より速く、Solanaのその先へ!「Solayer」AMAレポート
boarding bridge

執筆:summerchon
ハードウェアアクセラレーションの採用により毎秒30万件以上のトランザクション処理を目指すSVMレイヤー1「Solayer」のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティboarding bridge(bb)にて開催しました。
今回のAMAでは、Solayerの核となる技術「InfiniSVM」の仕組みや、暗号資産デビットカード「Emerald Card」、利回り付きステーブルコイン「sUSD」、そしてネイティブトークン「$LAYER」のユーティリティや今後のロードマップについて伺いました。
以下はAMAの内容を要約したものです。
AMA概要
日時:2025年10月21日(火)23:00 JST
場所:bb Discord & X Space
Giveaway:50USDC × 4名
より速く、Solanaのその先へ
「Solayer」のAMAを開催✈️⏰ 10月21日(火)23:00
🎁 Giveaway:50 USDC × 4名✅ Like, RT & Follow ↓@solayer_labs & @bb_jpdao
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— boarding bridge (@bb_jpdao) October 15, 2025
スピーカー
・Joshua | Head of Product at Solayer
・ビニール | Guest Speaker
・AKI | boarding bridge
(敬称略)
質問トピック
自己紹介

Solayerでプロダクト責任者を務めているJoshuaです。私のバックグラウンドはDeFi、クオンツ、そしてAIの分野にあります。
Solayerでは、AIや高頻度取引(HFT)の技術を応用し、ハードウェアの力でブロックチェーンを高速化するハードウェア加速型ブロックチェーンの開発に取り組んでいます。本日はよろしくお願いいたします。

ビニールと申します。本日はゲストスピーカーとして参加させていただきます。
普段はEthereumインキュベーターであるFracton Venturesでインキュベーション・リードを務めています。Solayerチームの方とは大阪でご一緒したご縁もあり、本日呼んでいただけて光栄です。よろしくお願いいたします。
Solayerの目指しているビジョンやコンセプトを教えてください。
Solayerは、高速・低遅延なアプリケーションを支えるハードウェア加速型のレイヤー1(※1)ブロックチェーンを構築しています。
私たちの「InfiniSVM」は、SVM(Solana Virtual Machine)(Solanaの実行環境)と完全な互換性を持っています。現在、開発者向けのメインネット・アルファ版が公開されており、毎秒30万件以上のTPS(※1)を処理可能です。 (※参考:BTCが約7 TPS、ETHが約15〜30 TPS)
これは、実運用環境において暗号資産業界で確認された中でも最速クラスの性能です。元々はSolanaのリキッドステーキング(※2)プラットフォームとして始まりましたが、現在は自前のレイヤー1開発と並行し、後述する決済カードなど、Solanaエコシステムに必要なものをトレンドに合わせて提供しています。
- TPS(Transactions Per Second)
- 1秒あたりに処理できる取引の数。ブロックチェーンの処理能力を示す指標
- リキッドステーキング
- トークンをステーキングしてネットワークのセキュリティに貢献しつつ、預けた証明となるトークン(LST)を受け取る仕組み。このLSTはDeFiなどで自由に運用できるため、資産の流動性を保つことができる。

Solayerが展開するEmerald Cardについて詳しく教えてください。
SolayerのEmerald Cardは、ユーザーがSolana上のUSDCを、法定通貨に交換するオフランプの手間なしで、そのまま現実世界で使えるVISAデビットカードです。Apple PayやGoogle Payにも対応しています。
このカードの最大の特徴は、そのユニークなリワードプログラムにあります。 一般的なカードが自社のポイントしか提供しないのに対し、Emerald Cardは、Solayer自身からのリワードに加えて、Solayerと提携するエコシステム内のプロジェクトから、複数のリワードやエアドロップを獲得できる可能性があります。
さらに、「Solayer Travel」というEmerald Card保有者向けのホテル宿泊サイトを展開しており、マリオットなどの主要ホテルで最大65%の割引が受けられるといった強力な旅行特典も付帯しています。

sUSDやsSOLについて詳しく教えてください。
まずsUSDは、Solana初となる利回り付きステーブルコインで、その価値は米国債の利回りによって裏付けられています。
一般的なステーブルコイン(例:USDC)も裏付けに米国債を持ちますが、その利回りは発行元(サークル社など)のものとなり、保有者には還元されません。sUSDは、その利回りを保有者に還元する点が決定的に異なります。
例えば、sUSDを保有しているだけで年利3.55%(※AMA時点)の利回りが得られ、1年後に償還(USDCに戻す)すると、元本に利回りが上乗せされて戻ってくるイメージです。これにより、利回りを生まない待機資産(USDCなど)を持ってしまう機会損失をなくすことができます。
一方のsSOLは、Solanaのリキッドステーキングトークン(※1)です。Solana上で最もパフォーマンスの高いバリデーター(検証者)を選定して構築されており、高いステーキング利回りを提供します。
これら2つは、私たちが開発した基盤的なプロダクトであり、将来的に私たちのInfiniSVMにも導入されます。これにより、Solayerチェーンの開発者は、安定的な米国債利回り(sUSD)と高利回り資産(sSOL)の両方に最初からアクセスできるようになります。
- リキッドステーキングトークン(LST)
- ステーキングした暗号資産(この場合はSOL)の引換券となるトークン。元の資産はロックされたまま、このLSTを使ってDeFiなどで自由に資産運用ができる

$LAYERのユーティリティと今後のロードマップについて教えてください。
$LAYERトークンは、Solayerエコシステム全体のガバナンストークンです。
それだけでなく、今後私たちが独自にローンチする高速レイヤー1のInfiniSVMにおいて、ネットワークのセキュリティを担うステーキングにも使用される、エコシステムの中心的なトークンとなります。
今後のロードマップとエコシステムの進捗は以下の通りです。
- InfiniSVM(自社L1)のローンチ
現在、私たちのL1のInfiniSVMは、エコシステムチーム向けのプライベート版であるメインネット・アルファ段階にあります。これは2025年末にかけて、一般ユーザーが参加できるパブリックメインネットへと移行する予定です。 - Solayer Accel(インキュベーター)の推進
私たちはInfiniSVM上で開発を行うスタートアップを支援するSolayer Accelというインキュベーションプログラム(※1)を運営しています。12月に卒業する第1期プロジェクト群は世界的なカンファレンスのSolana Breakpoint(※2)でその成果を披露する予定です。
- インキュベーションプログラム
- 立ち上げ初期のスタートアップに対し、資金提供、技術支援、メンタリングなどを提供し、その成長を支援するプログラム
- Solana Breakpoint
- Solana財団が主催する、開発者やコミュニティが集う世界最大級の年次カンファレンス

既存システムのインフラ障害に対する耐性はありますか?
Solayerは特定のインフラに依存しない、非常に高い耐障害性を持つよう設計されています。
多くのプロジェクトとは異なり、私たちはAWSのような単一のクラウドプロバイダーに依存せず、独自のサーバーインフラを管理しています。
そのため、仮に大規模なクラウド障害が発生したとしても、影響を受けるのはウェブサイト(フロントエンド)など一部にとどまり、Solayerのブロックチェーン自体は停止することなく動き続けます。実際に、先日のAWS(※1)障害の際も、私たちには一切のサービス障害は発生しませんでした。
- AWS(Amazon Web Services)
- Amazonが提供する世界最大のクラウドコンピューティングサービス。Webサービスやゲーム、金融システムなど、世界中の多くのインSaaSのインフラとして利用されている
Solayer Accelとハッカソンの違いは何ですか?
Solayer Accelは短期の開発イベントであるハッカソンとは異なり、Solayerエコシステムのための長期的なインキュベーションプログラムです。
これは、私たちのInfiniSVM上で開発を行う有望なスタートアップを発掘し、投資・支援するためのプログラムです。高頻度取引やリアルタイム決済など、InfiniSVMの高速性能を活かせるプロジェクトを特に歓迎しています。
採択されたプロジェクトには、私たちから以下の手厚い支援が提供されます。
- 資金提供(投資)
- 技術サポート(Solayerのコアエンジニアによる直接のサポート)
- VC(ベンチャーキャピタル)の紹介
- 共同マーケティング支援
このプログラムを卒業したプロジェクトは、Solayerエコシステムの中核プロジェクトとして私たちと共に成長していくことになります。

Emerald Cardの日本市場での利用状況について教えてください
実は日本は私たちにとって最も急速に成長している市場の1つで、ユーザー数・取引量ともに世界でトップ2、またはトップ3に入る国です。
最大の理由は、日本の税制にあると考えています。日本では、暗号資産を法定通貨に交換する際、税金の計算が発生し非常に手間がかかります。 Emerald Cardを利用することで、元の暗号資産を売却せずにステーブルコインを借りて日常決済に利用できるため、この問題を回避できる点で日本のユーザーに強く支持されています。
利用傾向も興味深く、ドバイなどでは高級品やホテルの支払いが目立ちますが、日本ではセブンイレブンでの決済をはじめ、日常の食品や日用品の購入に多く使われているのが特徴です。
まとめ
今回のAMAでは、Solayerの驚異的な処理性能を目指す技術的な核心と、それを支える具体的なプロダクト群について詳しく語られました。
Solayerは、Solanaのリキッドステーキングから独自の高速レイヤー1であるInfiniSVM開発へと進化しています。その核となるのはハードウェアによる処理の高速化と、既存のインフラに依存しない堅牢なネットワークです。一方でEmerald Cardは、暗号資産を売却せずに直接決済できる点が日本の税制と噛み合い、世界トップクラスの利用率を日常決済を通じてすでに達成しています。
今後は、$LAYERトークンをガバナンスとステーキングの核とし、2025年末のパブリックメインネット移行を目指します。また、Solayer Accelインキュベーションプログラムを通じてエコシステム構築も活発に進められています。Solayerは、超高速な未来のインフラと、実用的な決済カードという現在の利便性を両輪で推進しており、Web3の新たな標準を目指すプロジェクトを目指しています。
関連リンク
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