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2019/06/05専業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【6月5日】
みなさん、こんにちは!えむけん@BinaryMkentです。 前回更新後、BTCも大きく下落しましたね。一時はかなり底堅い様子を見せていたため、「これはどうなんだ・・・?」と若干困惑していましたが、おおむね予想通りということで一安心しています。 さて、恐らくここからは、中短期的にもまだ下目線だと思いますが、まだまだ油断できません。今回もBTCとアルト市場、両方を踏まえて、今後の展開を予想していきましょう! それでは、早速BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) まずは、BTCの長期チャートから見ていきましょう。 前回記事にて「ここで止まる可能性が高い」とお話しした、「8000ドル~8200ドル(緑ゾーン)」周辺で無事切り返し、その後7400ドルまですんなり下落してきました。私もずっとSを握りっぱなしだったので、ようやく一安心です笑 ここからは、短期足にて戻り売りポイントを設定し、その否定で短期転換判断を、もし戻り売られるようであれば、引き続き短中期の下落トレンドについていきながら利を延ばしていくのが妥当でしょう。(戻り売りポイントについては中期足分析に記載します) また、堅そうな価格帯としては、7400ドルの黄色ゾーン、そして6700ドル、6100ドルの緑ゾーン、この3つです。ですから、すでにSを抱えているのであれば、これらを基準に利食い判断を行い、スイングLの押し目買いをするのであれば、これらを参照して動くとよいでしょう。 では、ここからは中期チャートを元に、戻り売りポイントやそれを踏まえた今後の展開予想について考察していきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが、BTC中期チャート(4時間足)になります。ちょっといろいろと書き込みすぎてややこしいかもしれませんが、一つずつ解説していきますね。 まず前回もお話したように、ここ数週間で最も意識されたのが白ペナントとチャネル(青)です。そして上下の矢印は、それぞれそのポイントで入ったであろうポジションです。左から順に見ていきましょう。 白矢印は、短期二番底をつけて直近高値を更新した際、そしてサポートラインが確定した後のライン接触で入ったと思われるロングポジションです。もちろんこれらのポジションは、チャネル下限割れで解消されている可能性もありますが、損益分岐点を割っていないため、依然ホールドされている可能性があります。 次に、オレンジ矢印。これらも先ほど同様、サポートラインの確定後に入ったと考えられるロングポジションです。しかし、これらのポジションは、損益分岐点を割っているため、すでに解消されている可能性が高いと思われます。 最後に青矢印。これは、チャネル推移濃厚になった後に入ったと思われるショートポジションです。私もこの1つ目、2つ目のポイントでSを入れていますが、現在これらのポジションはどれも含み益状態です。 そして、最も注目すべきは、チャネル下限割れという中期トレンドを否定したタイミングで入ったショート。恐らく、これが解消される展開となれば、再度上を目指す展開にもなりうると思われます。 つまりここからは、「黄色ゾーン下抜けで白矢印(ロング)が解消されるのか?」、それとも「戻り売りポイントであるオレンジゾーンを上抜け、青矢印(ショート)が解消されるのか?」といった状況ですね。 さて今回は、これらの既存ポジションの損益分岐点を元に、サポートポイントや戻り売りポイントを考察してみました。では、それらを総合して、今後のシナリオ考察を行っていきましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回、考えられうるシナリオは以下の2通り。 オレンジゾーンで戻り売り(青) オレンジゾーンでの戻り売り否定で上昇(白) まずは、「戻り売りがしっかり決まるかどうか?」ですね。これを否定するのであれば、先ほどお話したチャネル下限割れSの撤退にもつながるでしょうし、その後押し目を作ることが出来たのであれば、逆三尊の形成にもつながります。 逆に、戻り売りがしっかりと決まるのであれば、「引き続き6700ドル、6100ドルを目指す展開となるのでは・・・?」と見ています。 それでは次にドミナンス分析を進めていきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) 前回もお話しましたが、5/13を境にBTCのドミナンスが反転下落、それに対して主要アルトのドミナンスが一部上昇しましたね。それ以降、あまり大きな動きはありませんが、少し拡大して見てみましょう。 5/13以降、どれも衰退の一途をたどっていますね。しかしここ数日、「BCHSV」、「LTC」、「TRX」の3通貨のドミナンスが綺麗に上昇してきています。(BTCSVについては、取り扱い取引所も少なく、出来高も少ないため、今回は考慮しません) ここで一度、流れをおさらいしてみましょう。 現状、『5/13以降、BTCからアルトへと資金が流れ、その後、主要アルトからジワジワと上記の2通貨へと流れていっている』といった状況だと思います。 そこで今後、資金流入先となった2通貨が衰退するのであれば、それらからも資金がUSDT(fiat)へ撤退してしまう、つまりBTCの下落がさらに加速してしまう可能性もあるわけです。ということは、ここで見るべきは、先ほどお話しした上記2通貨の推移でしょう。 ということで、今回は主要アルトの動向を踏まえたうえで、上記の2通貨について分析していこうと思います。 主要アルトコインの動向 主要アルトコインの中でも気になるのは、LTC、TRX、ETHですね。 ETHについては、特段ドミナンスが上昇していたわけでないですが、依然「再度推進波に移行するかどうか?」というようなポイントです。 今回はこの3銘柄をピックアップして分析していこうと思います。(今回はUSDT建てについても考察していきます。) LTC まずはBTC建てから。前回もお話ししましたが、依然買えるような状況ではありませんね。むしろ、「戻り売りに警戒」といった状況です。 USDT建てですと、大体BTCと似たような推移をしていますが、コチラも一旦の天井をつけたのでは?といった状況です。 どちらを見ても、「今から買いに動く」というのはやや厳しいですね。ただUSDT建てにおいては、黄色点線(113ドル)を上抜けると一気に視界が開けてきます。ここを抜けると、BTC建ても引っ張られる形で上昇していくと思われますので、リスク覚悟で今から拾うのではなく、「ラインブレイクに付いていく」というスタンスが妥当だと思います。 また、LTCについては、8月に半減期を控えていますので、仮に再度アルトブームが発生するのであれば、それを牽引する通貨となる可能性も大いにあると思われます。 参考サイト:『Litecoin Block Reward Halving Countdown』 TRX 現状、レジスタンスを上抜けているため、目線としては上、もしくは横・・・といった状況ですね。また同時に、チャネルを形成して推移しているため、ここからはこのチャネルを元に押し引きしていくのが妥当でしょう。 ですから仮に、このチャネルを下抜けるのであれば、資金撤退の可能性がある・・・、と判断していただければよいと思います。 USDT建てにおいても同様に、チャネル推移ですね。 BTC建てよりも角度を持って推移しているため、どちらかといえばチャネル下限で買っていきたい・・・、といった状況ですが、「今まで何度も上昇を阻まれてきた黄色点線を下抜けた際に、下げが加速してしまわないか?」という若干の懸念はあると思います。 ETH BTC建てでは、大きく上昇した後、「押し目を作れるのか?」といった状況ですね。 ここで、しっかり押し目を作ることが出来れば、レジスタンス(青)の上抜けも視野に入ってきますし、これを上抜ければ、恐らく黄色点線(0.04sats)も視野に入ってきます。 これらを踏まえると、比較的上目線ではあるんですが、これも「現状の押し目を守りきれるか?」次第ですね。 USDT建てについては、つい先日レジスタンス(黄色)に接触し、一時利食いムード・・・、といった状況だと思われます。 BTC建てではすでに押し目をつけていましたが、USDT建てを見た限りでは、依然高値圏のため、「様子見」がベストでしょう。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTCはチャネル下抜け →戻り売り狙いだが、否定上げにも警戒 資金は依然アルトへ →USDTには流れていない(リスクオン) →リスクオフ転換は主要アルトを基準に判断 BTC重視だと下目線だが、アルト重視だとやや上目線 →BTC停滞+アルト上げの展開も 今回は、いつもよりアルト分析に比重を割きましたが、「BTC単体では下目線、アルト単体だとやや上目線」というように、やや判断が難しかったですね。 また、先週あたりから、国産通貨「モナコイン(Mona)」のCoincheck上場など、ポジティブなニュースに対して、市場がかなりいい反応を見せています。 こういった点からも、依然リスクオン相場であり、「アルトを買いながら、適切なポイントでBTCにショートを仕込んでいく」、というのがベストな立ち回りなのかな?と感じました。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した初心者~中級者向けの有料note、『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/06/04SECの「デジタル資産をセキュリティ(証券)とみなす基準」に関して徹底解説・考察
米国において暗号通貨がセキュリティ(証券)としてみなされるかどうかにはここ数年大きな注目が集まりました。 業界とマーケットの発展の観点から見て、どれだけ簡単にアメリカでブロックチェーン系ビジネスを運営したり、投資家を募ったりすることができるかはとても重要なことです。 同国で証券発行にまつわる事例を取り締まるのは米国証券取引委員会、通称SECで、2018年に入ってからは同委員会の声明が世界中の暗号資産投資家や関連業者から重視されるようになりました。 同委員会は当初から2019年4月に到るまで暗号通貨がセキュリティかどうかを判断するための明確な基準を公表しておらず、結果として過去に米国投資家を対象に未登録ICOを行なった企業が同委員会から摘発を受けた事例も発生しました。 こちらのページでは、4月に入りようやく公開されたこの判断基準を詳しく、かつわかりやすく解説していきたいと思います。 判断基準の大元「ハウイ・テスト」 [caption id="" align="aligncenter" width="282"] ウィリアム・ハウイが創立した町「ハウイ・イン・ザ・ヒルズ」[/caption] ハウイ・テストとはW. J. Howey Co.という企業の資金繰り法にまつわる裁判を元に1946年に生み出されたもので、「ある商品が投資契約であるかどうか」を判断するためのテストです。 SECは公開した声明のなかで、ハウイ・テストについて次のように述べています。 「合衆国最高裁判所のハウイ判決および関連する法律によれば、他社の取組みに依存した合理的な期待利益が存在する共同事業への投資は"投資契約"であることがわかっている。」 また、暗号通貨という観点から見たハウイ・テストには次のような条件が付くといいます。 「ハウイ・テストでは、商品そのもの(デジタル資産)の形や意義だけでなく、デジタル資産が発行・販売・再販売される周辺環境(セカンダリ市場を含む)にも焦点が当てられる。」 「連邦法では、デジタル資産を含む全てのセキュリティ(証券)の発行・販売は、事前に申請・登録するか、登録免除となる条件を満たしていなければできない。」 これらの声明からは、暗号資産がセキュリティであるかどうかはトークンセール(プライマリ市場)自体だけではなく、一般的な取引所(セカンダリ市場)での状況にも関係する、ということがわかります。 ハウイ・テストの3本柱 ハウイ・テストを用いた分析では、以下の3つの項目を満たしている商品を投資契約(セキュリティ)と判断します。 金銭の投資 SECによれば、この第一の項目の「金銭」は法定通貨だけでなく、デジタル資産も含むといいます。 「デジタル資産の発行・販売は、法定通貨や他のデジタル資産で対象となるデジタル資産を購入・交換する行為を含むため、大体の場合ハウイ・テストの第一の項目を満たす。」 共同事業 共同事業(Common Enterprise)とは、複数の企業がひとつの目標に向かって各々の取組みを行う事業を指します。 SECによれば、共同事業の存在は投資契約の特徴的な側面であり、デジタル資産を取り扱ったものでも大体の場合は共同事業の存在が確認されるといいます。 他者の取組みによってもたらされる合理的な利益の期待 3本柱の最後は「他者の取組みによってもたらされる合理的な利益の期待」と呼ばれ、題名だけでは定義がわかりにくいものとなっています。 以下ではこの項目だけにフォーカスを当て、「他者の取組みへの依存」と「合理的な利益の期待」の意味を詳しく解説していきます。 「他者の取組みへの依存」とは? ここでいう他者とは、開発団体(デベロッパー)や、プロモーターやスポンサーなどの第三者を指し、英語では"Active Participant"または"AP"と呼びます。 「他者の取組みへの依存」とは、「トークン購入者がAPの活動(開発・宣伝等)から発生する利益を見込んでいる」ということを意味します。 SECは、以下の項目のうち、当てはまるものが多いほど「他者の取り組みへの依存」が強い傾向にあるといいます。 APが事業の開発や改善、運営、プロモーションなどに関する重要な責任を負っている。 トークン購入者が、APがトークンを従来の用途に利用できるようにするためのタスクを行ってくれると期待している。 デジタル資産の販売時にその基盤となるネットワークやプラットフォームが出来上がっていない場合など。 APが対象となるトークンの市場や価格を支援している。 APがトークン生成・発行の権限を握っている。 トークンの買い戻しやバーニングなどによる需要供給のコントロール。 APが調達資金の使い道や、デジタル資産の流動性をコントロールしている。 APにデジタル資産の価値を上げる活動をするインセンティブがある。 APが何らかの形で資産をステーキングしている。 APやその他マネジメントの給与・報酬が対象となるデジタル資産で支払われる。 APがネットワークやデジタル資産の知的財産権を握っている。 また、「他者の取組みへの依存がある」という判断をのちに撤回するには、以下のような項目を考える必要があるとされています。 当時のAPやその後継者の活動が未だ対象となるデジタル資産への投資のリターンに影響を及ぼしているかどうか 投資家が未だAPの取組みに依存した利益を見込んでいるか APの活動が未だ対象企業の成功に関わっているか まとめ:こんなケースは「他社の取り組みへの依存」かも? プロダクトがまだ出来上がっていない APによるトークンの買い戻しやバーニング APにトークンの価値を上げるインセンティブがある これらのポイントは「投資家がAPの取組みを見込んでいる」とみなす要素となるようです。 「合理的な利益の期待」とは? 「合理的な利益の期待」とはプロジェクトに関するリサーチなどを経た上で「APが対象となるデジタル資産の価値向上に繋がる取組みをすることがわかっている」ということを意味します。 SECは、以下の項目のうち、当てはまるものが多いほど「合理的な利益の期待」が強い傾向にあるといいます。 デジタル資産の保有者が、発行企業の収益の一部を獲得したり、価値の向上から発生する利益を確定したりする権利を持つ。 配当型トークン(取引所トークンやエクイティトークン)を含む 対象となるデジタル資産を暗号資産取引所などのセカンダリ市場で他の資産と交換できる、または将来できるようにする予定である。 対象となるデジタル資産が、基盤となるネットワークの機能を必要とする者だけでなく、世間一般に販売されている。 特定のプレイヤーがネットワークの一般的な利用に必要な量以上のトークンを購入する場合も含む。 以下のいずれかを利用して、対象となるデジタル資産を投機として売り出している。 対象となるデジタル資産の販売、またその購入者がそれぞれ「投資」「投資家」とラベルづけされている。 調達資金が対象となるデジタル資産やそのネットワークの開発・発展に使われる。 将来的にリリースされるネットワークの正式サービスと、APがそれを開発するという見込み。 「対象となるデジタル資産を他の資産と交換できること」を売りにしている。 ネットワーク運営の収益性やデジタル資産の価値がマーケティングやプロモーションに大きく左右される。 対象となるデジタル資産を取引できる市場がある、またはAPがそういった市場を作ることを約束している。 「合理的な利益の期待」という判断をのちに撤回するには、以下のような項目を考える必要があるとされています。 購入者が、APによるプロダクト発展への努力がこれ以上対象となるデジタル資産の価値向上に繋がると期待していない。 対象となるデジタル資産の価値と、それを利用して得ることのできる商品やサービスの価値が安定した相関性を持っている。 保有者は対象となるデジタル資産をその従来の目的(ネットワークのユーティリティ等)に使用することができる(=プロダクトが完成している・リリースされている) 対象となるデジタル資産の増価は偶然によるものである(=従来の目的とは関係がない) APがインサイダー情報を保有していない まとめ:こんなケースは「合理的な利益の期待」かも? トークンが取引所に上場している トークンの販売対象が必要なユーザーだけに絞られていない トークンの価値がマーケティング・プロモーションに大きく左右される これらのポイントは、「投資を目的としたデジタル資産の購入」とみなす要素になるようです。 セキュリティとみなされない暗号資産 ここまででは、SECの声明のうち、対象となるデジタル資産がセキュリティとみなされる可能性の高いケースについて解説してきました。 SECによれば、合衆国最高裁判所ではデジタル資産をハウイ・テストにかける際、その「トランザクションの経済的な実態」に着目するとしています。 これは、対象となるデジタル資産が将来的な価値の向上を見越してではなく、純粋にネットワークやサービスを利用するために購入されているかどうか、ということを意味します。 同声明によれば、デジタル資産は以下の項目のうち当てはまるものが多いほどハウイ・テストに当てはまらない(セキュリティではない)可能性が高いといいます。 対象となる分散型台帳ネットワークは完全に開発が済んでおり、すでに運営開始済みまたは運営可能である。 保有者は、対象となるデジタル資産を購入後すぐその従来の目的に利用することができる。 対象となるデジタル資産の発行プロセスや構造が、その価値に対するスペキュレーションを起こすものではなく、ユーザーのニーズに沿ったものである。 対象となるデジタル資産はその基盤となるネットワークでのみ使用することができ、購入者は一般的な利用目的に沿った数量のみを保有・交換することができる。 対象となるデジタル資産が増価する見込みがない。価値が一定、または逓減していくようにデザインされたデジタル資産など、合理的な購入者が投資としてリターンを見込まないようなもの。 「暗号通貨」と呼ばれるデジタル資産のケース: 対象となる暗号通貨を購入後すぐ様々なモノやサービスのペイメントに使用することができる、または、法定通貨の代用として利用できる。 他のデジタル資産や法定通貨を介さず、対象となる暗号通貨で直接支払いができる。 商品やサービスの所有・利用権を表す暗号資産(ユーティリティトークン)のケース: 対象となるデジタル資産を完成したネットワーク/プラットフォーム上でそのサービス利用などに使用できる。 対象となるデジタル資産と、それが所有・利用権を与える商品やサービスの価値に相関性がある。 対象となるデジタル資産の増価は偶然によるものである(=従来の目的とは関係がない)。 対象となるデジタル資産の宣伝・マーケティング内容が、その資産の市場価値向上などではなく、資産やネットワーク自体の機能性を強調したものである。 対象となるデジタル資産は、スペキュラティブな市場ができないように譲渡・交換が制限されている。 APが対象となるデジタル資産のセカンダリ市場(取引所上場)を創設した場合、そのネットワークのユーザーのみが資産の取引をすることができる。 まとめ: セキュリティにあたらないトークンとは? ネットワークやプラットフォームがすでに稼働済み・トークンもすぐに利用可能である トークンの価格上下は偶然によるものである(スペキュレーションがない) 該当ネットワークのユーザーのみが適量のトークンを保有・交換している これらのポイントは「デジタル資産がネットワークの利用のみに使用される」ことを証明する要素となるようです。 考察その1: ICO・STO・IEOのこれから ICO(イニシャル・コイン・オファリング)の衰退 今回SECが公表した基準は、かなり厳しいものであると言えます。 そもそもICO(イニシャル・コイン・オファリング)は、ブロックチェーン系プロジェクトが自社のプロダクトアイデアを実現するために、先にトークンを販売することで資金を調達する、というものです。 しかしこれは、「APが将来プロダクトを完成させるという見込み」の元に、未だ完成していないプロダクトに金銭を投資する行為にあたるため、セキュリティとしてみなされるケースが大半になるのではと考えられます。 こうなると、トークン発行に際し証券登録や免除申請を行わなければならず、多くの場合は莫大な費用・時間がかかり、販売できる対象投資家にも制限がかけられてしまいます。 こういった側面を考慮すると、今後少なくとも米国ではICOの数が激減していくのではないかと考えられます。 IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)はこれからどうなる? IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)とは、大手暗号資産取引所が、自社セレクトしたプロジェクトのトークン発行市場(プライマリ市場)を設けるというサービスで、2019年に入ってから大きく流行しています。 もっとも有名なプラットフォームはBinance(バイナンス)のBinance Launchpadで、他にもHuobiやOKExなどの大手取引所が類似事業の参入を決定しています。 こういったサービスで取り扱われるプロジェクトは、プロダクトの提供を少なくとも数ヶ月内に収めたものが多いですが、ICOの例に漏れず、他者の取組みに依存した期待利益の存在する共同事業がほとんどと言えるでしょう。 また、IEOによるトークンはプラットフォームを提供している取引所の暗号通貨(バイナンスならBNB)で支払われることが大半であるため、その取引所通貨自体もセキュリティの判断基準に触れかねません。 IEOを行なっている取引所は中国・シンガポール系がほとんどですが、米国で同様のサービスを行うことは当面不可能となるのではと考えられます。 STO(セキュリティ・トークン・オファリング)の台頭 一方、証券発行をブロックチェーン上で行うSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)は今後おそらく数を増していくのではないかと考えられます。 企業の株式や債券だけでなく、不動産やコモデティなど、セキュリティではない商品をトークン化し販売するケースもSTOと呼ばれることが多いです。 しかし、STOはICOやIEOとは全く異なるものである点に注意が必要です。STOとは、あくまで既存の金融商品をブロックチェーン上で発行する、というものに過ぎません。 一般的なユーティリティトークンも、今後米国ユーザーを対象に含むネットワークを展開していくには、少なくとも一時的には証券として登録する必要が出てくると言えるでしょう。 STO(セキュリティ・トークン・オファリング)とは?ICOとの違いも交えて解説 - CRYPTO TIMES セキュリティにあたらないデジタル資産を発行するには? 今後、米国投資家を対象にデジタル資産を発行するには、証券登録または免除申請を行うか、プロダクトが完成・成熟してからトークンを販売するかを選ばなければなりません。 ICOが流行していた時に比べると、どちらの選択肢も開発団体や関連企業により多くの資金を要求することとなります。 考察その2:「技術発展を妨げない法規制」は達成できているか? 宣伝(業界の成長)と投資家保護(スキャム防止)のバランス SECの委員長を務めるHester Peirce氏は、同委員会の意見が大きく注目され始めた2018年当初から「技術発展を妨げない法規制」を考案するとしてきました。 これはつまり、ブロックチェーン技術の発展や業界の成長を促す宣伝を許容しつつ、それを逆手にとるようなスキャムが淘汰されていくような決まり、ということです。 [caption id="" align="aligncenter" width="158"] Hester Pierce氏[/caption] 今回の声明を見ていくと、確かにこれまで存在したようなスキャムは今後ほぼ登場してこないだろうと考えることができます。 一方、この判断基準がブロックチェーン技術の発展を妨げてしまうかどうかは、上項で箇条書きにした項目がいくつ当てはまればセキュリティとみなされるのか、そして証券登録や免除申請にどれくらいのコストがかかるのかに依存してくるでしょう。 集権化(セントラリゼーション) 今回公表された判断基準は、分散型・無政府的な世界の到来を期待する人々(若年層に多いと言われる)にとっては残念なニュースであると言えるでしょう。 実際のところ、米国投資家を対象に今後とも問題なく資金調達を行えるのはステーブルコインやトークナイズドアセット、エクイティトークンなどに限られてくると考えられます。 したがって、少なくとも米国では、「アルゴリズム集権型」の経済やガバナンスは違法化され、資金がないとプロジェクトを展開できない「国家集権型」のスタンスが固められつつあると言えます。 まとめ SECによる今回の発表は、今後のブロックチェーン系プロジェクトの発展しやすさに大きく関わってくるものです。 ハウイ・テストを用いた米国の基準では、デジタル資産の「経済的な実態」を基に、そのトークンがプロダクトあるいは投機どちらにフォーカスを当てたものなのかを判断していくようです。 特に、ハウイ・テストの「3本の柱」のひとつである「他者の取組みによってもたらされる合理的な利益の期待」は、開発団体やプロモーターなどの「AP」の役割が重要になってきます。 このルールによると、「未完成のプロダクトが完成すると見込んで投資する」ICOの基本形はセキュリティとみなされるケースが一般的となってくるのではないでしょうか。 現段階では具体的にどのトークンがセキュリティにあたるのかは不明確なため、今後SECが基準公表前に実施されたICOなどにどのような措置を行うのかに注目が集まります。
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2019/05/29暗号資産市場の相関性が2019年に入り低下していることが明らかに − HodlBot調べ
バイナンスやクラーケンで自動リバランシング機能付きのポートフォリオを組めるアプリを提供している「HodlBot」のチームが、2019年の暗号資産市場の相関性(Correlation)に関する調査を公開しました。 市場の相関性は、パッシブ投資の肝である資産の分散(Diversification)をうまくこなす上で重要なインジケーターです。当リサーチでは「暗号資産市場の相関性は2019年に入り低下している」と言う結果が出ています。 これは一体どういうことを意味するのでしょうか?当記事では、実際の計算手法やデータの信憑性について触れつつ、このHodlBotの研究調査の結果を徹底解説していきます。 はじめに: 相関性(Correlation)とは? 相関性とは、ある2つ(以上)の変数が「どれくらい一緒に上下するか」を表すものです。 例えば、「テストの点数と費やした勉強時間」の関係性を調べるためにクラス全体(20人)のデータを取ったとしましょう。 [caption id="" align="aligncenter" width="667"] ※解説のために人工的に作成したデータです。[/caption] 「テストの点数と勉強時間」のグラフを見ると、基本的には勉強すればするほどテストの点数も伸びていることがわかります。そして、相関性は約0.916と出ています(計算方法については後ほど触れます)。 このように、ひとつの変数が上昇するともうひとつの変数も上昇する相関性を「順相関」と呼びます。数学的には、相関性ρが0 < ρ ≦ 1であれば順相関と言うことができ、値が1に近ければ近いほど上昇幅の比率も等しいことを示します。 相関性ρ = 0の場合は変数同士に相関関係がないということになり、-1 ≦ ρ <0の場合はひとつの変数が上昇するともう片方は下降する「逆相関」であるといいます。 例えば、「テストの点数と前日に飲んだビールの本数」はおそらく逆相関の例になるのではないかと予想できます。 調査方法・結果 HodlBotの調査目的は「時価総額トップ200通貨の価格」と「市場全体の時価総額」の相関性を算出することです。まずは、このプロセスをわかりやすく段階分けしてみましょう。 時価総額N番目(N = 1であればビットコイン)の価格データと、市場時価総額のデータを用意する。 市場時価総額から、N番目の価格データを引く。こうすることで、市場時価総額からN番目のコインの時価総額を除外し、重複計算を防ぐ。 N番目のコインの価格データと、それを除いた市場時価総額の相関性を計算する。これをN = 1からN = 200まで繰り返す。こうすることで、トップ200の通貨と市場時価総額の相関性のリストが出来上がる。 [caption id="" align="aligncenter" width="478"] ビットコイン(N = 1)と市場の相関性は、約0.92と出ている。ビットコインが60%近いドミナンスを占めていることを考えると当然の結果と言える。[/caption] 当調査のデータはCoinMarketCapから引用されており、データの対象期間は全て2019年となっています。 こうして出来上がったリストを、相関度と頻度を軸としてヒストグラムにします。 ヒストグラムをみてわかる通り、2019年現時点の暗号資産の相関性は大幅に低下していることがわかります。この結果は「ウェルチのt検定」という手法によって、偶然による可能性が極めて低いことが確かめられています。 また、時価総額トップ20同士の相関性を見ると、TRONのみが目立って逆相関にあることがわかります(拡大図はコチラ)。 相関性が低下したことは良いこと? 相関性の低下は、ポートフォリオのリスク分散という視点からみて良いことであるといえます。これは「あるアセットの価格の上下に他のアセットがつられて動きにくい」ということを意味するからです。 例えば、時価総額トップ20の暗号通貨それぞれに投資資産の5%ずつを割り当てるポートフォリオを作ったとしましょう(実際には時価総額の大きい通貨により大きな割合を充てる「加重平均法」が一般的です)。 2018年の相関性の場合、仮にビットコインの価格が大幅に降下し市場の時価総額が下がったとすると、他の通貨も一緒に下がることになり、大損してしまうことになります。 しかし、2019年の相関性ではその下がり幅が小さくなり、かつ少なからず逆相関にある通貨の価格は逆に上昇して損失をカバーできるため、ひとつの資産(例えばビットコイン)の価格が下落してもポートフォリオ全体はそこまで下がらないことが予想できます。 つまり、投資資産を相関性の低いアセットに広く分散することでリターンを維持したままリスク(ポートフォリオ全体の下り幅)を小さくすることができるということになります。 調査の短所 当調査の結果は、暗号資産市場が少しずつ成熟し始め、市場全体が投機に大きく左右されにくくなってきた証拠であるといえるかもしれません。 ステーブルコインやセキュリティトークン、ユーティリティトークンなどそれぞれ大きな違いのあるアセットが登場してきたのもこの現れであるといえます。 しかし、どの調査もそうですが、結果を鵜呑みにしてしまうのはよくありません。今回のHodlBot調査も、主にデータの信憑性などは疑ってかかるべきだといえます。 データの信憑性 当調査は、価格・時価総額データをCoinMarketCapから引用しています。 しかし、先日のBitwiseのリサーチなどで明らかになった通り、同サイトのデータはマイナーな取引所のボリュームかさ増しなどによって時価総額データなどの正当性が大きく疑われています。 事実、CoinMarketCapの運営チームも各取引所にライブデータの提供などを要請しており、今年5月にはテザー問題などで信用の疑われているBitfinexをリストから除外しています。 したがって、市場の相関性のおおよその動向はあっているかもしれませんが、このようにあまり信用できないデータをインプットとして使っていると「ガーベッジイン・ガーベッジアウト(ゴミを入れればゴミが出てくる)」となってしまう恐れがあります。 Bitwiseによる「BTC取引ボリュームの95%は偽装されている」SECへの調査報告書まとめ - CRYPTO TIMES リニアリティ 当調査で使われている相関係数は「ピアソンの相関係数」といい、相関を調べる2つの変数の「線形関係」を仮定としています。 「線形関係」とは、変数データがおおよそ直線上に分布していることを意味します。例えば、冒頭で解説した「テストの点数と勉強時間」のグラフは、おおよそ線形に分布していることがわかります。 しかし、暗号資産以外の金融商品の価格や、スペキュレーションやアダプションなどに起因する投資家のセンチメントが大きく関わる暗号通貨市場は、線形関係では表せない可能性があります(例えば下記画像の"d"など)。 まとめ: 相関性は常に変わり続けるもの この記事では、HodlBotによるレポートの調査方法を詳しく解説し、その結果の有用性・信用度にも触れてきました。 市場の相関性は常に変わり続けるもので、いずれは4月以降のデータも含めて再度計算し直さなければなりません。これは、HodlBotが公開している過去4年間の相関性の推移を見ればよくわかります。 2019年全体、そして2020年の市場の相関性はもちろんまだ誰にもわかりません。パッシブ投資(分散型投資)では、自己裁量で一定期間ごとに相関性を見直し、それに基づいて各通貨の保有割合を変えていかなければなりません(リバランシング)。 リバランシングのコツについては「行動経済学から見る仮想通貨」シリーズでも詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ目を通してみてください。
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2019/05/25専業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【5月25日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 前回更新後、BTCは大きく下落しましたが、再度持ち直し、前回記事更新時とまったく同じ価格帯にて推移していますね。 パッと見、状況は変わっていないようにも見えますが、確実に分析材料は増加しています。今回は、それらを元に「前回更新時からの変化」に焦点を当てて、分析していこうと思います。 それでは、早速BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) まずは、BTCの長期チャートから見ていきましょう。 現在、前回記事にて「ここで止まる可能性が高い」とお話しした、「8000ドル~8200ドル(緑ゾーン)」周辺にて推移していますね。 推移している価格帯こそ変わっていませんが、前回更新後から7000ドル周辺まで振り落とされた後、再度同価格まで急上昇してきました。つまり、それだけ安値が堅い(買いが強かった)ということでしょう。 これについては恐らく、アルトコイン市場の状況などが起因していると思いますが、現状の様子だと、この8000~8200ドルについては、依然上値も重いままだと思われます。 とはいえ、日足だけでは具体的な想定シナリオやそれに対する動き方なども不鮮明なままです。ですから、ここからは中期チャートを元に、「今後、どう動いていく可能性があるのか?」について考察していきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが、BTC中期チャート(4時間足)になります。 前回記事でもお話ししましたが、「8000~8200ドルを基点に上げるか?下げるか?」については、この価格帯でのパターン形成、成立を追っていくのが妥当でしょう。 そして現段階から考えられるパターンは、「アセンディングトライアングル(青)」と「上昇チャネル(橙)」、この2通りです。 これらのチャートパターンは、どちらも「安値を切り上げている」ことから、比較的推進力(上昇の力)がしっかりしている際に現れる傾向があります。 ですが現状、このパターンを形成しているのは高値圏。仮に、これが安値圏での成立であれば、パターン成立からのロング(買い)は至極妥当な判断です。しかし、これらのパターンが高値圏で成立…、となると、素直に上抜けるよりも、「ダマシ」になる可能性の方が高くなります。そしてその場合、ロングポジションのロスカットを巻き込んでの下落になるため、下落幅も比較的大きくなります。 そのため、仮にこの2つのパターンが成立(上抜け)したとしても、その上抜けに対して安易についていかない方がよいと思います。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回、考えられうるシナリオは以下の3通り。 アセンディングトライアングル上抜け →チャネルを基準に反転下落(橙) アセンディングトライアングル下抜け(青) アセンディングトライアングル上抜け →引き続きチャネルを基準に上昇(白) 今回は3通りのシナリオをご紹介しましたが、MACDのダイバージェンス(上昇力の衰退)等も踏まえると、橙シナリオ、青シナリオのような転換シナリオが最も現実的だと考えています。 また個人的には、「アセンディングトライアングルを上抜けてチャネルまで上昇した後、アセンディング上抜けで入ってきたロング勢のストップロスを巻き込んでの下落(本格調整開始)」という橙シナリオが一番しっくりきましたね。 それでは次にドミナンス分析を進めていきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) 5/13を境にBTCのドミナンスが反転下落、それに対して主要アルトの一部ドミナンスが上昇しています。恐らく、BTCから主要アルトへと資金が流れているのでしょう。 主要アルトのドミナンスチャートを少し拡大して見てみましょう。 ドミナンス上昇の中でも目立つのは、ETHやXRP、BNB、Othersですかね。BTCのドミナンス下落に対し、Tether(USDT)ドミナンスが微動だにしていない点を踏まえると、現状は依然「リスクオン相場」と判断するのが妥当でしょう。 ですが、こうしたリスクオン状態の時こそ、逃げ時(リスクオフ転換ポイント)を見抜き、次の動きに備えておくべきです。 今回は、BTCから資金が流れたであろうアルトコインをピックアップし、それらの逃げ時(リスクオフ転換ポイント)という観点から主要アルトコインを分析していこうと思います。 主要アルトコインの動向 主要アルトコインの中でも特別気になるのは、EOS、LTC、BCHABCですね。どれも、BTCよりも先に上昇しており、BTCの初動を作り上げたと言っても過言ではないでしょう。 今回はこの3銘柄、加えてつい先日再度凄まじい上昇を見せたBNBの4銘柄に的を絞って、それぞれの転換ポイント、つまりリスクオフ転換へのタイミングについてお話ししていこうと思います。 EOS 一言で言うと、「買える状況ではない」ですね。 すでにダイバージェンスの発生後、大きく下落し、トレンドラインを下抜け・・・。そして現在、頭上にレジスタンスライン(青)も控えているため、買い場というよりは逃げ時のように見えます。 参考ポイントとしては、レジスタンスライン周辺の黄色□。ここを基準にリターンムーブ(反転下落)してくるようであれば、その後一気に資金が抜ける可能性もあるため要注意です。 LTC こちらも先ほど同様、買える状況ではないですね。 つい先日のBTC上げは、LTCが初動のようにも見えましたが、その初動もリバ狙いによる上昇と判断するのが妥当でしょう。 注目ポイントとしては、EOS同様黄色□。ここを抜けるようであれば、ダブルボトムの成立ゆえ、雰囲気も変わってくると思いますが、ここを抜けれないとなると再度資金が抜けていくのも時間の問題でしょう。 BCHABC こちらも買い場というよりは、むしろ売り場ですね。 水平ライン(黄色)をネックラインにしてダブルトップ成立。そして現在、その後のリターンムーブ(反転下落)になりうるポイントです。 こちらについても黄色ラインを上抜けることが出来るのか?否か?を元に、利食い期(リスクオフムード)に向かうのかを判断すると良いでしょう。 BNB 最後にBNBですね。 ダイバージェンスの発生後大きく下落し、緑チャネルを下抜け。一時目線が下になるかと思いきや、半値(黄色□)を機に急上昇し、現在再度チャネル内に回帰した上に直近高値周辺にて推移しています。 このように、黄色□から恐ろしいほどのV字回復を見せているわけですが、その分短期利食い勢も多いと思われます。そのため、以降は「現在の上昇に対する調整がどこで終わるのか?」が非常に重要になってきます。 現在の上昇を期に、大きく資金が抜けるようであれば、市場の判断はリスク回避ムード。逆に、資金があまり抜けない(下落幅が小さい)ようであれば、その分長期ホルダーが買い支えている、つまり、チャネル内で落ち着いた後、再度高値更新に向かう可能性が高い・・・と判断すべきでしょう。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTCは緑ゾーンにてアセンディングorチャネル →上抜けダマシに要警戒 資金はBTC⇒アルト →USDTには流れていない(リスクオン) →リスクオフ転換はアルトを基準に判断 主要アルトのほとんどは売り時→USDTドミナンスに要注目(上昇開始=リスクオフムードへ) 今回の分析を通して、主要アルトコインの多くは、どちらかといえば「売り時」というような印象を受けました。 当然、これを境に主要アルトが売られていくようであれば、今後BTCやUSDTを経由して資金が流出していく可能性があります。そのため、今回分析したアルトコインの動向はもちろん、USDTドミナンスの上昇には要注目しておくべきでしょう。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した初心者~中級者向けの有料note、『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/05/19HitBTCで怪しい動き、ビットコイン残高はわずか356BTC – BitcoinExchangeGuide調べ
大手暗号資産取引所・HitBTCで、暗号資産の引出しが数日から数週間にわたって滞っているケースがネット上で多数報告されています。 HitBTCはこの遅延に関し、ツイッター上でこの状況を非難したインフルエンサーの資産引出しを優先確保するなどといった怪しい動きを取ったことがわかっています。 通常、取引所ではサードパーティ側の障害の可能性も含めフィアット(法定通貨)の引出しが滞ることはありますが、暗号資産が引き出せないケースは取引所側が資産を盗難された、あるいは持ち逃げしたなどといった最悪の事態が大いに考えられます。 BitcoinExchangeGuideが顧客資産の在りかに迫る BitcoinExchangeGuide (BEG)はHitBTCの資産の在りかを徹底探索したレポートを公開しており、なんとHitBTCのビットコイン残高はわずか356BTCであるという結果を報告しています。 [caption id="" align="aligncenter" width="721"] (Crystal Blockchainを利用したデータ)[/caption] 上の画像は、顧客口座やホット・コールドウォレットなどを含むHitBTCアドレス宛に送金されたBTCと、HitBTCから出金されたBTCそれぞれの内訳を示しています。 取引所アドレスへのインフロー 画像左側、HitBTCアドレス宛のBTC送金内訳を見ると、40%近くが「ギャンブル」カテゴリのアドレスから送金されていることがわかります。 ギャンブルカテゴリの内訳を見ると、CoinGaming.ioというサービスが送金額全体の41%ほどを占めていることがわかります。 BEGの調べでは、CoinGaming.ioの担当人物・団体はギャンブル関連の犯罪と強い結びつきのあるパナマと関わりがあることがわかっています。 また、BitThumbやZaif(ザイフ)のハッキング事件で盗難された暗号資産もCoinGaming.ioに流れているといいます。 取引所アドレスからのアウトフロー 取引所アドレスからの出金先は主に「信頼された取引所(0.22%)」と「未定義(99.8%)」の2つに分かれています。「信頼された取引所」カテゴリは、HitBTCのコールドウォレットなどとみられるアドレス群です。 出金先アドレス群「未定義」カテゴリの資産の元(インフロー)をたどると、怪しいソースが出てきます。 赤枠・オレンジ枠: HitBTC自身からのインフロー。赤枠の方は「信頼された取引所」としてタイプ付けされている一方、オレンジ枠の方は非公式であることがわかる。つまり、HitBTCは約8647BTCをなぜか別口座に一度移してから取引所へ送金し直していることがわかる。 黒枠: 暗号資産ウォレットサービス・Freewalletからのインフロー。Freewalletでは、運営者が顧客の資産を盗み取ったとする証拠やケースが多数浮上している。 青枠: インフロー内訳で解説したCoingame.ioとの関連性はここにも現れている。 このビットコインのアウトフローは以下のアドレスに出金されています(送金額トップ10)。 Bitfinex Binance Bitstamp Bittrex Poloniex Coingaming.io BitMEX OKEx Huobi Coinbase BTC残高合計−356BTC 「信頼された取引所」および「未定義」カテゴリのアドレス群には、インフローからアウトフローを引いて以下の額が残っていることになります。 信頼された取引所 = 191.60 BTC 未定義 = 166.3977 BTC したがって、HitBTCは未だ一般に知られていないウォレットを持っていない限りたった356BTCしか保有していないことになり、顧客の暗号資産引出しが滞っていることにも説明がつきます。 この調査は当然BEG記者が自己収拾した情報に基づくもので、HitBTCは公式テレグラムで「引出し遅延問題の解決に取り組んでいる」としたままです。 今月15日には、ニュージーランドの取引所・Cryptopia(クリプトピア)がハッキング被害後の事業立て直しに失敗し破産手続きを開始しています。 仮にこの調査が正しいとして、HitBTCが破産手続きを出そうことがあれば、資産持ち逃げなども十分に疑っていかなければならないでしょう。
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2019/05/15専業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【5月15日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 前回更新後から、BTCは急上昇しましたね!前回記事でもお話ししましたが、やはり高値圏でのチャネル上抜けは爆上げの火種につながりました。 正直、短期間でこれほどの上昇を見せるとは思っていませんでしたが、おかげで大手メディアなどに改めて仮想通貨が取り上げられ始めました。再び新規参入の可能性も十二分にありえますので、その時に備えて、今回もしっかり分析していこうと思います。 BTCチャートの分析 BTCチャート(超長期) 今回は、参考情報があまりにも少ないため、週足の分析から進めていきたいと思います。 まず、前回記事更新時には、オレンジチャネルに沿ってチャネルを形成して推移していましたね。しかし、チャネルの上抜けを機に出来高を伴って大きく上昇、出来高も減りはしたものの依然良好、といった状態です。 ここからは、一時の上げとまりポイントを探す形となってしまいますが、現状最も可能性が高いのは「8000ドル~8200ドル(緑ゾーン)」だと思われます。 もし、売り時を探すのであれば、この緑ゾーン周辺でのパターン形成を元に、売り買いのパワーバランスを推し量った上でポジション取りを行うのが妥当でしょう。 ただ、その成立パターンによっては、再度高値更新に向かう可能性もあります。そのため、「ここでどういったパターンを形成するか?」について、引き続き要チェックです。 BTCチャート(長期) こちらは日足チャートになります。こう見るとやはりエゲつない上げ方ですね・・・。しかし、その分の戻しも大きくなりそうなので、売り時を見つけるべく、チャートに張り付く価値もありそうです。 また、先述したポイントで頭打ちした場合には、「黄色ゾーン(6100ドル)」周辺までの下落が想定されます。 この黄色ゾーンは、3100~4000ドル周辺の保ちあいブレイクを基準にしたフィボナッチの「半値」だけでなく、前回記事でご紹介した「チャネル(緑)」、過去にディセンディングトライアングルの下限として機能した「水平サポート(水色)」が重なるポイントです。 ですから、「ここまで下落する」というよりは、「この価格帯は堅い」といったイメージで捉えていただけると良いかと思います。 BTCチャートの総評 反発ポイントなどを考慮すれば、数パターン用意することも可能ですが、今現在のチャート状況から、想定できる推移は以下の1パターンのみです。 緑ゾーンにて転換パターン形成⇒調整移行 また万が一、調整移行が始まった場合、「黄色ゾーン(6100ドル)」周辺でどのような動きを見せるかは、「再度推進移行するかどうか?」にもつながりますので、しっかりチェックしておきましょう。 さて、それでは次にドミナンス分析を進めていきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) やはり前回更新以降、BTCのドミナンスも急激に上昇していますね。 しかし5/13以降、BTCのドミナンス反転下降と同時に、主要アルトコインのドミナンスが反転上昇してきています。 BTC大躍進の間、アルトもBTC建てで急激な下落を見せていましたから、BTCが8000ドル周辺をつけて以降、資金が割安アルトへ流れているのでしょう。 では次に、アルトコインのドミナンスを拡大してみましょう。 5/13以降のドミナンス反転上昇の中でも、ETH、XRP、Othersの上昇が目立ちますね。またそれに対し、Tetherのドミナンスが下降しています。 この点から、「リスク回避ムード(リスクオフ)というよりは、アルト売買で差益を狙う、リスクオン相場に転換した可能性が高い」と言えるでしょう。 では次に、主要アルトの値動きを見ていきましょう。 主要アルトコインの動向 やはり、BTCが8000ドルをつけて以降、一気にアルトコインへと資金が流れていますね。 上昇率で言えば、ETHも非常に優秀ですが、「XRP」や「TRX」、「ADA」などの低単価アルトの伸びも目立ちます。 今回は、すでに大きく上昇してしまった通貨が多いので、現状まだ大きく上昇していない通貨に的を絞ってお話しを進めていこうと思います。 それでは、早速ご紹介していきましょう。 XLM 昔からアルトトレードを行っている方はご存知かもしれませんが、過去の推移を見てみると、「XRPの上昇後にはXLMが上昇する」といった傾向があります。 もちろん、それだけでは根拠も薄いですが、現状ラインに忠実に推移してくれているため、現状の下降ウェッジを基準に押し引きしていくと良いと思われます。 XEM XLM同様、下降ウェッジにて推移していますが、現状その下抜け後にてダブルボトムを形成しています。いまだ出来高が少ないのが気にはなりますが、日本人人気銘柄が奮闘していますし、こちらもここからの推移に期待です。 IOTA 何よりも気になるのが、仕込みとも思われる出来高ですね。チャート的にはそこまで優秀というわけではありませんが、緑点線へのリターンムーブまで落ちてきてくれれば、損切り幅も少なく済みますし、期待値は十分にあると思います。 総評(まとめ) 最後にまとめに入りましょう。 BTCは緑ゾーンでのパターン形成待ち →押し目候補は6100ドル アルト↑、USDT↓(ドミナンス) →リスクオン転換か? 現在、BTCが高値圏にて推移しているため、積極的にSを打ち込みたい状況ではありますが、ここから再度アルトブーム突入・・・となると、アルト需要により、現物主導でBTCが買われ、下値が堅くなる可能性があります。 ですから、Sメインで攻めていく場合には、ブレイクポイントでSを入れるのではなく、より優位な高値圏でのS打ち込みが良いと思われます。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した初心者~中級者向けの有料note、『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/05/12BitfinexのTether(テザー) / $USDT 問題を振り返り 仮想通貨市場に大きな影響を与えた事件の発端とは
ここ最近の仮想通貨界隈は仮想通貨取引所Bitfinexのテザー問題で賑わっていました。この一連の問題に対してCryptoTimesでは様々なニュースを取り上げてきましたが、今一度この問題について振り返ってみたいと思います。 テザー(Tether / $USDT)とは テザー社はUSDTというステーブルコインを発行しています。この通貨は米ドル連動型となっており、テザー社によって1:1の割合で米ドルが保管されています。そのため、USDTのレートはほぼ1ドルを維持し続けています。 この通貨はボラリティの高い仮想通貨取引においてリスクヘッジのための手段として開発されました。 現在では主流になりつつある法定通貨に価値を裏付けされたステーブルコインですが、テザーは他社に先駆けていち早くステーブルコインを発行しました。そのため、USDTは現在では最も流通量の多いステーブルコインとなっています。 USDTの特徴として、トークン保有者はテザー者に対してUSDTを入金することで法定通貨を受け取ることができます。 払拭しきれないテザー疑惑 テザー社に対する疑惑は以前から存在しており、今回の問題に限らず仮想通貨界隈に大きな影響を与えています。 仮想通貨界隈では以前からテザー社が発行しているUSDT相当の米ドルを保有していないのではないかと言われています。 同社はこれまで数度に渡って数億ドル単位のUSDTを新規発行していますが、これを裏付けるだけの米ドルを保有しているという事実に疑いがかかっています。また、これだけの額のテザーを実際に購入している人がいるのか疑う声も挙がっています。 新たに2億5000万ドルのUSDTがテザーによって発行される ー CRYPTO TIMES 上の画像がUSDTのこれまでの時価総額を表したチャートになります。少しずつ増えている期間は自然な増えかたではありますが、1日で急激に供給量が増えている箇所が複数あるのが確認できます。 もし、テザー社が同額の米ドルを準備せずにUSDTを発行すれば、元手なしでいくらでもビットコインを買い漁ることができてしまうため問題視されています。 テザー社とBitfinexの関係性 テザー社とBitfinexはしばしば関連づけられて報道されます。これは、両社が共通の親会社を持つことやBitfinexの経営者がテザー社設立に協力したとされていることに起因します。また、両社のCEOも同じ人物が務めています。 以前にはテザー社が数億ドル単位のUSDTを新規に発行した直後にBitfinexでレバレッジをかけた大口のビットコイン取引が確認されたこともあり、その疑念は深まるばかりです。 もし両社が事前に打ち合わせをした上でこのような取引を行なっているのであれば市場操作の可能性が濃厚となります。 NY州の司法長官がBitfinexを訴追 NY州司法当局のレティーナ・ジェームズ司法長官は4月25日にBitfinexとテザー社を資金の不正利用を理由に訴追しました。 同氏によると、Bitfinexは自社資産と顧客の資産を混同して保管していただけでなく、提携先のクリプトキャピタル社の損失補填に7億ドル(約777億円)相当のテザーを使用したとされています。 昨年10月にユーザーからの出金処理が遅れていたBitfinexですが、同氏はこれもクリプトキャピタル関連の損失が原因だと主張します。 Bitfinexは声明を発表し反論 Bitfinexは翌26日に声明を発表し、NY州司法長官を批判しました。同社は司法長官の訴えを間違った指摘だとして反論しています。 Bitfinexはクリプトキャピタルの損失額に関して「文書には異なった内容が記載されており、クリプトキャピタルの金額は失われたのではなく押収され保護されています。」と説明しています。 そして、同社は規制当局が事実と異なる内容でBitfinexを意図的に妨害していると批判しました。 テザーが米ドルの裏付けが100%ではないことを認める テザー社の弁護士は4月30日にUSDTの米ドル裏付けが100%ではないことを公表しました。担当弁護士のズー・フィリップス氏は実際に米ドルに裏付けられているのは全体の74%だとしました。 フィリップス氏はこの事実に対し、特に問題はないと主張します。同氏は商業銀行も預金額のうちの一部しか現金で保有しておらずテザーと変わらないと説明します。 しかし、この事実はテザー社がUSDTローンチ時から発言してきた1USDT=1USDの割合で価値を裏付けされているという点と大きく異なります。 10億ドル規模のIEO実施か 4月末から実施される可能性があるとして報じられてきたBitfinexのIEOですが、同取引所は今月9日に公式発表を行い、トークンセールを開催することを発表しました。 Bitfinexが取引所ユーティリティトークン「LEO」のプライベートセールを発表 ー CRYPTO TIMES トークンは「LEO」と名付けられており、同取引所での取引手数料やその他手数料の割引に使えるとされています。 Bitfinexは10億ドルに相当する10億LEOをプライベートセールを通して販売する狙いがあるようです。また、Bitfinex社の親会社、iFinex社は収益を使ってLEOの買い戻しを行なっていくことも合わせて発表しています。 Bitfinexのコールドウォレット内のETH残高が半減 TwitterユーザーのAndrew Rennhack氏はBitfinex社の管理するコールドウォレット内のイーサリアム($ETH)残高が半減している点を指摘しました。 BitfinexのコールドウォレットのETH保管量が半減していたことが明らかに ー CRYPTO TIMES BitfinexはNY州司法長官とのテザー問題のニュースが報じられた4月25日から出金を開始しており、当初は214万ETHが保管されていましたが、報道時には110万ETHまで減少していました。 また、巨額のビットコインも同取引所のコールドウォレットから出金されていることが確認されています。 これらの資金の出金先は判明しておらず、「経営状況が危ない同取引所が顧客の資産を別のウォレットへと移動させているのではないか」という見解が挙がっています。 テザーが引き起こす問題点 テザーは最も時価総額の大きいステーブルコインであるだけに、仮想通貨市場におけるその存在感も非常に大きなものとなっています。そして、様々な疑惑や問題を抱えるテザーは度々仮想通貨市場に問題を引き起こします。 相場への影響 一連の問題の発端となるBitfinex訴追のニュースが報道された先月25日には、5,500ドル台で取引されていたビットコイン($BTC)の価格が最大で6%暴落し、5,100ドル台まで落ち込みました。 同じくテザー($USDT)も25日に1ドルから0.98ドルに下落しています。 その後両通貨は回復し、記事執筆時ではビットコインが5,722ドル、テザーが1ドルにて取引されています。 法定通貨に交換できなくなる可能性も テザーは公式サイトの免責事項にて「USDTの現金化には応じない」と記載していたこともあり、USDTの価値を疑問視する声も聞かれます。 現在はTetherの公式ウェブサイトによると、1週間に一度のみUSDTから米ドルへ換金が可能で最低金額は10万USDT(1,100万円相当)に設定されています。さらに、手数料も必要となっており、1,000ドルもしくは換金額の0.4%でどちらか高い方が適用されます。 USDTは一企業が発行しているデジタルトークンで、政府や銀行による保証は一切ありません。そのため、Tether社や Bitfinexが資金繰りに行き詰まった際には換金できなくなる恐れがあります。 また、両社の資金繰りはすでに厳しいとする見解も挙がっており、資金繰りを改善するためにIEOを実施するではないかと憶測が飛び交っています。 ステーブルコインとしての信頼性 USDTの最大の特徴は米ドルとペッグされいるため、価格が安定しておりボラティリティの高い仮想通貨市場において安定資産として扱われるという点です。 しかし、USDTは先述のように様々な憶測やニュースによって価格が乱高下し、ステーブルコインとしての役目を果たしきれていません。 今後も乱高下を繰り返すようであれば、投資家はTUSDやGUSDなどといった他のステーブルコインに流れていってしまうでしょう。 大きな影響を与えたテザー社のニュースですが、その影響は一旦収まったと見られます。しかし、今後追加の報道が出てきた際に再度大きな影響を与えることも十分に考えられるので注意が必要です。 記事ソース: CoinDesk, Coinmarketcap, Bitfinex, NYSCEF, Tether, Coingecko
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2019/05/09100万ドルのライセンス収入を得たと言われるKodakOneはなぜ成功したのか
先日ライセンス収入が100万ドルを突破したと報じられ、再び話題になったKodakの著作権プラットフォーム、KodakOne(コダックワン)ですが、プロジェクトの概要やなぜ成功したのかという点をご存知の方は少ないのではないでしょうか? 今回の記事ではKodakOneの特徴をおさらいし、なぜ成功を納められたのかを分析していきます。 KodakOne(コダックワン)とは? そもそもKodakOneとはどんなサービスなのでしょうか?プロジェクトの名前にもなっており、コダックワンの運営元でもあるKodak(コダック)はかつては写真用品メーカーとして世界有数の企業でした。 当時は「コダック・モーメント」という単語が定着するほど名の知れた企業であり、誰でも知っているような大企業でした。しかし、Kodakはデジタル化などの時代の流れに取り残され、会社の規模を大幅に縮小せざるを得なくなってしまいました。 そんなKodakが巻き返しを図るべく、AIやビッグデータを得意とするWENN Degitalと提携して立ち上げたのがKodakOneというプロジェクトです。このプロジェクトの特徴としては以下の3つが挙げられます。 画像の著作権の管理 KodakOneの最大の目的は画像の著作権を適切に管理する事です。SNSやブログの普及により、画像の著作権に起因する問題は増加する一方です。 特にSNSなどでは簡単に写真をアップロードできる事から、利用者が罪の意識なしに不正にアップロードしている事が多く、写真を撮影した本人に正当な報酬が支払われないという事態が起きています。 そういった問題を解決するべくKodakが立ち上げたのがKodakOneというプラットフォームです。 カメラマンはKodakOneを利用する事で自身の写真の追跡が可能になり、適正な報酬も受け取る事ができます。 SECの規制に準じたICO KodakOne上で利用されるKodakCoin(コダックコイン)のICOは非常に厳格なルールに沿って行われました。それもそのはずで、KodakはSEC(米証券取引委員会)が定めたガイドラインに沿ってICOを行ったとされています。 Kodakは自身が2012年に破産法を適用した事や近年流行しているICO詐欺を踏まえてこのような手段をとったと見られています。 さらに、ICOはFINRA(金融取引業規制機構)に登録済みのブローカーディーラー監督の元進められたという事もあり、透明性は十分だと言えるでしょう。 適正投資家のみに絞られたICO 厳格な規制に準拠して行われたとされるKodakCoinのICOですが、参加資格も非常に厳しく設定されていました。Kodakが投資家に求めた条件は資産100万ドル(約1.1億円)以上もしくは年収20万ドル(約2,200万円)以上となっており、多くの個人投資家はこの時点で弾かれてしまいました。 さらに、コインの購入方法にはSAFT(Simple Agreement for Future Tokens)というシステムが用いられており、1単位あたり1米ドルにて購入する事ができます。このシステムを採用するためには先述のSECの規制やKYC、マネーロンダリングの防止など多くのルールを遵守している必要があります。 Kodakは資金調達額は最大で5000万ドル(約54億円)と発表しており、ICOは成功に終わったようです。 KodakOne(コダックワン)のライセンス収入が100万ドルを突破したと報じられる BreakerMagは1月8日にKodakOneのライセンス収入が100万ドル(約1.1億円)を突破したと報じました。 KodakOneの創業者であるCam Chell氏はプロのカメラマンでさえマーケットの2割程度のライセンス手数料しか得られていないとし、人間が介入する事によって発生するコストによってライセンス収入が圧迫されていると指摘しました。 Chell氏はKodakOneではブロックチェーンを使って作業を効率化する事で、残りの8割をカメラマンに還元すると話しています。 ICO実施時には成功しないだろうと予想されていただけに今回のニュースは市場関係者に大きな衝撃を与えたようです。 なぜKodakOneは成功を納められたのか? KodakOne成功の背景には写真の著作権市場の小ささが挙げられるでしょう。 (画像引用元: JNEWS.com) 世界的に見て著作権ビジネスで最も成功を納めているのは音楽分野です。2018年には世界の著作権使用料がおよそ1.1兆円でしたが、音楽分野は9597億円と87%を占めています。対する絵画・彫刻・写真は232億円と全体のわずか2%に止まっています。 しかし、決して写真への需要が音楽に比べて格段に少ないという事ではなく、写真の著作権ビジネスにおいてうまくマネタイズできていなかったり、ビジネスモデルが確立されていない事が原因として挙げられます。 最近ではShutterstockなどのサービスが登場してきており、アマチュアのカメラマンでも撮影した写真からライセンス収入を得る事が簡単になってきています。 KodakOneではこの点に加え、作業をブロックチェーンおよびスマートコントラクトで効率化し、さらに収益性を高めている事からもプロジェクト開始当初からユーザーの心を掴んだのではないでしょうか。 まとめ KodakOneのニュースが大々的に報道された一方で、ライセンス収入の不透明さを指摘する声も上がっています。 ICOでは非常に信頼性の高い方法を用いていただけに、今後も同プロジェクトには情報開示など、透明性を求める声が聞かれそうです。 記事ソース: KodakOne, JNEWS.com, BreakerMag
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2019/05/06専業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【5月6日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 GWも最終日となってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?次回の連休まで2ヶ月近くあるそうですが、トレードしながら次の連休まで凌いでいきましょう!笑 さて、BTCは前回更新から一時下を試すも、底硬く依然チャネル内にて推移していますね。上下どちらも硬いため、難解な状況ですが、今回もじっくり分析を進めていこうと思います。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) 特にこれといった変化はありませんが、白チャネルやオレンジライン、6100ドルライン(水色)は依然要注目でしょう。 とはいえ、いまだ高値圏にて推移しておりますから、長期足基準でポジションを取るのではなく、中期チャートや短期チャートベースでポジション取りを行い、それらを状況次第では引き伸ばしてホールドしていく・・・という戦い方がベストでしょうね。 では次に、中期チャートの分析に移りましょう。 BTCチャート(中期) こちらも、依然チャネル(緑)推移ですね。このままこのチャネルを維持して上昇していく可能性もありますが、6100ドルに近づくにつれ、上値は重くなっていくと思われます。 また万が一、緑チャネルを下抜けた場合には、長期チャートのチャネル下限や半値(4850ドル)等を参考に押し目買いを狙っていくのが妥当でしょう。 BTCチャートの総評 現状のチャートから想定できる推移は以下の2パターン。 ①中期チャネルで押し目を作り、6100ドルに到達。のち調整開始。 ②中期チャネルを下抜け、調整開始。 恐らくこの2パターンでしょう。 当然、6100ドルを上抜け、チャネル上限まで上昇してくれたほうが展開としては綺麗なんですが、6100ドルは過去何度も意識させられたサポートライン。恐らく、現状の中期チャネル推移を維持している限り、この上抜けは困難でしょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) 前回更新時から、ビットコインは大きく上昇、それに対してアルト市場は全体的に下降に転じていましたが、依然その流れは継続しているようです。 では次に、アルトコインのドミナンスを拡大してみましょう。ETHやBNB、XRPなどの主要アルトコインのドミナンスもジワジワとではありますが、確実に減少してきていますね。 そんな中ですが、USDT(テザー)だけは上昇傾向にあります。前回もお話視した、現物BTCに対する利益確定の動きでしょう。また、USDTドミナンスの増減に関しては、今後アルト市場の上方転換を見切る際にも活用できますから、引き続き要チェックですね。 では次に、主要アルトの値動きを見ていきましょう。 主要アルトコインの動向 BTCの高騰(黄色ライン)を機に、アルト市場からの資金抜け(アルトドレイン)が発生し、現在も継続中です。 全体的下落ムードですから、無理してアルトコインを触るべきではありません。ですが今後、「どういったときにアルトを買いに動くか?」を考え、先手を打っておくのは大きな利益にもつながりますし、非常に重要です。 つまり今現状、最も考えるべきは、「今後、アルトに資金が流れるのはどういったシチュエーションか?」というわけです。 アルト市場の活性化は、大抵影響力の大きい主要アルトコインの上昇を機に始まります。まだまだ下落の余地もありますが、今回は「その火種になる可能性」に重きを置いて分析を進めていこうと思います。 EOS 現在、直近トレンドのサポートラインを下抜け、リターンムーブの下落中ですが、過去Cフォークラインがサポートとして機能しうるポイントです。 さらに半値や200SMAなどのサポートも存在するため、ここらで一旦買われる可能性が高いのでは?と見ています。 LTC 前回のアルト市場活性化の火種となったLTCですが、現状EOS同様、半値周辺にて推移しております。 もちろんこれを否定となれば、さらなる下落の可能性が出てきます。しかしEOS同様、損切り幅も少ないため、ここらでお試し買いしてみる期待値も十分かと思います。 BNB LTC同様、前回のアルト市場を牽引してきたBNB。前回記事では、ダイバージェンスの成立から、利食い転換の可能性をお話ししましたが、近日長期サポートラインへの到達が予想されます。 通貨自身のポテンシャルも高く、出来高も安定的ですから、こちらについても引き続き要チェックしておくべきです。 総評(まとめ) 最後にまとめに入りましょう。 BTCは中期チャネル(緑)に注目 →下抜けで本格調整開始 アルトへの資金出戻りを要監視 →特に前回優秀な推移を見せた通貨のリバに期待 BTCもアルトも長期ポジションを仕込めるようなポイントではありませんから、中期チャートを基準にポジションを取り、それらを状況に合わせて引き伸ばしていく・・・、そんな戦い方がベターだと思います。 特に、アルトについては「依然、流れは下」という前提の元、ポイントを絞った上で、逃げ足早く動いていくべきでしょう。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した初心者~中級者向けの有料note、『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/04/30LINE株式会社とその親会社NAVERのブロックチェーン事業展開
“夜明け前が一番暗い”という言葉はLINEアプリがリリースされる前のNHN Japan(現|LINE株式会社)の状況をそのまま表現していると言えるでしょう。 韓国の大手IT企業NAVERが日本で作った子会社(現|LINE株式会社)が親会社(NAVER)を満足させられる実績を残せていなかったため、LINEアプリが成功する前の社内の雰囲気は暗く撤退の声も上がっていたと伝えられています。 その状況でLINEアプリがリリースされ、日本で大成功し世界から愛されるアプリになるまで日本と韓国の協力がありました。 LINEアプリの成長速度は他SNSより圧倒的に早かったため、日本に拠点を置くLINE本社は日本内でのサービス開発に集中し、海外まで展開できる余力がありませんでした。 そこで海外展開をするために親会社NAVERとLINE株式会社が合併会社としてLINEプラスを韓国で設立し、NAVERから資金力と技術力などのリソースを補ってもらっのです。 こういった韓国との切り離せない背景があり、日本に本社があるLINE株式会社は「日本企業」なのか「韓国企業」なのかについて両国で議論されているのも事実です。 自国のブランドロイヤリティーの高い日本市場は、韓国企業のが苦手市場であるという認識がありました。しかし、NAVERは今まで韓国企業がやってきた現地化の常識を超え、企画の段階から日本の人材を採用し、一緒に研究し、一緒に作り上げ徹底的な現地化をしてきたのです。 議論の余地がある企業を果たして“韓国レポート”で取り扱っていいのか考えましたが、LINE株式会社のルーツが韓国にあることや韓国の一般人はNAVERの日本子会社としてLINE株式会社を認識している人が多いため、あくまで韓国人としての立場から本記事を書かせていただきました。 この記事では今までのNAVERとLINE株式会社の歴史や今後の展開について説明いたします。 NAVER株式会社の概要 NAVER株式会社は6割以上のマーケットシェアを占めている韓国最大の検索エンジンNAVERを運営している会社です。 NAVERは“航海”するという意味の'Navigate'の前の綴りと'人'という意味の'–er'を合わせて名づけられました。 つまり、NAVERは“情報の海であるインターネットを航海するひと”という意味が含まれています。 NAVERポータルサービスを中心にNaver Cafe、Blog、Post、Q&Aサイト“知識IN”などのコミュニティサービス運営し、大きな成長を遂げてきました。 日本のコミュニティはTwitter、5chなどが活発ですが、韓国だとこれらの代わりになるのがこのNAVER Cafeサービスであると感じています。 仮想通貨のコミュニティCafeも多数あり、韓国で一番有名なのは“BITMAN”というCafeです。BITMANの登録者数は45万人を超えており、バナー広告の単価もかなり高いと聞いています。 ここまで人気のコミュニティサイトになるとほとんどのCafeは収益を得て企業化し、本来の趣旨とは違うコミュニティになることが多いです。 NAVER株式会社の沿革 NAVERは1997年に韓国のサムスンSDSの社内ベンチャー「ウェブグライダー」として始まり、サムスンの支援を受け1998年1月に初めてサービスを開始しました。 当時、サムスングループも検索ポータルサイトはいいアイテムだと思っていましたが、サムスンがやるには市場規模が小さいと判断し、事業拡大を積極的に展開する予定はありませんでした。 そのため、現CEOのイ・ヘジン氏を含む創立メンバーらはサムスンから出て、1999年の6月ネイバーコム(株)を設立することになります。 その後、2000年7月にネイバーコム(株)は5か月間で300万人のユーザーを獲得していた「ハンゲーム」などの買収合併を行い、成長を図ります。 合併後、2001年9月には社名をNHN(株)`NEXT HUMAN NETWORK`に変更し、この時NHNという名前が初めて知られるようになりました。 2013年の8月にNHNは合併していたゲーム事業を分社化し、検索ポータルサイトNAVERを運営する・NAVER株式会社(LINEの親会社)とゲーム事業を運営する・NHNエンターテインメント(現在のNHN)に分かれます。 NAVER株式会社の代表的なサービスと韓国での成功について 韓国は今、4Mbit/s速度以上のインターネット普及率が96%を超え、インターネット普及率の世界1位の国になっていますが、NAVERが始まったころはインターネット文化が発達していなかった時期だったため、成功の保証はありませんでした。 特に事業開始の初めのころは1995年2月に設立されたKAKAOの前身会社DAUMコミュニケーションズがメールサービスやDaum Cafeを筆頭に認知度を上げ、2000年にはDAUM検索という検索ポータルサイトをリリースし、ほとんどのマーケットシェアを占めていたため、新生検索ポータルのNAVERの存在感はありませんでした。 しかし、300万人のユーザーを獲得していたハンゲームとの合併により、NAVERの検索サイトに大きなシナジー効果をもたらすことができた、そして、2002年の10月にユーザー同士で知識を分け合える“知識IN”サービスをリリースしたことで成功に近づきます。 (知識INサービスが始まったきっかけは韓国語で作られたコンテンツがとても少なく、まともな情報がなかったため、この問題を解決するためにリリースされたといわれている。このサービスはYahooやGoogleもベンチマーキングすることとなる。) 知識INで大きなユーザーと資本を獲得できたNHN(株)はDAUMコミュニケーションズに対抗できるサービスNAVER CafeなどのDAUMが提供していた類似サービスをリリースしたり、当時一番人気のあった女優スターであるジョウ・ジヒョン氏(今の日本に例えると石原さとみ氏にあたる)を広告で採用するなど攻撃的戦略とマーケティングで巨大化していきます。 認知度と資本力を確保できたNHN(株)は2004年6月にはコスダックで時価総額1位になり、財閥に近い企業となりました。 NAVER検索ポータルのマーケットシェア推移 検索サイトNAVERは毎年マーケットシェアを伸ばし、2016年にピークを迎えます。マーケットシェアが8割を超えていたため、韓国人10人の内8人はNAVERの検索サイトを使っていたと言えるでしょう。 しかし、インターネット速度の向上によるYoutube急成長やスマートフォンの普及によるアプリの急成長があまりにも著しかったため、最近のNAVER検索ポータルのマーケットシェアはどんどん落ちてきています。 また、マーケットシェアが落ちてきているもう一つの原因として、NAVER検索ポータルが信頼性を失ってきているためでもあります。 昔からNAVERには世論操作をしている人がいるのではないか、またNAVERは自分たちの都合がいいように検索順位を変えているのではないかと疑われていました。 2018年になり、これらの噂に関する政治関係者らの調査が始まり、実際に世論操作が行われた事実が判明されNAVERの運営方針やアルゴリズムに不信感を持つ人々が増え、他の検索サイトを利用することを検討する人も多くなってきています。 LINE株式会社の沿革 現在のLINE株式会社は「ハンゲームジャパン」という社名で2000年9月に韓国のNAVERの100%子会社として設立され、2000年11月ゲームポータルサイト「ハンゲーム」サービスを開始しました。 2001年に韓国の親会社の社名がNHN(株)になったため、ハンゲームジャパンは2003年の8月にNHN Japanに社名を変更します。 その後、NAVERの検索サイトとブログといったサービスを日本でもリリースするがSoftbankのYahoo Japanが独占していたため事業拡大に苦戦していました。 NHN Japanは少しでもマーケットシェアを伸ばすために日本有名検索サイト“livedoor”を買収しましたが、実績はよくならず韓国の経営陣の間では日本市場で撤収すべきだという声も出てきている状態でした。 この厳しい状況の中で2011年6月韓国のカカオトークと似ているメッセンジャーアプリ「LINE」アプリをリリースし、日本で急成長を遂げます。(韓国でカカオトークがリリースされたのは2010年の3月) カカオトークは主に韓国市場だけで成長しましたが、LINEは日本を中心に世界をターゲットにし、グローバル企業として成長することができました。 2013年4月にはゲーム事業が分社化され、NHN Japanは代表的サービス「LINE」を社名として使うようになりました。(分社したゲーム事業関係の会社の社名はNHN Play Art株式会社になる) LINEアプリの成長について 2011年6月にリリースされた「LINE」アプリはサービスを開始して19か月の2013年の1月に世界での登録ユーザー数が1億にを超えるグローバル企業になりました。 世界的なSNSプラットフォームも1億人のユーザーを獲得するためにはFacebook(4.5年)、Twitter(5年)ほどかかったことを考えるとLINEアプリの成長スピードはものすごかったことが分かります。 2016年の3月には登録者が10億人を超え、大きな成長をしてきたLINEアプリは現在、日本だけで7,900万人以上が利用しており日本人口の約6割以上をカバーし、日本の生活インフラとなっている状況です。 LINE株式会社のアイデンティティ 上記に記述したように、LINEアプリは日本で圧倒的な支持されているサービスです。 しかし、日本内で一番売れているスマートフォンのiPhoneの製造会社Appleが日本の企業ではないようにマーケットシェアが企業の国籍を決める要素ではありません。 世の中がグローバル化し、内需で成り立っていた企業も多国籍企業になっていく状況になっており、外国人の株主も増えている状況なのでアイデンティティを追求するのは無意味といえるでしょう。 ただ、日本と韓国の歴史的な絡みや自国ブランドへの忠誠度が高い日本人において企業の“国籍”は両国の消費者に大事な事項ではないと否定できないのも事実です。 法理的観点や決定権から見たLINE株式会社 世間の一般人が企業の国籍を決める際、考える観点は以下の2つの項目が一般的です。 1.所在地はどこなのか?(法理的な観点): 法律的な観点から考える際、“本社の所在地”で企業の国籍決める傾向があります。 LINE株式会社の本社所在地は東京にあり、日本の現地法に従い、管轄裁判所も東京裁判所であるため、所在地の観点や法理的な観点からは日本の企業です。 2.事業決定権は誰が持っているのか?: 事業を進める際、決定権はとても大事な要素の一つです。決定権は株の構造を見ると誰が持っているか分かりますが、LINE株式会社の73.36%の株を韓国のNAVER株式会社が持っています。 まとめますとLINE株式会社の代表的なサービスLINEメッセンジャーの大きな枠組みは韓国側が設定したが、細かい開発・事業展開は日本側が担当したことが分かります。 法理的に日本の企業だが実質的な権限はGoogleにYoutubeが従属されているようにNAVER株式会社にLINE株式会社が従属されていると筆者は思っています。 LINEの事業分野 LINEの事業分野はメッセンジャーアプリを中心に提供してきたコア事業と戦略事業で分類することができます。 コア事業 広告 コミュニケーション コンテンツ (漫画・MUSIC) など 戦略事業 LINE Pay 金融サービス コマース・AI など 様々な分野で事業展開しているLINE株式会社ですが、最近激しくなっているPAY PAYとの競争や子会社LINE Financailの新サービスリリースの速度を見ると特に金融サービスに力を入れていることが分かります。 そしてLINEはメッセンジャーアプリから新しいサービスをリリースし、総合ポータルとして成長したように、今回はブロックチェーン技術を取り入れ、LINEエコシステムの付加価値をユーザーと共有できる新たなプラットフォームで更なる成長を狙っています。 LINEのブロックチェーン概要 LINEのLINKチェーンは韓国の代表的なパブリックブロックチェーンICONのメインネットをベースに別途のコンソーシアムブロックチェーンのメインネットを開発したものです。 まずは、LINKチェーンのdAppとしてサービスするLINEの子会社がノードとして参加し、サードパーティーの参加はその次になる予定です。 今、既にLINKチェーンをベースに作られたdAppは日本でサービス中ですが取引所のライセンスを申請しているLINEはライセンスの取得に影響がないよう、マーケティングを最小限に抑えているように見えます。 dAppについては本記事の下に記載がありますので、ご参考ください。 LINEのブロックチェーン関連組織 LVC 株式会社(所在地:シンガポール) LVCは、LINEの仮想通貨事業、およびブロックチェーン関連事業を展開している会社。 LINEのセキュリティのノウハウを引き継ぎ、ブロックチェーン技術の研究開発を推進。 LINE Tech Plus 株式会社(所在地:シンガポール) LINE株式会社及びLINEのブロックチェーン関連事業を展開するグループ会社LVC株式会社の両社の傘下であり、仮想通貨取引所BITBOXを運営している会社。 LINK及びLINK Pointを発行元でもある。 Blockchain Lab 2018年 4月に設立されたLINEの内部組織でブロックチェーン関連のリサーチ及びdAppサービスの設計及び開発を担当 Unblock Corporation(所在地:韓国) 2018年4月に設立されたunblockはLINEのブロックチェーン子会社でトークンエコノミーの設計、ブロックチェーンプロジェクトの投資、マーケット研究を担当。 また、LINEプラットフォームにブロックチェーンサービスをつなげる役割を果たす。 Unblock ventures Limited(所在地:香港) 2018年8月にLINEの仮想通貨事業やブロックチェーン関連事業を展開するグループ会社であるLVC株式会社傘下に設立し、1000万ドル(約11億円)の規模でブロックチェーン関連のスタートアップ企業へ投資予定。 仮想通貨・ブロックチェーン関連スタートアップのエコシステム発展を目的としたトークンベンチャーファンド。 Unchain(所在地:韓国) 2018年6月に設立されたunchainはLINEの韓国子会社LINE PLUSとICONがLINKチェーンdAppサービスを開発するために共同で作ったジョイントベンチャー。 もともとはLINE PLUSが株を持っていましたが株の移転により現在はLVC株式会社が50.98%の株を持っています。 LINKチェーンについて LINKチェーンはプライベートブロックチェーンであるコンソーシアムブロックチェーンです。 コンソーシアムブロックチェーンはビットコインやイーサリアムのようなパブリックブロックチェーンとは違いがあり、誰でもノードとして参加できないのが特徴です。 LINEとLINEのパートナー社あるいはコンソーシアムに参加するdApp開発者だけがノードとして参加でき、この意味はLINEがすべて制御することが可能になるという意味です。 パブリックブロックチェーンは既存のブロックチェーンの価値である脱中央化、検閲耐性とは程遠いといえるでしょう。LINEは未来の不確実な規制状況に備えるため戦略的に脱中央化をしていないと考えられます。 LINKエコシステムのコインについて 現在、LINKエコシステムの中で流通されるコインは2種類があります。 1.LINK (海外向け - 日米以外) 2.LINK Point (日本向け) LINKとLINK Pointを発行した会社はLINE Tech Plus株式会社(通称LTP)でLTPはLINKエコシステムに参加するdApp開発者にLINKを分配します。 LINKエコシステムでdAppを開発すると開発者はLINKをもらえるので新規ユーザーの確保がしやすくなり、マーケティング的な面でも大きい利点が生まれます。 つまり、LINEは開発者にプロモーション費用をLINKとして提供し、開発者にLINKエコシステムでの開発を促していることが分かります。 一方でユーザーはLINKエコシステムに参加するdAppサービスを利用し、貢献すると貢献レベルに応じ、インセンティブとして「LINK Point(日本向け)」や「LINK(海外向け)」を獲得することができます。 LINKが2種類存在する理由 日本では資金決済法で定める通貨に当たらないようにするため、LINK Pointというポイント概念のトークンを発行しております。 現金化することは不可能ですが、取得したLINK Pointは、1LINK Point=500LINEポイントでスワップすることができます。 LINEポイントは、1ポイント=1円として、LINE Payでの決済やLINEサービスでの購入・決済時にご利用いただけます。 LINKの使い道 ユーザーはLINKエコシステムで獲得したLINKを様々なサービスで利用できます。 コンテンツ: 音楽、ビデオ及びウェブトゥーン お店 : 商品∙サービスに対するお支払い時、割引及びペイバック ソーシャル : アプリ内の決済システム、個人間の送金 ゲーム :ゲーム内の取り引き、ゲームの育成 取引所 :手数料のお支払い、割引など LINK( Ticker : $LN )の上場先、BITBOX取引所 日本居住者は利用できない BITBOXはLINEのブロックチェーン組織の一つであるLINE Tech Plusが運営している取引所です。15か国の言語を支援し、30種類以上の仮想通貨が上場されておりLINK/$LNはBITBOXにだけ上場されています。 現在、日本居住者はBITBOX取引所に接続すらできない状態になっているのですが、その理由はLINEは日本で正式に取引所運営したいと考えているからです。 日本で正式に仮想通貨取引所を運営するにはJVCEAが認める第一種会員(仮想通貨交換業者)になる必要がありますが、LINEのブロックチェーン子会社であるLVC株式会社は第二種会員(みなし業者又は申請を予定する事業者)の状態です。 今、日本居住者を相手に取引所を開放してしまうと後々審査で問題になってしまうので日本のIPを遮断していると思われます。 取引高が世界2位まで上がっていたBITBOX 日本居住者を徹底的に排除しているBITBOXですが、2018年の9月04日~2018年の9月30日まで1億個のLINKを取引高基準で配分すると発表し、取引高の0.1%に相当するLINKを支給しました。(取引マイニング) この施策のおかげで2018年9月17日取引高がBinanceを超え世界2位まで上がり、世界から注目を浴びる取引所になりました。 今のBITBOXの取引高ランキング 今は個人投資家が参加することが難しいイベントが多いため、取引高もだいぶ下がり、取引所ランキング(coingecko基準)207位まで下げています。 LINKエコシステムのdApp 知識共有プラットフォーム「Wizball」 「Wizball」で、ユーザーは質問することや他人の質問に答えることができます。また、質問と答えを評価する人としても参加できます。“Yahoo知恵袋”のブロックチェーン版と言えるdAppです。Wizballに参加したユーザーはインセンティブとしてLINK Pointが獲得できます。 https://wizball.io ※2019年4月21日基準 - ブラウザ版(PC、スマートフォン)/アプリ(Android)利用可能 未来予想プラットフォーム「4CAST」 「4CAST」は、コミュニティ内で未来に起きることを予想して楽しむプラットフォームです。例えば“今年MLBワールドシリーズで優勝するチームはどこでしょうか?”という質問をLINE側が設定するとここに答えるサービスです。 https://www.4cast.to ※2019年4月21日基準 - Androidのみ利用可能 商品レビュープラットフォーム「Pasha」概要 「Pasha」は、スマートフォンを利用する商品レビューサービスです。知りたい商品を撮影し、アップロードするだけでその製品を認識し、データベースでユーザーが書いたレビューを見ることができます。レビューをアップロードしたり、データベースにない商品を登録するとインセンティブとしてLINK Pointが獲得できます。 ※2019年4月21日基準 - Android、iOS両方利用可能 グルメレビュープラットフォーム「TAPAS」 「TAPAS」は、日本全国にある飲食店の情報を共有することができるプラットフォームです。TAPASは商品の代わりに店舗を評価し、お店で実際に貰ったレシートをスマートフォンカメラで読み込むとお店の名前、メニュー、値段などを認識し、レビューに自動入力します。 ※2019年4月21日基準 - リリース前 ロケーションSNSプラットフォーム「STEP」 「STEP」は、レジャーや旅行などで訪れた場所の思い出を共有するSNSプラットフォームです。旅行及びレジャーで訪れた場所の写真を位置情報とタブと一緒にアップロードするSNSです。自分がアップロードしたコンテンツを‘BOOK’という単位でまとめ他人に共有することができます。PV数が増加すればするほど獲得できるLINK Pointが多くなります。 ※2019年4月21日基準 - リリース前 LINK SCANについて LINE Tech Plus社は、独自のブロックチェーンネットワーク及びdAppサービス運営の透明性や信頼性を高めるため、LINKチェーン上のすべての取引が確認できるシステム“LINK SCAN”を公開しています。 サービス提供者が一方的な報酬体系を決め、具体的な取引の内訳を公開していなかった既存の中央集権型サービスの短所を補強するためです。 また、LINK SCAN上でLINK及びLINK Pointの総発行量と各ユーザーに対するインセンティブをリアルタイムで公開することでデータの操作を防ぎ、サービスの信頼性と安全性を確保できたと評価できます。 LINKエコシステムの拡大戦略 [LINK Prestige Club] ※シーズン1の申請期限は過ぎています。(2019/01/11~31) LINK(LN)の個人保有者のためのVIPクラブです。 参加資格 ・BITBOXの会員 ・KYCを行った人 ・LN保有者の上位50 ・社会的影響力がある人やブロックチェーンに経験がある5,000個以上のLNの保有 特典 ・保有LINKの10%に該当するBTCを報酬として貰える。 ・LINKのイベントに優先的に参加できる。 ・個別的なニュースレターが受信できる。 など [LINK Industry Partenrs] ※申請期間(2019.02.26~2019.04.30) LINEとLINKと一緒に成長していくパートナーを探すことに焦点をあてています。 最大パートナー社数 ・10社 参加資格 ・10万LINKの保有が必要 ・業種や評判が見られるなど 特典 ・パートナー社はLINK保有残高の20%をBTCで貰える。 ・LINEブロックチェーン事業とのマーケティング・技術・パートナーシップを結べ事のできるチャンスがもらえる。 ・Industry PartnersとしてLINKが持っているチャンネルで紹介される。 ・個別のニュースレターが受信できる。 など LINKコインに対する疑問点 LINKはICOなしで、LTP株式会社により10億枚が発行され、8億枚はLTP側がdApp開発者に配分する予定で2枚個は予備としてLTP株式会社が管理することになります。 ICOがなかったにも関わらず、実験としてLINEは「LINKの最低価値は5ドルで、それを保障する」とWhitepaperに記載したのでLINEはLINKの発行で莫大なお金を手に入れたのと同様に見えます。(LINKの価値は4ドル以下になったことはあるが、あくまで利用する際の価値の保障) つまり、LTP株式会社所有の2億枚のLINKは10億ドルの価値を持つことになり、dApp開発者には8億枚分の価値40億ドルのお金を配分する予定でLINEは仮想通貨の発行で最低で50億ドル(約5,600億円)を手に入れたと推測することができます。(LINE株式会社の時価総額は2019年4月基準で約9,000億円) 従来のトークンはICOでお金が集まり、トークンを配分し、取引されることで時価総額が決まるものでしたが、LINKコインは会社が決めた値段でコインが流通されるように見えるので不透明に感じてしまいます。市場原理に違反するコインだと筆者は思いますので、個人投資家は投資目的での購入は控えたほうがいいでしょう。 [5月9日 LINE株式会社より回答] 利用する際の価値を5ドルで固定した理由はICOセールがなく、ユーザーの貢献度に対する報酬として配分される発行メカニズムを持っているため、資産としての初期の売買価格を提案するためのこのような政策をとったのである。 しかし、実際にLINKの価値はLINKエコシステムの中のユーザーとサービスの成長によって市場で決定されるもので、利用の際5ドルの固定価値をとる政策が市場価格を固定するものではない。また、5ドル以上の市場価格になると市場価格でサービス利用ができ市場価格に及ぼす影響はなくなるので筆者が思う疑問は誤解である。 NAVER&LINE VS KAKAO 両社のブロックチェーンプロジェクトはキラーdAppを確保するという方向性は一緒ですが、展開方法には大きな違いがあります。 LINEは自社dAppを先に開発し、検証されたプラットフォームを外部業者に使ってもらう考えで、KAKAOは外部dAppを対象にテストネットを運営しています。 また、LINEはLINKのトークンエコノミーに外部業者に入ってもらう考えですが、KAKAOは既存のイーサリアムのようなブロックチェーンプラットフォームのようにKlaytnベースでトークンの発行ができ、新しいトークンエコノミーを作ることができます。 どちらが正しいかは判断することは難しいです。しかし、LINEのdAppが日本で大きい影響力を持たない限り従来のやり方で展開しているKlaytnを選択する業者が多いのではないかと個人的に思います。 韓国最大のメッセージングアプリ「カカオトーク」を提供するKAKAOのブロックチェーン戦略 - CRYPTO TIMES まとめ 本記事を書く前まではNAVER、NHN、LINEの関係性についてよくわからなかったため、それらを理解するまで少し時間がかかりました。 LINE株式会社のルーツは韓国のNAVERにあり、両国の協力と日本の方々の徹底的な現地化でここまで成長できたことが分かります。 NAVERとLINEは韓国ではKAKAOグループと事業内容が重なるところが多いためよく比較されますが、またもやブロックチェーン事業においても激しい競争を始めています。 KAKAOは多くのdAppパートナー社を確保できている状態で、メッセンジャーに仮想通貨ウォレットを搭載すると発表しているため、LINEもいずれメッセンジャーに仮想通貨ウォレットを搭載してくると思います。 LINKについては疑問点もあるものの、LINKエコシステムのためのコインとして認識し、業界を盛り上げてくれることを心より願っております。 私もコイン相場の運営をする一方でブロックチェーン業界で日本と韓国の架け橋になることを目指し、今後も情報共有させていただきますので次の記事も楽しみにお待ちください。 長い記事をご覧くださいまして誠にありがとうございました。 参考文献 NHN - namuwiki https://namu.wiki/w/NHN NAVER - wikipedia https://ko.wikipedia.org/wiki/%EB%84%A4%EC%9D%B4%EB%B2%84_(%EA%B8%B0%EC%97%85) NAVER - namuwiki https://namu.wiki/w/%EB%84%A4%EC%9D%B4%EB%B2%84(%EA%B8%B0%EC%97%85) NHN Japan - wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/NHN_JAPAN NAVERのマーケットシェア推移 - internettrend http://internettrend.co.kr/trendForward.tsp LINE - namuwiki https://namu.wiki/w/%EB%9D%BC%EC%9D%B8(%EB%A9%94%EC%8B%A0%EC%A0%80)?from=LINE LINE - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/LINE_(%E4%BC%81%E6%A5%AD) 「LINE」は日本製?韓国製? https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2203C_S3A120C1000000/ LINE 1億人突破 - LINE公式ホームページ http://official-blog.line.me/ja/archives/22378567.html LINE事業分野 - LINE公式ホームページIR資料 https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/Q4_earning_releases_JP.pdf LINEとブロックチェーン組織図 - NAVERの事業報告書参考 https://www.navercorp.com/navercorp_/ir/businessReport/2019/2018_NAVER_Business_Report.pdf LINK公式ホームページ https://link.network/ja/ 一部資料、LINE公開資料参考 https://adcenter.linebiz.com/mediaguide/?pageID=5 仮想通貨交換業者 - JVCEA参考 https://jvcea.or.jp/member/ LINKコインについて - Hashnet http://wiki.hash.kr/index.php/%EB%A7%81%ED%81%AC%EC%BD%94%EC%9D%B8 네이버 라인의 토큰 ‘링크’에 대해 궁금한 모든 것(NAVER LINEのLINKついて気になること) https://www.coindeskkorea.com/%EB%84%A4%EC%9D%B4%EB%B2%84-%EB%9D%BC%EC%9D%B8%EC%9D%98-%ED%86%A0%ED%81%B0-%EB%A7%81%ED%81%AC%EC%97%90-%EB%8C%80%ED%95%B4-%EA%B6%81%EA%B8%88%ED%95%9C-%EB%AA%A8%EB%93%A0-%EA%B2%83/ 네이버-카카오, 블록체인 맞대결 ‘턴 온’(NAVER-KAKAOのブロックチェーン対決) http://www.fntimes.com/html/view.php?ud=201805192243322557dd55077bc2_18&mobile=1 라인 자체 암호화폐 ‘링크(LINK)’ 발행(LINE仮想通貨LINKを発行) https://www.coindeskkorea.com/%EB%9D%BC%EC%9D%B8-%EC%9E%90%EC%B2%B4-%EC%95%94%ED%98%B8%ED%99%94%ED%8F%90-%EB%A7%81%ED%81%AClink-%EB%B0%9C%ED%96%89/ [심층분석] 라인과 카카오, 비슷한듯 다른 '블록체인 디앱 전략'(LINE KAKAO dApp戦略) http://www.thebchain.co.kr/news/articleView.html?idxno=2140 「リスクあっても挑戦する必要あり」LINE、メッセージからフィンテック・決済分野に移行へ https://jp.cointelegraph.com/news/line-is-shifting-its-focus-from-messaging-to-payment-ft '라인코인' 나올까…네이버·카카오, 블록체인 경쟁 점화(LINE KAKAOブロックチェーン競争) https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=105&oid=008&aid=0004032271 [단독] 카카오 자체 암호화폐 ‘클레이’ 3억달러 투자 유치 원문보기(KAKAO3億ドル規模投資に関して) http://www.hani.co.kr/arti/economy/it/870867.html