Phiとは?概要や特徴、使い方を解説 | ENSで独自メタバースを構築

2022/09/20・

m_crypto

Phiとは?概要や特徴、使い方を解説 | ENSで独自メタバースを構築

2022年8月30日、独自メタバースを構築できるWeb3プロジェクト「Phi」がPolygon Mumbaiテストネットでローンチしました。

2つのハッカソン (NFTHACK2022 & BuildQuest)で入賞したPhiには、ENS(イーサリアムネームサービス)とオンチェーンのアクティビティで独自メタバースランドを無限に作成できるといった特徴があり、既存メタバースプロジェクト(The Sandbox等)とは異なるアプローチを取っています。

本記事では、そんな注目プロジェクトPhiの特徴や実際の使い方まで解説していきます。是非最後まで読んでみてください。

Phi = ENS × オンチェーンアクティビティのメタバースプロジェクト

Phiは、ENSのドメインやオンチェーンアクティビティによってメタバースを構築する事が出来るプロジェクトです。

ENSのドメインがメタバースの土地の役割を担うPhiでは、ウォレットのアクティビティ(実績やステータス)によって、オブジェクト(アイテム)が付与される仕組みが採用されており、付与されたオブジェクトをメタバースランドに装飾・配置し独自の世界観でメタバースランドを自由にカスタマイズ出来ます。

メタバースで土台となる土地の所有権をENSのドメインを用いて保有出来るPhiプロジェクトですが、ENSのドメインを用いた理由を下記のように述べています。

“「人々のオンチェーン ID に関連する最も分散化された一般的な資産であるためです。他のメタバース ランド NFT プロジェクトのように、非常に高価な NFT を購入した所有者だけがプレイできる独占的なものにしたくはありません。私たちは、web3 のメタバースはより分散化され、誰にでも開かれているべきだと考えています。これが、土地の生成に ENS を使用する理由です。」”- 出典:Introducing Phi, Visualizing Your Web3 World that evolves with your On-Chain Activities

Phiは、オンチェーンアイデンティティを可視化し、ENSドメインやウォレットアクティビティといった普遍的なWeb3を構成している要素に基づく包括的なメタバースランドシステムの構築をプロジェクトのミッションとして掲げています。

Phiのチームメンバーについて

Phiのコアチームメンバーは、多くの日本メンバーで構成されています。

Co-founder & CEOShugo
Co-founder & COOConsome
Co-founder & CTOZak
Frontend engineerOji3
Pixel artisteboy
Pixel artistta2nb
Pixel artistFuzuki
UI/UX designerOz
Backend engineerJ
GrowthLitchman

共同創業者のShugo氏は、This Week in DAOsの共同創設者であり、DAOを構築、追究している業界の創設者や投資家をゲストとして招き、ポッドキャストを行ったりニュースレターの配信を行っています。

また2022年6月22日には、ピクセルアートのゴットファザーであるeBoy氏がコアメンバーとして加わりました。

eBoyは世界的ブランドであるPaul SmithやBalenciaga等とコラボしてきたバックグラウンドがあり、web3領域ではNFTをベースとしたオンチェーン・アバターコミュニティNounsを共同設立し、有名ピクセルアーティストとして名高い人物です。

Phiとコラボレーションの申し込みも行える

Phiの公式サイトにコラボレーションの募集フォームが設置されています。

  • プロトコルのオブジェクト作成
  • 共同マーケティング
  • Twitter スペース
  • その他の統合

などを希望する方は募集フォームに記載の上、コラボレーションを申し込めるようになっています。

質問があればメールアドレス宛へ送る事も出来るようなので興味のある方は是非チェックしてみてください。

Phiの始め方を解説

Phiを始めるにあたり、

  • サポートされているウォレット(メタマスク、コインベースウォレット、ウォレットコネクト)
  • テストネットトークン
  • ENSドメイン

上記3つが必要となります。

本記事では、メタマスクを利用して解説してきますが、メタマスクのウォレットのインストール方法や使い方に関しては下記の記事を参照してください。

また、テストネットトークンであるMATICは 、Mumbai テストネットへ自動で付与されますが、必要に応じて下記リンクからご自身で請求してみてください。

・MumbaiテストネットのMATICを取得
・GoerliテストネットのETHを取得

ENSドメインに関しては下記の手順に沿って取得していきましょう。

①ネットワークにPolygon Mumbai Testnet、Goerli Testnetを表示する
②PhiにMetaMaskを接続する
③ENSのドメインを取得

①ネットワークにPolygon Mumbai Testnet、Goerli Testnetを表示する

メタマスクの設定のカテゴリーに「高度な設定」があるので「テストネットワークを表示」をONにします。

イーサリアムのネットワーク一覧にあるPolygon Mumbai Testnet、Goerli Testnetが表示されている事を確認しましょう。

確認をとれましたらテストネットワークの表示が完了です。

②PhiにMetaMaskを接続する

公式サイトにアクセスをしましたら「open app」をクリックしてください。

ウォレットを接続するので画面の右上にある「connect」をクリックします。

接続するウォレットが表示されましたらメタマスクをクリックしましょう。

接続は完了です。

③ENSのドメインを取得

メタバースを構築するにあたってENSのドメインが土地になりますので、ENSのドメインを取得する必要があります。

ENSのドメインを既にテストネット上で保有していると土地の画面に切り替わりますが、本記事の解説ではENSのドメインをテストネット上で保有しておらず、直ぐにドメインを取得したいので「get ENS quickly」をクリックします。

Ethereum Goerli Testnet で ENS ドメインを所有する際は、下記を参考にしてみてください。

Goerli TestnetでENSを取得する

テストネット用のENSドメインである「~phidemo.eth」を取得出来ます。

ENSドメインを設定しましたら「create land」をクリックします。

接続しているメタマスクで取引を確認します。

更新中は待機しておきましょう。

メタマスクが起動するのでトランザクションの承認をクリックするとプロダクトを触れるようになります。

Phiの使い方

メタマスクの接続&ENSドメインの取得を出来ましたのでメタバースランドを構築出来る様になっています。

どのように独自のメタバースランドを構築出来るのか解説していきます。

①オブジェクトをショップで購入

オブジェクトをメタバースランドで配置出来るようにする

③メタバースランドを装飾してみる

④Twitterで自分のメタバースランドを共有

⑤オブジェクトをウォレットへ撤退する

⑥クエストを行いオブジェクトを請求する

①オブジェクトをショップで購入

オブジェクトをショップで購入する事が出来ます。

テストネットでは、フリーのオブジェクトを入手出来るので、ホーム画面のショップをクリックして試しに入手してみましょう。

購入したいオブジェクトがあれば、「add to cart」をクリック。そして、いくつ購入するか数量を決めて「purchase」をクリックします。

今回は、Phiのロゴがついているストリートを選択してみました。

メタマスクが起動するのでトランザクションの承認を行いオブジェクト(ストリートPhi)を手に入れましょう。

購入したオブジェクトは、ウォレットで保管されるので確認してみてください。

以上がオブジェクトをショップで購入する手順です。

②オブジェクトをメタバースランドで配置出来るようにする

ウォレットに預け入れたオブジェクトをメタバースランドで配置できるようにしていきます。

オブジェクトは、合計3点を揃えてみました。

オブジェクトをウォレットからメタバースランドへ移行するので、ウォレットのアイコンをクリックします。

移行したいオブジェクトを選択し「deposit」をクリックします。

メタマスクが起動するのでトランザクションの承認を行い、オブジェクトをメタバースランドで配置出来るようにします。

③メタバースランドを装飾してみる

それでは、Phiの醍醐味であるメタバースランドにオブジェクトを装飾していきましょう。

「edit」をクリックします。

装飾できるオブジェクト一覧が表示されるので、装飾したいオブジェクトをクリックしてメタバースランドへ移動させましょう。

実際に用意したオブジェクト3点をメタバースランドに装飾してみました。

装飾を完了する時は「keep」をクリックしてメタマスクが起動するのを待ちトランザクションの承認を行います。

メタバースランドのデータがブロックチェーンに保存されランドのイメージが更新されます。

④Twitterで自分のメタバースランドを共有

作成したメタバースランドをTwitterで必ず共有する必要はありませんが、プロダクトを初めて触った際のガイドにTwitterで共有してみましょうと案内が出ていたので、実際に作成したメタバースランドをTwitterで共有してみました。

https://twitter.com/badhop0603/status/1571171318242115584?s=20&t=2XLwZPwpqx6jVcBoPCfILg

ツイート内にアップされているリンクは、直接メタバースランドへアクセス出来るENSドメインになっています。

このように自分が作成したメタバースランドをTwitterのフォロワー様へ公開する事が出来ます。

⑤オブジェクトをウォレットへ撤退する

メタバースランドで装飾していたオブジェクトの撤退手順を行っていきます。

まず「edit」をクリックします。

Twitterツリーをメタバースランドから撤退してみますので削除アイコンをクリックします。

LANDに撤退したことを確認します。

「save」をクリックするとメタマスクが起動するのでトランザクションの承認を行います。

続いてランドのアイコンをクリックします。

Twitterツリーを撤退してみますので「withdraw」をクリックします。

ウォレットにTwitterツリーが撤退されているのを確認出来ます。

以上でオブジェクトをウォレットへ撤退する手順です。

⑥クエストを行いオブジェクトを請求する

クエストで手に入るオブジェクトの一覧、クエストの詳細をみてみましょう。

まず、「quest」をクリックします。

このようにクエストの一覧が表示されます。

今回はこちらのPHI Cabのクエストを行ってみたいと思います。

クリックするとオブジェクトを請求できる要件が記載されていますので確認しましょう。

PHI Cabのオブジェクトを取得出来る要件は、「自分の土地に異なるphi landのハイパーリンクを1つ作成する」とのことです。

一見難しそうな上記クエストですが、同じようにPhiのメタバースランドを構築しているユーザーの土地のリンクを何らかのオブジェクトに貼り付ければOKです。

つまり、上記クエストではリンクを貼り付けたオブジェクトを通して、他のユーザーが構築するメタバースランドにアクセスする事が出来る機能が紹介されています。

こちらの要件をクリアするためには、Phiのディスコードに「share-ur-land」というカテゴリーがあるので、シェアしているユーザーの土地リンクを借りるか、Phiのプロダクトを触っている知人から土地のリンクを教えてもらうことで要件を満たす事が出来ます。

ハイパーリンクの貼り付け方は、土地の編集の画面でオブジェクトにカーソルを合わせてクリックするとオプション表示がされますので、真ん中のリンクをクリックします。

「タイトル」と「土地のURL」を入力してチェックマークをクリックします。

こちらのようにオブジェクトにリンクを貼り付ける事が出来ました。

ワンクリックでリンク先のメタバースランドへアクセスする事が出来ます。

続いて要件を満たしたことでオブジェクトの請求が出来る様になっています。

詳細画面を表示し「claim」をクリックしましょう。

トランザクションの承認を終えるとウォレットにオブジェクトのPHI Cabが付与されているのが確認出来ます。

以上でクエストを行いオブジェクトを請求する手順です。

Phi Connectを使用するとランドを接続して、好きな世界観を構築することが可能です。Phi Connectについてはこちらの記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。

Phiのロードマップ

Phiはこれまでに、2022年1月のNFTHACK2022 でENS賞を受賞。

2022年3月にはBuildQuestでIPFS/Filecoin & Covalent 賞を受賞し、同月にはStarkNet Goerli テストネットで最初のデモを開始しました。

次いで8月にMumbai Testnetで2番目のデモが開始となったPhiは、今後のロードマップとして下記を掲げています。

公開されている今後のロードマップ

・2022 年11月:Polygon mainnetでPhi をローンチ

・2022 年 12 月~ 2023 年第 1 四半期 :初期のコミュニティに向けた大規模なイベント

2022年11月にユーザー待望のメインネットローンチに加え、年内から来年である2023年第一四半期までに大きなイベントを開催するとのことで、Phi Landの住人やPhiプロジェクトにとって大きく変化が起きる時期となりそうです。

プロダクトを触ってみた感想

市場に出回るメタバースプロジェクトには、プロジェクトが土地をユーザーへ販売するのが一つのキャッシュポイントとなっており、それらを踏まえて転売目的で土地を買うユーザーもいるのが現状です。

Phiのプロダクトを触ってみて、ただ利益を求めて土地を保有や売買を行うのがメインの目的ではなく、ENSのドメインがあれば無限にメタバースランドを作る事が出来て、さらにウォレットのアクティビティによってオブジェクトを追究でき、独自の世界観を創造できる思想と設計がまさにweb3という印象を受けました。

またクエストの難易度に応じて取得出来るオブジェクトもグレードアップしていくことから、純粋にメタバースを楽しむ探求心がくすぐられ、特定のオブジェクトに他のユーザーの土地リンクを貼り付けるハイパーリンク機能があることで、Phiユーザー同士が繋がるメタバース空間が実現されていると感じました。

まとめ

ENSドメインに関連させてメタバースを構築できるプロジェクトPhiについて解説してきました。

昨今、The SandboxやDecentralandに様々な大手企業や著名アーティストが参入する事例が増え、世の中全体がメタバースの最適解を探っているなか、独自のアプローチをとるPhiは是非今後も注目したいプロジェクトです。

本記事を参考に是非一度実際にあなたもプロダクトを触ってみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

―Phiの公式リンク―

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