事件が発生 | 概要や事件の内容を解説
ブリッジプロトコルのNomadがハッキングを受け1億5000千万ドル(約196億円)にのぼる暗号資産が流出しました。 上記の被害額は、先月7月全体で起きたWeb3関連プロジェクトで起こったハッキングや詐欺による被害総額の約85億円を大きく上回っています。 関連:【-85億円】7月のWeb3関連プロジェクトでの被害額が判明 本記事では、今話題のNomad ブリッジについて、プロジェクトの概要や事件の全容などについて解説していきます。 Nomadとは? Nomadは、異なるチェーン間でトークンの送受信を可能とするクロスチェーントークンブリッジです。 Nomadでは、Avalanche、Ethereum、Evmos、Mikomeda C1、Moonbeamの5つのチェーンに対応しており、ETHやUSDC、USDT、WBTCといったトークンのブリッジが行えます。 [caption id="attachment_77703" align="aligncenter" width="856"] NomadのTVL。ハッキングがあった8/2にTVLが急落しているのが分かる | 画像引用元:DeFi Llama[/caption] ハッキングが起こる前の8/1時点でのTVL (Total Value Locked)は$190m(約250億円)と、ブリッジプロトコル全体としてもTOP10位に入るTVLを記録していました。 Today we’re happy to publicly reveal some of crypto's most trusted brands as part of the cohort of seed round investors in Nomad: ✨ - @coinbase Ventures - @Cryptocom_Cap - @0xPolygon - @opensea - @wintermute_t - @GnosisDAO - Algaé (https://t.co/d1YSNVZqjo) 0/ pic.twitter.com/2hBkS3Ztai — Nomad (⤭⛓🏛) (@nomadxyz_) July 28, 2022 Nomadは、今年4月にPolychain主導でCircleやPolkadot、Cosmosなどから2200万ドルを調達。先月29日にはシードラウンドでCoinbase Ventures、Crypto.com、Polygon、OpenSeaなどから出資を受けていたことを明かしました。 今回の事件について TVLの数字や業界からの評判も良かったNomadで、一体どのような事件が起きてしまったのでしょうか。時系列で見ていきます。 Nomad bridge getting rugged??? Looks very very sus pic.twitter.com/nvtMIjf0rD — Spreek (@spreekaway) August 1, 2022 事の発端は本日8月2日の早朝6時、Nomadの関連アドレスで不穏な形でのWBTCの転送が行われているとしたツイートがSNS上に投稿されました。 2/ During this time, functionality will be limited and you will be unable to execute regular user transactions and smart contract interactions. Democracy, staking, the ability to unpause and upgrade will remain in effect. We will provide a more detailed update shortly. — Moonbeam Network #HarvestMoonbeam (@MoonbeamNetwork) August 1, 2022 We are aware of the incident involving the Nomad token bridge. We are currently investigating and will provide updates when we have them. — Nomad (⤭⛓🏛) (@nomadxyz_) August 1, 2022 Nomadのブリッジに対応しているMoonbeam Networkは、上記投稿の2時間後にメンテナンスのためトランザクションとスマートコントラクトの実行に関する機能制限の実施を発表、その直後Nomadチームも問題対処のために調査を行なっている旨のツイートを行いました。 first wave of usdc pic.twitter.com/5TlMw3TIQN — Spreek (@spreekaway) August 1, 2022 しかし、この時点で被害はWETH、USDCにまで及んでおり毎分約1000万ドル(約13億円)がブリッジから持ち出されている状況に。最終的にチームが対応する前にFRAX、CQT、DAIなど複数の通貨がNomadのブリッジから持ち出され、犯行発覚から数時間のうちに被害総額約196億円がハッキングされてしまいました。 原因は人為的なミスか 大手VCのParadigmのリサーチャーは、今回のハッキングは、先日Nomadチームが行ったアップグレードで、既に信頼できると判断されたルートで簡易的な「0x00」を初期化値として設定したことが原因と指摘しました。 犯人は、Solidityやマークツリーの知識を必要とせず、他人のアドレスを自分のものに置き換えて、同じメッセージを複数の受信者に同時転送するだけで今回の犯行は可能であったとしています。 1/ Nomad just got drained for over $150M in one of the most chaotic hacks that Web3 has ever seen. How exactly did this happen, and what was the root cause? Allow me to take you behind the scenes 👇 pic.twitter.com/Y7Q3fZ7ezm — samczsun (@samczsun) August 1, 2022 あなたが今日から気をつけるべきこと ①VCの名前で判断しない ②SNSの評判を鵜呑みにしない 今回、ハッキング事件が発生したNomadは、前述の通りCoinbase venturesやPolychain、Circleなど著名な企業・VCからの出資を受けていました。 プロジェクトの良し悪しの判断基準の1つとしてVCの存在が挙げられますが、今回の件からも分かるように、大手VCが出資を行なっていることと、そのプロジェクトの安全性が保証されることはイコールではありません。 バックにいるVCが強力な場合、資金や業界でのコネクションが得られるため、プロダクトが良い方向に成長していく可能性が高まりますが、現状のプロダクトの安全性とは別領域の話となります。 次に②の「SNSの評判を鵜呑みにしない」関して。 DeFiの利用に関して、プロダクトの仕組みを全て理解しリスクを把握した上で自分の資金を預けるのが理想です。しかし、DeFiの仕組みを理解するには専門的な知識を要し、一般ユーザーにはハードルが高いのが現状。 すると多くの人は著名インフルエンサーやメディアの発信した情報を元に行動してしまいます。 リスクは人によって変化するもので、「ここまでだったら責めても問題ない」という範囲はその人のスキルや経験に大きく依存します。 前提条件が人によって全く異なるにも関わらず、Twitter上のたった数行の言葉を判断理由としてプロダクトに資金を預けてしまう行為は、素人がプロボクサーに喧嘩を売るぐらい無謀で危険な行為だと念頭に置いておきましょう。 まとめ 今回のNomadだけでなく、ブリッジプロトコルでは頻繁に大規模なハッキングが発生しています。 今年2月には、WormholeのEthereum⇆Solana間のブリッジで340億円規模のハッキング被害が発生。 今年4月には、人気ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」のRoninブリッジで、ETHやUSDCなど約750億円相当の暗号資産が盗難されています。 今回発生したNomadと、上記事件の原因やプロセスはそれぞれ異なりますが、ブリッジは現状のDeFiの利用に必要なプロセスであるため、それだけ資金も集まりやすく、1度のハッキングで多額の被害が発生してしまいます。 Ethereum創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、クロスチェーンブリッジの課題を指摘したことは記憶に新しいですが、今後もブリッジプロトコルの課題に対する動向は是非注目したい部分です。 記事ソース:Twitter、The Defiant
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2022/07/16Web3の解像度が急上昇した1日 |『Web3 Conference Tokyo Vol2 』CRYPTO TIMES主催イベントレポート
昨日7月15日、CRYPTO TIMES・Mask Networkの共同主催イベント『Web3 Conference Tokyo Vol2』が渋谷で開催された。 本イベントでは国内外から豪華なスピーカーによる、L1、NFT、コミュニティ、ウォレットなどあらゆるテーマでのトークセッションが行われた。 一つのバズワードとしてWeb3が扱われるようになった昨今では、より本質的な知識や思考の必要性が高まってきている。 本記事では、そのきっかけとなるべく『Web3 Conference Tokyo Vol2』の様子を伝えていく。 *イベントの様子はYoutubeで全編公開中です。 会場の様子 [caption id="attachment_76811" align="aligncenter" width="431"] 画像引用元:https://stream-hall.jp/business-plan-view/[/caption] 本イベントは渋谷駅直結の「Shibuya Stream Hall」の4F - 6Fをブースエリア、ネットワーキングエリア、トークセッションエリアの3エリアに分けて開催された。 [caption id="attachment_76808" align="aligncenter" width="373"] ネットワーキングエリアの様子[/caption] 平日昼間からの開催にも関わらず、全てのフロアに常に人がいる状態で、広々とした空間の中、それぞれが落ち着いた状態でネットワーキング活動を行なっていた。 [caption id="attachment_76809" align="aligncenter" width="406"] ブースエリアの様子[/caption] 4Fで行われていたブースでも、出店しているプロジェクトや企業の説明を熱心に聞き、名刺交換などを行なっている来場者の姿が多く見られた。 [caption id="attachment_76810" align="aligncenter" width="368"] トークセッション会場の様子[/caption] トークセッション会場は、ほぼ全てのセッションが満席状態。数十人の来場者が立見で聴いている場面も多くあった。 「日本はトップファンドから相手にされていない」 [caption id="attachment_76778" align="aligncenter" width="532"] Astar NetworkのSota Watanabe氏とあたらしい経済の設楽悠介氏[/caption] 続いてトークセッションの様子を伝えていく。トークセッションの口火を切ったのはAstar Networkの渡辺 創太氏。 PolychainやAlameda Reserchなど大手VCから出資を受けているAstar Networkを牽引する渡辺氏は、世界から見た日本の現状について上記のように語った。 上記の理由として、 VCは創設者の国籍ではなくプロダクトのクオリティで判断している 日本情報を英語で発信している人が少ないため、VCは日本についてよく分かっていない の2点を挙げ、VCの基本的な思想や日本への見解について述べた。 日本の税制に対する問題意識が国内で高まりつつある中、渡辺氏は昨今の市場について「今は次のGoogleが生まれるゴールデンタイム」と表現し、さらなるプロジェクト推進への意気込みを語った。 「海外だとSBT、日本だとNFT」 [caption id="attachment_76779" align="aligncenter" width="445"] LOCK ON CEOの窪田 昌弘氏[/caption] こう語ったのはLOCK ONの窪田 昌弘氏。 海外を中心に活動する窪田氏によると、海外イベントでは*SBTやZK Rollupといったワードが話題となるのに対し、日本ではNFTについて言及する人が多く、ギャップを感じるという。 *SBT = Soulboundトークン。Ethereum創設者ヴィタリック・ブテリン氏が最近提唱した譲渡不可能なNFT モノバンドル株式会社の@y0su1さんも参加して4人でのセッションが行われました。 💫「海外で活動すると飲みニケーションが無くて気楽」 💫「海外だとSBTが取り上げられるが日本はNFTが中心でギャップを感じる」 💫「NFTに関して日本でしか出来ない強みもある」#Web3conferencetokyo pic.twitter.com/MRLDgVJGnB — CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 15, 2022 日本と海外では捉えてる部分や、中長期的にどんなプロトコルを普及させようと試みているかの部分での思想が全く異なると自身の経験を元に語った。 「NFTを活用して限界集落の復興を」 [caption id="attachment_76780" align="aligncenter" width="485"] NishikigoiNFT、山古志住民会議代表の竹内 春華氏[/caption] NFTが話題の中心となる日本では、実際にどのような取り組みやプロジェクトがあるのか。 人口800人の新潟県山古志村で行われているプロジェクト「Nishikigoi NFT」の竹内春華氏は、錦鯉をモチーフとしたNFTを発行し"デジタル村民"、”山古志DAO”を作成。デジタルアートと電子住民票を掛け合わせ地域の復興に取り組んでいるという。 💫「錦鯉NFTを発行してデジタル村民、山古志DAOなどを作った」 💫「NFT発行に伴い賞賛と批判の両方の声が」 💫「投票を用いてさまざまなプランを実施中」 様々な意見を受けながらも、集落の復興のために取り組みを続けている様子が伝わりました。 pic.twitter.com/X8PvrBrgqq — CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 15, 2022 日本発のNFTプロジェクト「BOSO TOKYO」のセッションでは、Operation LeadのTOM氏が登壇。 [caption id="attachment_76782" align="aligncenter" width="503"] BOSO TOKYO -暴走東京- のOperation Leadを務めるTOM氏[/caption] 「ARTWORK」「CREATIVE」「MARKETING」の3つの柱でブランドの構築を目指しているとし、今後はホルダーによるコミュニティ形成の部分などで様々な施策を展開してく予定であると述べた。 「Web2は企業、Web3はコミュニティ」 [caption id="attachment_76784" align="aligncenter" width="604"] UNCHAINの志村 侑紀氏(画面)、左からVeryLongAnimalsの河 明宗氏、合同会社ENJOYの西村 太郎氏、SoooN CMOのたぬきち氏[/caption] トークのテーマはコミュニティに移る。 web3開発コミュニティ「UNCHAIN」創設者の志村 侑紀氏は上記のように語った。 Web3では、従来のWeb2での企業体制と異なり、運営とコミュニティメンバーの垣根が無い状態が理想だという。 その理想を実現するために、 コミュニティトークンのユーティリティの構築 税制を整えて企業や個人がトークンを保有できる環境作り の2つの条件が必要になってくると同氏は語った。 「途上国でもモバイルとMetaMaskがあればWeb3に繋がる」 [caption id="attachment_76785" align="aligncenter" width="484"] ConsenSys, DirectorのMasa Kakiy氏[/caption] 「Web3 Wallet in the future 」のトークセッションに登壇したのは、MetaMaskを手がけるConsenSysのMasa Kakiy氏。 同氏によると、昨今のGameFiの成長とともにMetaMaskの利用者は急増。さらに、Infura NFTと呼ばれるSDKや、機能の拡張が可能なMetaMask Snapsと呼ばれるシステムを今後本格的にリリースしていき、さらなる普及を目指していくと語った。 💫「メタマスクのユーザー数は日々増加」 💫「Infura NFT、The Starknet Snap、The Filecoin Snapなど様々なプロダクトが進行中」 💫「途上国でもスマホとメタマスクがあればWeb3に参入できる」 Web3ムーブメントを支えるInfuraの取り組みについて理解できるセッションでした。#Web3conferencetokyo pic.twitter.com/WciGP7L6bP — CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 15, 2022 Kakiy氏はMetamaskを「Web3のゲートウェイ」と表現し、Web3の実現に向けてコミュニティの共通認識を再確認した。 「特定の成長戦略は無い」 [caption id="attachment_76786" align="aligncenter" width="404"] (画面左から)ビニール氏、Roi Senshi氏、(左から)Yoshitaka Okayama氏、木村 優氏、Leona Hioki氏[/caption] 「How to choose Blockchain」のセッションでは、よりブロックチェーン・暗号資産の技術的な内容によるセッションが行われた。 Polygon、Cosmos、Ethereum、NEAR、Avalancheそれぞれの代表として5人の専門家が登壇した上記セッションでは、各チェーンの成長戦略が語られた。 [caption id="attachment_76788" align="aligncenter" width="384"] Leona Hioki氏[/caption] Ryodan SystemsのLeona Hioki氏は「公共財として次のインターネットのインフラを目指しているEthereumは特定の事柄にフォーカスすることはない」と、パブリックチェーンとして一つの成長戦略を取ることはないと語った。 UnUniFiの木村 優氏は、Cosmosを「放任主義」と表現し、財団が力を持とうしない姿はサトシナカモトの思想と近いものとし、参加者の自主性が尊重されているとした。 [caption id="attachment_76805" align="aligncenter" width="381"] ビニール氏、Roi Senshi氏[/caption] 一方で、Fracton Venturesのビニール氏は「NEARはまだまだ知名度が低い」とし、新たなCMOの採用を行い知名度向上を図る予定と明かす。Avalanche JapanのRoi Senshi氏は、実用性やUXを重視しさまざまなニーズに対応できるようにチェーンを展開しているとAvalancheの成長戦略を語った。 [caption id="attachment_76806" align="aligncenter" width="348"] Polygon Yoshitaka Okayama氏[/caption] PolyognのYoshitaka Okayama氏は、Polygon上の開発者が他の企業と一緒にコラボできるような機会を作る「カルチャーレゴ」がチェーンの利用者の満足度に繋がると述べた。 本セッションは各チェーンによって様々な戦略、思想があることが分かる内容となっていた。 ここまで紹介してきた内容以外にも、複数のプロジェクト・企業のゲストによる興味深いセッションが繰り広げられた。*本イベントの様子はYoutubeで公開中 まとめ CRYPTO TIMESとMask Network主催で行われた「Web3 Conference Tokyo Vol2」。 イベント参加者は各分野の有識者から様々なアングルで現在のクリプト市場についての考えや知識が得られ、よりクリプトに関するモチベーションが向上し、視野が広がったのではないだろうか。 CRYPTO TIMESは、今回のようなイベントと共に、今後もあらゆるアングルで最先端のクリプト情報を読者に届けていくので、是非情報のキャッチアップに利用してほしい。
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2022/06/17Three Arrows Capitalの清算が実行 | 数千億規模のファンドで一体何が?
レンディング企業BlockFiが暗号通貨ヘッジファンドThree Arrows Capital (3AC)のポジションの一部を清算したことが分かりました。 (FT) - Three Arrows Capital failed to meet demands from lenders to stump up extra funds after its digital currency bets turned sour, tipping the prominent #crypto hedge fund into a crisis that comes as a credit crunch grips the industry. @FT https://t.co/GHj1NQ6Khi — Carl Quintanilla (@carlquintanilla) June 16, 2022 資産総額100億ドル以上とされていたThree Arrows Capitalは、過去にSolana、Avalancheなどへの投資実績もある業界大手のヘッジファンド。 今回の清算を発端として、Three Arrows Capitalの動向が今後の暗号通貨市場に大きな影響を与える可能性があります。 本記事では、注目ヘッジファンドThree Arrows Capitalについて解説していきます。 1 BTC = 20,000 USD を目前とし、激しい値動きが今後も予想される今こそ、話題のトピックはしっかりと抑えておきましょう。 是非最後まで読んでみてください。 Three Arrows Capital (3AC)とは一体どんなファンドなのか Three Arrows Capitalとはそもそもどんなファンドなのでしょうか。 3ACは、2012年にSu Zhu氏と Kyle Davies氏によって設立されたヘッジファンドで、今年4月にはシンガポールからドバイへの本社移転を実施しました。*現在サイト上ではBVI(イギリス領バージン諸島)の法律に準拠する旨が記されているため、移動した可能性有 創設者のZhu氏はETP(上場取引型金融商品)を扱うFlow Tradersやドイツ銀行に勤務。Davies氏は総資産が7558億スイス・フラン(約103兆円)とされる世界最大手の金融企業Credit Suisseのトレーダーとして働いていた経歴があります。 Bankless:SotN #46 - The ETH Trade with Su Zhu & Kyle Davies of Three Arrows Capital 3ACの主な投資実績としてSolanaやAvalanche、Axieといったプロジェクトが挙げられます。 上記以外にも、AAVEやStarkWare、DROPPといった多分野に対して3ACは投資を行っており、資産は一時100億ドル以上とされていました。 [caption id="attachment_75994" align="aligncenter" width="800"] 3ACの投資実績:画像引用元:Three Arrows Capital[/caption] Messariのデータによると、3ACは今年2月時点までに27のプロジェクトへ投資を実施。(未公開分を除外) 現在上記通貨は、平均して直近90日間で7割以上の価格下落を見せています。 これまでの市場の流れ これまでの市場の流れを時系列順にかんたんに解説します。 現在、暗号通貨市場は全体として価格下落が続いており、stETHの価格乖離やCelsiusの出金停止騒動など、ネガティブな話題が各メディアやSNSで頻繁に取り上げられています。 関連:【約3兆円規模】なぜ今「Celsius」が話題なのか?時系列で解説 上記の流れの中、一部ユーザーが3ACの財務状況について指摘を始めました。 #PeckShieldAlert $stETH down to 0.934 $ETH. Three Arrows Capital transferred ~22,830 $stETH to $ETH Here is an example tx: https://t.co/Y0HDukgy9F pic.twitter.com/ijqDISPZeA — PeckShieldAlert (@PeckShieldAlert) June 14, 2022 上記ツイートはその一例で、3ACのウォレットとされるアドレスがstETHをETHに変換していると報告。 stETHは本来、1stETH = 1ETHでペッグされるべき通貨ですが、現在は1stETH = 0.934ETHの状態です。このことから、"3ACは財務状況の悪化によりstETHを割安でETHに変換しているではないか"という推測が広がりました。 We are in the process of communicating with relevant parties and fully committed to working this out — Zhu Su 🔺 (@zhusu) June 15, 2022 上記のような状況を受けてか、3AC創業者のZhu Su氏が突如「現在、関係各所と連絡を取り合い、解決に向けて全力を尽くしているところです。」とTwitterに投稿。このツイートがきっかけとなり、SNSや海外メディア上で様々な推察や憶測が3ACに対して行なわれました。 1) there's only 1 wallet which has ever had the 3 Nansen labels in the screenshot you shared - but it's not the wallet you shared! 2) 3AC would have been the header of the wallet (not "Private Sale Investor") - we know how our own algos order labels — Alex Svanevik🐧 (@ASvanevik) June 15, 2022 一例として、ブロックチェーン分析プラットフォーム「Nansen」上で、1 ETH = 1042 USDとなると大規模な清算が発生するポジションを保有しているウォレットに"3AC"のタグが付けられているという情報が流布。その後、Nansen CEOが上記情報は誤りであり、対象ウォレットは3ACのものではないと訂正しました。 .@Nexo has $0 exposure to Three Arrows Capital. Nexo has always differentiated itself from others as being a very conservative lender with stringent risk management and strict over-collateralization requirements, regardless of borrowers' reputation. https://t.co/VP37WdEn7j — Nexo (@Nexo) June 15, 2022 また、レンディング企業のNexoは、3ACに対するエクスポージャーは0であるとツイート。 さらに、海外メディアが"3ACは先日大きな価格下落を起こしたLUNAへの投資を行っており、これまでに清算された額は4億ドル(約530億円)以上にのぼる"と報じるなど3ACに対する注目が各方面から集まりました。 ここまでがこれまでの流れとなります。 一部清算が正式に発表 上記の流れの中、レンディング企業BlockFiが3ACのポジションの(少なくとも)一部を清算したことが海外メディアFinancial Timesによって報じられました。 さらに、事前にNansenによって推察されていた3ACの資産額100億ドルは誤りで、実際は40億ドルほどであった可能性が高いと指摘。 上記記事公開後、BlockFi CEOは、"大口顧客に対して最善の経営判断行い、関連するすべての担保を完全に清算またはヘッジした(一部要約)"と、大口顧客 = 3ACとも取れる内容のツイートを投稿しました。 BlockFi can confirm that we exercised our best business judgment recently with a large client that failed to meet its obligations on an overcollateralized margin loan. We fully accelerated the loan and fully liquidated or hedged all the associated collateral. — Zac Prince (@BlockFiZac) June 16, 2022 同じレンディングサービスを提供するFinbloxや、オプション取引所のDeribitは、直接3ACの名前を出し、対応の実施や事業への支障がないことをそれぞれアピール。 IMPORTANT UPDATE FROM FINBLOX! pic.twitter.com/VjclRMMiSe — Finblox (@finblox) June 16, 2022 Due to market developments, Deribit has a small number of accounts that have a net debt to us that we consider as potentially distressed. — Deribit (@DeribitExchange) June 16, 2022 3ACが暗号通貨で保有している資産の規模は大きいため、今後経営難を逃れるために保有分の通貨を売った場合の影響について一部ユーザーの間で様々な憶測が飛び交い、不安が高まっているというのが今の現状となります。 現在、BTCは24時間で約6%下落しており、直近の市場の動きと比較すると3ACの清算による直接的な影響は現時点では少ないと考えられます。 考察:今後の動向について 現在、市場に出回っている3ACに関する情報は「一部情報筋によると」「匿名からの垂れ込みによると」といった表現で記されているものがほとんどです。 これから記すことは、上記のような情報を元にしての考察も含まれていますのでご留意ください。 A verified source has confirmed that 3AC borrowed money from multiple funds and counterparties and put it into Anchor to generate yield without telling them. Their UST position was confirmed to be at least nine figures before the Terra depegging event. — FatMan (@FatManTerra) June 16, 2022 上記ツイートによると3ACは借り入れた資金を、貸し手に報告せずにTerra上のレンディングプロトコルAnchorに入れて運用を実施。 [caption id="attachment_76006" align="aligncenter" width="611"] Anchor Protocol | 画像引用元:https://app.anchorprotocol.com/[/caption] 先日のLUNAの暴落により3ACは大きな損失を被ったと報告されており、借り入れた資金にも影響が及んでいることが推察できます。 ステーブルコインのAPRを8%で補償していた3ACですが、上記の運用方法が事実である場合、表向きの宣伝文句とは異なる方法で借り入れた資産を運用した可能性が考えられます。 先日のCelciusの件なども含め、今後、ファンドやレンディングサービスの透明性に関するユーザーのニーズは二極化していくでしょう。 ブロックチェーン/暗号通貨領域で透明性が高いか否かは、データがどれだけオンチェーン上で可視化されているかで基本的に判断されます。つまり、自分達が預けた資産がどういう場所でどのように運用されているかをデータでいつでも確認できる状態であれば"透明性が高い運用"と表現できます。 しかし、上記の内容を確認するためには、一定以上の知識やスキル、時間が必須です。 クリプトユーザーの中には「大手だから安心」といった感情で、細かい精査をせずに資金を預ける人がいるのは周知の事実。 こういったユーザーにとって、オンチェーン上のデータを自分達で分析できる状態は「自分が運用に関与できるパーセンテージが高い = 面倒な作業が増える」であることを意味し、デメリットに感じる可能性が高いでしょう。 そのため、今回のCelsiusや3ACの件をきっかけに、一定以上のスキルや時間を持ったユーザーと他者に丸投げしたいユーザーの間の溝がさらに深まることが予想されます。 今後、暗号通貨市場をより低リスクで乗り切っていくためには「オンチェーン情報を自分で分析できるスキル」が必須になると考えています。 まとめ 今回は話題のThree Arroes Capitalや、今後必要なスキルに対する考察などについて紹介してきました。 私たちが普段当たり前のように接している"情報"は、ほんの少し伝え方や状況を変えれば人を誘導して不幸にすることも出来てしまう強力なものです。 CRYPTO TIMESでは、可能なかぎり既存メディアにありがちな事実と主張を混同する伝え方をせずに最先端の情報をお届けしていきます。 今後も是非クリプト情報のキャッチアップにご利用ください。 最後までありがとうございました。 記事ソース:The Block、Financial Times、
プロジェクト
2022/05/11次のブームとなるか | NFTFi系プロジェクト「Pine Protocol 」を解説
5月にトークンのローンチや、NFTのエアドロップが予定されているNFT担保型ローンプロジェクトの「Pine Protocol」。 Pine Protocolは、公式Discordメンバーが数百人程度のマイナーなプロジェクトですが、今後重要キーワードになりうる「NFTFi」の分野を手がけています。 本記事では、そんな注目のPine Protocolについて解説していきます。 なぜ今「Pine Protocol」なのか? 2021年後半から2022年現在にかけて、NFTは暗号資産・ブロックチェーン業界の1つの主要な分野として確立されました。 上記は直近のOpenSeaの取引ボリュームを月毎に表しているデータで、NFTの取引ボリュームが急激に増加しているのが分かります。 さらに、取引ボリュームだけでなく、単体のNFTが数億円以上の高額で取引される事例も増えています。 上記は2022年4月の高額NFT取引のデータで、1位の「CryptoPunks 7756」は、約4億円(取引時)にあたる1050ETHで販売されました。 関連:CT Analysis NFT『2022年4月度版 NFT市場レポート』 浮かび上がったNFTの課題 順調に成長を続けるNFT市場ですが、新たな課題が浮上してきました。 それは「NFTは運用が難しい」という問題。 基本的にNFTは「半分だけ運用して、もう半分は長期保有しておこう」といった、自由度の高い運用は行えません。 単体で数百万 ~ 数億円するNFTを保有しているユーザーが増加し「NFTを資産として運用したい」というニーズも高まってきている中で、NFTの運用が出来ない問題は次なる解決すべき点と言えます。 [caption id="attachment_74818" align="aligncenter" width="571"] Bored Ape Yacht Club (BAYC)のNFT[/caption] さらに、BAYCシリーズのNFT保有者に対して行われた※1$APEの高額エアドロップの事例などをきっかけに「いつ、どのウォレットにNFTがあるか」がこれまで以上に重要視されるようになりました。 関連:BAYC関連トークン「$APE」ローンチ。BinanceやCoinbaseなどの取引所への上場も決定 こんな中、昨今注目され始めているのがNFTとDeFiを組み合わせた造語の「NFTFi」です。 NFTFiは、これまでに説明してきた、 NFT市場の拡大 高額NFT保有者の増加 NFT保有者に対する高額エアドロップ などを理由として、次なる重要キーワードとなることが予想されます。 そんなNFTFi分野を知るきっかけとして、同分野の注目プロジェクト「Pine Protocol」について紹介します。 ※1 = NFTコレクション「BAYC」のNFTホルダーに対して、$APEトークンが配布された事例。1回のエアドロップで数千万円規模のトークンを獲得したユーザーが多く見られた Pine Protocolに投資しているVC Pine Protocolはシード、プライベートラウンドを合わせて下記企業から資金調達を行っています。 その中には、FTXの親会社のAlameda Reserch等の著名VCも入っています。 シードラウンド Sino Global、Amber Group、Spartan Capital、Gate Ventures、Alameda Research、Impossible Finance、Shima Capital プライベートラウンド Amber Group、Republic Capital 出資を受けたプロジェクトは、そのVCが持っているコネクションを利用できるケースが多いです。 そのため、業界で著名なVCが出資しているか否かは、プロジェクトの将来の成否を考える1つの材料として機能する可能性が高いと言えるでしょう。 Pine Protocol = NFT担保型ローンプラットフォーム Pine Protocol は、NFTを担保として暗号資産を借りることができるNFT担保型ローンプラットフォームです。 現在Pineでは、 Azuki Bored Ape Yacht Club (BAYC) Mutant Ape Yacht Club (MAYC) Cool Cats NFT Doodles Moonbirds Otherdeed for Otherside など合計29のシリーズのNFTが担保として利用可能です。 借り手側のユーザーは、対応しているNFTを担保として預け、ETHやステーブルコインを借りて資産運用が行えます。 後述のPineレンディングプールの作成時には、作成者の好きなNFTシリーズを設定できるため、今後は誰でも自分が持っているNFTを用いてローンが借りられるようになるでしょう。 [caption id="attachment_74768" align="aligncenter" width="677"] Pineに対応しているプロジェクトの一部 | 画像引用元:Pine Protocol[/caption] Pineでは借りた金額に対して利子が付いていき、有効期限までにローンが全額返済できなかった場合、担保にしたNFTは貸付プール所有者 (Pine Protocol側)に差押えられてしまいます。一般的なローンと同じですね。 2021年の12月にベータ版のメインネットがローンチされたPineは現在、 NFT担保のパーミッションレスな借入 Pine Now Pay Later (PNPL) の2つの機能が利用可能。 Pine Now Pay Later (PNPL) とは、ウォレット内の資金とローンを合わせてNFTを購入できる機能で「住宅ローンを組んで家を購入するイメージ」と言うと分かりやすいでしょう。 貸付機能も実装予定 Pineでは今後、パーミッションレスな貸付機能、つまり誰でも暗号資産を貸し出せる機能が実装予定です。 貸付側は、 担保として受け入れるNFTコレクション ローンできる通貨の種類 最大担保係数 清算ローン to バリュー(LTV) 1ローンあたりの最大金額 等を設定し、Pineレンディングプールの作成を行えます。 [caption id="attachment_74822" align="aligncenter" width="833"] Pineでローンする時の画面 | 画像引用元:Medium[/caption] PineでNFTを担保に入れる場合、通常10秒未満でNFTの価格が評価されます。 同シリーズでも個体によって価格にバラつきがあるケースが常のNFTでは、評価額の決定は借入側にも貸付側にも重要なポイント。 Pineでは、PineDAOによって管理されている"Pine Pricer"と呼ばれるオラクルで担保にするNFTの評価額が決定されます。 Pine Pricerについて公式ページでは、 「PineDAOが管理するPine Pricerは、すべてのローン債務に対するNFT(担保)の価値について、公正かつ透明な価格フィードを提供するNFT価格オラクルである。」 と記載されており、本格的にPineを利用予定の方は注意深くリサーチする必要があるポイントとなります。 ここまでのまとめ • Pine = NFTを担保に暗号資産が借りられるNFT担保型ローンプラットフォーム • 借入側 = NFTを担保にして、ETHやステーブルコインを借りられる • 貸出側 = 通貨やNFTコレクションの種類などを設定しプールを作成して暗号資産を貸せる • NFTの評価 = "Pine Pricer"と呼ばれるオラクルが利用 $PINEトークン $PINEの概要 ティッカー $PINE ネットワーク Ethereum トークン供給 $200M 初期トークン流通量 2.55% 初期時価総額 $1.275M 上場プラットフォーム Bybit、Solanium、Gate.io リスティング価格 1 PINE = $0.25 TGEマーケットキャップ $1.275M $PINEトークンには下記ユースケースがあります。 ネイティブガバナンストークン 経済的インセンティブ アクセストークン $PINEの保有者は、オンチェーンでの提案や投票を行うことで、Pine Protocolやそのプラットフォームを管理するPineDAOのメンバーとなれます。 [caption id="attachment_74847" align="aligncenter" width="611"] PineでNFTを担保にしている場面 | 画像引用元:Medium[/caption] また、$PINEはPine Protocolを利用するインセンティブとして機能し、取引頻度や取引量に比例して追加で付与される仕組みが採用されています。 さらに、$PINEの注目すべきポイントがアクセス権としての機能も備えている点です。 $PINEの保有量や取引量等に基づいて、ユーザーはいくつかのレベルに分類されます。高いランクのユーザーは、 清算された特定のNFTを購入する独占的な優先権 借入の金利やサービス料の割引 貸し手への有利な金利の請求 等の権利を得られます。 時計のNFTシリーズがエアドロップされる? Pine Protocolは「Pine Pieces」と呼ばれるNFTシリーズを手がけており、先日その第1弾のエアドロップが初期ユーザーを対象に行われました。 Pine PiecesのNFTは、Pineのプラットフォームの機能をサポート、拡張するために特別に設計されたユーティリティを備えています。 現在、Pine Piecesの具体的なNFTデザインは明かされていませんが、 Pine Piecesのリリースに向けてNFTコレクション「Tempus by UTS」を買収したとPine側が発表 Pine PiecesのOpenSea公式ページでは「Tempus by UTS」と同じデザインが表示 以上の2点から、Pine PiecesはTempus by UTSと同デザインの時計のNFTシリーズである可能性が高いと言えます。 [caption id="attachment_74850" align="aligncenter" width="548"] Pine Piecesの公式画面 | 画像引用元:OpenSea[/caption] Pineのプラットフォームで現在取り扱われている最も安いNFTシリーズはフロア価格で0.13ETH程なので、資金に余裕がある方はNFTを用意してPineを使ってみるのも良いかもしれません。 まとめ 次の重要キーワードになりうるNFTFi。 今後はPine Protocolだけでなく、さまざまなNFTFiプロジェクトがさらに登場してくるでしょう。 文章を読んだだけの人と、実際にプロダクトを触っている人とではプロジェクトに対する理解度は大きく異なります。 資金面でのリスク管理をしっかりとした上で、興味を持った方はPine Protocolを使ってみてはいかがでしょうか。 最後まで読んでいただきありがとうございました。 - Pine Protocol公式リンク - Webサイト アプリケーション Twitter Telegram channel Discord Medium ドキュメント CT Analysis DeFi 『2022年4月度版 DeFi市場レポート』を無料公開 記事ソース:Medium、Pine Paper、CryptoKudasaiJP 免責事項 本記事は情報を伝えることが目的であり、投資等の勧誘、または推奨を目的としたものではありません。本記事により発生、誘発されたとされるいかなる損失についてもその理由やプロセスに関わらずCryptoTimes、筆者及び全ての関係者は一切その責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
ニュース
2022/02/22Astar、インキュベーションプログラムを発表。AlamedaやFenbushiがパートナーに
異なるブロックチェーン間のdAppハブを目指す日本発のプロジェクト「Astar Network」がインキュベーションプログラムの開始を発表しました。 Astar Launches the Incubation Program, backed by Alameda Research, Fenbushi, DFG and etc. Astar Network will offer dedicated support for promising projects in the Astar/Shiden ecosystem!!https://t.co/F19Vo15XxG — Astar Network - Next Generation Smart Contract Hub (@AstarNetwork) February 21, 2022 上記プログラムでは、Astarエコシステム内で開発を行うプロジェクトに対して法務やマーケティング、トークン設計等のサポートや、評価額最大2000万ドル規模のシード投資、広範なネットワークの共有などが行われます。 DeFiプラットフォーム「ArthSwap」とレンディングプロトコル「Starlay」は、上記プログラムの最初のプロジェクトとして選出済みです。 今回のプログラムには、Alameda Research、Fenbushi Capital、Digital Finance Group、LongHash Ventures、gumi Crypto Capital、TRGC、Next Web Capitalといった有名ベンチャーキャピタルもサポートパートナーとして参加しています。 DFG創設者兼CEOのジェームズ・ウォ氏、Astar Network創設者の渡辺創太氏、ArthSwapチームはそれぞれ下記コメントを出しています。 DFG - ウォ氏 「Astar Networkチームと密接に協力して、AstarとPolkadotのエコシステムの開発を促進することは、DFGにとって非常に重要な使命です。このインキュベーションプログラムは、Web3の成長に驚くべき付加価値をもたらす重要なプロジェクトを迎えることになっており、世界中の人々の利益のために、我々が積極的に関与し、この取り組みをサポートすることは当然のことです。」" Astar Network - 渡辺氏 "「Astar インキュベーションプログラムは、Astar Networkの "Y Combinator "となります。Web3の発展を促し、Astarのエコシステムに価値をもたらす可能性のある、才能ある起業家や有望なプロジェクトを支援することを約束します。Web3.0の実現に向けて協力していきます。」" ArtthSwap - チーム "「ArthSwapチームは、Astarネットワーク上の最初のOne-Stop Defiとして、この強力なプログラムの最初のプロジェクトに選ばれたことを嬉しく思います。将来、このプログラムを通じてAstarエコシステムが成長していくことを期待しています。」" 引用元:Medium 2022年1月からAstarインキュベーションプログラムの審査は開始されており、プログラムのシーズン1ではDeFi、NFT、GameFi分野での有望な起業家やプロジェクトのサポートを行なっていくとしています。(申請ページはこちら) 成長を続けるAstar PolkadotのParachainを世界で3番目に獲得したAstar Networkは先日、1億ドル規模のファンドで流動性提供、財政支援、インセンティブプログラムなどを行う『Astar BoostProgram』を発表。 また、今年1月には、Polychain主導でAlameda ReserchやPolkadot創設者のギャビン・ウッド氏、本田 圭佑氏などから25億円の資金調達を完了させており、Coincheck Labsの初の出資先としても選出されています。 .@AstarNetwork's TVL exceeded $670M. Slowly but steady. Thanks, everyone for your participation. pic.twitter.com/Cq60hHX9p7 — Sota Watanabe (🌟,🌟) (@WatanabeSota) February 19, 2022 今月19日には、Astar NetworkのTVL(エコシステム内に預けられたトークンの総額)が一時、6億7000万ドル(約770億円)を記録するなど、エコシステムの成長は続いています。 Astar($ASTR)/Shiden($SDN)とは?プロジェクトの概要を徹底解説! 記事ソース:Medium
特集・コラム
2022/01/23ポンジスキームとは?3つの事例を紹介【甘い言葉には要注意】
「"知らない"は最大のリスク」 これは仮想通貨に関わらずどんな場面にも当てはまる言葉です。 シンプルかつ強力な詐欺手法である「ポンジスキーム」は仮想通貨詐欺でも多く利用されています。 本記事では、そんなポンジスキームについての正しい知識をお伝えします。 具体的には下記です。 ・ポンジスキームとは? ・ポンジスキームの3つの実例 ・あなたが気をつけるべき4つのこと 「ポンジスキームってそもそも何?」 「実際にどんな事件があったの?」 といった方は是非最後まで読んでみてください! ポンジスキームとは? ポンジスキームとは「高配当」を謳い文句としてお金を集める詐欺の手法です。 この方法では新規客が預けたはずのお金が「配当」と偽られ横流しされることで、顧客はあたかも本当に資産運用されているかのように思ってしまいます。 具体的にポンジスキームは下記の流れで行われます。 ①「預けるだけで月利20%」などと謳いお金を集める ↓ ②運営者は集まったお金を運用しているようで実際は何もしていない ↓ ③新規顧客から集めたお金を「配当」として横流しする ↓ ④実際に配当が配られるので初めは多くの人が信じる ↓ ⑤顧客が増えるにつれ、新規顧客が預けたお金の横流しではシステムが回らず破綻 ↓ ⑥運営雲隠れ ここで一番注意すべきポイントが「初めは実際に配当が配られる」ということ。 ポンジスキームでは新規顧客が途切れてシステムが破綻するまでは、実際に配当が配られます。 ただし、顧客が増えていけばいくほど新規顧客を集める必要が出てくるため、いつか必ずシステムが破綻します。 そんなポンジスキームには実際にどのような事件があったのでしょうか。 豆知識 ポンジスキームはねずみ講とよく混同されますが、ポンジスキームでは詐欺集団と既存顧客だけが得する仕組みなのに対して、ねずみ講は上の階級だけが得をする"ピラミッド構造"なので両者は異なります。 ポンジスキームの実例 ・ナスダック事件 ・Bitclub事件 ・プラストークン事件 ナスダック事件 ・ナスダック元会長のマドフ氏が行ったポンジスキーム ・富裕層が主なターゲット ・被害額は650億ドル(約6兆円) ・スティーブン・スピルバーグなどの著名人や、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、野村証券などの企業も被害にあった ・犯行は約25年間続き、マドフ氏は2008年に逮捕(懲役150年) 上記が事件の概要です。 ナスダックの会長といえば”超”がつくほどのエリートなわけですが、そんな人が25年間も詐欺行為をしていたのだから驚きですよね。 マドフ氏は自身が設立した「マドフ投資会」という投資グループの中で不正にお金を集めていたのですが、 「全員受け入れず、たまに断る」 といった細かなテクニックが使っていました。 ナスダック事件では野村證券などのいわゆる"金融のプロ"も引っかかってしまったこともあり、この事件は史上最大のポンジスキームと言われています。 Bitclub事件 ・2014年4月から運営されていた詐欺マイニングプール ・ビットコインマイニングするためにBitClubへ出資すると、配当がもらえると謳われていた ・被害額は約7億2200万ドル(約800億円) ・2019年12月に運営者3人が逮捕 ・現在調査進行中 上記が事件の内容です。 マイニングプールとは、マイニングをしたい個人が集まるグループなようなものです。 ビットコインのマイニングを行うには企業レベルの設備を投入しなければいけないため、マイニングに参加したい個人はマイニングプールに参加します。 Bitclub Networkではポンジスキームでは定番の"紹介制"が採用されており、その存在はネットワークビジネス関係者によって広められました。 こちらの事件は、日本であまり話題になりませんでしたが被害額は約800億円とこちらもなかなかの事件です。 CHECK700億以上を集めたポンジスキーム『BitClub Network』の運営者3人が逮捕 プラストークン事件 ・2018年中頃に登場した仮想通貨ポンジスキーム ・ウォレットに仮想通貨を預けるだけで月利10%と謳われていた ・被害額は30億ドル(約3290億円) ・被害者は1000万人以上 ・運営者6人(全員ではない)は2019年に逮捕されている 上記が事件の内容です。 「仮想通貨を預けてくれれば、AIを使った取引で月利10%の利益を出します」 といった謳い文句で、プラストークン運営者達はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を集めました。 運営者のうち6人は逮捕されていますが、盗まれた仮想通貨は世界各国あらゆる場所へと送金されてしまっています。(←仮想通貨の性質上取り戻すのはほぼ不可能) 世間を騒がせた「コインチェック事件」の被害額は約560億円、対してプラストークン事件は約3290億円です。 この数字だけ見ても、プラストークン事件がどれほどの規模だったかがわかります。 プラストークン事件はテレビでの報道はほとんどされませんでしたが、日本人も被害にあっていたことからインターネット界では大きな話題となりました。 CRYPTO TIMESではプラストークンおよび高配当型ウォレットの闇に関して、突っ込んだ記事を過去に書いていますのでコチラも参考にしてください。 CHECK推定1000万人が騙された「プラストークン」儲かるが謳い文句の高配当型ウォレットの闇 今ご紹介した3つの事件の他にも仮想通貨による事件が多発しています。仮想通貨をより理解するためにもこちらの記事をご覧ください。 仮想通貨の大事件5選!【あなたはいくつ知ってますか?】 あなたが気をつけるべき4つのこと 最後にポンジ・スキームに被害に遭わないための気をつけるべきポイントをお伝えします。 ポンジスキームだけでなく、投資全般に使えるのでもう少しだけお付き合いください。 下記が具体的に気をつけるべきポイントです。 ①利回りが異常に高い ②元本保証と謳っている ③人を紹介すると報酬が出る仕組み ④勧誘者の経歴が不明 ①利回りが異常に高い 投資の世界には「相場」というものがあります。 相場を知るには数字を実際に自分の目で見るしかありません。 下記は日本株式の配当(年間)ランキングです。(1月23日時点|「みんなの株式」より引用) 銘柄名 利回り(年間) 1位:松井 9.5% 2位:日産自 9.09% 3位:ベリテ 8.96% 4位:KG情報 8.74% 5位:スズテン 8.25% 6位:工藤建設 7.5% 7位:池田泉州HD 7.38% 8位:アールビバン 7.34% 9位:青山商 7.18% 10位:ウェルネット 7.09% 他の事例も見てみましょう。 下記は取引所の仮想通貨レンディング(貸し出し)の比較です。 取引所名 利回り(年間) Coincheck 5% GMO 5% bitbank 1~3% Binance 0.6~2.39% Poloniex 約1.3% このような数字を実際に見ていくと「年利10%もあればかなり良い方なんだな」という大体の相場の感覚が掴めてきますよね。 そして相場が分かってくると、先ほど紹介したプラストークンの「月利10%」という数字を見て、 「それはちょっと高すぎでしょ。怪しくない?」 というように、自分の"危険察知センサー"を働かせることができます。 「高配当」という言葉だけに惑わされないためにも、相場は必ず知っておきましょう。 ②「元本保証」と謳っている 資産運用では「元本保証」というのは本来ありえません。 元本保証とは「投資した額以上に損失が出た場合は、会社や国が補償します」という意味で、例えばあなたが投資をして20万円分の損失が出ても、それをサービス提供社や国が補償してくれるわけです。 しかし、ここには「会社が倒産したり国が破綻する可能性もある」という大前提が抜けています。 この事実を隠した上で「元本保証します」と宣伝している投資案件があったら、よく注意しましょう。 ③人を紹介すると報酬が貰えるシステムが採用されている 紹介制を採用するということは「紹介制が無ければ普及しない投資案件」ということですよね。 本当に良い投資案件であれば、遅かれ早かれ自然と広がっていくものです。 「この投資案件はどうなんだろう...?」 と思ったら、まずはその投資案件が紹介制を採用しているかどうか確認しましょう。 ④勧誘してる人がいないor怪しい 具体的にこれを調べる方法は下記です。 ・Googleで投資案件の名前を検索する ・Twitterで投資案件の名前を検索する 実際にGoogleやTwitterで調べてみて、 ・その投資案件を紹介しているサイトが全く無い ・普段は活用されていないTwitterアカウントばかりが宣伝している といった場合は要注意な投資案件なので気をつけましょう。 まとめ ・ポンジスキームとは、集めたお金を循環させているだけの詐欺 -ポンジスキームの事件3選- ・ナスダック事件 ・Bitclub事件 ・プラストークン事件 -気をつけるべき4つのポイント- ①利回りが異常に高い ②「元本保証」と謳っている ③人を紹介すると報酬が貰えるシステム ④勧誘している人がいないor怪しい 今回は仮想通貨の負の側面を中心にお話してきました。 しかし、仮想通貨は世界が注目するほどの可能性を秘めています。 「仮想通貨って何がすごいの?」 と思った方は、以下の記事を読んでみてください。 詳しくはこちら! >仮想通貨の5つのメリットとは|決済だけじゃないって知ってた?< 最後まで読んでいただきありがとうございました。
ニュース
2021/12/03【日本発】Astar NetworkがPolkadotオークションで勝利。Parachainとして本格始動へ
Astar NetworkがPolkadotのParachainオークションで勝利し、スロットを獲得しました。 今回のオークションでAstar Networkは、1000万DOT(*約425億円)以上の投票を、ウォレットや取引所経由で合計10万人以上のユーザーから獲得しています。*記事執筆時点 Congratulations to @AstarNetwork on winning Polkadot's third auction! Astar will be onboarded at block #8179200 [Dec. 18] at the beginning of lease 6 with the other first 5 auction winners. Over 27.1K network stakeholders locked up DOT in favor!https://t.co/ZFSzeAhc4x pic.twitter.com/mABXLeRnKh — Polkadot (@Polkadot) December 2, 2021 11月5日から本格的に始まった今回のオークションでは、11月18日にAcala Network、11月25日にMoonbeam Networkがオークションで勝利してスロットを獲得してきました。 そんな中、11月25日から12月2日にかけて行われた第3回目のオークションで、Astar NetworkはParallel Finance、Clover Finance、Manta Networkといったプロジェクトとスロット獲得を目指し競ってきました。 [caption id="attachment_69925" align="aligncenter" width="799"] 12/3時点の投票状況 | 画像引用元:parachains.info[/caption] Polkadotのオークションは一定期間内でランダムに選ばれた日時での最大DOT投票数で勝者が決まる「キャンドルオークション」方式が採用されています。 Astar NetworkはParallel Networkと投票数でオークション終盤まで争っていましたが、DOTの投票数推移から考えられる事前予想では、オークション期間初期から投票数が多かったAstar Networkが90%以上の確率で勝つと予想されていました。 今回オークションで勝利してスロットを獲得したAstar Netoworkは、ParachainとしてPolkadotの心臓部分でセキュリティ等を提供するRelaychainと繋がり、Polkadotの動きに合わせて12月~1月を目安にメインネットローンチ行うことで今後本格的に始動していきます。 [caption id="attachment_69929" align="aligncenter" width="842"] ParachainとRelaychainのイメージ[/caption] PolkadotのParachainオークションは現在も開催中で、今後は下記日程で開催されます。 バッチ1 オークション1:2021年11月11日~ 2021年11月18日 勝者:Acala Network オークション2:2021年11月18日~ 2021年11月25日 勝者:Moonbeam Network オークション3:2021年11月25日~ 2021年12月2日 勝者:Astar Network オークション4:2021年12月2日~ 2021年12月9日 オークション5:2021年12月9日~ 2021年12月16日 Polkadot{.js}でのクラウドローン参加方法を解説!パラチェーンオークション参加プロジェクトを支援しよう Astar Networkとは Astar Networkは、EthereumやPolkadot、将来的にはその他チェーンも含むマルチチェーンのdappsハブ(中継点)を目指すプロジェクトです。 現状のブロックチェーンの世界は、ブロックチェーンの種類が異なるとdappsやトークンの移行が困難であるという課題があります。 Astar Networkはこの問題を解決するために、PolkadotのParachainとしてセキュリティや相互運用性を獲得しながら、EthereumのEVM、PolkadotのWebAssenbly両方に対応したdappsの開発が可能なプラットフォーム、パブリックチェーンを提供します。 [caption id="attachment_69930" align="aligncenter" width="800"] Astar Networkのイメージ | 画像引用元:https://astar.network/[/caption] dapps開発者はAstar Networkを利用することで、EthereumエコシステムとPolkadotエコシステムの両方に対応するdappsを開発できるため、プロジェクトを従来よりもスケールさせることが可能。 さらに、Astar Networkでは開発者がAstar上にdappsをデプロイ(提供)するとASTRトークンがもらえる仕組みが採用されているため、開発者が集まる大きなインセンティブとして機能する可能性を秘めています。(Ethereumでは開発者側が手数料を払わなければいけません) また、Astar Networkでは「dapps staking」と呼ばれる、dappsに対してユーザーがステーキングすることができる独自の手法が採用されているのも大きな特徴です。 [caption id="attachment_69942" align="aligncenter" width="940"] Shidenのdapps staking画面 | 画像引用元:https://portal.astar.network/#/store/discover-dapps[/caption] Astar Networkの姉妹プロジェクトのShiden Networkではすでにdapps Stakingが始まっており、ステーキング総額は2360万ドル(約26億円)、dappsの数は21個となっています。 [caption id="attachment_69931" align="aligncenter" width="721"] Astar Networkへの出資者一蘭 | https://parachains.info/details/astar[/caption] Astar Networkを手掛けるStake Technologies社は、Binance、Huobi、OKEx、KR1など名だたる企業からの出資を受けており、Binanceに関してはPolkadot系のプロジェクトとして初めてAstar Network(旧Plasm Network)が出資されました。 Astar Networkは将来的にDAO(分散型自立組織)を目指しており、様々なキャンペーンや呼びかけを行っています。 一緒にWeb3.0プロダクトつくりませんか DAOで働いてみませんか このワクワクする未来に向けてできることはいっぱいあるので、是非今後も応援お願いします。 一歩目としてTwitter @AstarNetwork @AstarNetwork_JP フォローやコミュニティ参加、Forum等御覧ください!https://t.co/KlCSJemIV3 https://t.co/t9gFFzLsTK — ShunP / Astar Network (@shunp_w3) December 2, 2021 CRYPTO TIMESでは、Astar Network(旧Plasm Network)、姉妹プロジェクトのShiden Networkに対して様々なインタビューを行ってきました。興味がある方は是非ご覧ください。 - Astar・Shiden NetworkのAMAイベント - ・『Plasm(現Astar)・Shiden Network』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説! - 開発者へのインタビュー - ・ブロックチェーンの本質は「国家の最小単位が再定義され互いに経済圏が繋がること」–Staked 渡辺創太 前編 ・ブロックチェーンの本質は「国家の最小単位が再定義され互いに経済圏が繋がること」–Staked 渡辺創太 後編 ・「Plasm Networkを通じて、自由で公平で透明な世界の創造へ」- Stake Technologies CEO 渡辺創太 x CTO 山下琢巳 ・「世界のトッププレイヤーを巻き込み、日本発のブロックチェーンを世界のブロックチェーンに」Plasm Network CEO : 渡辺創太インタビュー CT Analysis第16回レポート『Polkadotエコシステム 動向調査レポート』を無料公開 記事ソース:twitter
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