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2018/04/30【CRYPTO TIMES共催イベント】Crypto Media Collection Vol.1「VeChain」講演レポート
先日行われたCRYPTO TIMES共催イベント【Crypto Media Collection Vol.1】のゲスト講演として、VechainのKevin Feng氏が登壇されました。 Vechainは企業レベルのパブリックチェーンやサービスを開発を提供しています。 実際に提供されている(される予定)のサービスについて色々と紹介されましたのでレポートしていきたいと思います! VeChainのユースケース Crypto Media Collection のVeChainの講演内では、VeChainのユースケースに関して幾つか話されました。 ブランドバックを追跡 最初に紹介されたサービスはブランドバックにIoTチップを埋め込み追跡できるというものでした。 このIoTチップには生産情報や流通情報が含まれていて、最終的に消費者が買うまでの流れを消費者自身がアプリケーションで確認することができるようです。 これによって消費者が偽物かどうかを判別できることが可能となるようです。 また、Feng氏は「消費者だけはなくブランドメーカーにも利点がある」と述べていました。 中国では「発注した数と実際に工場で生産される数が違う」という問題がよく生じるそうで、 このサービスを利用すれば、メーカー側が今現在の生産数を把握できるためこの問題を解消することができるようです。 今は実験段階で1500個のカバンにIoTチップを埋めて市場に流しているようで、コラボする予定のブランドメーカーも追ってHPで発表するようです。 ワインを追跡 こちらもブランドバックのように、生産、流通の流れを把握できるサービスを考えているそうです。 高級ワインのボトルのネックにIoTタグを付けて、開封されると壊れる仕組みになっているようです。 こちらのサービスはD.I.Gという輸出会社などとコラボしていると話していました。 自動車のデジタルパスポート こちらのサービスは自動車に関する情報をデジタルパスポートに全て記載するものだとFeng氏は話していました。 運転手の運転習慣や、車の状態、修理記録などを全てブロックチェーン上に記録していくそうで、 これによって保険会社が全ての車の情報が分かりコストの削減が可能となるようです。 また、Feng氏は全ての車の情報が確認することができるため「中古車の価値も高まる」と話していました。 コールドチェーンの物流ソリューション 最後に紹介されたのは、サプライチェーン上の商品の温度を管理できるサービスです。 生産から消費者に商品が届くまでの全ての状態の温度をブロックチェーンに記録することができるそうで、これによって今まで人によって確認されていた作業がカットされてコストを削減できるようです。 VeChainにおける今後の展開 最後にFeng氏はVechainの今後の展開について述べました。 Vechainの目的は実際にブロックチェーン技術を利用して、色々な企業の問題を解決することだそうです。 この目的は順調に進んでおり、次の段階としてパブリックチェーンをリリースして異なる企業、サービス同士を連結させると話していました。 「このパブリックチェーンはガバナンスモデルと経済モデルを大事にしている」とFeng氏は述べており、 ガバナンスモデルに関しては非中央集権と中央集権の特徴、つまり公平と効率のバランスをとったデザインをしているそうです。 また、経済モデルに関しては2つのトークンシステムを導入し(VeChainトークンとVechain Thorトークン)トランザクションコストを調整するようです。 まとめ Vechainでは、ブロックチェーン技術を実際のサービスと連携させて様々な方面で展開されているようですね。 IoTとブロックチェーン技術を融合させる企業としてとても進んでいると思います。 VechainはBMWなどの大きな企業ともコラボレーションしており、今後のVechainの動向は注目です! 以上、【CRYPTO TIMES共催イベント】Crypto Media Collection Vol.1 Vechain講演レポートでした!! 【CRYPTO TIMES共催イベント】Crypto Media Collection Vol.1 イベントレポート
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2018/04/17【CRYPTO TIMES共催イベント】Crypto Media Collection Vol.1 イベントレポート
我々、Crypto Timesの共催イベント【Crypto Media Collection Vol.1】が4月15日に渋谷ヒカリエで行われました。 私、ゆっしも参加してきたのでその内容をレポートしていきたいと思います。 登壇メディアの紹介 CRYPTO TIMES 2018年2月にローンチ。速報性のあるニュースや通貨の情報を提供。海外のプロジェクトを詳しく取材した記事も提供している。少々マニアックな草コインや将来有望そうなICOの記事も提供。Twitterで有名な3人のメンバー(アラタ、edindin、seiya)により運営されている。 CoinOtaku 30人の東大生編集部チームで運営されている仮想通貨SEOメディア。Googleなどの検索からのユーザー獲得がメイン。「コイン暦」などのウェブサービスも提供している。 BITDAYS 半年前にローンチしたメディア。「新しい経済にワクワクしよう」をコンセプトに初心者ユーザーにも楽しんでもらえるような記事を提供している。新しい経済圏を作ろうとしている人やイベントの記事も多く記載。 COINJINJA 1800件以上のICO情報を日本語で取り扱っている「COINJINJA」と、仮想通貨情報アプリ「COIN相場」の2つのサービスを展開中。月刊PV数は約100万。 ALIS *モデレーター参加 ブロックチェーンを活用したソーシャルメディア・プラットフォームをつくっているプロジェクト。ALISトークンを発行しICOを成功させている。4月23日にはALISのベータ版をローンチ。 トークセッション モデレーター ALIS(アリス):安昌浩氏 パネラー CRYPTO TIMES (クリプトタイムズ) : アラタ氏 CoinOtaku (コインオタク) : 下山明彦氏 BITDAYS(ビットデイズ) : 三矢晃平氏 COIN JINJA (コインジンジャ) : 沼崎悠氏 各メディアのターゲットユーザーと強み 安昌浩 各メディアさんのターゲットユーザーと強みを教えてください 沼崎悠 ターゲットユーザーは仮想通貨に興味ある人全てです。強みはICOの情報が1800件以上あるところだと思います。 三矢晃平 うちは、ユーザー層をライト、ミドル、コアで分けていてそれぞれに向けた記事を書いていますね。これが強みとなっていると思います。 下山明彦 うちはライトユーザー寄りだと思います。特に投資をする人に役立つような情報を発信しています。強みとしては、ヲタクの集まりなのでとにかく事細かに説明しているところですかね(笑) アラタ 私達は独自性を出すために、自分達が面白いと感じるものを発信するようにしています。なのでそういう部分はコアな人向けになっていると思います。でもコアだけでなく初心者もターゲットにしているので、初心者の方がとっつきやすいようなコラムや企画記事を書いてます。 仮想通貨のフェイクニュース対策 安昌浩 仮想通貨業界は、フェイクニュースやポジショントークなどが多くありますが、各メディアさんはどういう対策をしているんですか? 沼崎悠 あまりにひどいものは載せませんが、海外の情報をいち早く伝えることが重要だと思っているので真偽はあまり気にしていません。フェイクニュースがあるという事実も重要だと思っているので。 三矢晃平 うちは検閲専門のメンバーで記事を出す前にしっかり検閲をしています。あと、ICOなどをやっている方から出した記事について色々と指摘をしてくれる場合があって、それには結構助けられています。 下山明彦 うちも検閲はしっかりやってます。あと、「コイン暦」というサービスがあって情報の評価をユーザーにさせて情報の質を高めています。 アラタ うちも同じで検閲を全ての記事に対して行っていますね。後は、Telegramとかを使って1次情報を取りにいったりしてますね。ただ、ニュース記事に関しては、対策をしすぎると速報性が無くなってしまうので上手くバランスを取るのが難しいですよね。 日本に入ってくる情報のスピード 安昌浩 情報の深さや早さは海外の方が圧倒的に強いと思うんですよね。投資とかでも、日本人はカモにされやすいかなと(笑)みなさんはこの点についてどういう風に思われていますか?これは2社に聞いてみたいと思います。 アラタ そうですね。日本に入ってくる情報は確かに遅いと思います。telegramや海外メディアから情報収集しても追いつかないのが現状ですね。海外のプロジェクトに自分たちからコンタクトを取ってようやく情報が色々と出て来るみたいな感じです(笑)最近は、ミートアップやカンファレンスなどをきっかけに直接関係を作って情報を集めていますね。 沼崎悠 うちは、海外のスタッフが多いので問題はあまり無いと思います。ただ、私達は、「自分達が有名じゃないのがいけない」と思っていて自分達がもっと有名になれば海外の方から情報を教えてくるようになると思ってます。 メディアの位置付け 安昌浩 各社のメディアの位置付はどういうものにしていますか?こちらも2社でいきましょうか 下山明彦 うちは、マイナーな通貨やICOを分析するのではなくて、時価総額20位以内に入っているような有名な通貨をしっかりと分析して結論を出すようにしています。小さな企業の株が上がるか下がるかを予想するのはほぼ不可能ですが、例えば任天堂のような大きな会社で、データも揃っている会社を分析することは可能ですからね。こういう感じで仮想通貨に関してもやっていますね。 三矢晃平 あまり、メディアの枠を超えるような特別なことはせずに初心者が楽しいと思ってもらえるメディアを作ろうと思っています。勝負しても意味がないところでは勝負はしません。 Q&A 一通りセッションを行った後は、各メディアに対してQ&Aが行われました。 「月間PVはどれくらいですか?」 COINJINJA -月間100万PV CoinOtaku -月間約100万PV BITDAYS -月間約70万PV Crypto Times -月間約15万PV 「マネタイズの方法は?」 COINJINJA -マネタイズは現状していない。今はユーザー獲得の段階。 CoinOtaku -特にしていない。 BITDAYS -特にしていない。プライベートマネーで運営している。 Crypto Times -特にしてない。現在は信頼を獲得するフェーズ。 「どのようなライターを求めているか」 CoinOtaku -SEOライティングが得意な方や、ある分野にドはまりしているような方。 BITDAYS -学生を募集しており、将来起業したい方などは大歓迎。 Crypto Times -来るもの拒まずで、とにかく熱量がある方。ライティングやSEOとかなどの細かいことはやりながら覚えていってもらえば良い。 「ライターの人数は?アウトソーシングは考えていますか?」 CoinOtaku -30人くらいのインターンの学生が週10時間以上働いている。 BITDAYS -50人程度が検閲と執筆に分かれている。外部のライターは熱量が低いので、中の人を育てる。 Crypto Times -15〜20人くらい。過去にアウトソーシングを価格を複数設定して、テスト的に利用したことは有るが、感情がこもっていないし、いまいち使えない記事しか上がってこない印象。やりたい人を育てる。 まとめ 以上が、仮想通貨メディア4社によるセッションになりますが、いかがでしたでしょうか。 仮想通貨業界は情報の質を高く保持するのが難しいのが現状で、またスピードに関しても日本のメディアはどうしても海外に劣ってしまう様です。 私、ゆっしはみなさんに面白いと思っていただけるような記事を量産していく所存です!これからもよろしくお願いします! 以上、【Crypto Media Collection Vol.1】レポートでした!
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2018/04/16【レポート】Sentinel Protocol(センチネルプロトコル) 東京ミートアップ
こんにちは!Shota(@shot4crypto)です。 本記事では、4月3日に行われたミートアップに参加し、具体的にこのプロジェクトがどういったことを成し遂げたいのか、またその特徴、開発の進捗状況などについて、プロジェクトのチーフエバンジェリストであるJohn Kirchさんから直接お話を聞くことができましたので、こちら紹介させていただきます。 Sentinel Protocolとは 先日、紹介したSentinel Protocolですが、このプロジェクトは、人工知能やAI、集団的知性を生かしてブロックチェーンの分散型のモデル(自律性)を保ちながらサイバー犯罪に対する本質的な防衛手段を構築しようというプロジェクトになります。 [video width="1280" height="720" mp4="https://crypto-times.jp/wp-content/uploads/2018/04/HACKING-demonstration.mp4"][/video] プロジェクトの公式ホームページはこちらになります。 またCryptoTimesで紹介させていただいた記事は以下のリンクになります。 【ICO】Sentinel Protocol(センチネルプロトコル) -分散型セキュリティプロトコルのプロジェクト- 今後行われるセールに関しての情報は随時上記リンクで更新いたします。 公式HPはこちら Sentinel Protocol Meetup 今回のミートアップは4月3日に北参道のBase Layer株式会社本社にて開催されました。自分やチームのメンバーを含めて45人がサインアップし、実際は20~25人と小規模なミートアップとなりましたが、男女ともにブロックチェーンへ興味関心を抱く方が多く、プロジェクトに関しての質問などもたくさんいただきました。 セキュリティの現状 Chief EvangelistであるJohn Kirch氏のプレゼンテーションの前に、今回のミートアップを主催していただいたBaseLayer社の佐藤さんより日本のセキュリティの現状についての簡単な説明が行われました。 Sentinel Protocolチームによるトークセッション Sentinel ProtocolのチーフエバンジェリストであるJohn Kirch氏による、仮想通貨ユーザーが常にフィッシングやスキャムと隣り合わせである点の指摘からプレゼンテーションは始まりました。 ハッキングやフィッシングの脅威 画像のようにETHのスマートコントラクトを利用したように見せかけてETHを盗み取る手口や、BinanceのURLの局所に『.』が挟まれていたりなど、様々な手段を駆使してきます。 また、ブロックチェーンの根幹技術は安全であるにもかかわらず、それに接続された取引所やウォレットなどのdAppsの安全は保障されていません。 2014年のMt.Goxへの攻撃から2016年にはBitfinex、2017年にはYoubit, Liqui、直近の2018年のCoincheck社へのハッキングが、アプリケーションの安全が保障されていないことを顕著に表しています。 Sentinel ProtocolのCEOであり創設者のPatrick KIM氏は自身がセキュリティの専門家であるにもかかわらず、イーサリアムのローンチ当初からマイニングをしていた7,218ETHをハッキングによって失いました。 この経験を生かして彼はブロックチェーン技術自体が安全であるにもかかわらず、そのアプリケーションを守る手段がない問題を解決するためSentinel Protocolのプロジェクト立ち上げに至りました。 Sentinel Protocolは何をどのように解決するか 現状、仮想通貨の取引や保管などにおいて、これらから生じた損失や考えうるリスクはすべて自己責任として考えられています。 現実社会において、資産は銀行へ、悪人は強盗、それらの脅威から守るための存在は警察として定義されますが、仮想通貨の世界においては、資産はウォレット、悪人はハッカーが該当するものの、悪人から守るための存在が存在しません。 プロジェクト開発チームは、この問題はブロックチェーン自体によって解決されると捉えています。 Sentinel Protocolの軸となるのは、集団的知性・分散型のデータベース・自己統治コンセンサスの三本の軸によって成り立ちますが、これらすべてがブロックチェーンであるからこそ実現が可能なものとなっています。 Sentinel Protocolの特徴面での解説 集団的知性 Sentinel Protocolのエコシステムにおいて、セキュリティの専門家(個人や機関・セキュリティベンダー・ホワイトハッカー)などによって構成される集団的知性は”The Sentinels”として、エコシステムの維持に貢献します。 これらの貢献に対するインセンティブは、財やサービスなどの利用に用いられるUPPトークンとは別にSP(Sentinel Point)という形で付与され、ステーキングすることができます。 したがって、このSPがエコシステムへの貢献度を示すものとなり、エコシステムに貢献した場合にはプラスの付与がなされエコシステムに対して悪い行いをした場合にはペナルティとして-マイナスの付与がなされます。 分散型脅威評価データベース(TRDB) TRDBはプロトコル内に蓄積・共有されていくデータベースで、強力な攻撃耐性、高いデータの整合性、最適化されたアップタイム、トランザクションの追跡可能性を持ちます。 このデータベースはすべてAPIとして無料で利用することができ、プラットフォームによる利用可否がなく、更には盗難防止システムを備えています。 自己統治コンセンサス 合意形成にはProof of Protection(PoP)とビザンチン障害耐性(BFT)が用いられています。 これらはコミュニティの評価やSPの多少によって合意形成の代表権が与えられるシステム内部評価と、AML・KYCなどによる社会的な評価との紐づけによって完成する外部評価の二つを組み合わせる合意形成のアルゴリズムになります。 ユースケースの解説 ①ユーザーサイドのケース -ユーザーはS-Wallet*や提携しているウォレットなどを利用することで、詐欺防止のフィルタリングや異常検出などで自身の仮想通貨資産を守ることができます。 -またSentinel Portalを利用することで、専門家へ事件の報告などを行いそれに関してのアドバイスを受けることができます。 -主体的なエコシステム維持への貢献によりSPが付与されます。このSPはUPPへと交換可能(UPPからSPへの交換は不可)でUPPに交換すればそれを報酬として広く使用することができます・ ②ハッカーサイドのケース -異常検出やアドレスのフィルタリングなどの事件を取り扱うCERTによってハッカーは資産を盗むことが容易ではなくなり、また盗むことに成功したとしても、これらの取引所への送信はすべてはじかれてしまいます。 -Sentinel Portalにより世界中で脅威の情報が交換されています。これによりハッキングがより一段と難しくなります。 -"The Sentinels"として活動することで、セキュリティデータへの報酬、SP(Sentinel Point)の付与、SPのUPPへの交換など、ハッキング以上の報酬を得ることが可能となります。 成長戦略の概要 フェーズ1 パートナーシップ構築 -仮想通貨交換業やウォレットサービスなどとの提携でユーザー獲得を目指す。 -アジアの仮想通貨ハブ(シンガポール・韓国・日本) フェーズ2 コミュニティ構築 -インターネット上でのプレゼンスの拡大・向上 -国際的なコミュニティ拡大 -人気のあるプロジェクトや提携先との協力 フェーズ3 非仮想通貨市場の開拓 -サイバーセキュリティ会社との提携 -政府系の組織や金融サービス機関との統合 プロダクトロードマップ フェーズ1 Proof of Protection 2018/06 Sentinel Portal パブリックベータ版リリース 2018/07 メインネットバージョンのローンチ フェーズ2 自己浄化 2018/11 機械学習エンジン ベータ版リリース 2018/12 分散型サンドボックス リリース フェーズ3 自律進化 2019- 機械学習エンジン搭載詐欺検出システム(FDS)のメインネットへのリリース 世界各国からの投資とパートナーシップ Q&Aセッション Q. 競合プロジェクトはありますか?またそれはどのようなものですか? A. 私たちは他のセキュリティプロジェクトを競合だとは考えていません。むしろセキュリティに対して人々や他の機関・企業が関心を持つことは素晴らしいことだと考えています。今後、そのような競合や違うアプローチでブロックチェーンセキュリティの問題の解決に取り組むプロジェクトがあれば、協力して更に優れた、安全なものを創り上げていきたいです。 まとめ 以上が今回のミートアップの内容になります。ブロックチェーンは安全だけどチェーン上のdApps(ウォレットからゲームなどすべて)は必ずしも安全とは言えないうえ必ず脆弱性が存在し、ハッキングの危険性と常に隣り合わせにあります。 Sentinel Protocolはこういったブロックチェーン上のアプリケーションで起こる問題をブロックチェーン自体を使いみんなで解決していこうというプロジェクトです。今後更なるブロックチェーンやdAppsの社会への普及でますますセキュリティへの重要性は高まってきます。 エコシステム的には文句ないプロジェクトだと思うので、これからの開発やパートナーシップの締結の進捗など注目していきたいですね! 公式HPはこちら
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2018/04/11【RSK Blockchain Conferenceレポート】Root Stock CEOが考えるブロックチェーンの未来
4月10日、ベルザール東京日本橋で行われたRSK主催のブロックチェーン・カンファレンスにCrypto Timesはメディアスポンサーとして参加させていただきました。 当カンファレンスの主催者でありRSKのCEOであるDiego Gutierrez Zaldivar氏は、自ら第一スピーカーとしてインターネット普及・ブロックチェーンの登場そしてデジタル社会の未来について語りました。 インターネットが解決できなかった問題 「インターネットの普及は社会に膨大な利便性をもたらしたものの、まだ完璧とは言えない面がたくさんある」と語るZaldivar氏。 ”価値のやり取り”の側面ーVisa、MasterCard、Paypalなどといったプライベート・ネットワークには第三者の介入による非効率性や信用の問題が残ると指摘しました。 「そこで2008年に登場したのがビットコインです。といってもこれはただの通貨ではなくて、ブロックチェーン・Proof of Work・分散型コンセンサスといった革新的な技術が詰まったものです。」 「社会というのは法律というプログラミング言語、政治家というプログラマー、そして市民というコンピューターで成り立っています。スマートコントラクトはこういった既存のシステムを考え直すものとなるかもしれません。」と語ります。 ここでZaldivar氏はブロックチェーンの普及した近未来について触れます。 「スマートコントラクトを応用したタクシーについて考えてみましょう。あなたは全自動タクシーに乗り、サービスを享受し終わったところで自動でお金が払われる。給油が必要なタクシーはガソリンスタンドへ行き、メーターが満タンになったらお金が払われる。このタクシー会社の利益の一部はブロックチェーンの運営に貢献した人に還元されるのです。」 ビットコインをより使いやすく RSKの仕組み ブロックチェーンについて熱く語ったZaldivar氏は、RSKがビットコインの普及をどう助けるのかについても言及しました。 「ビットコインがStore of Value(価値貯蔵)の役割を果たすのに対し、RSKはその上にビジネスロジック、つまりスマートコントラクトといった拡張機能をつける役割をします。」 「スマートコントラクトがついたRSKは、ビットコインと取引所、ウォレットなどのサービスとの間に立つ存在になるのです。」とZaldivar氏は語ります。 また、RSKには「五本の柱」があると言います。 Root Stock5つのポイント イーサリウムとの互換性 RSKの普及によってBTC-ETH間のアプリ・インフラ・インターフェースの互換性が生まれる。 BTC-RSKペグ・サイドチェイン 1BTC = 1RSKの固定レート。 マージマイニング マイナーが複数のブロックチェーンを同時にマイニングが可能。 グローバル・フェデレーション 教育機関等の専門知識のある人々で形成されるフェデレーションが、コンセンサス形成に置ける投票権を持つ。その他にもマイナー、ユーザー間のPoS、RSKおよびビットコインのデベロッパー、ビットコイン関連の非営利団体も投票権を持つ。 コミュニティ RSKには賞金付きのハッキング・コンテスト(ペネトレーション・テスト)やアンバサダー制度、ビジネスおよびデベロッパー向けのブロックチェーン・プログラミング教材などといった多様なコミュニティーがある。 まとめ ビットコインで何もかも支払う時代も、もしかしたら目前まできているのかもしれませんね。 その一歩を手助けする役割を担うRoot Stock / RSKは、自社のプロモーションだけに及ばずブロックチェーン普及へ向けてのコミュニティー開発にも大きく貢献しているということがよく伝わってくる発表でした。
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2018/04/11【RSK Blockchain Conferenceレポート】パネルディスカッション「私たちの世界を変えるアプリケーション」
今日は4/10に参加したRSK Blockchain Conferenceの中で行われたパネルディスカッション「私たちの世界を変えるアプリケーション」のレポートを書いていきたいと思います。 現在、世界中でブロックチェーンを用いたアプリケーションの開発が盛んです。その開発に携わる、業界のスペシャリストたちのディスカッションになります。 登壇者の方々は以下の通りになります。 【パネルディスカッション登壇者】モデレーター ARIEL MUSLERA / RSK チーフストラテジスト GRANT BLAISDELL / Coinfirm CMO ADAM EFRIMA / Blox CEO GAURANG TORVEKAR / Indorse CEO YU NUMAKURA / Kyvalion CEO 以下、登壇者の発言をまとめつつディスカッションの内容をレポートしていきたいと思います。 ユーザーと開発者の考え・意識の違い、または彼らとの関わり合い まず、アプリケーションの開発にあたっての開発者とユーザーの関係について議論が始まりました。 「私たちはユーザーとの問題を解決できる方向に進めている。」 「私たちはコミュニティ志向の開発を行っていたり、ユーザーからのフィードバックをもらっている。」 「様々なプロダクトをすでに出していて、ユーザーとの協調ができるようになっている。ユーザーとの関わりを円滑にできるように努力している。」 「私たちのアプリケーションの使用には手数料がかからない、これはユーザーのことを考えてこうなった。」 など、どのアプリケーション開発者も、ユーザー第一での開発を行いつつ、彼らと双方向のコミュニケーションをとっているようです。 特に、ポートフォリオ管理アプリを提供しているBloxでは、ユーザーからの意見を常に募集しつつ、月に一度必ずアプリの更新を行っているとCEOのAdam氏は語っていました。 実際、Bloxのアプリは対応通貨や対応取引所が徐々に追加されており、積極的な開発が行われています。 優秀な人材を開発に巻き込む方法 次に、ブロックチェーンを用いたアプリケーション開発における人材不足について議論が展開されました。優秀な人材(技術者)を開発に巻き込む方法を問われると、登壇者の方々はこう語りました。 「日本でも人材不足は問題になっている。」 「プロジェクトのエコシステムを開発するために人材が足りていないのは事実だ。採用が進めばこの分野に進む人は増えると思う。人材が採用を呼び、採用が人材を呼ぶ。」 「優秀な人材は自分で会社を立ち上げようとしてしまう。しかし、開発者には基礎の知識を知らない人が多いのも事実である。」 「シリコンバレーに才能が集まってしまっている。私たちのアプローチとしては、教育を施していくことだ。新卒が直接プロックチェーン業界に直接入ってくることがこれから増えるだろう、そうなれば人材不足は解決するのではないか。」 というように、ブロックチェーン業界において優秀な技術者の不足は、開発者が共通して感じてる問題のようです。 その中でも未来に関して悲観している人はおらず、積極的に問題意識をもって取り組んでいるようです。 現職の人を鍛えることで人材不足は解決できるか? 前項の人材不足の話に関連して、現在の技術者を教育することで人材不足を解決できるのか、について議論が展開されました。 「まずはプロックチェーンについてしっかり知ることが大事だ。仮想通貨について説明するには、一般の人がわかりやすいように説明する人が必要なはず。」 「業界には素晴らしい人材がいつもいる。」 など、一部の現職技術者の知識不足が指摘されるも、一定数優秀な人材はいるという意見がありました。 これに関しては、プロジェクトごとのチーム環境に依存するよるようです。 まとめ 現在のブロックチェーンを用いたアプリケーションの開発において、ほとんどの開発者がユーザの意見を大切にしていることがわかりました。 また、業界全体における技術者は不足しており、その解決に皆積極的に取り組んでいる模様です。 これからのアプリケーション開発に期待していきましょう!!そして、日本からももっとブロックチェーンを用いたアプリエンジニアが出てくることにも期待していきましょう!
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2018/04/10【BeyondBlocks二日日レポート】基調講演 NEX Fabio Canesin氏
NEXはNEOベースでの分散型取引所を開発するプロジェクトです。 NEOベースで分散型取引所を開発するのはNEXが初めてとなり、日本でも注目も集まっています。4月に行われたICOの抽選には多くの人数が応募したため、その当選倍率はかなりのものとなりました。 そして、そんな大注目のNEXの共同設立者であるFabio Canesin氏が先日行われたBeyond Blocks 2018に登壇しました。 ユーザーを増やしていくには? Fabio氏の基調講演は、どのようにユーザーを分散型アプリケーションに導いていくのかという内容からスタートしました。 そんな中で、NEXが考えるビジョンは分散型エコシステムを作り上げ、それをユーザーに使ってもらうことであるとしています。 GoogleはYahoo!と比べてデザインがとてもシンプルである。 そして、NEXのアプリケーションもシンプルなデザインであるべきだ!と発言していました。 「分散型の取引」というのは名詞ではなく動詞である。なかなか興味深い言葉ですね。 実際に何かを買ったりする行為の背後にはアプリケーションが存在し動いています。 下記の画像は、検証されたエントリーがどれくらいあるかを示しており、世界中に存在することが分かります。 国によって、良いUIというものは変わります。そのため、アプリを提供する場合は、国によってそのデザインを変えることが望まれるとFabio氏は考えているようです。 しかし、そうなると同じサービスを世界中の人に提供するのが難しくなってくるかもしれません。 そこでNEXでは特にUXを尊重するとFabio氏は述べていました。 用語解説UI:ユーザーインターフェース。ユーザーからみたデザイン。 UX:ユーザーエクスペリエンス。ユーザーが得られる経験(体験) NEXのアプリ 下記画像はログイン画面で、ユーザー名とパスワードを入力してログインする様子です。 NEXでは「ユーザー名はハッシュ化され、パスワードはプライベートキー繋げられて管理される」という過程をアプリケーションの裏側で行っていますが、ユーザーからはその過程を見ることはできません。 これは、ユーザーにとってはその過程は関係なく、シンプルで分かりやすい方がユーザーにとって良いと考えるからと述べています。 基本的には何かの取引を行う際、クレジットカードで支払いができるというのが理想と考えられており、 NEXでは、API(他のシステムやソフトウェアに機能を提供するための規約)を利用しクレジットカード決済のような形にしているようです。 下記の画像のように例があげられていました。ヤンキースとナショナルズのどちらが勝つのかの賭けに関してです。 この場合ユーザーはトークンに対して賭けをすることができます。APIを利用しているため、他のトークンの利用が可能となるようです。 トークンのやり取りの際の行程はユーザー側にはほとんど見えません。必要なものを選択し、送ったり貰ったりするだけです。 NEXは限りなく、ユーザーの経験に寄り添った設計になっているようです。 現在のNEXと他社との比較図は下記のようになっており、今後、さらなるグローバル化が求められているようです。 NEXはこれからもUXを特に重視して開発を進めていくといい、講演は終了しました。 まとめ NEXでは、ユーザー経験を大事にしてユーザーにとって分かりやすい形で分散型アプリケーションを広めていくようです。 分散型取引のことを全く知らない人でも、簡単にNEXのアプリを利用して様々なやり取りができるようになる世界を目指しているようです。 今後のNEXの動向にもかなり注目したいですね! 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況
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2018/04/09【Beyond Blocks二日目レポート】[基調講演] 分散型取引所
CryptoTimesもメディアパートナーとして参加した、恵比寿のウェスティンホテルで行われたBeyond Blocks 二日目のレポートになります。 本記事は、KyberNetworkのCEOであるLoi Luu(ロイ・ルー)氏、NEXの共同創業者であるFabio Canesin(ファビオ・カネシン)氏、QuoineのCFOである紺野勝弥氏とモデレーターの4名で行われた分散型取引所に関しての講演をまとめたレポートになります。 パネル登壇者 Moderator: Masa Keith Nakatsu ロイ・ルー(Loi Luu)/Kyber Network 共同創設者兼CEO ファビオ・カネジン(Fabio Canesin)/NEX 共同創設者 Katsuya Konno, Chief Financial Officer, QuoineJohn Burbank氏 (創設者・投資顧問, Passport Capital) 集権型の取引所の問題点は? この講演は分散型取引所に触れる前に、集権的取引所にどのような問題があるのかという切り口で始まりました。 Quoine紺野氏は、これに関してセキュリティが最も重要な課題と答えました。現に、大きなハッキング事件(Mt.GOXとCoincheck)は両者日本国内で起きています。 また、セキュリティの問題を踏まえつつもブロックチェーンが金融産業において重要になった際、安全な集権的取引所が必要になってくるだろうとして、Quoineでは集権的取引所としてセキュリティに特に力を入れていると話しました。 一方でNEXのFabio氏は、集権型取引所のケースにおいてサードパーティ・保証人に信頼を置かなければいけない点を問題として捉えていました。また、機関投資家など扱うお金が大きくなればなるほどセキュリティ(資産の安全確保)の問題は重要になっていきます。 更に、失敗や問題(この場合だとハッキングや脆弱性の発見)に対していかに素早く行動・対策ができるかが重要になってくるとも話していました。 KyberのLoi氏は、manipulation(取引操作)の可能性などが問題であるとし、集権的取引所の取引すべてに透明性を確保する必要があると話しました。 三者によって挙げられた集権型取引所の問題 金融産業の規模拡大に伴う取引所の安全の確保(セキュリティ) 個人と個人の取引を仲介する第三者に信頼を置かなければならない点 取引における透明性の確保 機関投資家の参入 次に、仮想通貨の今後の市場規模拡大に際して機関投資家の参入が見込まれるが、そこで取引所サイドとして考えられる問題・解決策に関しての議論へと進んでいきます。 Quoine紺野氏はこれに関して、分散型の取引所のみではこれを対処することは難しく、高いパフォーマンスを持つ集権型の取引所が必要であると答えます。Quoinexは現在毎秒100万トランザクションを扱うことが可能で、これを500万まで引き上げるつもりであると話していました。 いずれにせよ、取引所としてセキュリティは必ず強力なものにしていかなければならないとしています。 NEXのFabio氏も、オーナーシップの担保やハッキングのインパクト、考えうるリスクなどどれをとってもセキュリティは重要な課題であると答えました。 一方KyberのLoi氏はこれに対して、集権型であれば個人投資家への透明性がない点、分散型であればこれはすべてブロックチェーン上の何千ものノードによって担保される点など、集権型と分散型でそれぞれセキュリティと一口に言っても何を考えるべきかが異なると話しました。 しかし、両者に共通して言えることは機関投資家の参入による取引所の流動性と拡張性を考えていかなければならないということだとしています。 集権型取引所と分散型取引所が強力していく可能性 これまでの議論でセキュリティに課題が残る一方で高いパフォーマンスを実現することが可能な集権型取引所と、透明性を持つ一方で機関投資家の参入に対する対処が難しい分散型取引所、両者の利点や課題が明らかになりました。 続いては、これら両者が将来どのように相互で機能していくかについての議論が行われます。 NEXのFabio氏は、分散型取引所が集権型の取引所と強力していくことは十分に可能で、この場合分散型取引所はグローバルプールとして機能し流動性の確保に貢献するだろうと語りました。 一方、Quoine紺野氏によれば、QuoinexではLIQUIDプラットフォームと呼ばれるものを構築しており、これによりQuoinexは分散型取引所を含む20以上の世界各地の取引所と繋がっているようです。 KyberのLoi氏は、セキュリティに関しては集権型取引所が分散型取引所から学ぶべきことはたくさんあると話します。また、今後流動性をさらに高めていくうえでの課題として、現状異なるブロックチェーン同士でのアトミックスワップが難しい点に関しても言及しました。 まとめ 仮想通貨の取引所の将来を考えていくうえで、集権型の取引所のセキュリティと透明性・流動性の確保は今後の課題として解決していく必要があります。 また、議論後の質問セッションでは、分散型取引所への完全移行にはKYCやスキャムコインの上場、各国の法律など多くの課題にそれぞれ対処していく必要があり、集権型取引所との協力・コラボレーションの形が現実的であり、そのフォーカスで議論が展開されていました。 日本では、顧客保護の観点から分散型取引所が第三者によって保護されていない点などを踏まえると広く普及していくまでには時間がかかりそうです。 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況 【BeyondBlocks初日レポート】Wanchain(ワンチェーン) 基調講演 【BeyondBlocks初日レポート】Skycoin Brandon Synth氏 ブロックチェーンの未来とその課題 【BeyondBlocks初日レポート】Passport Capital 海外ファンドが見る「仮想通貨時代の到来」 【BeyondBlocks初日レポート】パネルディスカッション ICO VS. VC
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2018/04/09【Beyond Blocks二日目レポート】パネルディスカッション プロ投資家たちの本音!ブロックチェーンをめぐる投資・取引
4月5日 恵比寿のウィストンホテル東京にて行われたBeyond Blocks2日目。Crypto Timesではメディアパートナーとして参加させていただきました。 今回は、世界各国で活躍されている投資ファンドの投資家たちがブロックチェーンをめぐる投資・取引の違いや特徴についてパネルディスカッション形式で議論したもののレポート記事となります。 パネル登壇者 司会: Jonathan Ha氏 (CEO, Redpulse) John Burbank氏 (創設者・投資顧問, Passport Capital) Phil Woods氏 (マネジング・パートナー, Abele International Pte Ltd) Darius Sit氏 (マネジング・パートナー, QCP Capital) Masa Kakiya氏 (CEO, Smart Contract Inc.) Nithin Eapen氏 (投資顧問, Arcade Crypto Ventures) 投資と取引の違いとは? ディスカッションの最初の焦点はブロックチェーン技術をめぐる投資と取引の違いについてでした。 1日目にも登場したPassport Capital 創設者のJohn Burbank氏は「短期的な取引といえばアービトラージ。投資というと長期的な目線でコツコツとお金を入れていくことになる。」と語ります。 アービトラージとは取引所ごとの価格差を利用して利益を稼ぐ手法です。 例えば、取引所Aで1Xコインを100円で購入します。それを1Xコインあたり102円で買取をしてくれる取引所Bに売りさばくのです。そうすると2円の儲けが出ますね。 ファンド業界に20年以上携わってきたBurbank氏は、アービトラージは長期型投資の待ち時間に利益を出す良い方法だとしました。 これに反してWoods氏とKakiya氏は、こうしたアービトラージは自動売買などのツールが揃った投資機関だからこそできるものであるということを指摘しました。 つまり、小規模、または個人投資家等の場合、多数の取引所を個々にチェックしたり取引を行なっている間に、投機がなくなってしまうということです。 Brubank氏 vs. Eapen氏 アービトラージはするべき? ディスカッションが一番盛り上がったのがBurbank氏とEapen氏が対極した投資戦略について語っている時でした。 前述の通りアービトラージをアクティブに利用していくBurbank氏に対し、Eapen氏はアービトラージを避ける戦略であることを明らかにしました。 「ブロックチェーンへの短期的な投資・取引はボラティリティーに振り回される。Arcade Crypto Venturesでは、長期的な戦略を固めていて、こまめに仮想通貨に投資を積み立てている。」とEapen氏は語ります。 Woods氏やSit氏も賛成する一方でBurbank氏は「自分の金ならそれでも良いだろうが、クライアントの資金を動かす時はそっち側の顔色も伺って短期で結果も出さなければいけない。」と反論します。 それに対しEapen氏は、「クライアントの皆さんには"とにかく気長に待って!"と言っています。短期的な価格の上下で恐怖感を抱くのはわかるが、5年、10年と待てば必ず成果が出る」と返答しました。 まとめ 短期的な投機獲得、長期的な投資の両方とも長所・短所があるということがよくわかるディスカッションでした。 短期で利益を出す手法としてアービトラージを使うというのは投資機関だからこそできることであり、クライアントが資金が引かないようにするための経営戦略でもあるということでした。 一方で、ブロックチェーンの長期的な成長は大きく期待されており、短い時間軸での上下に一喜一憂せず5~10年という長いスパンで見ていくことが大切だとのことでした。
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2018/04/08【Beyond Blocks二日目レポート】RedPulse Jonathan Ha氏 シェアリングエコノミーの新しい世界
今回はBeyond Blocks二日目に行われた、Red PulseのJonathan Ha氏による基調講演「シェアリングエコノミーの新しい世界」についてレポートしていきます。 下記のYoutubeでも当日の様子を見ることが可能です。 シェアリングエコノミーとは? 冒頭、Red Pulseが実現を目指すシェアリングエコノミーについて、その概説から始まりました。Jonathan Ha氏によると、シェアリングエコノミーの条件は、 ・オンデマンドであること ・交換できるということ ・拡張可能であること ・使用することができること ・P2Pであること ・コミュニティであること だということです。 そしてシェアリングエコノミーという考え方は実は昔からある考え方で、小さな村では井戸を共有したり、知識を伝え合ったりしていました。 しかし、文明の発達とともに大都市が出現し、その中で知らない人と何かを共有するのに、人々は見返りを要求するようになりました。 かつて小さな村では無料で行われていたことは、今はお金が発生するようになったのです。 既存のシェアリングエコノミーサービス 次の画像は、既存のシェアリングエコノミーサービスを先述した6項目で評価したものです。 このように、既存のサービスはシェアリングエコノミーを達成できていないということです。 シェアリングエコノミーは、使われていない資産の有効活用を行うものですが、ほとんどのサービスの中では、わざわざオフィススぺースを設置して貸し出す人などが多く、人が普段使用している資産のシェアは実質行われにくいという現実があります。 続けて、シェアリングエコノミーサービスが現在抱える問題と解決策を上げています。 1.インターネットの世界では勝者がすべてをとってしまう。規模の拡大とともに独占するメンバーが現れる。VCの資金を使うと、利益を上げる要求をされてしまう。 →資金調達にICOを選択することでVCによる利益追求から解放される。 2.資産の有効活用ができていない。 →資産の割合を軽くする。これは拡張性のニーズを減らすことで可能になる。 3.コミュニティではなく、プラットフォーム自体に価値がついてしまう。 →トークンをユーザー個人が保有することで価値をユーザーそれぞれが保有することができる。 4.プラットフォームが巨大になると、弱小競合企業が追いつけない間に、彼らは規制逃れに躍起になる。 →自由に行動することができるトークンセールをすることでこの問題は解決できる。規制面的には世界的な枠組みがあるとより改善される。 情報の価値 続いてHa氏はシェアリングエコノミーで実際に共有される「情報」の価値についての考察を行いました。 実線が「一般的な情報」、破線が「専門性の高い情報」、縦軸左側が「その情報に興味のある消費者の数」、縦軸右側が「その情報に対して払える対価」になります。 一般的な情報はいたるところで手に入れることができるので、対価を払おうとする人は少ないです。 しかし、専門性が高い情報になればなるほど、興味のある人は減る一方で、大金を払ってでも手に入れたいと思う消費者がいるのです。 トークンを用いたシェアリングエコノミー そして、シェアリングエコノミーにトークンを活用するとどう働くのかを解説しました。 まず、トークン発行者が存在するためインフラ率をコントロールすることができるとともに、コミュニティに貢献した人に報酬を与えることができます。これをインセンティブとして情報のシェアを促進することが可能になります。 また、税金を集めるのが難しい構造だったとしても、トークンを利用することでエコシステム内で税金を集めることができます。 Red Pulseの実現するシェアリングエコノミー 前章で話したトークンを用いたシェアリングエコノミーを達成するのがRed Pulseのプロジェクトです。 上記のように、Red Pulseは情報の専門家によるネットワークになります。 ネットワークを通じて専門家を探すことができ、調査を依頼することもできます。そのような仕事に対しトークンで報酬が支払われる仕組みです。 これからの課題と動向 最後にHa氏は、シェアリングエコノミーを達成するための、これからの課題と動向について語りました。 公平で透明化されたトークンエコノミーの枠組みを作るのが難しい。 アルゴリズムに依存しているため、それを強力にしなければならない。 仮想通貨に関する各国の規制が変わりつつある。 トークンエコノミーに移行することは悪いことではなく、ビジネスモデル転換のいいきっかけである。 というように、積極的なトークンエコノミーへの移行をリスナーに投げかける形で講演は終了しました。 まとめ 現在、UberやAirbnbなどのシェアリングエコノミーが流行の兆しを見せていますが、本当のシェアリングエコノミーを実現しているサービスは少ないようです。 Red Pulseはトークンを用いることでその課題解決に乗り出しています。これからの開発にも注目していきましょう。
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2018/04/07【Beyond Blocks初日レポート】パネルディスカッション ICO VS. VC
今回はBeyond Blocks東京サミットの1日目の最後に行われたパネルディスカッション『ICO vs VC』についてレポートしていきます。 【パネルディスカッション登壇者】モデレーター アバサ・フィリップス(Abasa Phillips)/Zilla 創設者兼CEO 小林 慎和(Noritaka Kobayashi, Ph.D)/Last Roots 創設者 マーク・ビヴェンズ(Mark Bivens)/Truffle Venture Capital ベンチャーパートナー マリナ・チトワ(Marina Titova)/ NBK Group デジタル・キャピタル・マーケット部トップ スティーブン・ネラヨフ(Steven Nerayoff)/Alchemist 創設者兼CEO Natavudh “Moo” Pungcharoenpong, Co-CEO, SIX Network ディスカッションの中で上がったテーマごとに登壇者の方々の意見をまとめていきたいと思います。 まずはICOとVCについて簡単な説明です、お読みください。 ICOとは Initial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファリング)の略称で、コイン(デジタルトークン・暗号通貨)の発行による資金調達・クラウドファンディングのこと。 VCとは Venture Capital(ベンチャー・キャピタル)の略称で、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のこと。ここでは、主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下することを指す。 資金調達にICOを選んだ理由 ディスカッションは、資金調達の手段としてICOをなぜ選んだのかという切り口で始まります。 「ICOとVCの両方の選択肢があったけれども、資金調達方法のトレンドを見てICOを選ぶことに決めた。」 「トークンは使う人がいて初めて価値が生まれるため、ユーザーが直接参加できるICOを選択した。」 「VCでの資金調達はパートナーシップ関係が必要であり、トークンへの投資は行われないことが多いです。この問題を変えつつも、ICOを追及することが大事だと思っている。」 このように、投資対象としては新興である仮想通貨プロジェクトであるからこそICOを選んだようです。実際、多くの仮想通貨プロジェクトは資金調達にICOを採用しています。 また、トークセッションの中でICOという資金調達法に関しては下記のようにも語られました。 「数年前ではシリコンバレーの企業しかできなかった資金調達が、ICOのおかげで従来よりも簡単に行うことができるようになった。」 「『トークン=新しい資産』という理解が広がりつつあると思う。」 ICOという資金調達手段が新しく、今まさに世間に浸透し始めているということが確認できる意見のように感じました。 資金調達の手段はICOか?それともVCか? そして、資金調達の手段としてはICOとVC、どちらを選ぶべきかという議論が続いて展開されます。 「VCの多くはこれまで長期的な所有者だったけれども、仮想通貨ヘッジファンドは長期的に所有はしたくないということが多い。」 「VCによって支配されるようなスタートアップを迎えるのが嫌だという意見もある。」 「VCを選ぶなら、開発のマイルストーンを設定し、その達成の度に資金を渡すのがいいと思う。」 など、VCでは従来の方法での資金調達は双方から見て難しいという意見が目立ちました。また、プロジェクト側から見たICOとVCの違いについても言及がありました。 「仮想通貨は価格の予測が特に難しい。というのも前例が少ないため。VCは長期投資なのでいつまでもいるが、ICOで参加したトークンホルダーはいつまでもホールドし続けるとは限らない。」 「VCはチームの中で期日などを決めなければならず、内部からのプレッシャーがある。一方でICOでは外部からのプレッシャーがある。理由はトークンホルダー達は価格の上昇を望んでおり、開発期間が長いほどそのプレッシャーは増していく。」 というように、VCは長期的、ICOは短期的な価格の変動を期待する投資家が多いと語られました。 投資家サイドと実際にICOの経験がある登壇者により意見は交わされたので、あまり聞くことのないICOとVCの性質について詳しく知ることができたディスカッションでした。 Q&A ICOの調達額を決める目安は? 従来のキャピタルマーケットの考えに基づいて考えている。企業の案件をもとに考えたり、過去の類似するプロジェクトと比較するのも良い。 また、開発者が何人必要なプロジェクトなのか。開発期間はどれほどか、を考慮すると良い。ただしプロジェクトの目標や環境、ターゲットとするマーケットにもよる。 どんなトークンを使うべきか? どんなトークンでも関係ない。現在ICOはたくさん行われており、あまり違いはない。 ホワイトペーパーにも書いてあるが、まずはいい商品があることが前提である。ICOの前にしっかりプロダクトの内容を考えることが大事。 IPOは減っていくか? ICOと比べると、そのトレンドはある。アメリカでは特にテクノロジーのIPOでその傾向がある。また現在ミニIPOというものが増えている。 まとめ 登壇者の方がセッションで言っていたように、今ICOは資金調達におけるトレンドでしょう。しかし、プロジェクトの中身をよく考えて、どのように資金調達の方法を選ぶのかはとても大切なことです。 また、投資家もプロジェクトがICOをする理由や調達額の内訳を確認しつつ投資することが大事です。 【BeyondBlocks初日レポート】bitFlyer 加納氏 日本の現状 ブロックチェーン全体に関する進展の概況 - CRYPTO TIMES 【BeyondBlocks初日レポート】Wanchain(ワンチェーン) 基調講演 - CRYPTO TIMES 【BeyondBlocks初日レポート】Skycoin Brandon Synth氏 ブロックチェーンの未来とその課題 - CRYPTO TIMES