初心者向け
2023/02/24ビットコインとは?取引の前に知っておくべき基礎知識
「ビットコインで資産を運用したい」「取引にあたりメリット・デメリットを知っておきたい」などと考えていませんか。ビットコインは、最もポピュラーな仮想通貨のひとつです。時価総額・取引高とも大きいため、初心者に向いている仮想通貨といえるでしょう。ただし、従来の金融商品にはない特徴があるため注意が必要です。 この記事では、ビットコインの概要と歴史、取引の前に押さえておきたいメリット・デメリット、具体的な活用方法、取引にかかる費用の種類などを解説しています。以下の情報を参考にすれば全体像をつかめるはずです。 仮想通貨の取引を検討している方やビットコインについて調べている方は参考にしてください。 ビットコイン(BTC)とは? 話題を集めているビットコインとは、どのようなものなのでしょうか。最初に、ビットコインの概要と歴史を解説します。 ビットコインとは 仮想通貨のひとつです。法律上は、暗号資産に分類されます。ちなみに、日本銀行は仮想通貨を「資金決済に関する法律」に基づき以下のように定義しています。 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる 電子的に記録され、移転できる 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない 出典:日本銀行「暗号資産(仮想通貨)とは何ですか?」 以上からわかる通り、ビットコインだけが仮想通貨ではありません。イーサーリアム(ETH)・テザー(USDT)など、他にもいくつかの種類があります。ビットコインが代名詞的な扱いを受けている理由は、2023年2月時点で最も時価総額が大きいからといえるでしょう。ちなみに、ビットコインは発行枚数が決まっています(2,100万枚)。うち発行・流通しているのは9割程度です。残りは、マイニング(採掘)を経て発行される予定です。マイニングは、高度な計算処理によりビットコインを承認する作業といえるでしょう。承認作業に成功すると、マイナー(採掘者)はビットコインを報酬として受け取れます。 ビットコインの歴史 ビットコインは、サトシ・ナカモトと名乗る人物が2008年11月に投稿(インターネット上)したP2P技術を用いた電子貨幣システムに関する論文から誕生しました。このアイデアのポイントは、既存の技術を組み合わせて管理者不在の仮想通貨を構築していることです。2009年1月には、この論文をもとにしたプログラムが稼働しています。初めての取引が行われたのもこのタイミングです。2010年5月には、ビットコインを使ってピザが購入されました(掲示板のユーザーにピザを代理で購入してもらう)。さらに、この年の7月には入手・換金に関わるマウントゴックス取引所が起ち上げられています。同取引所は、2014年2月に破綻して大きな注目を集めました。これにより、ビットコインの存在を認識した方は多いでしょう。ちなみに、ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモトの人物像は現在も不明です。 ビットコイン(BTC)の仕組みや特徴 ビットコインは、どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。ビットコインの特徴を解説します。 取引にブロックチェーンを使用している 大きな特徴としてあげられるのが、ネットワークセキュリティのひとつにブロックチェーンを用いていることです。ブロックチェーンは、ネットワーク上に存在する複数の端末同士を接続して取引記録を分散管理する技術です。従来型のネットワークセキュリティとの違いは、取引記録を中央管理しないという点です。取引履歴を記録したブロックを、チェーンのようにつないで分散管理しています。これにより、高度なセキュリティを実現している点がビットコインの特徴です。 中央銀行や発行主体が存在しない 日本円を発行しているのは日本政府です。造幣局で製造したのち日本銀行へ交付されると日本円が発行されたことになります。従来の通貨には発行主体あるいは管理者が存在します。これに対してビットコインには、日本政府あるいは日本銀行のような特定の発行主体・管理者が存在しません。強いていうのであれば、ユーザー全員が管理者と考えられます。これは、ユーザーが取引を検証可能であること、取引の承認を受けるためユーザーの検証を受けなければならないことなどを考えるとわかります。各ユーザーが管理者となることで、権力者の影響を排除している点も大きな特徴といえるでしょう。 銀行を介した海外送金と比較して手数料が安い インターネット上の通貨であるため、送金にあたり金融機関の仲介を必要としません。したがって、ビットコインを活用すれば金融機関へ送金手数料を支払う必要はなくなります。海外送金にかかる手数料の目安は数千円程度といえるでしょう。ビットコインの送金手数料は、送金先や送金額ではなくデータ量で決まります。具体的には、データ1バイトあたりのビットコインをもとに自分で手数料を設定します。時間がかかってもよければ、無料で送金することも可能です。 取引の管理者がおらず利用者間で監視する仕組みがある ビットコインで行われたすべての取引はブロックチェーンに記録されます。この記録は公開されているため、すべてのユーザーがその正当性を検証できます。取引台帳に記録されるのは、ユーザーから正当性を認められたものだけです。とはいえ、すべてのユーザーが、ひとつずつの取引を検証しているわけではありません。実際は取引所やマイナー(採掘者)などが検証作業を行っています。ちなみに、誰が何にいくら使用したなどの情報は含まれていません。 取引台帳がネット上に分散保存される ビットコインは、P2Pネットワークとブロックチェーンを用いて、ユーザーが同じ台帳を共有しています。これを分散型台帳といいます。仮に、ある端末の台帳がデータを改ざんされたとしても、他の大多数の端末データにより正しいデータがわかるため、改ざんは非常に困難と考えられています。また、一部の端末が何かしらの理由で機能しなくなったとしても、システムが停止することは基本的にありません。これらの点も、中央のサーバーでデータを管理している従来型の金融機関との大きな違いです。 発行枚数に上限があり、発行タイミングも開示されている ビットコインは、2,100万枚で発行が停止するようにプログラミングされています。これ以上はマイニングできないと考えればよいでしょう。発行枚数に上限を設けることで、希少価値を生み出しています。インフレを防ぐ仕組みと考えられます。新規発行枚数が半分に減らされる半減期が設けられている点もポイントです。ビットコインは、マイニングの報酬として新規発行されます。したがって、半減期はマイニングの報酬が半分に減らされるイベントと言い換えられます。半減期のタイミングは、ブロックが21万回生成されるごとです。おおよそ4年に1回程度のペースで半減期を迎えると考えられています。 リアルタイムで世界中に送金可能 24時間365日、短時間で世界中に送金できる点も特徴です。適切な手数料を設定すれば10分程度で送金を完了できるケースが多いでしょう。10分程度かかる理由は、ユーザーによる検証を受けなければならないからです。具体的な所要時間は、混雑状況などで異なります。早く送金したい場合は、手数料を高く設定して優先的に処理してもらうことも可能です。一方で、適切な手数料を設定していないと、送金完了まで時間がかかることもあります。 価格が変動し値動きは大きい ビットコインの価格は、主に需要と供給のバランスで決まります。つまり、需要より供給が大きければ価格は下がり、供給より需要が大きければ価格は上がるのです。既存の通貨のように発行主体の信用性などは加味されません。また、通貨当局が相場をコントロールするといったこともありません。したがって、そのときの環境によっては、価格は大きく値動きする傾向があります。急騰・暴落しやすい点も特徴のひとつといえるでしょう。 円やドルなどの通貨に換金可能 既存の通貨に換金できる点も見逃せないポイントです。いくつかの方法で、円やドルなどに換金できます。具体的な方法として、仮想通貨取引所、ユーザーと直接取引、専用のATM、などがあげられます。換金時のレートは時期により異なります。よい材料がでたときなどは、レートがよくなるため換金に適したタイミングといえるでしょう。 ビットコイン(BTC)のメリット ここからは、ビットコインのメリットを紹介します。 値動きの幅が大きい 株式などに比べると、値動きの幅は大きいといえます。ストップ高・ストップ安がないことや取引量がまだまだ少ないことなどが影響していると考えられます。したがって、何かしらの材料を受けて急騰するケースが少なくありません。材料が出る前に購入しておけば、短期間で大きな利益を得られる可能性があります。大きなリターンを狙える点は魅力です。 銀行などを介さず直接送金可能 銀行などを利用せず、個人間で送金できます。大したことはないと思うかもしれませんが、海外へ送金する場合は大きなメリットになりえます。銀行を利用すると、完了まである程度の時間がかかるからです。具体的な所要時間はケースで異なりますが、1~5営業日程度かかることが一般的です。ビットコインを活用すれば、最短10分程度で送金を完了できます。例えば、海外へ留学した子どもに生活費を送りたい場合、その日のうちに届けられる可能性があります。 手数料は無料か安く抑えられる 銀行を介さず送金できるため、送金手数料はかかりません。海外送金にかかる手数料の目安は前述の通り数千円程度です。ビットコインであれば、データ1バイトあたりの単価をもとに自分で手数料を設定できます。急いでいない場合は、手数料を設定せず送金することも可能です。いずれにせよ、銀行を利用するよりも、安く済むことが多いでしょう。ただし、取引所を利用する場合は、取引所が決定した所定の手数料がかかります。 年中いつでも取引ができる 24時間365日、いつでも好きなときに取引できる点も魅力です。株式取引のように、平日の決まった時間しか取引できないなどの制限はありません。仕事や家事で忙しい人でも、ライフスタイルに合わせた取引が可能です。また、取引時間の関係でチャンスを逃してしまうことも少ないでしょう。 両替不要で世界のどこでも使える 国内・国外を問わず、ビットコインでの支払いを認めている店舗があります。このような店舗では、現金・クレジットカードと同じようにビットコインで代金を支払えます。したがって、海外旅行の際に日本円を現地通貨へ両替するなどの手間はかかりません。ただし、支払にあたりスマートフォンと通信環境が必要になります。海外で使用する場合は、ポケットWi-Fiや海外用の定額プランをはじめとする通信環境を用意しておかなければなりません。 ビットコイン(BTC)のデメリット ビットコインには、いくつかのデメリットも存在します。中でも注意したいポイントは以下の3点です。 価格の変動が激しいので大きな損害が出る場合がある 注目を集めているビットコインですが、その市場は完全に成熟していません。また、通貨当局による介入も期待できません。したがって、値動きの幅は、株式などよりも大きくなる傾向があります。以上の特徴があるため短期間で大きな利益を期待できますが、同様の理由で想定される損失も大きくなります。ハイリスク・ハイリターンな投資になるといえるでしょう。 ビットコイン取引における危険性とリスク回避のための10のポイント 即時決済が難しいケースがある 即時決済できないケースがあることも、押さえておかなければなりません。ビットコインで取引を行うと、正当性を検証する作業が行われます。ここで正当性を認められた取引が台帳に記録されるのです。したがって、着金をすぐに確認できるわけではありません。通常は10分程度の時間がかかります。ただし、事業者指定のウォレットを使用すれば即時決済を実現できます。決済に用いる場合は、その方法を確認しておくとよいでしょう。 使える決済サービスがまだ少ない ビットコインの普及を受けて、一部の事業者はビットコイン決済を導入しています。具体的には、小売店・旅行代理店・飲食店などで導入が進んでいます。ただし、決済に利用できる店舗は、まだ限られているといえるでしょう。大手を中心に一部店舗が対応しているだけです。現状のところ、ビットコインだけで日常生活を送ることはやや難しいかもしれません。 ビットコイン(BTC)ではどんなことができる? ビットコインは、さまざまな用途に利用できます。代表的な用途として以下のものがあげられます。 【用途】 資産運用 NFT購入 送金 決済 公共料金支払い 一部の取引所は、公共料金の支払いに対応したサービスをスタートしています。便利なだけでなく、一定の割引を受けられる点が魅力です。また、近年では、ビットコインを法定通貨に採用する国も登場しています。2021年にエルサルバドル、2022年に中央アフリカ共和国が採用しました。想像以上に用途は幅広いといえるかもしれません。 ビットコインの取引に関わる法改正 日本国内では、ビットコインを含む仮想通貨取引に関する法整備が進んでいます。2017年に改正資金決済法が施行されたことにより、国内の仮想通貨交換事者は金融庁への登録が必要になりました。また、利用者を保護するため制度的な枠組みを整備するとともにマネーロンダリングなどを防ぐため口座開設時の本人確認も義務づけられています。 2020年には、流出リスクに備えて顧客の仮想通貨を安全性の高い方法で管理することを義務付ける、広告・勧誘規制を整備する、カストディ業者に対し仮想通貨管理に関する規制を適用するなどの法改正が行われています。仮想通貨に関連するデリバティブ取引を金商法の規制対象に追加した点も見逃せません。これにより、関連する事業者は第一種記入商品取引業登録が必要になりました。 これらのほかにも、さまざまな法改正が行われています。以前よりも取引しやすい環境になっているといえるでしょう。 ビットコイン(BTC)の価格推移 ビットコインの価格は激しく変動しています。2010年にピザ購入の対価として支払われたビットコインは10,000BTCです。以降、取引所や決済サービスが続々と誕生し、ビットコインの価格は上昇します。2013年のキプロスショックを受けて1BTC=120,000円程度まで上昇しました。その後、マウントゴックスの破綻などを受けて低迷期に入ります。2015年1月時点における価格は1BTC=20,000円程度です。 以降、上下を繰り返しながらも価格は上昇を続けます。2017年12月時点の価格は1BTCあたり2,500,000円程度です。しかし、よい時期は長く続きません。ビットコインバブルの崩壊を受けて2018年12月には1BTC=400,000円程度まで下落します。同様に、悪い時期も長くは続きません。世界各国の中央銀行が大規模金融緩和を実施したことを受けて、2020年12月には1BTC=4,000,000円に迫ります。2021年も上下を繰り返しながら上昇を続け、11月には1BTC=7,600,000円程度を記録します。その後、アメリカの金融引き締めやロシアのウクライナ侵攻などを受けて、売り圧力が強まり2022年12月時点で1BTC=2,200,000円程度まで下落しました。 過去の価格推移を振り返ると、ビットコインは法定通貨のリスク管理に用いられている側面があると考えられます。 ビットコイン(BTC)の日本円のレートの決まり方 前述の通り、ビットコインの価格は需給関係で決まります。この点は日本円のレートも例外ではありません。具体的には、取引所で取引が成立した価格が日本円のレートになります。したがって、レートは取引所により異なることがあります。ただし、これを狙った取引が行われているため、取引所間の価格差は早いタイミングで埋まるといえるでしょう。 また、日本円のレートは米ドルからも影響を受けます。米ドルが売られると日本円のレートは上昇、米ドルが買われると日本円のレートは下落する傾向があるのです。ただし、必ずしもこの通りに動くわけではありません。 ビットコイン(BTC)の発行量と半減期について ビットコインの価格に大きな影響を与えているのが発行量と半減期です。これらについて改めて解説します。 発行量は決まっている ビットコインの発行量はあらかじめ2,100万枚にプログラミングされています。これ以上、発行されることは基本的にありません。上限が決まっている理由は、希少価値を生み出し仮想通貨として存続させるためです。 半減期 ビットコインはマイニングに成功すると新規発行されます。マイニングは、ブロックを作成する取り組みといえるでしょう。報酬として受け取れるビットコインは、ブロックが21万回生成されるごとに半分になります。これを半減期といいます。半減期が訪れるタイミングは4年に1回が目安です。ちなみに、2009年時点で50BTCだったマイニングの報酬は、2020年時点(3回目の半減期)で6.25BTCまで減少しています。 ビットコイン(BTC)の将来性 ビットコインはすべての取引を公開しています。また、正当性を検証された取引だけを台帳に記録する仕組みです。ユーザー同士の監視により不正を防いでいるため、信頼性・セキュリティとも高いと考えられています。社会の理解が深まれば、現在よりも多くの投資家から注目を集める可能性があります。 すべてのプログラムを公開している点も見逃せません。一定の知識などがあれば、決済サービスはもちろん、ビットコインを使ったゲームなども開発できます。社会のインフラとして浸透する可能性があるため、将来は明るいと考えている方も多くいることでしょう。 ビットコイン(BTC)の購入に必要な資金額 2023年2月時点におけるビットコインの価格は1BTC=3,000,000円程度です。これほど多くの資金を用意できないと考える方は多いでしょう。幸いなことに、仮想通貨交換業者は1ビットコイン以下の取引を行っています。具体的な最小購入単位は事業者で異なりますが、0.0001BTC程度から購入可能です。1BTC=3,000,000円であれば、0.0001BTCは300円になります。以上に加え、取引手数料、入金手数料、出金手数料などがかかります。 ビットコイン(BTC)の購入方法 最後に、ビットコインの購入方法を紹介します。 暗号資産取引所に登録する 取引条件などを確認したうえで、気になる仮想通貨取引所に登録して口座を開設します。基本的には、メールアドレスを登録してから本人確認を行うことになるでしょう。具体的な方法は事業者で異なりますが、本人確認書類として運転免許証・マイナンバーカードなどの提出を求められます。 銀行振込で日本円を入金する 開設した口座に、取引で使用する日本円を入金します。入金方法も事業者で異なります。銀行振り込みのほか、コンビニ振り込みなどを用意しているところがあります。 ビットコインを購入する 販売所または取引所でビットコインを購入します。販売所は事業者からビットコインを購入する方式、取引所はユーザー間で売買を行う方式です。前者の魅力は仕組みがわかりやすいこと、後者の魅力は手数料が安いことです。 ビットコインはいくらから買える?利益に繋がる購入方法もチェック 初心者が暗号資産を始めるならビットコインがおすすめ この記事では、ビットコインを購入する前に押さえておきたいポイントを解説しました。ビットコインは、2008年にサトシ・ナカモトが投稿した論文をもとに誕生した仮想通貨です。現在取引されている仮想通貨は、ビットコインの仕組みを応用しているものが少なくありません。ビットコインは仮想通貨の中心的な存在といえるでしょう。このことは、ビットコインが仮想通貨の基軸通貨として採用されていることからもわかります。ビットコインで他の銘柄を購入できるうえ、アルトコイン(ビットコイン以外の銘柄)はビットコインに交換してから円やドルなどに換金することになります(一部の例外はあります)。以上のほかにも、世界中のどこでも使えるなど、ビットコインには多彩なメリットがあります。仮想通貨の取引を始めたい方におすすめです。
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2023/02/18Discord(ディスコード)の使い方を解説 | 仮想通貨の便利ツールを活用する
この記事では、仮想通貨関連の情報収集に欠かせないツールであるDiscord(ディスコード)の特徴や、使い方、情報集のやり方などについて解説します。 この記事のポイント 仮想通貨関連の情報収集に役立つツール「Discord(ディスコード)の概要 Discord(ディスコード)の仮想通貨コミュニティの特徴 Discord(ディスコード)の使い方や情報収集のやり方の解説 CRYPTO TIMESの公式Discordコミュニティ「boarding bridge」はこちら 仮想通貨の情報収集ツール Discord (ディスコード) とは? 「Discord(ディスコード)」はチャットや通話ができるコミュニティツールで、 スマホやPCで無料で利用することができます。 無料(有料プランもあり)でありながら豊富なコミュニティ機能が利用できるため、今では仮想通貨関連のコミュニティが広く発達しており、情報収集には欠かせないツールのひとつとなっています。 スマホとPCともに日本語に対応しているため、誰でも気軽にはじめやすいツールです。 Discord(ディスコード)の各種リンク 公式ホームページ discord.com 日本語公式Twitter @discord_jp ダウンロード iOS / Android / macOS / Windows / Linux Discord (ディスコード) の仮想通貨コミュニティの特徴 Discord(ディスコード)における仮想通貨関連コミュニティの特徴を3つに分けて説明します。 ① AMAや勉強会に参加できる Discord(ディスコード)のコミュニティでは、あらゆるプロジェクトのAMAや勉強会が頻繁に開催されています。 「AMA」とは? "Ask Me Anything"の略で、仮想通貨関連プロジェクトの運営者や開発者に対して直接質問ができるライブ配信イベントのこと。 運営者や開発者に対して直接質問ができる機会は滅多にありませんので、参加者にとっては興味のあるプロジェクトについて深く知るために貴重な機会となります。 また、勉強会が開催されることで、コミュニティ全体の理解度や情報感度の向上も期待できます。 ② 様々な特典やキャンペーンの情報が集まる あらゆるSNSやアカウントを横断して情報収集するのは骨が折れますが、Discord(ディスコード)のコミュニティでは様々な情報が一箇所に集まるため、効率良く情報収集ができます。 様々なプロジェクトの特典(ギブアウェイやエアドロップなど)や各種キャンペーンに関する情報も多く共有されています。 ③ 草コインの情報が多い Discord(ディスコード)のコミュニティは草コインの情報収集がしやすいという強みもあります。 主要プロジェクトに比べて情報収集に手間がかかる草コイン情報も、コミュニティに参加することで効率的に収集することができるでしょう。 おすすめの仮想通貨コミュニティ「boarding bridge」 より質の高い情報を入手したい、知識向上に努めたい、という方におすすめのDiscordがCRYPTO TIMES公式コミュニティ「boarding bridge(ボーディング・ブリッジ)」です。 先日、boarding bridgeで行われたエアドロップキャンペーンでは、総額最大6500万円のAccess Protocolというプロジェクトのトークンが配布されるなど、情報収集だけでなく様々な機会が得られます。 総額最大6500万円が配布 | CRYPTO TIMES公式コミュニティに$ACSエアドロップが実施 boarding bridgeのおすすめポイント! 参加者1万人以上の日本を代表するWeb3.0コミュニティ 様々なプロジェクト、エアドロップ、AMAや勉強会に関する情報や、リサーチコンテンツなど多数共有 より質の高い情報に効率良くリーチでき、コミュニティメンバーの知識向上を図る環境 Discordの利用も、コミュニティへの参加も、もちろん無料です。 ぜひ一度のぞいてみてください(コミュニティへの参加方法は使い方の箇所で説明しています)。 boarding bridgeの各種リンク Twitter @bb_jpdao Discord discord.com/invite/boarding-bridge Medium medium.com/boarding-bridge 暗号通貨/WEB3.0専門メディア『CRYPTO TIMES』がDiscordコミュニティ『boarding bridge』を公式コミュニティとして統合 Discord (ディスコード) の始め方 ここからはDiscord(ディスコード)の始め方について解説します(例としてiOS版アプリを使用します)。 1.Discord公式サイトのダウンロードページ<discord.com/download>にアクセスし、アプリをダウンロード 2.アプリを開き、登録が済んでいない場合は「登録」、登録済みの場合は「ログイン」をタップ(ここでは登録から進めます) 3.電話番号またはメールアドレスどちらかを選択し入力したら「次へ」をタップ(つづく) 4.SMSまたはメールで届いた確認コードをアプリに入力し、「認証」をタップ 5.ユーザー名(ニックネーム)とパスワードを入力し、「次へ」をタップ 6.誕生日を入力し「アカウント作成」をタップ 7.指示に従ってアカウント認証を進める これでDiscordへの登録は完了です。 Discord (ディスコード) の使い方 次にDiscord(ディスコード)の基本的な使い方について解説します。 サーバーに参加して情報収集する Discord(ディスコード)での情報収集の基本は、興味のあるコミュニティのサーバーに参加することになります。 そのため、まずはサーバーに参加することから始めましょう。 サーバーに参加するには招待URLが必要ですが、これは各コミュニティ(もしくはプロジェクト)の公式サイトや公式SNSなどに記載されていることが多いので、興味のあるサーバーを検索してみましょう。 招待URLがわかったら、以下の手順でサーバーに参加します(例として先にご紹介した「boarding bridge」のサーバーに参加してみます)。 1.参加したいサーバーの招待URLをタップする(boarding bridgeの場合はTwitter<@bb_jpdao>の概要欄にURLの記載あり) 2.Discordが開くので、参加するサーバーを確認してから「招待を受ける」をタップ 3.サーバーが表示されたら参加完了 これでサーバーへの参加は完了です。 基本的な機能や画面の説明 サーバーに参加できたら、そこで共有される情報に触れることができるようになります。 そこで、基本的な操作に必要となる機能や画面についても簡単に確認しておきましょう。 ・・・ まずはDiscordを開いて左上のメニューアイコン(≡)をタップすると、下の画像のようなメニュー画面になります。 以下、画像に記された番号に対応した箇所の説明です。 ① ダイレクトメッセージ:メッセージの確認/開始 ② サーバーリスト:参加しているサーバーの表示/切り替え(複数参加している場合はここで切替可能) ③ サーバー名:表示中のサーバーの情報 ④ チャンネル:現在表示中のサーバーのチャンネルリスト ⑤ ホーム:表示中のチャンネルに戻る ⑥ フレンド:フレンドリスト表示、フレンドリストからメッセージ/通話の開始、フレンド追加が可能 ⑦ 検索:参加しているサーバーやそのチャンネルの検索 ⑧ 通知:参加しているサーバーやそのチャンネルの通知の確認 ⑨ アカウントメニュー:アカウントの詳細や各種設定の確認/変更 次に、特定のチャンネルを開いたときの画面については以下の通りです。 ① チャンネル名:表示中のチャンネル名 ② サーバー内検索 ③ タイムライン:そのチャンネルでのやりとりや共有内容が表示されている ④ メッセージの送信 ⑤ 絵文字/GIF/スタンプの送信 ⑥ その他:写真の送信、スレッドの開始、コマンドの入力...など ⑦ 特定のメッセージを長押し→様々なリアクションが可能(返信/スタンプ/メンション...など) 基本的な機能や画面についての説明は以上です。 【小技】英語チャットを日本語翻訳する(PCブラウザ版のみ) Discord(ディスコード)で海外のサーバーに参加して広く情報収集したい方もいらっしゃるかと思いますが、英語に不慣れな方にとってはなかなかハードルが高いということもあるかもしれません。 そんなときは、PCブラウザ版にてChrome拡張機能<Google Chrome™の右クリックを有効にする>を追加することで、テキストを日本語翻訳することが可能になります。 1.Chrome拡張機能<Google Chrome™の右クリックを有効にする>を追加する 2.ブラウザ右上の拡張機能アイコンから、追加した拡張機能をクリックしONにする(下記画像を参照) 3.ブラウザ版Discordにて、右クリック>「日本語に翻訳」をクリック これで英語に不慣れな方でも海外のサーバーからより情報収集がしやすくなります。 Discord (ディスコード) の利用に際して注意すべきこと 詐欺には常に警戒する Discord(ディスコード)では世界中のコミュニティに参加し幅広く情報収集できることが可能ですが、その一方、あなたの資産を狙う詐欺のリスクの存在を常に警戒する必要があるでしょう。 見ず知らずのユーザーから送信されたダイレクトメッセージや、無料で仮想通貨を配布するといった内容には、とくに注意すべきでしょう。 どのようなリスクがあるかを把握し、自らの身を守る術を心得ておく必要があります。 仮想通貨のスキャム(詐欺)とは? | 事例と対策を紹介 プライバシー設定の変更を検討する 詐欺被害のリスクを軽減するひとつの方法として、Discord(ディスコード)のプライバシー設定の基準を引き上げることを検討してみてもよいでしょう。 Discordアプリを開き、アカウントメニュー(右下のアイコン)をタップ 「プライバシー・安全」をタップ 表示されるプライバシー設定の中から、以下の変更を検討してみましょう。 * ダイレクトメッセージの警戒レベル→「安全第一」に変更 * サーバーにいるメンバーからのダイレクトメッセージを許可する→OFFにする * 知らない可能性のあるサーバーメンバーからのDMを有効にする→OFFにする * 発見の権限(他のユーザーが電話番号/メールアドレスであなたを追加できる)→OFFにする まとめ 仮想通貨関連の情報収集に欠かせないコミュニティツールであるDiscord(ディスコード)について解説しました。 自分の興味関心に会ったコミュニティに参加して、知識や情報感度の向上を目指し、より良いクリプトライフをおくりましょう。 Daichi boarding bridgeもぜひ一度のぞいてみてくださいね!
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2023/01/22Uniswap NFT 使い方完全ガイド | 今すぐ始める方法と注意点
中央集権型取引所に対する懸念の高まりに伴い注目を集めているDEX (分散型取引所) ですが、最大手のUniswap (ユニスワップ) は2022年11月にNFT取引機能をローンチし話題となりました。 この記事ではUniswapのNFT取引機能の使い方や注意点について解説します。 UniswapのNFT取引機能でできること Uniswap (ユニスワップ) のNFT取引機能の使い方は? Uniswap (ユニスワップ) のNFT取引で注意すべきことは? Uniswapの概要や基本的な使い方については以下の記事で解説しています。 分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説 Uniswap (ユニスワップ) のNFT取引機能の使い方 Uniswapのブログによれば、同プラットフォームのNFT取引機能では主に以下のことができます。 UniswapのNFT取引機能でできること NFTの購入/販売 複数の主要マーケットプレイスにまたがるアグリゲーター機能による適正価格の実現 主要マーケットプレイスに比べ最大15%程度のガス代削減 また、2022年11月30日の発表時点では、Uniswapがサポートするマーケットプレイスは以下の通りです。 OpenSea, X2Y2, LooksRare, Sudoswap, Larva Labs, X2Y2, Foundation, NFT20, NFTX 2023年1月にはUniswapの1ヶ月間のNFTトレードボリュームが日本円で約4.5億円に達したとの報道もあり、その注目度合いをうかがい知ることができます。 Uniswapについては下記の記事でも詳しく解説しています。 分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説 それではさっそくNFT取引機能の説明に進みましょう。 事前に必要なもの NFT取引を始める前に、まずは以下のものを準備しておきましょう。 事前に必要なもの ウォレット・・・MetaMask, Coinbase Wallet, WalletConnectに対応 イーサリアム(ETH)・・・ガス代の支払いに必要 まだウォレットを持っていないという場合は、下記の記事を参考にメタマスクを作成してみてください。 MetaMask(メタマスク)の使い方まとめ!入出金・トークン追加も超簡単 取引所の登録解説記事 bitFlyer(ビットフライヤー)の登録方法 Coincheck(コインチェック)の登録方法 BITPOINT(ビットポイント)の登録手順 GMOコインの登録方法まとめ! OKCoinJapan(オーケーコイン・ジャパン)の登録方法 ウォレット接続 事前に必要なものが揃ったら、最初に以下の手順でウォレットの接続を行いましょう。 1.uniswap.orgにアクセスし、右上の「Launch App」をクリック 2.画面右上の「接続」をクリック 3.接続したいウォレットを選択 ウォレットが接続されたら、右上にウォレットのアドレスが表示されているはずです。 これでウォレットの接続は完了です。 検索 ウォレットが接続できたら、さっそく気になるNFTコレクションを検索してみましょう。 1.画面左上のタブから「NFT」をクリックし、画面上部の検索窓にキーワードを入力して該当するコレクションをクリック 2.クリックしたコレクションの情報とNFT一覧が表示され、①フィルターによる絞り込み、②並び替え(価格順やレアリティ順)、③名前(No,等)での検索 が可能 3.個々のNFTの詳細を確認したい場合は「Details」をクリック UniswapのNFTアグリゲーター機能ではOpenSeaやX2Y2、LooksRareなどに出品されているコレクションをまとめて表示してくれます。 そのため、複数の主要マーケットプレイスにまたがった網羅的な検索をワンストップで実行することが可能です。 NFTの購入方法 気になるコレクションが見つかったら、以下の手順で購入することができます。 1.①NFT一覧から購入したいNFTをクリック、もしくは②NFT詳細画面から「Add to Bag」をクリックし、NFTをバッグに追加 2.画面右上のバッグのアイコンをクリックし、内容を確認後、「支払い」をクリックして決済手続きへ進む ここで言う「バッグ」とは、通販サイトのカートと同じものです。 「支払い」をクリック後は、接続済みウォレットでの取引の確認を要求されます。トランザクションが通れば購入完了となります。間違ったNFTを購入しないよう注意してください。 NFTの販売方法 NFTの販売を行いたい場合は、以下の手順で出品しましょう。 1.画面右上のウォレットアドレスをクリックし、表示されるメニューから「NFTの閲覧と販売」をクリック 2.所有しているNFTの一覧が表示されるので、販売したいNFTをクリック(個々のNFTの詳細情報を確認したい場合は「Details」をクリック) 3.画面右側の「売る」リストの内容を確認し、「Continue」をクリック 4.①価格の入力、②出品先マーケットプレイスの選択、③出品期間の設定 を終えたら、「Start Listing」をクリックし、ウォレットでの確認・承認を進めます。 なお、NFTの出品にはガス代 (トランザクション手数料) が必要となります。 ウォレット接続解除 最後にウォレットの接続を解除しましょう。 1.画面右上のウォレットアドレスをクリックし、表示されるメニューから、電源ボタンのアイコンをクリック(アイコンにマウスカーソルを重ねると「接続を解除/Disconnect」と表示される) 2.画面右上にウォレットアドレスが表示されていない(「接続/Connect Wallet」と表示されている)ことを確認 これでウォレットの接続解除が完了です。 その他 ここではその他の使い方や役立つ設定について紹介します。内容は下記のものを解説していきます。 言語変更 ランキング イーサスキャンへの遷移 言語変更 Uniswapは日本語に対応していますので基本的にはデフォルトで日本語表示となっていると思われますが、必要な場合は以下の方法で言語設定を変更できます。 画面右上のウォレットアドレスをクリック 表示されるメニューから「言語」をクリック 任意の言語を選択 ランキング NFTコレクションのトレンドランキング (1位〜100位) を確認することも可能です。 画面左上のタブから「NFT」をクリック 少し下にスクロールすると「Trending NFT collections」が表示される ①期間の切り替え や ②価格表示の切り替え も可能 イーサスキャンへの遷移 イーサスキャンへの遷移も以下の手順で簡単にできます。 画面右上のウォレットアドレスをクリック 表示されるメニューから、外部サイトへの矢印アイコンをクリック(アイコンにマウスカーソルを重ねると「探検/Explore」と表示される) NFT取引の注意点 Uniswapに限った話ではありませんが、このようなマーケットプレイスの利用や取引には様々なリスクが存在しており、NFT取引を狙った盗難や詐欺の被害は後を絶ちません。 とくに中央管理者がいないDEX (分散型取引所) においては、自分の身は自分で守ることが必要不可欠です。 盗難・詐欺の手口やその被害の例は数多く、すべてを紹介することはできませんが、一例として以下のようなものが挙げられます。 NFT取引に潜むリスクの一例 ・身に覚えのないApproveを承認してしまったことで資産を盗難される ・偽物のNFTを購入してしまい詐欺的行為に遭う 2020年〜2022年にかけてのNFT盗難被害額は現在の価値で約1,200億円にものぼるとの報道もありました。 このような被害に遭わないよう、リスクを理解し、自分の身を守る術を把握しておく必要があるでしょう。 仮想通貨やNFTにまつわる詐欺の種類とその対策については下記の記事で解説しています。 仮想通貨のスキャム(詐欺)とは? | 事例と対策を紹介 まとめ この記事ではUniswap (ユニスワップ) でのNFT取引機能の使い方を解説しました。 直感的なインターフェースに加え、複数のマーケットプレイスでのNFT売買をワンストップで行えるUniswapは、今後も注目の存在となりそうです。 Daichi NFTの取引がはじめてという方にもぜひ一度体験してみてもらいたいですね! 分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説
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2023/01/03【安全対策】Phantom Wallet(ファントム ウォレット) のリボークの概要とやり方を解説
Phantom Wallet(ファントム ウォレット)では、接続を行ったサイトへの承認をリボーク(取り消す)できます。 サイトへの承認をリボークすることで、潜在的な詐欺やトラブルのリスクを回避することが可能です。 そのため、Phantomを利用している方は、利用方法や必要な背景をしっかりと押さえておきましょう。 本記事では、そんなPhantomのリボークの概要・やり方・必要な背景などについて解説しています。 Phantomとリボーク(Revoke)の概要 Phantomは、Solanaのトークンを管理できるウォレットです。 Phantomで、何らかのサイトに接続すると、承認の画面が出てくることに気付くはずです。 上記の過程を通して、さまざまな承認をサイトに対して行うことになります。 例えば、Raydiumに接続してみると、以下のような項目に対して、承認を行うことになります。 ウォレットの残高とアクティビティの表示 トランザクションの承認に対するリクエスト 上記のような承認は、ウォレットを用いたさまざまなアクションに必要になり、一般的な手順です。 その一方で、接続先が悪意を持ったサイト・アプリであった場合は、ウォレットがリスクに晒される可能性があると言えます。 Phantomでは上記のようなリスクに備えて、サイト・アプリを接続後に削除(リボーク/Revoke)することが可能であり、ウォレットを安全に保つ上で重要なアクションになっています。 Phantomでリボークを行う方法 前述したような背景から、怪しいサイトに接続してしまった場合などは、積極的・迅速にリボークする必要があります。 Phantomで、接続の承認を与えたサイト(Trusted Apps)をリボークする手順は以下のとおりです。 左上のアイコンへ 「Trusted Apps(信頼済みアプリ)」へ 任意のサイト、アプリの項目から「Revoke(取り消し)」へ Solanaエコシステムを頻繁に利用しており、Phantomの利用頻度が高い方は定期的にリボークしていきましょう。 また、仮にリボークを行ったとしても、再度利用したいときに接続しなおすことで、同じ状態に戻すこともできます。 Phantomでリボークが必要な理由 これから、Phantomでリボークが必要な理由とその意味についてもう少し詳しく解説していきます。 Phantomとリボークについて理解を深めていきましょう。 リスク管理のために必要 Phantomの公式FAQでは、信頼し接続したサイト・アプリのリボークについて、以下のような旨の文言が確認できます。 「秘密鍵、リカバリーフレーズを渡していないかぎり、アクセス許可が取り消された後は安全」 悪意や脆弱性のあるサイト・アプリに接続した場合、リボークをすぐに行うことで、リボーク後は安全であるとしています。(左記はあくまでPhantomの見解です) 上記のような背景を考慮すると、何らかのトラブルに遭遇した場合はすぐにリボークを行うことで、何も行わずそのままの状態でいるよりも被害を食い止められる可能性があります。 ハッキング・トラブル・詐欺といった現象が起こりがちな昨今の現状を加味すると、どのようなサービス・プロダクトであっても普段からこまめにリボークしておくのが最も安全性が高い方法と言えるかもしれません。 実際にリボークが推奨された事例 過去に、Solanaエコシステムで大規模なハッキング(Solana系のウォレットから資金が流出)が発生したことがありました。 この際に、複数の著名なSolana系のサービス・機関から、信頼されたアプリのリボークを推奨する発信が確認できました。 https://twitter.com/MagicEden/status/1554620084831674370?s=20&t=kz_oims8zBmYjVRLUUaFXw 最終的に、リボークは直接的には関係がない(秘密鍵情報が流出した)ものであると判明したものの、リボークが推奨された状況を考慮すると、何かあったときにまず取り組みたい対策であると言えるでしょう。 ガス代は掛かりませんし、リボーク後も再度接続が可能であることを考慮すると、コストパフォーマンスの高い対策です。 リボークが全てを解決する訳ではない 信頼されたサイト・アプリに対するリボークは、気軽に行えて効果の高いセキュリティ対策ですが、全てを解決する訳ではありません。 例えば、既に実行されたものを取り消す、削除するといったことはできません。 そのため「トークンが何らかの形で盗まれてしまった」といった場合に、リボークを用いて今後の被害を食い止められる可能性はありますが、一度盗まれてしまったトークンを取り返すことは困難です。 また、秘密鍵、シードフレーズ・リカバリーフレーズを流出するといったトラブルの場合は、サイトに対するリボークを行ったとしても解決しません。 上記のようなケースでは、新たにウォレットを作成し、新たなウォレットにトークンを転送するといった対応が必要になります。 Phantomでリボークを行う基準・目安 これまでPhantomのリボークについて解説しましたが、リボークを行う基準・目安について解説していきます。 以下のようなケースは、リボークを行うのがおすすめです。 URLがおかしいサイト コミュニティが存在しない、アクティブではないプロダクト 知名度が低く、危険性・詐欺などの可能性が判定できないようなプロダクト 直近でハッキングなどのトラブルがあったプロダクト 長期間利用していないプロダクト NFTのミントやドロップ目的など使用頻度が高くないサイト そもそも、信頼性の低いサイトやアプリには接続しない方がベターです。 まとめ この記事では、Phantomのリボークについて解説しました。 Phantomのリボークは、ガス代なども掛からず、気軽に行うことができます。 まだ、利用したことがないという方は、積極的にPhantomのリボークを行っていきましょう。 【安全対策】メタマスク Revoke(リボーク)の概要と方法
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2022/11/05仮想通貨のステーブルコインとは?種類や今後について解説
仮想通貨ユーザーにとって必要不可欠な存在とも言えるステーブルコイン。 先日、EUやシンガポールでステーブルコインに関する制度をより明確化していくことが発表されるなど、その注目度はこれまで以上に増しています。 本記事ではそんなステーブルコインについて解説していくので是非最後までご覧ください。 この記事のポイント ・ステーブルコイン = 価格変動を抑えた仮想通貨 ・ステーブルコインは実用性を持っている ・ステーブルコインの種類は4種類 ・ステーブルコインにはメリットとデメリットがある ・今後の発展には法整備が重要 CRYPTO TIMESの公式Youtubeチャンネルでも、ステーブルコインについて取り上げているのでこちらも併せてご覧ください。 ステーブルコインとは?=価格変動を抑えた仮想通貨 ステーブルコインとは、他の資産にペッグ(=紐付け/連動)されることでボラティリティ(=価格変動)が抑えられた仮想通貨です。 名前にもある「ステーブル(stable)」とは「安定した」という意味なので、まさにその意味する通りの特徴というわけですね。 ステーブルコインの発行者は、基本的にその価値と同額の資産(米ドルや金など)を担保として保有しなければなりません。 ステーブルコインの価格はその担保を裏付けに決定される仕組みであるため、価格の暴落などが起きにくく、より安定性に優れた設計となっています。 なぜステーブルコインが注目されるのか? 従来の仮想通貨の課題 ビットコインをはじめとする従来の仮想通貨は、その価値を裏付ける担保がないため価格変動が激しい(=ボラティリティが高い)という特徴があります。 仮想通貨の価格の暴落などがニュースに取り上げられることも少なくないので、なんとなく不安定なイメージを持つ方も多いことでしょう。 こうした不安定な特徴により、従来の仮想通貨は投機的な保有の傾向が強くなり、決済手段としてなどの「実用性」に欠けていると考えられてきました。 そこで考え出されたのが、より安定的かつ実用的な仮想通貨としてのステーブルコインだったのです。 ステーブルコインの「実用性」 従来の仮想通貨の不安定さという課題に対し、ステーブルコインは安定性に優れているという点は先にも簡単に触れました。 この安定性こそが、通貨としての「実用性」につながると考えられています。 価格の変動が激しくない(=ボラティリティが低い)通貨であれば、資産として長期保有もしやすく、決済手段としても利用しやすいと考えられます。 日常生活でも利用される米ドルや金を担保とすることで価格変動が抑えられるため、ステーブルコインはより安定性と実用性に優れた仮想通貨と考えられているのです。 4種類のステーブルコイン ここからはステーブルコインの種類について解説します。 ステーブルコインは下記の2つの観点で、4つの種類に分類されます。 資産を担保にしているか どのような資産を担保にしているか ① 法定通貨担保型 引用:Tether 法定通貨担保型はその名の通り、実際に利用されている法定通貨(ドル、ユーロ、円など)を担保に発行されるステーブルコインです。 発行者はステーブルコインと同額の法定通貨を保有することが求められ、それによってステーブルコインの信頼性を維持しています。 一点、USDTを発行するTether社の準備金に関して、米国財務省短期証券がその多くを占めていることが分かっている点は留意しておく必要があります。 しかし、後述のステーブルコインと比較しその安定性から現在最も主流なステーブルコインとも言えます。 法定通貨担保型の代表的な例 Tether(USDT) TrueUSD(TUSD) USD Coin(USDC) JPY Coin(JPYC)・・・1JPYC=1円として利用できる日本円ステーブルコイン ② 仮想通貨担保型 引用:MakerDAO 仮想通貨担保型もその名の通り、仮想通貨(ビットコインやイーサリアム)を担保に発行されるステーブルコインです。 仮想通貨はボラティリティ(価格変動性)が高いため、法定通貨担保型と比べると安定性や信頼性に欠けてしまいます。 仮想通貨担保型の代表的な例 DAI ③ 商品担保型(コモディティ型) 引用:Tether Gold 商品担保型(コモディティ型)は、金や原油などの現物の商品の価値を担保に発行されるステーブルコインです。 とくに金は経済が不安定な状況においてもその影響を受けにくく、価値が安定している資産のひとつとして知られています。 代表的なステーブルコインはTether Gold(XAUT)、Digix Gold(DGX)があります。 商品担保型の代表的な例 Tether Gold(XAUT) Digix Gold(DGX) ④ 無担保型(アルゴリズム型) 引用:Terra 無担保型(アルゴリズム型)は、通貨や商品による担保は行われず、アルゴリズムによって価格の安定を図る手法です。 この手法では、別途用意されたトークンの供給量をアルゴリズムによって自動調整することで、価格の変動を抑える仕組みとなっています。 仮想通貨担保型の代表的な例 TerraUSD(UST) TerraUSD(UST)は2022年5月のディペッグ騒動(後述)による価格暴落でも知られており、この一件で無担保型の信頼性に対する懸念は強まる傾向にあります。 【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察 ステーブルコインの3つのメリット ステーブルコインの特徴についてはすでに触れましたが、ここではステーブルコインのメリットをさらに細かく見ていきます。 ボラティリティが低く価格が安定する ステーブルコインは法定通貨などの比較的安定した資産を裏付けに発行されるため、ボラティリティ(価格変動性)が低く、通貨の価格が安定しやすいという特徴があります。 そのため、決済手段など、日常的な実用性に優れると考えられます。 このような普及例はまだあまりないのが現状ですが、仮想通貨を法定通貨とする国の事例が増えてきているように、今後の発展次第では実現の可能性もあると言えるでしょう。 比較的安全な資産保有手段になる 前述の通り、ステーブルコインは暴落リスクが低いという特徴があります。 そのため、従来の仮想通貨に比べ、資産の保有手段としてもより安全性が高いと言えます。 また、資産保護・運用の観点からもポートフォリオに積極的に組み込むことを考えられるでしょう。 資産の一部が暴落した場合のリスクヘッジや、資産の避難先としても活用可能です。 また、今後の発展次第では、外貨預金に代わってステーブルコインによる預金などが普及する可能性もあるかもしれません。 低コストかつスピーディーな送金が可能 ステーブルコインは法定通貨に紐付いていますが、ブロックチェーン上で送金できます。 そのため、より低コストかつスピーディーな送金が可能です。 一方、クロスボーダー取引など国境を越える法定通貨の国際送金の場合、各国の決済システムの違いなどからより多くの時間や手数料を要してしまいます。 ステーブルコインを活用することで、より安価で迅速な国際送金が可能になります。 ステーブルコインの3つのデメリット 価格の安定性が注目されがちなステーブルコインですが、理解しておかなければいけないリスクも存在します。 セキュリティや詐欺のリスクはゼロではない 法定通貨などとの紐付けによって安心・安全のイメージが先行しがちなステーブルコインですが、ブロックチェーン上の仮想通貨であるという点では他と変わりはありません。 そのため、ハッキングなどのセキュリティリスクもあります。 また、担保となる資産の存在を謳いながらも、実際にはそのようなものはないという詐欺の可能性も考えられます。 セキュリティや詐欺に対しては他の仮想通貨と同じく対策・注意が必要です。 暴落するリスクがある(実例あり) 引用:CoinMarketCap ステーブルコインは価格の安定性に定評があるとはいえ、暴落するリスクもゼロではありません。 上の画像は、2022年5月に米ドルに連動するステーブルコインであるUST(TerraUSD)の価格がディペッグ(=連動通貨との価格レートが乖離)する事態となり、結果的に暴落してしまった際のチャートです。 【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察 ステーブルコインといえども暴落リスクはあると理解しておくことが必要であり、過信は禁物です。 各国当局による規制の可能性がある 前述の2022年5月のUST暴落などをふまえ、ステーブルコインの規制強化に関する議論が高まっています。 ステーブルコインはマネーロンダリングなどの犯罪に使用されるリスクも指摘されており、日本では2022年6月に世界に先駆けてステーブルコインを規制する法律が初めて成立しています。 2022年10月には金融安定理事会(FSB)がステーブルコインの脆弱性を指摘しつつ、規制指針の見直しを行うことを提案しました。 このように、現在世界中でステーブルコインの規制強化が進められていると言えます。 今後もし国際的に規制が強化された場合、ステーブルコインの新規上場の減少、ビジネスの撤退なども懸念されます。 もしそうなってしまえば、ステーブルコインの価値そのものが大きく下落してしまう可能性もあるでしょう。 ステーブルコインの今後 最後にステーブルコインの今後の将来性とリスクについて整理してみたいと思います。 将来性:法定通貨担保型を中心に決済手段として普及するか ステーブルコインはボラティリティ(=価格変動性)が低く、価格が安定しやすいことから、投機的な側面が強い現在の仮想通貨市場において特徴的な存在だと言えます。 また、仮想通貨の特性上、低コストかつスピーディーな送金が可能であるため、とくに日常生活における決済手段としての普及が期待されます。 ただし、無担保型はUST暴落によりその信頼性が疑問視されているため、もし普及するとすればやはり法定通貨型が中心となると考えられます。 とはいえ、ステーブルコイン全体に対する規制強化の動きがあるため、普及が期待できるとすればその法整備の先となるのではないでしょうか。 リスク:進む規制強化の波で停滞か、はたまた衰退か 普及が期待される利点がありながらも、UST暴落などによって世界中でステーブルコインに対する規制強化の波があることを説明しました。 ステーブルコインの実用化には期待したいところですが、とはいえ実用化のためには先に法整備が必須となるでしょう。 今後は各国当局の監視も強化されるとすれば、新規上場などの停滞も考えられます。 また、規制強化や法整備の結果によっては市場からのビジネスの撤退を招く可能性もあり、そうなれば市場の停滞に留まらず、衰退につながってしまう恐れもあります。 いずれにせよ、今後のステーブルコインを取り巻く規制の動向に注目する必要があるでしょう。 まとめ ステーブルコインには従来の仮想通貨の課題を克服する可能性があるものの、まだまだ発展途上のためその脆弱性が浮き彫りになることもあり、直近のUSTディペッグ騒動もそのひとつと言えます。 仮想通貨への規制が進められる中で、日本では世界に先駆けて初めての法整備が行われました。 実用化にはまだ遠いかもしれませんが、今後の国内外の法整備も含め、ステーブルコインの未来に注目していきましょう。 CT Analysis第20回レポート『ステーブルコインの概要と現状 動向調査レポート』 Daichi ステーブルコインの実用性には可能性を感じる一方、その普及のためにはやはり法整備は避けては通れない道だと感じます。
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2022/10/29仮想通貨のハッキングとは?手口や実際の事件、対策方法を紹介
全体の時価総額が1兆円を超えるなど成長を続ける仮想通貨市場では日々様々なイノベーションが起きています。 その一方でハッキング事件も多発しており、2022年に発生したRonin Networkの事件では約700億円超が盗難されました。 仮想通貨や関連サービスを使う上で、あなたの資産を守るための知識は必要不可欠となります。 本記事では、仮想通貨のハッキングについて下記観点で解説していくので是非最後までご覧ください。 この記事のポイント 仮想通貨のハッキングとはどのようなものか? どのような手口があるのか? 実際にあったハッキング事件は? ハッキング被害から身を守るための対策は? 仮想通貨のハッキングは資産の流出を招く 仮想通貨のハッキングとは、主にハッカーによって取引所や個人ウォレットなどに不正にアクセスされる行為を指します。 不正にアクセスされるとその取引所や個人ウォレットの資産を自由に送金できることになるので、結果的に資産の盗難・流出に発展します。 また、昨今ではブリッジやDeFiのシステムの穴をついた資金流出も多く発生しており、その方法も多岐にわたるため注意が必要です。 仮想通貨には銀行のような中央管理者はいませんので、誰かが資産を守ってくれるということは基本的にありません。 「ここに預けておけば絶対安心」ということはなく、常にハッキングのリスクと隣合わせであると考えたほうがいいでしょう。 ハッキングの主な手口 では、具体的にどのようなハッキングの手口があるのでしょうか。 ここでは、ハッキングの対象別に3つに分けて説明します。 取引所に対するクラッキング 仮想通貨のハッキングと聞いて真っ先に思い浮かぶのはこのタイプではないでしょうか。 従来の「中央集権型取引所(CEX)」では、取引所内に自分のウォレットを作成する必要があったため、取引所がハッキング(クラッキング)に遭った場合は自分の資産も流出してしまうリスクがありました。 クラッキングとは? コンピュータネットワークに繋がれたシステムへ不正に侵入したり、コンピュータシステムを破壊・改竄するなど、コンピュータを不正に利用すること(引用:Wikipedia) 国内でも取引所のハッキングによる資産流出事件が相次ぎ、金融庁による規制や法整備が進むこととなりました。 また、現在ではCEXの課題の克服を目指した「分散型取引所(DEX)」も主流となっています。 ブリッジやDeFiに対するハッキング 近年増加傾向にあるのがブリッジプロトコルやDEXなどのDeFiで発生するハッキングです。 2022年には、バイナンスのブリッジが攻撃を受け約830億円(当時)が引き出されました。 Solana上のDEX「Mango Markets」では、不正な価格操作が行われ約146億円(当時)の資金が流出しています。 ブリッジやDeFiに対するハッキングはそれぞれ方法が異なり、ユーザーが事前に対処できる点が少ないため、対策をとるのが難しい領域でもあります。 一般的な投資や運用と比較して、多くの利益が望める仮想通貨ですが、その分多くのリスクを孕んでいることを忘れないようにしましょう。 個人資産の盗難 取引所から大規模な資産が流出するのとは対照的に、個人のウォレットにある資産の盗難を目的とするものもあります。 とくに気をつけたいものとして、フィッシングとマルウェアの2つを取り上げます。 フィッシング 仮想通貨だけには限りませんが、フィッシングによる個人情報の抜き取りには要注意です。 フィッシングとは? インターネットのユーザから経済的価値がある情報を奪うために行われる詐欺行為(引用:Wikipedia) フィッシングの手口は実に様々ですが、一例として以下のような手口が考えられます。 利用中のサービスを名乗るアドレスからメールを送信し、本文に記載のURLから偽サイトに誘導、ログインを促してログイン情報を詐取する。 ある企業の公式SNSアカウントを乗っ取り、偽サイトへ誘導するURLを投稿、偽サイト上でパスワード入力を促して詐取する。 実在のウェブウォレットにそっくりな偽サイトを作成し、Google検索のリスティング広告として表示させ、検索によって誤って流入するユーザーに対してシードフレーズ入力を促して搾取する。 マルウェア また、マルウェアなどによる脅威も見逃せません。 マルウェアとは? 不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称(引用:Wikipedia) 仮想通貨関連のアプリやサイトなどにはマルウェアが仕込まれている危険性があり、PCやスマートフォンなどのデバイスが感染してしまう恐れがあります。 また、メールなどで送信されてきたURLにアクセスしたり、添付ファイルを展開したりすることで感染してしまうパターンもあります。 マルウェアに感染してしまうことで、個人情報窃取や、端末の遠隔操作など、様々な被害に遭うリスクが考えられます。 実際に起きた有名なハッキング事件 ハッキングの手口をご紹介したところで、取引所を標的としたハッキング被害の実例として過去にあったとくに有名な事件についてご紹介します。 Mt.Gox(マウントゴックス)事件 2014年3月、日本に拠点を置く仮想通貨取引所であったMt.Gox(マウントゴックス)がハッキングを受け、大量のビットコインが流出しました。 これが取引所に対する初の大規模ハッキングであり、その被害額はおよそ4億7000万ドル、ビットコインを対象とした被害額では現在も最大規模となっています。 この事件は当時国内でも大きく報道され、これによって「仮想通貨=危ない」というイメージを植え付ける要因となったのではないでしょうか。 Coincheck(コインチェック)のNEM流出事件 2018年1月、同じく日本に拠点を置く大手取引所であるCoincheck(コインチェック)がハッキングを受け、5億3200万ドル相当ものNEM(XEM)が流出しました。 ハッキングによる被害額としては、国内に拠点を置く取引所では最高額となっています。 そこから約1年後の2019年にはコインチェックは仮想通貨交換業者として認可登録されています。 金融庁がCoincheck(コインチェック)を仮想通貨交換業者として正式登録!ハッキング事件から実に約1年 Roninブリッジの流出事件 2022年3月、人気ブロックチェーンゲーム「アクシーインフィニティ」のサイドチェーンを開発するRonin Networkが手掛けるRoninブリッジで、700億円超の仮想通貨が流出しました。 上記事件では、約17万ETHと約2500万USDCが流出し、額が大きいことから記録的なハッキング事件として話題となりました。 アクシーインフィニティの開発会社であるSky Mavisはハッキングの被害を受けたユーザーに対して全額償還を行うと約束しています。 ハッキングから資産を守るための6つの対策 では、ハッキングから身を守るためには何が必要なのでしょうか。 ここからは具体的に実行できる対策を6つ紹介します。 個人情報の管理を徹底する パスワードや秘密の質問の答え、シードフレーズなどの管理は、以下のような点に注意して徹底しましょう。 個人情報管理のポイント 他人が予想しにくい文字列にする 複数サービス/サイトで使い回さない オンラインで保管しない 二段階認証を利用する 個人情報をネットワーク接続のあるデバイス内やクラウドメモなどに保管することは、常にハッキングの標的になり得るということですので、絶対にやめましょう。 紙に書くなどのオフラインでの保管を行い、金庫を活用するなど紛失対策も工夫しましょう。 また、二段階認証を利用することで不正アクセスのリスクを一定引き下げることができます。 二段階認証の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。 二段階認証アプリのメリットから設定方法まで詳しく解説! ハードウェアウォレットを利用する 仮想通貨をオンラインの取引所やウォレットに預けておくことは、ハッキングのリスクと隣り合わせであることを意味します。 そのため、資産をオフラインで保管できるハードウェアウォレットを利用しましょう。 ハードウェアウォレットについての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。 【ハードウェアウォレットの特徴・メリット】仕組みから簡単に解説 また、CRYPTO TIMESでは他にも様々なウォレットの使い方解説やレビュー記事を用意していますので、ぜひご覧ください。 資産を分散して保管する ひとつのウォレットで資産を一括管理していた場合、もしそこがハッキング被害に遭ってしまうと資産をすべて失いかねません。 そのため、資産を複数のウォレットに分散して保管しましょう。 資産の保管場所を分散させることで、ハッキングによるリスクも同様に分散させることができます。 セキュリティが充実している取引所を選ぶ 強固なセキュリティ対策が充実している取引所を選ぶことも、ハッキング対策のひとつです。 様々な取引所が存在しますが、そのなかから選択するうえでひとつの基準になるポイントを一例としてご紹介します。 取引所選びのポイント 金融庁に認可登録されている・・・金融庁HP 暗号資産関係の「暗号資産交換業者登録一覧」から確認できる コールドウォレットを採用している・・・インターネット接続から切り離されたウォレットに保管することで、ハッキングリスクを一定引き下げる 二段階認証を採用している・・・不正アクセスのリスクを一定引き下げる 怪しいURLや添付ファイルには触れない 怪しいメールアドレスや、SNSの投稿、SMSやDMなどのメッセージから送信されたURLや添付ファイルには決して触れないようにしましょう。 これらのURLや添付ファイルにはフィッシングやマルウェア感染のリスクが潜んでいることがあります。 また、実在のサービスやサイトを模倣したウェブサイトが、Google検索のリスティング広告に紛れ込んでいることもあります。 そのため、よくアクセスするウォレットや取引所などはブックマーク登録し、ブックマークからアクセスすることで、リスクを回避するようにしましょう。 おいしい投資案件は警戒する(もしくは乗らない) おいしい話には何か裏がある、ということはよく言われますが、これは仮想通貨の世界でも同じことです。 高配当を謳う投資案件や、買いを煽るような文言にはまず警戒しましょう。 また、相当な経験や知識がない限り、そのような話には乗らないのが得策でしょう。 絶対的な対策はないからこそ、自分の資産は自分で守る意識を 仮想通貨のハッキングについて解説してきましたが、残念ながら絶対に安心できる対策というものは存在しません。 ハッキングやその他の被害のリスクは常にそこにあり、ゼロになることはないでしょう。 だからこそ、自分の資産は自分で守るという意識を持つことが大切です。 Daichi 自分の利用状況やスタイルにあった対策を見つけられると良いですね!
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2022/10/23シードフレーズとは? | 管理方法、秘密鍵との違いを解説
この記事ではシードフレーズの概要や重要性、保管方法やその注意点について解説していきます。 シードフレーズについて以下のような疑問をお持ちの方はぜひ最後まで御覧ください。 この記事のポイント シードフレーズってなに?なぜ大切なの? シードフレーズはどうやって保管する?注意するべきことは? シードフレーズとは? シードフレーズとはウォレットが生成する12〜24個の単語からなる文字列のことで、ひとつのウォレットに対してひとつのシードフレーズが生成されます。 また、シードフレーズは使用するウォレットによって「リカバリーフレーズ」や「ニーモニックフレーズ」などと呼び方が変わることもあります。 このシードフレーズを使用することで、そのウォレットに関連付けられた暗号資産の「秘密鍵」にアクセスすることができます。 秘密鍵とは、暗号資産の所有者証明、管理するための鍵(機密データ)のことです。 秘密鍵はシードフレーズとは違って、BTCやETHなどの個々のブロックチェーン規格ごとに違うものが生成されます。 シードフレーズと秘密鍵 シードフレーズ・・・ウォレットに保管されている秘密鍵にアクセスするための文字列 秘密鍵・・・所有している個々の暗号資産(NFT含む)の所有者証明、管理に必要な鍵 つまり、暗号資産の送金に必要な秘密鍵を一元管理しているウォレットへのアクセスを可能にするものがシードフレーズということになります。 シードフレーズ、秘密鍵ともに漏洩、紛失は厳禁なものとなっていますので、しっかりと管理をしてください。 ここまでの内容をふまえて、シードフレーズとそれに関連するものを以下のようなイメージで捉えるとわかりやすいかもしれません。 POINT・秘密鍵・・・個々の暗号資産の所有者証明、管理に必要なパスワード ・ウォレット・・・秘密鍵を保管する金庫 ・シードフレーズ・・・金庫そのもののパスワード(=マスターパスワード) シードフレーズはなぜ重要なのか? 秘密鍵は個々の暗号資産の送金に必要なパスワードであり、シードフレーズは秘密鍵を保管するウォレットのマスターパスワードのようなものだと説明しました。 では、もしもシードフレーズが他者に知られてしまうとどうなるでしょうか? シードフレーズを知り得た他者は、あなたのウォレットに保管されている個々の暗号資産の秘密鍵を見ることができるようになります。それはつまり、他者があなたの暗号資産を自由に送金できることを意味します。 そのため、シードフレーズを盗まれることは、すべての暗号資産を盗まれることとほぼ同義だということです。 仮想通貨(ビットコイン)における秘密鍵とは?|Crypto Times また、仮に他者に知られていないとしても、シードフレーズを紛失してしまった場合はどうでしょうか? シードフレーズは紛失してしまうと再発行はできません。そのため、ウォレットの復元ができなくなってしまいます。 ハードウェアウォレットが故障してしまった場合でもシードフレーズさえわかれば復元が可能ですが、シードフレーズがわからないとなると復元する方法はありません。 そのため、シードフレーズの紛失は、すべての資産を失うことにつながる危険性があります。 以上のように、シードフレーズの漏洩・紛失は資産を守るうえでは死活問題であり、シードフレーズはすべてのユーザーにとって非常に重要なものなのです。 POINTシードフレーズの漏洩・紛失により、すべての暗号資産を失う危険性がある! シードフレーズの保管方法は? ここまではシードフレーズの概要を説明しながら、その保管の重要性をお伝えしてきました。 では、具体的にどのように保管するのが良いのでしょうか。 シードフレーズの保管において注意すべき点について解説します。 紙に書き写して保管する シードフレーズは流出やハッキングのリスクを避ける観点では、オフラインで保管するのが最も安全といえます。 そして、オフラインでの保管方法として最も簡単な方法が、紙に書き写すことでしょう。 この方法は手軽ですぐに実践できるという点で良いですが、物理的に紛失・盗難・損傷・劣化するリスクは高いため保管場所に要注意です。 すこし手間がかかりますが、保管場所は自宅の金庫や外部の貸金庫などを検討したほうが良いかもしれません。 どこに置いたか忘れてしまった、家族が誤って捨ててしまった、うっかり濡らしてしまった、火事で焼失してしまった…などなど、様々なリスクが考えられるためです。 また、シードフレーズを分割して複数に分けて保管することも、セキュリティの観点では一定の効果がありそうです。 紙に書き写す方法はハッキングからの保護としてはより安全ですが、一方で保管に手間がかかるものでもあります。 紙に書き写して保管する ▼メリット ・手軽ですぐに実践できる。 ・ハッキングなどのオンラインでの流出の心配がない。 ▼デメリット ・紛失・盗難・損傷・劣化などのリスクがつきまとう。 ・金庫などに保管すればより安心だが、手間がかかる。 暗号化されたハードウェアに保管する デジタルかつオフラインで保管する方法としては、暗号化されたハードウェアでの保管が挙げられます。 最近では、情報漏洩対策として自動で暗号化する機能や、耐衝撃性を有するハードウェアなども販売されています。 ハードウェアの場合でも紛失・盗難のリスクはありますが、暗号化されていればシードフレーズが流出する心配は一定軽減されそうです。 また、ハードウェアの場合は紙と違って、紛失・盗難に加えて故障するリスクもありますので、複数のバックアップを用意しておくことがより重要になるかもしれません。 紙と同じく紛失・盗難や故障のリスクもあることから、こちらも金庫に保管することも考えられます。 デジタルで保管できる点は紙よりも利便性に優れるかもしれませんが、紙と同じく保管に一定の手間がかかってしまうかもしれません。 暗号化されたハードウェアに保管する ▼メリット ・デジタルで保管できて手軽。 ・暗号化されているため紛失・盗難の場合も流出を一定阻止できる。 ▼デメリット ・紛失・盗難に加えて故障のリスクがある。 ・複数のバックアップを用意しておくとより安心だが、手間がかかる。 ・金庫などに保管すればより安心だが、手間がかかる。 シードフレーズ保管専用アイテムを購入する シードフレーズを打ち込んで保護するチタンケースや、シードフレーズを簡易的に暗号化して格納するスチールカプセルなど、様々なシードフレーズ保管専用アイテムが販売されています。 CRYPTOTAG Cryptosteel 最強のコールドウォレットと名高いCryptosteel(クリプトスティール)とは? こうしたアイテムを使用すれば、損傷・劣化などのリスクを避け、長期的な保管が可能になりそうです。 さらに、金庫などでの保管と組み合わせることで、さらに強固な保管体制を実現できそうです。 一方、他の保管方法と比べると費用がかさんでしまうでしょう。 シードフレーズ保管専用アイテムを購入する ▼メリット ・損傷・劣化などのリスクを避け、長期保管がしやすい。 ・金庫などでの保管と組み合わせることで、さらに強固に。 ▼デメリット ・費用がかさんでしまう。 完璧な保管方法は存在しない!自分に合った方法を検討しよう 絶対に安全な保管方法というものは存在しません。 先に述べた4つの保管方法でもわかるように、セキュリティ(安全性)とユーザビリティ(利便性)はトレードオフの関係にあります。 これまで挙げたもの以外にも様々な保管方法がありますが、どのような方法にもメリットとデメリットが存在し、リスクはゼロになることはないでしょう。 そのため、扱う資産額、必要になる費用、手間と利便性などを考え、自分にあった保管方法を検討しましょう。 また、ひとつの保管方法だけを試すのではなく、いくつかの異なる保管方法を併用することでリスクヘッジするのもひとつの方法かもしれません。 初心者がやりがちな失敗!保管の注意点は? シードフレーズの保管に際して、とくに気をつけるべき点について説明します。 保管場所は明確に! いくら堅牢堅固な保管方法を採用したとしても、その保管場所を忘れてしまっては万事休すです。 どこかに大切に保存したことは覚えているけど、どこに保存したんだっけ…?なんてこと、日常ではしばしば起きることではないでしょうか。 書き写しておいたのにどこにしまったのか忘れてしまったというケースは多く、とくに世界的に有名なものにステファン・トーマス氏の悲劇があります。 Stefan Thomas has two guesses left to figure out a password that is worth about $220 million. He is one of the many people who are locked out of their Bitcoin fortunes, with an estimated $140 billion in lost or otherwise stranded digital wallets.https://t.co/thdHaixBq8 — The New York Times (@nytimes) January 12, 2021 米国サンフランシスコ在住のプログラマーであるトーマス氏は10年ほど前に仕事の報酬をビットコインで受け取っており、そのビットコインはデジタルウォレットに保管し、そのプライベートキーを別のハードディスクに保存したとのこと。 その後ビットコインの価値は高騰し、トーマス氏の保有していたビットコインはいつの間にか2億ドル以上(報道当時)にまでなっていたそう。 ところがなんとトーマス氏、大切なプライベートキーを保存したハードディスクのパスワードを書いた紙を紛失してしまったのです…! このような悲劇に見舞われないよう、保管場所については自分ならばわかるような明確な場所にしておきましょう。 オンラインでの保管はNG! 先にも述べたように、シードフレーズの保管はオフラインで行うというのが基本です。 ついつい手軽なスマホやPC、暗号化されていないドライブやクラウドなどに保管してしまいがちですが、それでは流出やハッキングのリスクと常に隣り合わせの状態です。 また、ソフトウェアウォレットMetaMaskの公式ツイッターでも、iPhoneユーザーに対してiCloudによるバックアップをオフにするよう注意喚起をしています。 🔒 If you have enabled iCloud backup for app data, this will include your password-encrypted MetaMask vault. If your password isn’t strong enough, and someone phishes your iCloud credentials, this can mean stolen funds. (Read on 👇) 1/3 — MetaMask 🦊💙 (@MetaMask) April 17, 2022 その他にも、オンラインで保管していたことが一因となって資産を失ってしまった事例がSNSで数多く報告されています。 「まさか自分が…」と油断せずに、必ずオフラインでの保管を徹底しましょう。 入力を求められたら要注意! 暗号資産を取り扱っていると、シードフレーズの入力を求められる場面も出てくるでしょう。 そんなときは入力する前に一呼吸置いて、安全なサイトやサービスであるかどうか必ず確認するようにしましょう。 ネット上ではシードフレーズやその他の情報を抜き取ろうとする詐欺が横行しています。 その手口は実に様々で、他のサービスを名乗ってシードフレーズを求める偽物のサイトや、アンケートと称して入力を促すもの、公式アカウントに似せた偽アカウントを使用してDMでアプローチしてくるものなどがあり、今後も新たな手口が増えていくことでしょう。 MetaMaskの公式ツイッターでも、MetaMaskを模倣した偽サイトへの注意喚起を行っています。 🎣🚨 Phishing warning? 🎣🚨@Google is allowing a phisher to buy sponsored ads on their search results. When using crypto, try to use direct links, and if you need to use search, watch out for sponsored links! pic.twitter.com/Fx4WArcH80 — MetaMask 🦊💙 (@MetaMask) December 2, 2020 その内容としては、Google検索のリスティング広告のなかにも詐欺サイトが含まれる事例があるとのことで、対策としてダイレクトリンクからのアクセスを推奨しています。 このように、シードフレーズを抜き取る詐欺の手口は日々巧妙化しています。 慣れてきてからが一番危ないと言いますが、シードフレーズの入力を求められたらサイトの安全性をしっかりと確認するクセをつけましょう。 まとめ シードフレーズの概要とその重要性、保管方法とその注意点について解説してきました。 暗号資産の世界はまさに日進月歩ですので、常に情報収集を行い、保管方法をアップデートしていくことも大切です。 安心・安全な暗号資産管理のためにも、シードフレーズの重要性を理解し、適切な保管を徹底しましょう。 シードフレーズ、秘密鍵の管理は完全に自己責任になります。ご自身の資産状況に合わせて管理方法を検討してください。
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2022/10/19PolygonScan(ポリゴンスキャン)とは?概要や使い方を解説
PolygonScanは、Polygonのブロックチェーンで発生したさまざまなイベントをチェックできるツールです。 トークンの追加や、トランザクションの状況をチェックするといった用途はもちろん、リサーチにも応用できるツールになっています。 Polygon利用者なら一度は、チェックしてみたい存在であると言えるでしょう。 この記事では、そんなPolygonScanの概要から利用例、使い方について解説しています。 PolygonScanとは?=Polygonチェーンの中身が見れるツール PolygonScanは、Polygonのさまざまな情報を閲覧できるツールです。 具体的には、Polygonのブロックチェーン上の情報を閲覧・確認できるツールとなっており、さまざまなリサーチや自身のウォレットの状況を確認する際などに利用できます。 トランザクションの内容などを詳細に確認できるので、DeFiの利用に伴い重宝する存在です。 送金やDeFiを活用した運用など、何らかの形でPolygonScanのブロックチェーンを利用する方であれば、利用する機会が多いでしょう。 PolygonScanを利用するメリット・利用例 PolygonScanを利用するメリット・利用例について、以下の観点から解説していきます。 ・ブロックチェーンの状態を観察する ・ウォレットやトランザクションの内容を確認する ・何らかのアクションを加える ・プロジェクトのリサーチに活用する PolygonScanの利用例などから、PolygonScanの活用方法をご紹介していきます。 ブロックチェーンの状態を観察する PolygonScanは、Polygonのブロックチェーンのトランザクション、コントラクト、トークンなどの情報を網羅的に閲覧できます。 また、PolygonScan上の情報は、PolygonScanの利用状況に応じてリアルタイムに更新されており「現在/過去にPolygonで何が起こっているのか?」をチェックできます。 ブロック・トランザクションに関するトピックだけでも、例としてPolygonScanでは以下の点が確認できます。 Polygonの過去のトランザクション、ブロックの総量や直近の動向 ガス代の状況と直近でガスを消費しているアカウントや契約 最新のブロックとバリデーター 最新のトランザクションとそれに伴うガス代や使用されたブロック 上記はあくまで一例で、同様の情報がトークンやコントラクトに関してもチェック可能です。 また、上記のような情報は、PolygonScan以外のブロックチェーンのエクスプローラーでも応用できるポイントです。 上記のような点をチェックすることで「ブロックチェーンがどのくらい利用されているのか?どのくらいの需要があるのか?」といった点もチェック可能ですので覚えておきましょう。 Polygonは比較的普及しているブロックチェーンのため、直近の数分間だけでも多数のトランザクションが確認できます。 一方で、利用されていない・普及していないエクスプローラーの場合は、Polygonのようにアクティブなトランザクションが確認できないケースも少なくありません。 ウォレットやトランザクションの内容を確認する PolygonScanでは、前述したような情報が閲覧可能なため、自身のウォレットやそのトランザクションなども閲覧できます。 つまり「自身のウォレットの利用状況・履歴」が全て閲覧可能になるのです。 具体的には、以下のような点がチェックできます。 アドレスの保有しているMATIC 保有しているMATIC以外のトークンと価格 過去の全てのトランザクション履歴 各トークンごとのトランザクション トランザクションで実行した内容やコントラクト 送付先のアドレス トランザクションに対するガス代 また、上記のような情報は、自身のウォレット・アドレス以外でも閲覧できます。アドレスを入力する or トランザクションの履歴から辿ることによって、他のアドレスにおいても同様の情報が閲覧可能です。 上記は自身のアドレスに関する情報も、PolygonScanを通して第三者から閲覧できることを意味するので覚えておきましょう。 何らかのアクションを加える PolygonScanでは、ブロックチェーンやウォレットに関する情報のみならず、何らかのアクションを加える場合や、PolygonScanをソースに何らかのアクションを行う際のツールとしても応用できます。 例えば、「トークンに対する承認を削除する」、「トークンを追加する際のアドレスをチェックする」といった利用方法です。 上記のようなアクションは、Polygon上に構築されたプロダクトの利用などに伴って必要となることが多いです。 プロジェクトのリサーチに活用する PolygonScanは、前述したような情報を閲覧できるため、プロジェクトのリサーチにも活用できます。 例えば、PolygonScanでは各トークンの上位保有者(アドレス)が保有しているトークンの金額や転送履歴などがチェック可能です。 そのため、上位保有者の動向(例えば、運営・財団など)などをチェックすることで、詐欺のリスク下げられる可能性もあります。 もしも、購入を検討しているトークンに、保有者が著しく偏っている状況や怪しい取引履歴などが観測できた場合、リスクが高い可能性があるかもしれません。 *上記はあくまで仮説なので各プロジェクト・トークンに対しては別途詳細なリサーチを推奨します。 PolygonScanの使い方 PolygonScanの使い方について、以下の観点から解説していきます。 ・Polygon全体の状態を確認する ・PolygonScanでウォレットの履歴などを閲覧 ・PolygonScanを利用してトークンを追加 PolygonScanの使い方をマスターしていきましょう。 Polygon(ポリゴン)・Matic Networkとは?概要や特徴、使い方を解説 Polygon全体の状態を確認する Polygonチェーンの全体の状況を、PolygonScanからチェックする方法をご紹介していきます。 PolygonScanへ 「Resources」から「Charts & Stats」へ 各チャートを確認する (クリックで詳細を確認可能) 各チャートはトランザクションの動向やアドレスの総数など、Polygon全体の利用状況が表示されています。 注目したいチャートのそれぞれの意味は、以下のとおりです。 「Daily Transaction Chart」= デイリーのトランザクション数 「ERC-20 Daily Token Transfer Chart」= ERCトークンが転送数 「Unique Addresses Chart」= ユニークなアドレス数 「Average Block Size Chart」= 平均的なブロックサイズ (ブロックのデータの大きさ) 「Average Block Size Chart」= 平均的なブロックタイム (ブロックがブロックチェーンに追加されるまでの時間) 「Average Gas Price Chart」= ガス代の平均 上記チャートを確認して「Polygonの全体の利用状況はどうなっているのか?」といった点をチェックしていきましょう。 PolygonScanでトランザクションの履歴を閲覧・ダウンロードする方法 次に、PolygonScanで自身のウォレット(アドレス)の履歴を、閲覧・ダウンロードする方法をご紹介していきます。 PolygonScanでアドレスを入力 (自身のアドレスはMetaMaskなどのウォレットからチェック可能) 過去のトランザクションなどをチェック スクロールして「CSV Export」からダウンロード可能 「Txn Hash」からトランザクションの詳細もチェック可能 前述したとおり、入力したアドレスの履歴をチェック可能なので、自身のウォレットのみならず、リサーチしたいアドレスを入力することで各情報を閲覧可能です。 また、トランザクションの詳細を表示した際の項目は、以下のような意味を表しています。(チェックしたい項目から抜粋) 「Transaction Hash」 : トランザクションのハッシュ 「Status」:トランザクションの状況 「From」:転送元などのアドレス 「To」:コントラクトと転送先のアドレス 「Value」:トランザクションで動いた価値 特にトランザクションが上手く通らないときなどに、チェックしたいのが「Status」です。 「Status」にて「Success」と表示されていない場合は、トランザクションが保留・待機中か、失敗している可能性があるので注意しましょう。 PolygonScanを利用してトークンを追加する ウォレットにてトークンが表示されない場合は、トークンのコントラクトアドレスを取得してウォレットに追加する必要があります。 以下の手順で、PolygonScanからアドレスを取得し、ウォレットにトークンを追加していきましょう。 PolygonScanで追加したいトークン調べる 「Contract」からアドレスをコピー MetaMaskを開いて「トークンをインポート」へ アドレスをペースト 「カスタムトークンを追加」から「トークンをインポート」へ また、トークン追加の際に調べたPolygonScanの画面から、以下のような項目でさまざまな情報が閲覧可能です。 「Transfer」:過去の転送履歴 「Holders」:アドレスごとの保有数と% 「Info」:トークンに関する簡易的な情報 上記のようなトークン周りの情報を活用して、リサーチも行っていきましょう。 まとめ この記事では、PolygonScanについてさまざまな観点から解説しました。 PolygonScanのようなエクスプローラーは、トランザクションの履歴を取得したりトークンの追加で重宝しますが、そのような用途に限りません。 リサーチなどにも応用できる便利なツールなので、Polygonのブロックチェーンを何らかの形で利用している方は、是非積極的に利用してみてください。 最後まで読んでいただきありがとうございました。 CT Analysis 『PolygonによるzkRollup Polygon zkEVM解説レポート』を無料公開
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2022/10/18メタマスク(MetaMask)でのBNBチェーン(BSC)への接続方法を解説
代表的なウォレットであるMetaMaskでは、イーサリアムはもちろん、BNBチェーン(BSC)上のプロダクトを利用できます。 しかし、デフォルトのネットワーク設定ではイーサリアム関連のプロダクトやトークンしか扱えません。 MetaMaskでBSC上に構築されたプロダクトを利用するには、予めネットワーク設定を行って、BSCと接続できる状態にしておく必要があります。 本記事では、そんなMetaMaskでBSCと接続するための設定方法や手順について解説しています。 MetaMaskでBSCへ接続する方法 MetaMaskを利用して、BSCに構築されたプロジェクトに接続することは可能なものの、イーサリアムと違ってデフォルトの状態での利用はできません。 BSCに接続する前の段階で、BSCのネットワークを予め追加しておく必要があります。 その際に必要となるBSCへ接続する手順について解説していきます。 接続する前に必要となる準備や、手順などについてチェックしていきましょう。 MetaMaskなどウォレットの事前準備 まず、はじめにMetaMaskなどのウォレットを予め作成しておきましょう。 BSCの利用には複数のウォレットを利用可能ですが、最も代表的なのがMetaMaskです。 ウォレットの作成する自体は数分もあれば完了可能で、PC・スマホのどちらからでも利用可能です。 下記2つの記事で、スマホ or PCのMetaMaskウォレットの作成手順や利用方法を解説しています。 PC MetaMask(メタマスク)の使い方まとめ!入出金・トークン追加も超簡単 スマホ MetaMask(メタマスク)モバイル・スマホの使い方を解説! MetaMaskにBSCの設定を追加する手順 次に、MetaMaskでBSCのネットワーク設定を追加する手順について解説していきます。 以下の手順で、MetaMaskからBSCへ接続できるようにしていきましょう。 MetaMaskを開く 画面上部へ 「ネットワークを追加」へ 必要な情報を入力(*後述) 「保存」へ BSCの接続に伴って必要な情報は以下のとおりです。 ネットワーク名:Smart Chain 新たしいRPC URL :https://bsc-dataseed.binance.org/ チェーンID:56 通貨記号:BNB ブロックエクスプローラーのURL:https://bscscan.com 上記の手順を完了することで、BSC上に構築された各プロジェクトとの接続が可能です。 BSCで利用する仮想通貨の準備 最後に、BSC上に構築されたDeFiなどの利用を検討している方は、予め仮想通貨を準備しておきましょう。 特に準備しておきたいのは、BNBです。 というのも、BSCで取引を行う際はガス代(手数料)の支払いにBNBが必要です。 まだ、BNBを利用していない方は、Binanceなどから購入しておきましょう。 BSCで構築されたプロジェクト例 BSC上に構築された代表的なプロジェクトには、以下のようなものが挙げられます。 PancakeSwap (DEX) Venus (レンディング) Alpaca Finance (Yield) BiSwap (DEX) PinkSale (ローンチパッド) (DeFiLlamaを参考にした2022年10月時点でのTVL上位TOP5) 各プロジェクトは、予めBSCのネットワークを追加したMetaMaskを接続することで、利用することができます。 上記の中でも、TVLランキング2位であるレンディングのVenusについては、以下の記事で解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。 DeFiレンディングプロトコル「Venus Protocol」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! BSCとMetaMaskの接続についてまとめ 本記事では、MetaMaskのBSCの接続方法について解説しました。 BSCはTVLが高いブロックチェーンの1つであり(イーサリアムに次いで2位)、今後も魅力的なプロジェクトが出てくると考えられます。 予め、MetaMaskにBSCを追加しておいて、気になるプロジェクトが出たときにスムーズに利用できる状態にしておきましょう。 メタマスク(MetaMask)の「Portfolio(ポートフォリオ) Dapp」とは?機能や使い方を解説 【安全対策】メタマスク Revoke(リボーク)の概要と方法
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2022/08/18sudoswapの使い方 – NFTをボンディングカーブ上で効率的にスワップできるAMMプロトコル
sudoswap AMMは、2022年7月にローンチされたNFT向けのAMM(自動マーケットメイカー)です。 ETH/ERC20<>とERC721(NFT)の取引を円滑にするプロトコルで、高いガス効率, 流動性効率を実現し、NFTの取引をより円滑に行うことができます。 リリースから1ヶ月強となる現時点でも、ユーザー数・取引高ともに右肩上がりで増加しており、今後ますます注目を集めることが期待されます。 本記事では、sudoswap AMMの概要や特徴, そしてsudoswap AMMの使い方を解説していきます。 また、CT Analysisでも、より詳細にETHとNFTのAMMプロトコルである sudoswapをまとめたレポートをご覧いただけるので、下記リンクよりご確認ください。 CT Analysis 第34回レポート 概要・基本情報 プロダクト名称 sudoswap AMM ローンチ 2022年7月 ウェブサイト sudoswap.xyz/#/ Twitter twitter.com/sudoswap Discord discord.gg/KWHFhVnfue sudoswap AMMは、2022年7月にローンチされたNFTのトレードをより効率的に行うためのプロトコルです。 プロダクト自体は、@0xmons氏, @boredGenius氏, @0xhamachi氏の3名により開発が行われています。 基本的なアイデアとしては、NFTに流動性プールという概念を導入するというもので、カスタマイズ可能なボンディングカーブ上でNFT<>ETHの自動マーケットメイクを実現します。 OpenSeaやLooksRare, Magic Edenなどのプロダクトと比較して、複数のNFTの流動性を予測可能なボンディングカーブ上で管理するため、トレーダーに対してより高い柔軟性を提供します。 一方で、NFTの絵柄等は意識せず、流動性プール内のNFTは全て同等のものとして扱われる点には注意が必要です。 以下では、sudoswap AMMの主な特徴について解説します。 特徴① カスタマイズ可能なボンディングカーブ sudoswap AMMでは、Uniswapのようなボンディングカーブを利用して、NFTの流動性プールが作成されます。 NFTの購入者は、作成された流動性プールのパラメータに基づき、ボンディングカーブ上の価格でETHをNFTとスワップすることができます。 [caption id="attachment_78318" align="aligncenter" width="800"] 筆者作成[/caption] 上記グラフは、Alice, Bobの2人のユーザーが流動性プールの作成時に設定したボンディングカーブの例になります。 カーブは直線・指数曲線から指定することができ、流動性プール内のNFTの価格は、x*y=kのプール内の在庫に応じた価格モデルではなく、あらかじめ指定した価格レンジで推移します。 ボンディングカーブ上の各ポイントは、スワップ時には売り板となるため、実質的にこのボンディングカーブはオンチェーン上のオーダーブックとして機能します。 この仕組みにおいては、レンジを無限に設定するAMMと比較し、一定の価格帯に流動性を集中させることができ、これが流動性効率やガス効率の改善につながっています。 特徴② 取引手数料 sudoswap AMMの手数料は0.5 %に設定されており、これは他のマーケットプレイスと比較しても大幅に低い水準となっています。 sudoswap AMM 0.5%がプロトコルに OpenSea 2.5%がOpenSeaに Magic Eden 2%がMagic Edenに LooksRare 2%がLOOKSステーカーに分配 その他のプラットフォームの手数料スキームに注目すると、LooksRareでは、手数料の分配先に関して透明性がある形でLOOKSステーカーに対して分配が行われますが、OpenSea, Magic Edenでは、プラットフォームに吸収される形となっています。 sudoswapでは、現在はプロトコルに手数料が蓄積される形となっていますが、コントラクト上で透明な形で管理されており、今後sudoswapのトークンがローンチされると、LooksRareのようにインセンティブが付与される可能性も考えられます。 sudoswap AMMの使い方 続いて、sudoswap AMMの使い方に関して解説していきます。 sudoswap AMMでは、NFTを購入するユーザーと流動性プールを作成するユーザーの2種類の参加者が存在します。 まずは、基本的なNFTの購入の方法について解説します。 sudoswap AMMでNFTを購入する方法 sudoswap AMMのトップページに行くと、以下のような画面に遷移します。 画面中央の"View All Collection->(全てのコレクションを見る)"をクリックすると、sudoswap AMM上に作成された流動性プールのコレクション一覧画面に遷移します。 次に、Collections画面から、購入したいNFTのコレクションを選択します。 ここでは、最もリスティング枚数の多いZorbsと呼ばれるコレクションを選択しています。 コレクションを選択すると、以下のように現在作成されている流動性プール内に存在するNFTが価格の一覧で表示されます。 この画面で、購入したいNFTを複数(一つでも可)を選択することで、画面右側のカートにNFTが追加され、購入価格の見積もりが表示されます。 最後に、画面右下の"> sudo swap"をクリックし、Metamaskからトランザクションを承認することで、NFTの購入が完了します。 画像では、5枚のNFTを合計0.166ETHで購入(スワップ)するトランザクションを作成しています。 流動性プールを作成する方法 続いて、流動性プールの作成方法について解説していきます。 sudoswap AMMでは、NFTを出品する際には、個別の出品ではなく流動性プールを作成することで任意の価格を指定するため、出品は流動性プールの作成により行うことができます。 まずは、NFTの購入同様にsudoswap AMMのトップページへと遷移します。 トップページ右上、"Your Pools"をクリックし、その先の画面中央にある"+ Create New Pool"から先に進みます。 NFT側の流動性を作成 "+ Create New Pool"画面に移動すると、以下のような3つの選択肢が表示されます。 ここでは、NFTのコレクションをsudoswapで出品し、流動性プールを作成するため、画面中央の"Sell NFT for tokens"を選択します。 次の画面では、実際にプールにデポジットするNFTのコレクション、そして販売するトークンを選択します。 NFTの選択とETHの選択が完了したら、右下の赤枠から次の画面に進みます。 続いて、特徴①でも紹介したボンディングカーブや、出品価格の選択を行います。 画面は以上のようになっているはずです。 ここでは、以下の4つのパラメーターを、画像赤枠部分で左上から設定していきます。 カーブの最低価格 カーブの種類 Delta(デルタ) NFTの販売数量 今回は、0.02ETHのスタート価格、直線カーブ(Linear Curve)、Delta(デルタ)を0.005ETH、販売数量を10枚で設定していますので、以上の画像赤枠部分と照らし合わせてご確認ください。 Delta(デルタ)は、カーブの傾きであり、直線カーブを選択した場合、流動性プール内のNFTが売れた際、次のNFT価格に付加する金額を指定できます。 このケースでは、画面下のグラフにあるように、NFTがスワップされるごとにプール内のNFT価格は0.02ETHから0.005ETHずつ上昇していきます。 指数曲線のカーブ(Exponential Curve)を選択した場合、Deltaは金額ではなく、販売あたりの価格上昇の%を指定します。 パラメーターの入力方法が若干異なる点に注意しつつ、画面内でさまざまな条件をシミュレートして、条件を比較していくと理解しやすいかもしれません。 ここまで、設定が完了したら、画面右下の"Next Step >"から次の画面に進みます。 ここが最後の画面となります。 画像中央の赤枠で示されている"Select Your NFTs"から、流動性プールに追加するNFTを選択し、最後に"Approve(承認)"を押します。 Approveが完了すると、画像内"Approve"ボタンが"Create Pool(プールを作成する)"に変化するので、ここからトランザクションを作成し、Metamaskで承認することで、流動性プールの作成は完了となります。 画像のケースでは、10枚のNFTをデポジットし、合計0.425ETHで販売するボンディングカーブを設定した流動性プールを作成するトランザクションとなっています。 ETH側の流動性を作成 ETH側の流動性、つまりボンディングカーブ上で買い指値を作る際は、NFTの流動性プール同様に"+ Create New Pool"画面に移動します。 先ほどと同じ画面に遷移するので、ここでは"Buy NFTs with tokens(トークンでNFTを購入)"をクリックし、次の画面へ進みます。 次の画面では、ETH側の流動性を作成するため、"Select Token(トークンを選択)"でNFTの購入に利用するためのETHを選択、"Select NFT(NFTを選択)"で購入したいNFTのコレクションを選択します。 "Select NFT"のドロップダウンに希望のNFTが表示されないケースもありますので、その場合はコントラクトアドレスを直接入力することで、コレクションを特定することができます。 選択が完了したら、次へ進みます。 ここでは、以下の4つのパラメーターを、画面赤枠左上から設定していきます。 カーブの開始価格 カーブの種類 Delta(デルタ) NFTの購入数量 画像では、0.008ETHの開始価格、指数曲線(Exponential Curve)、Delta(デルタ)を5%、NFTの購入数量を10枚として設定しています。 今回は指数曲線を選択しており、このケースにおけるDelta(デルタ)の数値は、1つのNFTを購入するごとに減少する価格の%を表しています。 直線で選択した場合、Delta(デルタ)は増加する価格の値幅を絶対値として指定する一方で、指数曲線におけるDelta(デルタ)はプール内の在庫の変動ごとに%で変動する値幅を指定している点に注意してください。 設定が完了したら次に進みます。 最後に"Create Pool(プール作成)"をクリックし、MetaMaskを通じてトランザクションを作成することで、流動性プールの作成が完了します。 画像のトランザクションでは、ボンディングカーブ上でNFTを購入する10ヶ所の価格を合算した数値である、0.064ETHをデポジットしています。 両サイドの流動性を作成 これまで、NFTをデポジットし流動性プールを作成する方法と、ETHをデポジットして流動性プールを作成する二種類の方法を解説しました。 最後に、これを同時に実施することで、買いと売りのスプレッドから収益を獲得する、両サイドの流動性プール作成方法を解説します。 まず始めに、プール作成画面で、一番右の"Do both and earn trading fees"を選択します。 続いて、流動性プールに追加するNFTコレクションとETHを選択します。選択が完了したら次の画面に進みます。 この画面では、プールの詳細なパラメーターを設定していきます。画像左の赤枠内から見ていきます。 基本的にはこれまで説明してきた内容と同様となりますが、手数料(Fee Amount)の項目が追加されています。 両サイドの流動性を同時に作成することで、開始価格を基準として売りと買いの間にスプレッドを設定し、sudo上でのスワップから収益を獲得することができます。 設定内容は画像の通り下記4点になります。 手数料(スプレッド)の設定 開始価格の設定 カーブの種類の選択 デルタの指定 画像では、開始価格0.01ETH、直線カーブ、デルタ0.0005ETH、スプレッドを2%に設定しています。 ここでの注意点として、購入価格がマイナスに達するようなデルタは設定することができません。 例えば、0.01ETHの開始価格に対して、0.004ETHのデルタを設定すると、3枚購入した時点で購入価格はマイナスとなるため、この条件では2枚までしか買い側の流動性を追加できないことが分かります。 この場合、デルタを小さくするか、ETH側の流動性(購入するNFTの数量)を小さくして、枚数と価格を調整する必要があります。 画面右側では、流動性プールの作成に際して、何枚のNFTの購入/売却を行うかを決定していきます。 全てのパラメーターの設定が終わると、スライダーを利用して、このカーブを採用する流動性プールの作成に必要なコストが自動で算出されます。 画像のケースでは、最大10枚のNFTを合計0.069ETHで購し、最大10枚のNFTを0.122ETHで売却するようなカーブを採用した流動性プールを設定しています。 設定が完了したら次に進みます。 最後に、"Select Your NFTs +(NFTを追加)"から、実際に流動性プールに追加するNFTを選択します。 その後、"Approve(承認)"をクリックし、MetaMaskからトランザクションを作成することで、流動性プールの作成が完了します。 まとめ この記事では、sudoswap AMMの具体的な使い方を紹介しました。 OpenSeaなどのこれまでのマーケットプレイスと異なり、プールを作成してNFTを売却するため、操作に不安を感じられた方もいるかと思いますが、この記事を読んで使い方を理解することができたのではないでしょうか。 ボンディングカーブを採用するNFTの売買のインフラとしてsudoswap AMMは今後一定の地位を獲得する可能性があります。 また、トークン発行の可能性もないとは言い切れず、プロダクトを早い段階で利用しておくことも決して期待値の低くないアクションであると言えます。 新規のプロダクトであり、ハッキング等のリスクもないとは言い切れないため、利用の際はこれらのリスクを十分にご理解の上、少額で行うことをおすすめします。 また、CT Analysisでも、より詳細にETHとNFTのAMMプロトコルである sudoswapをまとめたレポートをご覧いただけるので、下記リンクよりご確認ください。 CT Analysis 第34回レポート