Binance Liquid Swap(BSwap)とは?使い方やメリット、隠れたリスクなどを徹底解説!
Crypto Times 編集部
昨今仮想通貨市場ではDeFi(分散型金融)への注目が高まっています。
そんな中、大手仮想通貨取引所のBinanceが新たに「Binance Liquid Swap(BSwap)」と呼ばれる分散型取引所(DeFi)を発表しました。
Liquid Swapは一般的な取引所とは仕組みが異なります。
本記事ではLiquid Swapの概要や具体的な使い方、メリットなどについて解説していきます。
具体的には下記です。
- ・Liquid Swapとは?
・Liquid Swapを使うメリット
・Liquid Swapの使い方
・注意したい「インパーマネントロス」
・まとめ
「Liquid Swap気になっていたけど使い方がわからない」
「DeFiを使ってみたい」
といった方は是非最後まで読んでみてください。
目次
Liquid Swap(BSwap)とは?
Liquid Swapは少ない手数料で仮想通貨が交換できる取引所です。
通常の取引所との違いは下記の3つ。
- ①分散型取引所(DEX)の一種であるAMM(自動マーケットメーカー)である
- ②プールされてる仮想通貨からトークン交換が行われる
- ③仮想通貨を預けると利息がもらえる
それぞれ解説していきます。
①分散型取引所(DEX)の一種であるAMMである
Liquid SwapはDEXの一種であるAMM(Automated Market Makers)です。
AMMとは、取引ルールがアルゴリズムによって自動で制御されているマーケットメーカーのこと。
Binanceのような中央集権的な取引所は、特定の企業がサーバーを揃えて運営していますよね。
対してLiquid Swapはアルゴリズムによって自動で運営されている分散型取引所です。
②プールされてる仮想通貨から交換を行う
Liquid Swapで仮想通貨を交換する場合、あらかじめプールされている(預けられている)仮想通貨が利用されます。
一般的な取引所で行われるトレードでは「売りたい人と買いたい人が合意して初めて売買が成立する」という構図になっていますよね。
しかし、Liquid Swapでは元々プールされている通貨を使って仮想通貨の交換が行われるのです。
③仮想通貨を預けると利息がもらえる
Liquid Swapでは仮想通貨を預けると利息がもらえます。
これは一般的な取引所にはないシステムですよね。
例えば上記のようにBUSDとUSDTのペアをプールする場合、年利は6.2802%となります。
100万円分の仮想通貨を1年間プールした場合、約106万円になって返ってくる計算ですね。
Liquid Swapでは、元々プールされている仮想通貨がトークン交換に利用されています。
この仕組みがあるおかげで、仮想通貨をプールする人が出てきてLiquid Swapの流動性は保たれているわけです。
Liquid Swapを使うメリット
②数秒で交換できる
③プールで稼げる(注意点あり)
上記がLiquid Swapを使うメリットです。
それぞれ見ていきましょう。
①手数料が少ない
Liquid Swapでは全ての取引手数料が「0.04%」となっています。
手数料が安いと言われているBinanceの取引手数料は「0.1%」です。
- 「あんまり変わらないじゃん」
と思ったかもしれませんが、取引手数料はその名の通り「取引する度にかかってくる手数料」なので頻繁にトレードする人にとっては0.06%の手数料の違いでも結構大きいものです。
Liquid Swapは「頻繁にトレードする人」や「大きな取引を行う人」などに向いている言えるでしょう。
②数秒で交換できる
Liquid Swapは大量の仮想通貨であっても瞬時に交換できます。
これは、Liquid Swapが買う人と売る人が存在する板取引方式ではなく、プールされている仮想通貨から取引が行われる仕組みだからです。
従来、大口トレーダーや機関投資家が大量の仮想通貨を購入する場合、取引所から直接購入できる「OTC取引」が一般的でした。
しかし今後は、Liquid SwapのようなDEXで大口が仮想通貨を購入するケースが増えていく可能性があるでしょう。
③プールで稼げる
Liquid Swapでは仮想通貨を預けると報酬がもらえます。
この仕組がインセンティブとして働くことで、取引所の流動性が維持されるわけです。
Liquid Swapでは、価格変動リスクの少ないステーブルコインでもプールができます。(年利3-15%)
そのため、銀行口座に眠ってるお金がある人にとっては積極的に活用していきたい仕組みと言えます。
注意:DEXのプール報酬にはインパーマネントロスというリスクがあります。(後述しています)
Liquid Swapの使い方
それでは具体的な使い方を見ていきましょう。
Liquid Swapでは、
- ・仮想通貨のスワップ(交換)
・仮想通貨のプール
が可能です。
順番に解説していきます。
仮想通貨のスワップ(交換)
まずBinanceにログインした状態でTOPページの上部にある「ファイナンス」タブから「リキッドスワップ」をクリックします。
バイナンスリキッドスワップの画面で「スワップ」のタブをクリックします。
画面中央の通貨名が書いてある場所の右側の印をクリックするとスワップできる通貨の種類が表示されるので、自分が持っている仮想通貨を選択します。
上記と同じ要領で、交換先の仮想通貨の種類を選択しておきます。
自分が持っている仮想通貨を交換したい分だけ上の「Sell」の部分に入力すると、自動的に今のレートでいくらなるのかが下の枠に表示されます。
- ・Price→2つの仮想通貨のレート
・Fee→スワップにかかる手数料
・Slippage→表示されている額が変動する可能性
下部に表示されるこれらの数字に問題がなければ、そのままSwapをクリックします。
「Swap Successful」が表示されれば、スワップは完了となります。
仮想通貨のプール
こちらも先程と同じように、まずBinanceにログインした状態でTOPページ上部にある「Finance」タブから「Liquid Swap」をクリックします。
画面中央部のLiquidity(流動性)の部分で「Add」が選択されていることを確認して、自分がプールしたい通貨ペアを選択します。
ここで1つ覚えておかないといけないのが、BSwapでは2つの通貨のペアでのみプールができるということ。
ただし、プールを行う時に2つの通貨を用意する必要はありません。
例えば、USDTとBUSDのペアでプールしたい場合、USDTさえ持っていれば自動的にプール額の半分がBUSDに交換されます。(上記画像参照)
片方の通貨のみでもプールは可能ですが、その際に多少の手数料が取られてしまうため、気になるユーザーは2つのペアを準備してあげるほうが良いでしょう。
話を使い方に戻すと、自分がプールしたい通貨ペアと量を選択したら、
- ・Price→2つの通貨のレート
・Share→それぞれの通貨のプール量
・Share of the pool→全体のプール量からみた割合
・7day APY→過去7日間に流動性プロバイダーが利用できる収益率に基づいて計算された年利率
これらを確認して問題がなければ「Add」をクリックします。
「Add Successfully」表示されたらプールは完了です。
プールしている仮想通貨を引き出す方法
Liquidityの画面でタブを「Redeem」に切り替えます。
*BSwapの仕様が代わり、現在では「Remove」が「Redeem」と表示されていますが、どちらも同じ意味なので特に気にしなくても大丈夫です。
そこで、
- ・引き出したいプールペア
・量
・引き出す通貨
を選択したらRedeemをクリックします。
(この時、片方の通貨(A)のみを選択した場合、残ったほうの通貨(B)は半分が通貨(A)に代えられ、それに応じた手数料が発生するので注意してください。)
「Remove Successfully」と表示されたら、プールされていた仮想通貨の取り出しが完了しています。
Binance Liquid Swapにビットコインが追加、合計で500,000 BUSDプレゼントも
注意したい「インパーマネントロス」
インパーマネントロスとは、DEXに仮想通貨をプールし流動性提供をしたことが原因で出てしまう損失のこと。
サービスに流動性を提供したはずのユーザーがなぜ損をしてしまうのでしょうか。
例えば、1ETHが400ドルのとき、価格が1ドルのAMPLを400ドル分プールしたとします。(BSwapでのプールは2つの通貨を1:1で預けなければなりません)
AMPLの価格が40%下落し0.6ドルに下がってしまった場合、一緒に入れているETHもAMPLの価格に引きづられて、下落してしまいます。
この場合、1ETH(400ドル分) : 400AMPL(400ドル分) で入れていたペアを取り出すと、 もともとプールしていた枚数よりも減ってしまうのです。
今回、Binanceが提供するLiquid Swapでは現状メインとなっているプールはステーブルコイン同士のペアなのでそこまで気にすることはないですが、ペア同士の枚数が預けたときより変化する可能性があります。
「Liquid Swapに仮想通貨をプールすれば必ず利益が出るわけではない」ということをよく覚えておきましょう。
まとめ
BinanceがローンチしたDEX、Liquid Swapについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。
近年、DeFi(分散型金融)への注目が集まる中、UniswapやBalancer、DoDoといったDEXが注目を集めてきています。
世間では利率などのポジティブな部分ばかりが着目されがちですが、DEXはその特性上、
・GOXやミスをした時に責任をとってくれる人がいない
・仕組みが複雑で気がついたら損をしてしまう
といったデメリットが存在します。
DEXなどのDeFiを使う場合は、インフルエンサーの言うことを鵜呑みにせず自分でよく調べてから利用するようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
記事ソース:Binance