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2023/01/22Uniswap NFT 使い方完全ガイド | 今すぐ始める方法と注意点
中央集権型取引所に対する懸念の高まりに伴い注目を集めているDEX (分散型取引所) ですが、最大手のUniswap (ユニスワップ) は2022年11月にNFT取引機能をローンチし話題となりました。 この記事ではUniswapのNFT取引機能の使い方や注意点について解説します。 UniswapのNFT取引機能でできること Uniswap (ユニスワップ) のNFT取引機能の使い方は? Uniswap (ユニスワップ) のNFT取引で注意すべきことは? Uniswapの概要や基本的な使い方については以下の記事で解説しています。 分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説 Uniswap (ユニスワップ) のNFT取引機能の使い方 Uniswapのブログによれば、同プラットフォームのNFT取引機能では主に以下のことができます。 UniswapのNFT取引機能でできること NFTの購入/販売 複数の主要マーケットプレイスにまたがるアグリゲーター機能による適正価格の実現 主要マーケットプレイスに比べ最大15%程度のガス代削減 また、2022年11月30日の発表時点では、Uniswapがサポートするマーケットプレイスは以下の通りです。 OpenSea, X2Y2, LooksRare, Sudoswap, Larva Labs, X2Y2, Foundation, NFT20, NFTX 2023年1月にはUniswapの1ヶ月間のNFTトレードボリュームが日本円で約4.5億円に達したとの報道もあり、その注目度合いをうかがい知ることができます。 Uniswapについては下記の記事でも詳しく解説しています。 分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説 それではさっそくNFT取引機能の説明に進みましょう。 事前に必要なもの NFT取引を始める前に、まずは以下のものを準備しておきましょう。 事前に必要なもの ウォレット・・・MetaMask, Coinbase Wallet, WalletConnectに対応 イーサリアム(ETH)・・・ガス代の支払いに必要 まだウォレットを持っていないという場合は、下記の記事を参考にメタマスクを作成してみてください。 MetaMask(メタマスク)の使い方まとめ!入出金・トークン追加も超簡単 取引所の登録解説記事 bitFlyer(ビットフライヤー)の登録方法 Coincheck(コインチェック)の登録方法 BITPOINT(ビットポイント)の登録手順 GMOコインの登録方法まとめ! OKCoinJapan(オーケーコイン・ジャパン)の登録方法 ウォレット接続 事前に必要なものが揃ったら、最初に以下の手順でウォレットの接続を行いましょう。 1.uniswap.orgにアクセスし、右上の「Launch App」をクリック 2.画面右上の「接続」をクリック 3.接続したいウォレットを選択 ウォレットが接続されたら、右上にウォレットのアドレスが表示されているはずです。 これでウォレットの接続は完了です。 検索 ウォレットが接続できたら、さっそく気になるNFTコレクションを検索してみましょう。 1.画面左上のタブから「NFT」をクリックし、画面上部の検索窓にキーワードを入力して該当するコレクションをクリック 2.クリックしたコレクションの情報とNFT一覧が表示され、①フィルターによる絞り込み、②並び替え(価格順やレアリティ順)、③名前(No,等)での検索 が可能 3.個々のNFTの詳細を確認したい場合は「Details」をクリック UniswapのNFTアグリゲーター機能ではOpenSeaやX2Y2、LooksRareなどに出品されているコレクションをまとめて表示してくれます。 そのため、複数の主要マーケットプレイスにまたがった網羅的な検索をワンストップで実行することが可能です。 NFTの購入方法 気になるコレクションが見つかったら、以下の手順で購入することができます。 1.①NFT一覧から購入したいNFTをクリック、もしくは②NFT詳細画面から「Add to Bag」をクリックし、NFTをバッグに追加 2.画面右上のバッグのアイコンをクリックし、内容を確認後、「支払い」をクリックして決済手続きへ進む ここで言う「バッグ」とは、通販サイトのカートと同じものです。 「支払い」をクリック後は、接続済みウォレットでの取引の確認を要求されます。トランザクションが通れば購入完了となります。間違ったNFTを購入しないよう注意してください。 NFTの販売方法 NFTの販売を行いたい場合は、以下の手順で出品しましょう。 1.画面右上のウォレットアドレスをクリックし、表示されるメニューから「NFTの閲覧と販売」をクリック 2.所有しているNFTの一覧が表示されるので、販売したいNFTをクリック(個々のNFTの詳細情報を確認したい場合は「Details」をクリック) 3.画面右側の「売る」リストの内容を確認し、「Continue」をクリック 4.①価格の入力、②出品先マーケットプレイスの選択、③出品期間の設定 を終えたら、「Start Listing」をクリックし、ウォレットでの確認・承認を進めます。 なお、NFTの出品にはガス代 (トランザクション手数料) が必要となります。 ウォレット接続解除 最後にウォレットの接続を解除しましょう。 1.画面右上のウォレットアドレスをクリックし、表示されるメニューから、電源ボタンのアイコンをクリック(アイコンにマウスカーソルを重ねると「接続を解除/Disconnect」と表示される) 2.画面右上にウォレットアドレスが表示されていない(「接続/Connect Wallet」と表示されている)ことを確認 これでウォレットの接続解除が完了です。 その他 ここではその他の使い方や役立つ設定について紹介します。内容は下記のものを解説していきます。 言語変更 ランキング イーサスキャンへの遷移 言語変更 Uniswapは日本語に対応していますので基本的にはデフォルトで日本語表示となっていると思われますが、必要な場合は以下の方法で言語設定を変更できます。 画面右上のウォレットアドレスをクリック 表示されるメニューから「言語」をクリック 任意の言語を選択 ランキング NFTコレクションのトレンドランキング (1位〜100位) を確認することも可能です。 画面左上のタブから「NFT」をクリック 少し下にスクロールすると「Trending NFT collections」が表示される ①期間の切り替え や ②価格表示の切り替え も可能 イーサスキャンへの遷移 イーサスキャンへの遷移も以下の手順で簡単にできます。 画面右上のウォレットアドレスをクリック 表示されるメニューから、外部サイトへの矢印アイコンをクリック(アイコンにマウスカーソルを重ねると「探検/Explore」と表示される) NFT取引の注意点 Uniswapに限った話ではありませんが、このようなマーケットプレイスの利用や取引には様々なリスクが存在しており、NFT取引を狙った盗難や詐欺の被害は後を絶ちません。 とくに中央管理者がいないDEX (分散型取引所) においては、自分の身は自分で守ることが必要不可欠です。 盗難・詐欺の手口やその被害の例は数多く、すべてを紹介することはできませんが、一例として以下のようなものが挙げられます。 NFT取引に潜むリスクの一例 ・身に覚えのないApproveを承認してしまったことで資産を盗難される ・偽物のNFTを購入してしまい詐欺的行為に遭う 2020年〜2022年にかけてのNFT盗難被害額は現在の価値で約1,200億円にものぼるとの報道もありました。 このような被害に遭わないよう、リスクを理解し、自分の身を守る術を把握しておく必要があるでしょう。 仮想通貨やNFTにまつわる詐欺の種類とその対策については下記の記事で解説しています。 仮想通貨のスキャム(詐欺)とは? | 事例と対策を紹介 まとめ この記事ではUniswap (ユニスワップ) でのNFT取引機能の使い方を解説しました。 直感的なインターフェースに加え、複数のマーケットプレイスでのNFT売買をワンストップで行えるUniswapは、今後も注目の存在となりそうです。 Daichi NFTの取引がはじめてという方にもぜひ一度体験してみてもらいたいですね! 分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説
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2023/01/03【安全対策】Phantom Wallet(ファントム ウォレット) のリボークの概要とやり方を解説
Phantom Wallet(ファントム ウォレット)では、接続を行ったサイトへの承認をリボーク(取り消す)できます。 サイトへの承認をリボークすることで、潜在的な詐欺やトラブルのリスクを回避することが可能です。 そのため、Phantomを利用している方は、利用方法や必要な背景をしっかりと押さえておきましょう。 本記事では、そんなPhantomのリボークの概要・やり方・必要な背景などについて解説しています。 Phantomとリボーク(Revoke)の概要 Phantomは、Solanaのトークンを管理できるウォレットです。 Phantomで、何らかのサイトに接続すると、承認の画面が出てくることに気付くはずです。 上記の過程を通して、さまざまな承認をサイトに対して行うことになります。 例えば、Raydiumに接続してみると、以下のような項目に対して、承認を行うことになります。 ウォレットの残高とアクティビティの表示 トランザクションの承認に対するリクエスト 上記のような承認は、ウォレットを用いたさまざまなアクションに必要になり、一般的な手順です。 その一方で、接続先が悪意を持ったサイト・アプリであった場合は、ウォレットがリスクに晒される可能性があると言えます。 Phantomでは上記のようなリスクに備えて、サイト・アプリを接続後に削除(リボーク/Revoke)することが可能であり、ウォレットを安全に保つ上で重要なアクションになっています。 Phantomでリボークを行う方法 前述したような背景から、怪しいサイトに接続してしまった場合などは、積極的・迅速にリボークする必要があります。 Phantomで、接続の承認を与えたサイト(Trusted Apps)をリボークする手順は以下のとおりです。 左上のアイコンへ 「Trusted Apps(信頼済みアプリ)」へ 任意のサイト、アプリの項目から「Revoke(取り消し)」へ Solanaエコシステムを頻繁に利用しており、Phantomの利用頻度が高い方は定期的にリボークしていきましょう。 また、仮にリボークを行ったとしても、再度利用したいときに接続しなおすことで、同じ状態に戻すこともできます。 Phantomでリボークが必要な理由 これから、Phantomでリボークが必要な理由とその意味についてもう少し詳しく解説していきます。 Phantomとリボークについて理解を深めていきましょう。 リスク管理のために必要 Phantomの公式FAQでは、信頼し接続したサイト・アプリのリボークについて、以下のような旨の文言が確認できます。 「秘密鍵、リカバリーフレーズを渡していないかぎり、アクセス許可が取り消された後は安全」 悪意や脆弱性のあるサイト・アプリに接続した場合、リボークをすぐに行うことで、リボーク後は安全であるとしています。(左記はあくまでPhantomの見解です) 上記のような背景を考慮すると、何らかのトラブルに遭遇した場合はすぐにリボークを行うことで、何も行わずそのままの状態でいるよりも被害を食い止められる可能性があります。 ハッキング・トラブル・詐欺といった現象が起こりがちな昨今の現状を加味すると、どのようなサービス・プロダクトであっても普段からこまめにリボークしておくのが最も安全性が高い方法と言えるかもしれません。 実際にリボークが推奨された事例 過去に、Solanaエコシステムで大規模なハッキング(Solana系のウォレットから資金が流出)が発生したことがありました。 この際に、複数の著名なSolana系のサービス・機関から、信頼されたアプリのリボークを推奨する発信が確認できました。 https://twitter.com/MagicEden/status/1554620084831674370?s=20&t=kz_oims8zBmYjVRLUUaFXw 最終的に、リボークは直接的には関係がない(秘密鍵情報が流出した)ものであると判明したものの、リボークが推奨された状況を考慮すると、何かあったときにまず取り組みたい対策であると言えるでしょう。 ガス代は掛かりませんし、リボーク後も再度接続が可能であることを考慮すると、コストパフォーマンスの高い対策です。 リボークが全てを解決する訳ではない 信頼されたサイト・アプリに対するリボークは、気軽に行えて効果の高いセキュリティ対策ですが、全てを解決する訳ではありません。 例えば、既に実行されたものを取り消す、削除するといったことはできません。 そのため「トークンが何らかの形で盗まれてしまった」といった場合に、リボークを用いて今後の被害を食い止められる可能性はありますが、一度盗まれてしまったトークンを取り返すことは困難です。 また、秘密鍵、シードフレーズ・リカバリーフレーズを流出するといったトラブルの場合は、サイトに対するリボークを行ったとしても解決しません。 上記のようなケースでは、新たにウォレットを作成し、新たなウォレットにトークンを転送するといった対応が必要になります。 Phantomでリボークを行う基準・目安 これまでPhantomのリボークについて解説しましたが、リボークを行う基準・目安について解説していきます。 以下のようなケースは、リボークを行うのがおすすめです。 URLがおかしいサイト コミュニティが存在しない、アクティブではないプロダクト 知名度が低く、危険性・詐欺などの可能性が判定できないようなプロダクト 直近でハッキングなどのトラブルがあったプロダクト 長期間利用していないプロダクト NFTのミントやドロップ目的など使用頻度が高くないサイト そもそも、信頼性の低いサイトやアプリには接続しない方がベターです。 まとめ この記事では、Phantomのリボークについて解説しました。 Phantomのリボークは、ガス代なども掛からず、気軽に行うことができます。 まだ、利用したことがないという方は、積極的にPhantomのリボークを行っていきましょう。 【安全対策】メタマスク Revoke(リボーク)の概要と方法
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2022/11/05仮想通貨のステーブルコインとは?種類や今後について解説
仮想通貨ユーザーにとって必要不可欠な存在とも言えるステーブルコイン。 先日、EUやシンガポールでステーブルコインに関する制度をより明確化していくことが発表されるなど、その注目度はこれまで以上に増しています。 本記事ではそんなステーブルコインについて解説していくので是非最後までご覧ください。 この記事のポイント ・ステーブルコイン = 価格変動を抑えた仮想通貨 ・ステーブルコインは実用性を持っている ・ステーブルコインの種類は4種類 ・ステーブルコインにはメリットとデメリットがある ・今後の発展には法整備が重要 CRYPTO TIMESの公式Youtubeチャンネルでも、ステーブルコインについて取り上げているのでこちらも併せてご覧ください。 ステーブルコインとは?=価格変動を抑えた仮想通貨 ステーブルコインとは、他の資産にペッグ(=紐付け/連動)されることでボラティリティ(=価格変動)が抑えられた仮想通貨です。 名前にもある「ステーブル(stable)」とは「安定した」という意味なので、まさにその意味する通りの特徴というわけですね。 ステーブルコインの発行者は、基本的にその価値と同額の資産(米ドルや金など)を担保として保有しなければなりません。 ステーブルコインの価格はその担保を裏付けに決定される仕組みであるため、価格の暴落などが起きにくく、より安定性に優れた設計となっています。 なぜステーブルコインが注目されるのか? 従来の仮想通貨の課題 ビットコインをはじめとする従来の仮想通貨は、その価値を裏付ける担保がないため価格変動が激しい(=ボラティリティが高い)という特徴があります。 仮想通貨の価格の暴落などがニュースに取り上げられることも少なくないので、なんとなく不安定なイメージを持つ方も多いことでしょう。 こうした不安定な特徴により、従来の仮想通貨は投機的な保有の傾向が強くなり、決済手段としてなどの「実用性」に欠けていると考えられてきました。 そこで考え出されたのが、より安定的かつ実用的な仮想通貨としてのステーブルコインだったのです。 ステーブルコインの「実用性」 従来の仮想通貨の不安定さという課題に対し、ステーブルコインは安定性に優れているという点は先にも簡単に触れました。 この安定性こそが、通貨としての「実用性」につながると考えられています。 価格の変動が激しくない(=ボラティリティが低い)通貨であれば、資産として長期保有もしやすく、決済手段としても利用しやすいと考えられます。 日常生活でも利用される米ドルや金を担保とすることで価格変動が抑えられるため、ステーブルコインはより安定性と実用性に優れた仮想通貨と考えられているのです。 4種類のステーブルコイン ここからはステーブルコインの種類について解説します。 ステーブルコインは下記の2つの観点で、4つの種類に分類されます。 資産を担保にしているか どのような資産を担保にしているか ① 法定通貨担保型 引用:Tether 法定通貨担保型はその名の通り、実際に利用されている法定通貨(ドル、ユーロ、円など)を担保に発行されるステーブルコインです。 発行者はステーブルコインと同額の法定通貨を保有することが求められ、それによってステーブルコインの信頼性を維持しています。 一点、USDTを発行するTether社の準備金に関して、米国財務省短期証券がその多くを占めていることが分かっている点は留意しておく必要があります。 しかし、後述のステーブルコインと比較しその安定性から現在最も主流なステーブルコインとも言えます。 法定通貨担保型の代表的な例 Tether(USDT) TrueUSD(TUSD) USD Coin(USDC) JPY Coin(JPYC)・・・1JPYC=1円として利用できる日本円ステーブルコイン ② 仮想通貨担保型 引用:MakerDAO 仮想通貨担保型もその名の通り、仮想通貨(ビットコインやイーサリアム)を担保に発行されるステーブルコインです。 仮想通貨はボラティリティ(価格変動性)が高いため、法定通貨担保型と比べると安定性や信頼性に欠けてしまいます。 仮想通貨担保型の代表的な例 DAI ③ 商品担保型(コモディティ型) 引用:Tether Gold 商品担保型(コモディティ型)は、金や原油などの現物の商品の価値を担保に発行されるステーブルコインです。 とくに金は経済が不安定な状況においてもその影響を受けにくく、価値が安定している資産のひとつとして知られています。 代表的なステーブルコインはTether Gold(XAUT)、Digix Gold(DGX)があります。 商品担保型の代表的な例 Tether Gold(XAUT) Digix Gold(DGX) ④ 無担保型(アルゴリズム型) 引用:Terra 無担保型(アルゴリズム型)は、通貨や商品による担保は行われず、アルゴリズムによって価格の安定を図る手法です。 この手法では、別途用意されたトークンの供給量をアルゴリズムによって自動調整することで、価格の変動を抑える仕組みとなっています。 仮想通貨担保型の代表的な例 TerraUSD(UST) TerraUSD(UST)は2022年5月のディペッグ騒動(後述)による価格暴落でも知られており、この一件で無担保型の信頼性に対する懸念は強まる傾向にあります。 【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察 ステーブルコインの3つのメリット ステーブルコインの特徴についてはすでに触れましたが、ここではステーブルコインのメリットをさらに細かく見ていきます。 ボラティリティが低く価格が安定する ステーブルコインは法定通貨などの比較的安定した資産を裏付けに発行されるため、ボラティリティ(価格変動性)が低く、通貨の価格が安定しやすいという特徴があります。 そのため、決済手段など、日常的な実用性に優れると考えられます。 このような普及例はまだあまりないのが現状ですが、仮想通貨を法定通貨とする国の事例が増えてきているように、今後の発展次第では実現の可能性もあると言えるでしょう。 比較的安全な資産保有手段になる 前述の通り、ステーブルコインは暴落リスクが低いという特徴があります。 そのため、従来の仮想通貨に比べ、資産の保有手段としてもより安全性が高いと言えます。 また、資産保護・運用の観点からもポートフォリオに積極的に組み込むことを考えられるでしょう。 資産の一部が暴落した場合のリスクヘッジや、資産の避難先としても活用可能です。 また、今後の発展次第では、外貨預金に代わってステーブルコインによる預金などが普及する可能性もあるかもしれません。 低コストかつスピーディーな送金が可能 ステーブルコインは法定通貨に紐付いていますが、ブロックチェーン上で送金できます。 そのため、より低コストかつスピーディーな送金が可能です。 一方、クロスボーダー取引など国境を越える法定通貨の国際送金の場合、各国の決済システムの違いなどからより多くの時間や手数料を要してしまいます。 ステーブルコインを活用することで、より安価で迅速な国際送金が可能になります。 ステーブルコインの3つのデメリット 価格の安定性が注目されがちなステーブルコインですが、理解しておかなければいけないリスクも存在します。 セキュリティや詐欺のリスクはゼロではない 法定通貨などとの紐付けによって安心・安全のイメージが先行しがちなステーブルコインですが、ブロックチェーン上の仮想通貨であるという点では他と変わりはありません。 そのため、ハッキングなどのセキュリティリスクもあります。 また、担保となる資産の存在を謳いながらも、実際にはそのようなものはないという詐欺の可能性も考えられます。 セキュリティや詐欺に対しては他の仮想通貨と同じく対策・注意が必要です。 暴落するリスクがある(実例あり) 引用:CoinMarketCap ステーブルコインは価格の安定性に定評があるとはいえ、暴落するリスクもゼロではありません。 上の画像は、2022年5月に米ドルに連動するステーブルコインであるUST(TerraUSD)の価格がディペッグ(=連動通貨との価格レートが乖離)する事態となり、結果的に暴落してしまった際のチャートです。 【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察 ステーブルコインといえども暴落リスクはあると理解しておくことが必要であり、過信は禁物です。 各国当局による規制の可能性がある 前述の2022年5月のUST暴落などをふまえ、ステーブルコインの規制強化に関する議論が高まっています。 ステーブルコインはマネーロンダリングなどの犯罪に使用されるリスクも指摘されており、日本では2022年6月に世界に先駆けてステーブルコインを規制する法律が初めて成立しています。 2022年10月には金融安定理事会(FSB)がステーブルコインの脆弱性を指摘しつつ、規制指針の見直しを行うことを提案しました。 このように、現在世界中でステーブルコインの規制強化が進められていると言えます。 今後もし国際的に規制が強化された場合、ステーブルコインの新規上場の減少、ビジネスの撤退なども懸念されます。 もしそうなってしまえば、ステーブルコインの価値そのものが大きく下落してしまう可能性もあるでしょう。 ステーブルコインの今後 最後にステーブルコインの今後の将来性とリスクについて整理してみたいと思います。 将来性:法定通貨担保型を中心に決済手段として普及するか ステーブルコインはボラティリティ(=価格変動性)が低く、価格が安定しやすいことから、投機的な側面が強い現在の仮想通貨市場において特徴的な存在だと言えます。 また、仮想通貨の特性上、低コストかつスピーディーな送金が可能であるため、とくに日常生活における決済手段としての普及が期待されます。 ただし、無担保型はUST暴落によりその信頼性が疑問視されているため、もし普及するとすればやはり法定通貨型が中心となると考えられます。 とはいえ、ステーブルコイン全体に対する規制強化の動きがあるため、普及が期待できるとすればその法整備の先となるのではないでしょうか。 リスク:進む規制強化の波で停滞か、はたまた衰退か 普及が期待される利点がありながらも、UST暴落などによって世界中でステーブルコインに対する規制強化の波があることを説明しました。 ステーブルコインの実用化には期待したいところですが、とはいえ実用化のためには先に法整備が必須となるでしょう。 今後は各国当局の監視も強化されるとすれば、新規上場などの停滞も考えられます。 また、規制強化や法整備の結果によっては市場からのビジネスの撤退を招く可能性もあり、そうなれば市場の停滞に留まらず、衰退につながってしまう恐れもあります。 いずれにせよ、今後のステーブルコインを取り巻く規制の動向に注目する必要があるでしょう。 まとめ ステーブルコインには従来の仮想通貨の課題を克服する可能性があるものの、まだまだ発展途上のためその脆弱性が浮き彫りになることもあり、直近のUSTディペッグ騒動もそのひとつと言えます。 仮想通貨への規制が進められる中で、日本では世界に先駆けて初めての法整備が行われました。 実用化にはまだ遠いかもしれませんが、今後の国内外の法整備も含め、ステーブルコインの未来に注目していきましょう。 CT Analysis第20回レポート『ステーブルコインの概要と現状 動向調査レポート』 Daichi ステーブルコインの実用性には可能性を感じる一方、その普及のためにはやはり法整備は避けては通れない道だと感じます。
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2022/10/29仮想通貨のハッキングとは?手口や実際の事件、対策方法を紹介
全体の時価総額が1兆円を超えるなど成長を続ける仮想通貨市場では日々様々なイノベーションが起きています。 その一方でハッキング事件も多発しており、2022年に発生したRonin Networkの事件では約700億円超が盗難されました。 仮想通貨や関連サービスを使う上で、あなたの資産を守るための知識は必要不可欠となります。 本記事では、仮想通貨のハッキングについて下記観点で解説していくので是非最後までご覧ください。 この記事のポイント 仮想通貨のハッキングとはどのようなものか? どのような手口があるのか? 実際にあったハッキング事件は? ハッキング被害から身を守るための対策は? 仮想通貨のハッキングは資産の流出を招く 仮想通貨のハッキングとは、主にハッカーによって取引所や個人ウォレットなどに不正にアクセスされる行為を指します。 不正にアクセスされるとその取引所や個人ウォレットの資産を自由に送金できることになるので、結果的に資産の盗難・流出に発展します。 また、昨今ではブリッジやDeFiのシステムの穴をついた資金流出も多く発生しており、その方法も多岐にわたるため注意が必要です。 仮想通貨には銀行のような中央管理者はいませんので、誰かが資産を守ってくれるということは基本的にありません。 「ここに預けておけば絶対安心」ということはなく、常にハッキングのリスクと隣合わせであると考えたほうがいいでしょう。 ハッキングの主な手口 では、具体的にどのようなハッキングの手口があるのでしょうか。 ここでは、ハッキングの対象別に3つに分けて説明します。 取引所に対するクラッキング 仮想通貨のハッキングと聞いて真っ先に思い浮かぶのはこのタイプではないでしょうか。 従来の「中央集権型取引所(CEX)」では、取引所内に自分のウォレットを作成する必要があったため、取引所がハッキング(クラッキング)に遭った場合は自分の資産も流出してしまうリスクがありました。 クラッキングとは? コンピュータネットワークに繋がれたシステムへ不正に侵入したり、コンピュータシステムを破壊・改竄するなど、コンピュータを不正に利用すること(引用:Wikipedia) 国内でも取引所のハッキングによる資産流出事件が相次ぎ、金融庁による規制や法整備が進むこととなりました。 また、現在ではCEXの課題の克服を目指した「分散型取引所(DEX)」も主流となっています。 ブリッジやDeFiに対するハッキング 近年増加傾向にあるのがブリッジプロトコルやDEXなどのDeFiで発生するハッキングです。 2022年には、バイナンスのブリッジが攻撃を受け約830億円(当時)が引き出されました。 Solana上のDEX「Mango Markets」では、不正な価格操作が行われ約146億円(当時)の資金が流出しています。 ブリッジやDeFiに対するハッキングはそれぞれ方法が異なり、ユーザーが事前に対処できる点が少ないため、対策をとるのが難しい領域でもあります。 一般的な投資や運用と比較して、多くの利益が望める仮想通貨ですが、その分多くのリスクを孕んでいることを忘れないようにしましょう。 個人資産の盗難 取引所から大規模な資産が流出するのとは対照的に、個人のウォレットにある資産の盗難を目的とするものもあります。 とくに気をつけたいものとして、フィッシングとマルウェアの2つを取り上げます。 フィッシング 仮想通貨だけには限りませんが、フィッシングによる個人情報の抜き取りには要注意です。 フィッシングとは? インターネットのユーザから経済的価値がある情報を奪うために行われる詐欺行為(引用:Wikipedia) フィッシングの手口は実に様々ですが、一例として以下のような手口が考えられます。 利用中のサービスを名乗るアドレスからメールを送信し、本文に記載のURLから偽サイトに誘導、ログインを促してログイン情報を詐取する。 ある企業の公式SNSアカウントを乗っ取り、偽サイトへ誘導するURLを投稿、偽サイト上でパスワード入力を促して詐取する。 実在のウェブウォレットにそっくりな偽サイトを作成し、Google検索のリスティング広告として表示させ、検索によって誤って流入するユーザーに対してシードフレーズ入力を促して搾取する。 マルウェア また、マルウェアなどによる脅威も見逃せません。 マルウェアとは? 不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称(引用:Wikipedia) 仮想通貨関連のアプリやサイトなどにはマルウェアが仕込まれている危険性があり、PCやスマートフォンなどのデバイスが感染してしまう恐れがあります。 また、メールなどで送信されてきたURLにアクセスしたり、添付ファイルを展開したりすることで感染してしまうパターンもあります。 マルウェアに感染してしまうことで、個人情報窃取や、端末の遠隔操作など、様々な被害に遭うリスクが考えられます。 実際に起きた有名なハッキング事件 ハッキングの手口をご紹介したところで、取引所を標的としたハッキング被害の実例として過去にあったとくに有名な事件についてご紹介します。 Mt.Gox(マウントゴックス)事件 2014年3月、日本に拠点を置く仮想通貨取引所であったMt.Gox(マウントゴックス)がハッキングを受け、大量のビットコインが流出しました。 これが取引所に対する初の大規模ハッキングであり、その被害額はおよそ4億7000万ドル、ビットコインを対象とした被害額では現在も最大規模となっています。 この事件は当時国内でも大きく報道され、これによって「仮想通貨=危ない」というイメージを植え付ける要因となったのではないでしょうか。 Coincheck(コインチェック)のNEM流出事件 2018年1月、同じく日本に拠点を置く大手取引所であるCoincheck(コインチェック)がハッキングを受け、5億3200万ドル相当ものNEM(XEM)が流出しました。 ハッキングによる被害額としては、国内に拠点を置く取引所では最高額となっています。 そこから約1年後の2019年にはコインチェックは仮想通貨交換業者として認可登録されています。 金融庁がCoincheck(コインチェック)を仮想通貨交換業者として正式登録!ハッキング事件から実に約1年 Roninブリッジの流出事件 2022年3月、人気ブロックチェーンゲーム「アクシーインフィニティ」のサイドチェーンを開発するRonin Networkが手掛けるRoninブリッジで、700億円超の仮想通貨が流出しました。 上記事件では、約17万ETHと約2500万USDCが流出し、額が大きいことから記録的なハッキング事件として話題となりました。 アクシーインフィニティの開発会社であるSky Mavisはハッキングの被害を受けたユーザーに対して全額償還を行うと約束しています。 ハッキングから資産を守るための6つの対策 では、ハッキングから身を守るためには何が必要なのでしょうか。 ここからは具体的に実行できる対策を6つ紹介します。 個人情報の管理を徹底する パスワードや秘密の質問の答え、シードフレーズなどの管理は、以下のような点に注意して徹底しましょう。 個人情報管理のポイント 他人が予想しにくい文字列にする 複数サービス/サイトで使い回さない オンラインで保管しない 二段階認証を利用する 個人情報をネットワーク接続のあるデバイス内やクラウドメモなどに保管することは、常にハッキングの標的になり得るということですので、絶対にやめましょう。 紙に書くなどのオフラインでの保管を行い、金庫を活用するなど紛失対策も工夫しましょう。 また、二段階認証を利用することで不正アクセスのリスクを一定引き下げることができます。 二段階認証の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。 二段階認証アプリのメリットから設定方法まで詳しく解説! ハードウェアウォレットを利用する 仮想通貨をオンラインの取引所やウォレットに預けておくことは、ハッキングのリスクと隣り合わせであることを意味します。 そのため、資産をオフラインで保管できるハードウェアウォレットを利用しましょう。 ハードウェアウォレットについての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。 【ハードウェアウォレットの特徴・メリット】仕組みから簡単に解説 また、CRYPTO TIMESでは他にも様々なウォレットの使い方解説やレビュー記事を用意していますので、ぜひご覧ください。 資産を分散して保管する ひとつのウォレットで資産を一括管理していた場合、もしそこがハッキング被害に遭ってしまうと資産をすべて失いかねません。 そのため、資産を複数のウォレットに分散して保管しましょう。 資産の保管場所を分散させることで、ハッキングによるリスクも同様に分散させることができます。 セキュリティが充実している取引所を選ぶ 強固なセキュリティ対策が充実している取引所を選ぶことも、ハッキング対策のひとつです。 様々な取引所が存在しますが、そのなかから選択するうえでひとつの基準になるポイントを一例としてご紹介します。 取引所選びのポイント 金融庁に認可登録されている・・・金融庁HP 暗号資産関係の「暗号資産交換業者登録一覧」から確認できる コールドウォレットを採用している・・・インターネット接続から切り離されたウォレットに保管することで、ハッキングリスクを一定引き下げる 二段階認証を採用している・・・不正アクセスのリスクを一定引き下げる 怪しいURLや添付ファイルには触れない 怪しいメールアドレスや、SNSの投稿、SMSやDMなどのメッセージから送信されたURLや添付ファイルには決して触れないようにしましょう。 これらのURLや添付ファイルにはフィッシングやマルウェア感染のリスクが潜んでいることがあります。 また、実在のサービスやサイトを模倣したウェブサイトが、Google検索のリスティング広告に紛れ込んでいることもあります。 そのため、よくアクセスするウォレットや取引所などはブックマーク登録し、ブックマークからアクセスすることで、リスクを回避するようにしましょう。 おいしい投資案件は警戒する(もしくは乗らない) おいしい話には何か裏がある、ということはよく言われますが、これは仮想通貨の世界でも同じことです。 高配当を謳う投資案件や、買いを煽るような文言にはまず警戒しましょう。 また、相当な経験や知識がない限り、そのような話には乗らないのが得策でしょう。 絶対的な対策はないからこそ、自分の資産は自分で守る意識を 仮想通貨のハッキングについて解説してきましたが、残念ながら絶対に安心できる対策というものは存在しません。 ハッキングやその他の被害のリスクは常にそこにあり、ゼロになることはないでしょう。 だからこそ、自分の資産は自分で守るという意識を持つことが大切です。 Daichi 自分の利用状況やスタイルにあった対策を見つけられると良いですね!
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2022/10/23シードフレーズとは? | 管理方法、秘密鍵との違いを解説
この記事ではシードフレーズの概要や重要性、保管方法やその注意点について解説していきます。 シードフレーズについて以下のような疑問をお持ちの方はぜひ最後まで御覧ください。 この記事のポイント シードフレーズってなに?なぜ大切なの? シードフレーズはどうやって保管する?注意するべきことは? シードフレーズとは? シードフレーズとはウォレットが生成する12〜24個の単語からなる文字列のことで、ひとつのウォレットに対してひとつのシードフレーズが生成されます。 また、シードフレーズは使用するウォレットによって「リカバリーフレーズ」や「ニーモニックフレーズ」などと呼び方が変わることもあります。 このシードフレーズを使用することで、そのウォレットに関連付けられた暗号資産の「秘密鍵」にアクセスすることができます。 秘密鍵とは、暗号資産の所有者証明、管理するための鍵(機密データ)のことです。 秘密鍵はシードフレーズとは違って、BTCやETHなどの個々のブロックチェーン規格ごとに違うものが生成されます。 シードフレーズと秘密鍵 シードフレーズ・・・ウォレットに保管されている秘密鍵にアクセスするための文字列 秘密鍵・・・所有している個々の暗号資産(NFT含む)の所有者証明、管理に必要な鍵 つまり、暗号資産の送金に必要な秘密鍵を一元管理しているウォレットへのアクセスを可能にするものがシードフレーズということになります。 シードフレーズ、秘密鍵ともに漏洩、紛失は厳禁なものとなっていますので、しっかりと管理をしてください。 ここまでの内容をふまえて、シードフレーズとそれに関連するものを以下のようなイメージで捉えるとわかりやすいかもしれません。 POINT・秘密鍵・・・個々の暗号資産の所有者証明、管理に必要なパスワード ・ウォレット・・・秘密鍵を保管する金庫 ・シードフレーズ・・・金庫そのもののパスワード(=マスターパスワード) シードフレーズはなぜ重要なのか? 秘密鍵は個々の暗号資産の送金に必要なパスワードであり、シードフレーズは秘密鍵を保管するウォレットのマスターパスワードのようなものだと説明しました。 では、もしもシードフレーズが他者に知られてしまうとどうなるでしょうか? シードフレーズを知り得た他者は、あなたのウォレットに保管されている個々の暗号資産の秘密鍵を見ることができるようになります。それはつまり、他者があなたの暗号資産を自由に送金できることを意味します。 そのため、シードフレーズを盗まれることは、すべての暗号資産を盗まれることとほぼ同義だということです。 仮想通貨(ビットコイン)における秘密鍵とは?|Crypto Times また、仮に他者に知られていないとしても、シードフレーズを紛失してしまった場合はどうでしょうか? シードフレーズは紛失してしまうと再発行はできません。そのため、ウォレットの復元ができなくなってしまいます。 ハードウェアウォレットが故障してしまった場合でもシードフレーズさえわかれば復元が可能ですが、シードフレーズがわからないとなると復元する方法はありません。 そのため、シードフレーズの紛失は、すべての資産を失うことにつながる危険性があります。 以上のように、シードフレーズの漏洩・紛失は資産を守るうえでは死活問題であり、シードフレーズはすべてのユーザーにとって非常に重要なものなのです。 POINTシードフレーズの漏洩・紛失により、すべての暗号資産を失う危険性がある! シードフレーズの保管方法は? ここまではシードフレーズの概要を説明しながら、その保管の重要性をお伝えしてきました。 では、具体的にどのように保管するのが良いのでしょうか。 シードフレーズの保管において注意すべき点について解説します。 紙に書き写して保管する シードフレーズは流出やハッキングのリスクを避ける観点では、オフラインで保管するのが最も安全といえます。 そして、オフラインでの保管方法として最も簡単な方法が、紙に書き写すことでしょう。 この方法は手軽ですぐに実践できるという点で良いですが、物理的に紛失・盗難・損傷・劣化するリスクは高いため保管場所に要注意です。 すこし手間がかかりますが、保管場所は自宅の金庫や外部の貸金庫などを検討したほうが良いかもしれません。 どこに置いたか忘れてしまった、家族が誤って捨ててしまった、うっかり濡らしてしまった、火事で焼失してしまった…などなど、様々なリスクが考えられるためです。 また、シードフレーズを分割して複数に分けて保管することも、セキュリティの観点では一定の効果がありそうです。 紙に書き写す方法はハッキングからの保護としてはより安全ですが、一方で保管に手間がかかるものでもあります。 紙に書き写して保管する ▼メリット ・手軽ですぐに実践できる。 ・ハッキングなどのオンラインでの流出の心配がない。 ▼デメリット ・紛失・盗難・損傷・劣化などのリスクがつきまとう。 ・金庫などに保管すればより安心だが、手間がかかる。 暗号化されたハードウェアに保管する デジタルかつオフラインで保管する方法としては、暗号化されたハードウェアでの保管が挙げられます。 最近では、情報漏洩対策として自動で暗号化する機能や、耐衝撃性を有するハードウェアなども販売されています。 ハードウェアの場合でも紛失・盗難のリスクはありますが、暗号化されていればシードフレーズが流出する心配は一定軽減されそうです。 また、ハードウェアの場合は紙と違って、紛失・盗難に加えて故障するリスクもありますので、複数のバックアップを用意しておくことがより重要になるかもしれません。 紙と同じく紛失・盗難や故障のリスクもあることから、こちらも金庫に保管することも考えられます。 デジタルで保管できる点は紙よりも利便性に優れるかもしれませんが、紙と同じく保管に一定の手間がかかってしまうかもしれません。 暗号化されたハードウェアに保管する ▼メリット ・デジタルで保管できて手軽。 ・暗号化されているため紛失・盗難の場合も流出を一定阻止できる。 ▼デメリット ・紛失・盗難に加えて故障のリスクがある。 ・複数のバックアップを用意しておくとより安心だが、手間がかかる。 ・金庫などに保管すればより安心だが、手間がかかる。 シードフレーズ保管専用アイテムを購入する シードフレーズを打ち込んで保護するチタンケースや、シードフレーズを簡易的に暗号化して格納するスチールカプセルなど、様々なシードフレーズ保管専用アイテムが販売されています。 CRYPTOTAG Cryptosteel 最強のコールドウォレットと名高いCryptosteel(クリプトスティール)とは? こうしたアイテムを使用すれば、損傷・劣化などのリスクを避け、長期的な保管が可能になりそうです。 さらに、金庫などでの保管と組み合わせることで、さらに強固な保管体制を実現できそうです。 一方、他の保管方法と比べると費用がかさんでしまうでしょう。 シードフレーズ保管専用アイテムを購入する ▼メリット ・損傷・劣化などのリスクを避け、長期保管がしやすい。 ・金庫などでの保管と組み合わせることで、さらに強固に。 ▼デメリット ・費用がかさんでしまう。 完璧な保管方法は存在しない!自分に合った方法を検討しよう 絶対に安全な保管方法というものは存在しません。 先に述べた4つの保管方法でもわかるように、セキュリティ(安全性)とユーザビリティ(利便性)はトレードオフの関係にあります。 これまで挙げたもの以外にも様々な保管方法がありますが、どのような方法にもメリットとデメリットが存在し、リスクはゼロになることはないでしょう。 そのため、扱う資産額、必要になる費用、手間と利便性などを考え、自分にあった保管方法を検討しましょう。 また、ひとつの保管方法だけを試すのではなく、いくつかの異なる保管方法を併用することでリスクヘッジするのもひとつの方法かもしれません。 初心者がやりがちな失敗!保管の注意点は? シードフレーズの保管に際して、とくに気をつけるべき点について説明します。 保管場所は明確に! いくら堅牢堅固な保管方法を採用したとしても、その保管場所を忘れてしまっては万事休すです。 どこかに大切に保存したことは覚えているけど、どこに保存したんだっけ…?なんてこと、日常ではしばしば起きることではないでしょうか。 書き写しておいたのにどこにしまったのか忘れてしまったというケースは多く、とくに世界的に有名なものにステファン・トーマス氏の悲劇があります。 Stefan Thomas has two guesses left to figure out a password that is worth about $220 million. He is one of the many people who are locked out of their Bitcoin fortunes, with an estimated $140 billion in lost or otherwise stranded digital wallets.https://t.co/thdHaixBq8 — The New York Times (@nytimes) January 12, 2021 米国サンフランシスコ在住のプログラマーであるトーマス氏は10年ほど前に仕事の報酬をビットコインで受け取っており、そのビットコインはデジタルウォレットに保管し、そのプライベートキーを別のハードディスクに保存したとのこと。 その後ビットコインの価値は高騰し、トーマス氏の保有していたビットコインはいつの間にか2億ドル以上(報道当時)にまでなっていたそう。 ところがなんとトーマス氏、大切なプライベートキーを保存したハードディスクのパスワードを書いた紙を紛失してしまったのです…! このような悲劇に見舞われないよう、保管場所については自分ならばわかるような明確な場所にしておきましょう。 オンラインでの保管はNG! 先にも述べたように、シードフレーズの保管はオフラインで行うというのが基本です。 ついつい手軽なスマホやPC、暗号化されていないドライブやクラウドなどに保管してしまいがちですが、それでは流出やハッキングのリスクと常に隣り合わせの状態です。 また、ソフトウェアウォレットMetaMaskの公式ツイッターでも、iPhoneユーザーに対してiCloudによるバックアップをオフにするよう注意喚起をしています。 🔒 If you have enabled iCloud backup for app data, this will include your password-encrypted MetaMask vault. If your password isn’t strong enough, and someone phishes your iCloud credentials, this can mean stolen funds. (Read on 👇) 1/3 — MetaMask 🦊💙 (@MetaMask) April 17, 2022 その他にも、オンラインで保管していたことが一因となって資産を失ってしまった事例がSNSで数多く報告されています。 「まさか自分が…」と油断せずに、必ずオフラインでの保管を徹底しましょう。 入力を求められたら要注意! 暗号資産を取り扱っていると、シードフレーズの入力を求められる場面も出てくるでしょう。 そんなときは入力する前に一呼吸置いて、安全なサイトやサービスであるかどうか必ず確認するようにしましょう。 ネット上ではシードフレーズやその他の情報を抜き取ろうとする詐欺が横行しています。 その手口は実に様々で、他のサービスを名乗ってシードフレーズを求める偽物のサイトや、アンケートと称して入力を促すもの、公式アカウントに似せた偽アカウントを使用してDMでアプローチしてくるものなどがあり、今後も新たな手口が増えていくことでしょう。 MetaMaskの公式ツイッターでも、MetaMaskを模倣した偽サイトへの注意喚起を行っています。 🎣🚨 Phishing warning? 🎣🚨@Google is allowing a phisher to buy sponsored ads on their search results. When using crypto, try to use direct links, and if you need to use search, watch out for sponsored links! pic.twitter.com/Fx4WArcH80 — MetaMask 🦊💙 (@MetaMask) December 2, 2020 その内容としては、Google検索のリスティング広告のなかにも詐欺サイトが含まれる事例があるとのことで、対策としてダイレクトリンクからのアクセスを推奨しています。 このように、シードフレーズを抜き取る詐欺の手口は日々巧妙化しています。 慣れてきてからが一番危ないと言いますが、シードフレーズの入力を求められたらサイトの安全性をしっかりと確認するクセをつけましょう。 まとめ シードフレーズの概要とその重要性、保管方法とその注意点について解説してきました。 暗号資産の世界はまさに日進月歩ですので、常に情報収集を行い、保管方法をアップデートしていくことも大切です。 安心・安全な暗号資産管理のためにも、シードフレーズの重要性を理解し、適切な保管を徹底しましょう。 シードフレーズ、秘密鍵の管理は完全に自己責任になります。ご自身の資産状況に合わせて管理方法を検討してください。
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2022/10/19PolygonScan(ポリゴンスキャン)とは?概要や使い方を解説
PolygonScanは、Polygonのブロックチェーンで発生したさまざまなイベントをチェックできるツールです。 トークンの追加や、トランザクションの状況をチェックするといった用途はもちろん、リサーチにも応用できるツールになっています。 Polygon利用者なら一度は、チェックしてみたい存在であると言えるでしょう。 この記事では、そんなPolygonScanの概要から利用例、使い方について解説しています。 PolygonScanとは?=Polygonチェーンの中身が見れるツール PolygonScanは、Polygonのさまざまな情報を閲覧できるツールです。 具体的には、Polygonのブロックチェーン上の情報を閲覧・確認できるツールとなっており、さまざまなリサーチや自身のウォレットの状況を確認する際などに利用できます。 トランザクションの内容などを詳細に確認できるので、DeFiの利用に伴い重宝する存在です。 送金やDeFiを活用した運用など、何らかの形でPolygonScanのブロックチェーンを利用する方であれば、利用する機会が多いでしょう。 PolygonScanを利用するメリット・利用例 PolygonScanを利用するメリット・利用例について、以下の観点から解説していきます。 ・ブロックチェーンの状態を観察する ・ウォレットやトランザクションの内容を確認する ・何らかのアクションを加える ・プロジェクトのリサーチに活用する PolygonScanの利用例などから、PolygonScanの活用方法をご紹介していきます。 ブロックチェーンの状態を観察する PolygonScanは、Polygonのブロックチェーンのトランザクション、コントラクト、トークンなどの情報を網羅的に閲覧できます。 また、PolygonScan上の情報は、PolygonScanの利用状況に応じてリアルタイムに更新されており「現在/過去にPolygonで何が起こっているのか?」をチェックできます。 ブロック・トランザクションに関するトピックだけでも、例としてPolygonScanでは以下の点が確認できます。 Polygonの過去のトランザクション、ブロックの総量や直近の動向 ガス代の状況と直近でガスを消費しているアカウントや契約 最新のブロックとバリデーター 最新のトランザクションとそれに伴うガス代や使用されたブロック 上記はあくまで一例で、同様の情報がトークンやコントラクトに関してもチェック可能です。 また、上記のような情報は、PolygonScan以外のブロックチェーンのエクスプローラーでも応用できるポイントです。 上記のような点をチェックすることで「ブロックチェーンがどのくらい利用されているのか?どのくらいの需要があるのか?」といった点もチェック可能ですので覚えておきましょう。 Polygonは比較的普及しているブロックチェーンのため、直近の数分間だけでも多数のトランザクションが確認できます。 一方で、利用されていない・普及していないエクスプローラーの場合は、Polygonのようにアクティブなトランザクションが確認できないケースも少なくありません。 ウォレットやトランザクションの内容を確認する PolygonScanでは、前述したような情報が閲覧可能なため、自身のウォレットやそのトランザクションなども閲覧できます。 つまり「自身のウォレットの利用状況・履歴」が全て閲覧可能になるのです。 具体的には、以下のような点がチェックできます。 アドレスの保有しているMATIC 保有しているMATIC以外のトークンと価格 過去の全てのトランザクション履歴 各トークンごとのトランザクション トランザクションで実行した内容やコントラクト 送付先のアドレス トランザクションに対するガス代 また、上記のような情報は、自身のウォレット・アドレス以外でも閲覧できます。アドレスを入力する or トランザクションの履歴から辿ることによって、他のアドレスにおいても同様の情報が閲覧可能です。 上記は自身のアドレスに関する情報も、PolygonScanを通して第三者から閲覧できることを意味するので覚えておきましょう。 何らかのアクションを加える PolygonScanでは、ブロックチェーンやウォレットに関する情報のみならず、何らかのアクションを加える場合や、PolygonScanをソースに何らかのアクションを行う際のツールとしても応用できます。 例えば、「トークンに対する承認を削除する」、「トークンを追加する際のアドレスをチェックする」といった利用方法です。 上記のようなアクションは、Polygon上に構築されたプロダクトの利用などに伴って必要となることが多いです。 プロジェクトのリサーチに活用する PolygonScanは、前述したような情報を閲覧できるため、プロジェクトのリサーチにも活用できます。 例えば、PolygonScanでは各トークンの上位保有者(アドレス)が保有しているトークンの金額や転送履歴などがチェック可能です。 そのため、上位保有者の動向(例えば、運営・財団など)などをチェックすることで、詐欺のリスク下げられる可能性もあります。 もしも、購入を検討しているトークンに、保有者が著しく偏っている状況や怪しい取引履歴などが観測できた場合、リスクが高い可能性があるかもしれません。 *上記はあくまで仮説なので各プロジェクト・トークンに対しては別途詳細なリサーチを推奨します。 PolygonScanの使い方 PolygonScanの使い方について、以下の観点から解説していきます。 ・Polygon全体の状態を確認する ・PolygonScanでウォレットの履歴などを閲覧 ・PolygonScanを利用してトークンを追加 PolygonScanの使い方をマスターしていきましょう。 Polygon(ポリゴン)・Matic Networkとは?概要や特徴、使い方を解説 Polygon全体の状態を確認する Polygonチェーンの全体の状況を、PolygonScanからチェックする方法をご紹介していきます。 PolygonScanへ 「Resources」から「Charts & Stats」へ 各チャートを確認する (クリックで詳細を確認可能) 各チャートはトランザクションの動向やアドレスの総数など、Polygon全体の利用状況が表示されています。 注目したいチャートのそれぞれの意味は、以下のとおりです。 「Daily Transaction Chart」= デイリーのトランザクション数 「ERC-20 Daily Token Transfer Chart」= ERCトークンが転送数 「Unique Addresses Chart」= ユニークなアドレス数 「Average Block Size Chart」= 平均的なブロックサイズ (ブロックのデータの大きさ) 「Average Block Size Chart」= 平均的なブロックタイム (ブロックがブロックチェーンに追加されるまでの時間) 「Average Gas Price Chart」= ガス代の平均 上記チャートを確認して「Polygonの全体の利用状況はどうなっているのか?」といった点をチェックしていきましょう。 PolygonScanでトランザクションの履歴を閲覧・ダウンロードする方法 次に、PolygonScanで自身のウォレット(アドレス)の履歴を、閲覧・ダウンロードする方法をご紹介していきます。 PolygonScanでアドレスを入力 (自身のアドレスはMetaMaskなどのウォレットからチェック可能) 過去のトランザクションなどをチェック スクロールして「CSV Export」からダウンロード可能 「Txn Hash」からトランザクションの詳細もチェック可能 前述したとおり、入力したアドレスの履歴をチェック可能なので、自身のウォレットのみならず、リサーチしたいアドレスを入力することで各情報を閲覧可能です。 また、トランザクションの詳細を表示した際の項目は、以下のような意味を表しています。(チェックしたい項目から抜粋) 「Transaction Hash」 : トランザクションのハッシュ 「Status」:トランザクションの状況 「From」:転送元などのアドレス 「To」:コントラクトと転送先のアドレス 「Value」:トランザクションで動いた価値 特にトランザクションが上手く通らないときなどに、チェックしたいのが「Status」です。 「Status」にて「Success」と表示されていない場合は、トランザクションが保留・待機中か、失敗している可能性があるので注意しましょう。 PolygonScanを利用してトークンを追加する ウォレットにてトークンが表示されない場合は、トークンのコントラクトアドレスを取得してウォレットに追加する必要があります。 以下の手順で、PolygonScanからアドレスを取得し、ウォレットにトークンを追加していきましょう。 PolygonScanで追加したいトークン調べる 「Contract」からアドレスをコピー MetaMaskを開いて「トークンをインポート」へ アドレスをペースト 「カスタムトークンを追加」から「トークンをインポート」へ また、トークン追加の際に調べたPolygonScanの画面から、以下のような項目でさまざまな情報が閲覧可能です。 「Transfer」:過去の転送履歴 「Holders」:アドレスごとの保有数と% 「Info」:トークンに関する簡易的な情報 上記のようなトークン周りの情報を活用して、リサーチも行っていきましょう。 まとめ この記事では、PolygonScanについてさまざまな観点から解説しました。 PolygonScanのようなエクスプローラーは、トランザクションの履歴を取得したりトークンの追加で重宝しますが、そのような用途に限りません。 リサーチなどにも応用できる便利なツールなので、Polygonのブロックチェーンを何らかの形で利用している方は、是非積極的に利用してみてください。 最後まで読んでいただきありがとうございました。 CT Analysis 『PolygonによるzkRollup Polygon zkEVM解説レポート』を無料公開
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2022/10/18メタマスク(MetaMask)でのBNBチェーン(BSC)への接続方法を解説
代表的なウォレットであるMetaMaskでは、イーサリアムはもちろん、BNBチェーン(BSC)上のプロダクトを利用できます。 しかし、デフォルトのネットワーク設定ではイーサリアム関連のプロダクトやトークンしか扱えません。 MetaMaskでBSC上に構築されたプロダクトを利用するには、予めネットワーク設定を行って、BSCと接続できる状態にしておく必要があります。 本記事では、そんなMetaMaskでBSCと接続するための設定方法や手順について解説しています。 MetaMaskでBSCへ接続する方法 MetaMaskを利用して、BSCに構築されたプロジェクトに接続することは可能なものの、イーサリアムと違ってデフォルトの状態での利用はできません。 BSCに接続する前の段階で、BSCのネットワークを予め追加しておく必要があります。 その際に必要となるBSCへ接続する手順について解説していきます。 接続する前に必要となる準備や、手順などについてチェックしていきましょう。 MetaMaskなどウォレットの事前準備 まず、はじめにMetaMaskなどのウォレットを予め作成しておきましょう。 BSCの利用には複数のウォレットを利用可能ですが、最も代表的なのがMetaMaskです。 ウォレットの作成する自体は数分もあれば完了可能で、PC・スマホのどちらからでも利用可能です。 下記2つの記事で、スマホ or PCのMetaMaskウォレットの作成手順や利用方法を解説しています。 PC MetaMask(メタマスク)の使い方まとめ!入出金・トークン追加も超簡単 スマホ MetaMask(メタマスク)モバイル・スマホの使い方を解説! MetaMaskにBSCの設定を追加する手順 次に、MetaMaskでBSCのネットワーク設定を追加する手順について解説していきます。 以下の手順で、MetaMaskからBSCへ接続できるようにしていきましょう。 MetaMaskを開く 画面上部へ 「ネットワークを追加」へ 必要な情報を入力(*後述) 「保存」へ BSCの接続に伴って必要な情報は以下のとおりです。 ネットワーク名:Smart Chain 新たしいRPC URL :https://bsc-dataseed.binance.org/ チェーンID:56 通貨記号:BNB ブロックエクスプローラーのURL:https://bscscan.com 上記の手順を完了することで、BSC上に構築された各プロジェクトとの接続が可能です。 BSCで利用する仮想通貨の準備 最後に、BSC上に構築されたDeFiなどの利用を検討している方は、予め仮想通貨を準備しておきましょう。 特に準備しておきたいのは、BNBです。 というのも、BSCで取引を行う際はガス代(手数料)の支払いにBNBが必要です。 まだ、BNBを利用していない方は、Binanceなどから購入しておきましょう。 BSCで構築されたプロジェクト例 BSC上に構築された代表的なプロジェクトには、以下のようなものが挙げられます。 PancakeSwap (DEX) Venus (レンディング) Alpaca Finance (Yield) BiSwap (DEX) PinkSale (ローンチパッド) (DeFiLlamaを参考にした2022年10月時点でのTVL上位TOP5) 各プロジェクトは、予めBSCのネットワークを追加したMetaMaskを接続することで、利用することができます。 上記の中でも、TVLランキング2位であるレンディングのVenusについては、以下の記事で解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。 DeFiレンディングプロトコル「Venus Protocol」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! BSCとMetaMaskの接続についてまとめ 本記事では、MetaMaskのBSCの接続方法について解説しました。 BSCはTVLが高いブロックチェーンの1つであり(イーサリアムに次いで2位)、今後も魅力的なプロジェクトが出てくると考えられます。 予め、MetaMaskにBSCを追加しておいて、気になるプロジェクトが出たときにスムーズに利用できる状態にしておきましょう。 メタマスク(MetaMask)の「Portfolio(ポートフォリオ) Dapp」とは?機能や使い方を解説 【安全対策】メタマスク Revoke(リボーク)の概要と方法
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2022/08/18sudoswapの使い方 – NFTをボンディングカーブ上で効率的にスワップできるAMMプロトコル
sudoswap AMMは、2022年7月にローンチされたNFT向けのAMM(自動マーケットメイカー)です。 ETH/ERC20<>とERC721(NFT)の取引を円滑にするプロトコルで、高いガス効率, 流動性効率を実現し、NFTの取引をより円滑に行うことができます。 リリースから1ヶ月強となる現時点でも、ユーザー数・取引高ともに右肩上がりで増加しており、今後ますます注目を集めることが期待されます。 本記事では、sudoswap AMMの概要や特徴, そしてsudoswap AMMの使い方を解説していきます。 また、CT Analysisでも、より詳細にETHとNFTのAMMプロトコルである sudoswapをまとめたレポートをご覧いただけるので、下記リンクよりご確認ください。 CT Analysis 第34回レポート 概要・基本情報 プロダクト名称 sudoswap AMM ローンチ 2022年7月 ウェブサイト sudoswap.xyz/#/ Twitter twitter.com/sudoswap Discord discord.gg/KWHFhVnfue sudoswap AMMは、2022年7月にローンチされたNFTのトレードをより効率的に行うためのプロトコルです。 プロダクト自体は、@0xmons氏, @boredGenius氏, @0xhamachi氏の3名により開発が行われています。 基本的なアイデアとしては、NFTに流動性プールという概念を導入するというもので、カスタマイズ可能なボンディングカーブ上でNFT<>ETHの自動マーケットメイクを実現します。 OpenSeaやLooksRare, Magic Edenなどのプロダクトと比較して、複数のNFTの流動性を予測可能なボンディングカーブ上で管理するため、トレーダーに対してより高い柔軟性を提供します。 一方で、NFTの絵柄等は意識せず、流動性プール内のNFTは全て同等のものとして扱われる点には注意が必要です。 以下では、sudoswap AMMの主な特徴について解説します。 特徴① カスタマイズ可能なボンディングカーブ sudoswap AMMでは、Uniswapのようなボンディングカーブを利用して、NFTの流動性プールが作成されます。 NFTの購入者は、作成された流動性プールのパラメータに基づき、ボンディングカーブ上の価格でETHをNFTとスワップすることができます。 [caption id="attachment_78318" align="aligncenter" width="800"] 筆者作成[/caption] 上記グラフは、Alice, Bobの2人のユーザーが流動性プールの作成時に設定したボンディングカーブの例になります。 カーブは直線・指数曲線から指定することができ、流動性プール内のNFTの価格は、x*y=kのプール内の在庫に応じた価格モデルではなく、あらかじめ指定した価格レンジで推移します。 ボンディングカーブ上の各ポイントは、スワップ時には売り板となるため、実質的にこのボンディングカーブはオンチェーン上のオーダーブックとして機能します。 この仕組みにおいては、レンジを無限に設定するAMMと比較し、一定の価格帯に流動性を集中させることができ、これが流動性効率やガス効率の改善につながっています。 特徴② 取引手数料 sudoswap AMMの手数料は0.5 %に設定されており、これは他のマーケットプレイスと比較しても大幅に低い水準となっています。 sudoswap AMM 0.5%がプロトコルに OpenSea 2.5%がOpenSeaに Magic Eden 2%がMagic Edenに LooksRare 2%がLOOKSステーカーに分配 その他のプラットフォームの手数料スキームに注目すると、LooksRareでは、手数料の分配先に関して透明性がある形でLOOKSステーカーに対して分配が行われますが、OpenSea, Magic Edenでは、プラットフォームに吸収される形となっています。 sudoswapでは、現在はプロトコルに手数料が蓄積される形となっていますが、コントラクト上で透明な形で管理されており、今後sudoswapのトークンがローンチされると、LooksRareのようにインセンティブが付与される可能性も考えられます。 sudoswap AMMの使い方 続いて、sudoswap AMMの使い方に関して解説していきます。 sudoswap AMMでは、NFTを購入するユーザーと流動性プールを作成するユーザーの2種類の参加者が存在します。 まずは、基本的なNFTの購入の方法について解説します。 sudoswap AMMでNFTを購入する方法 sudoswap AMMのトップページに行くと、以下のような画面に遷移します。 画面中央の"View All Collection->(全てのコレクションを見る)"をクリックすると、sudoswap AMM上に作成された流動性プールのコレクション一覧画面に遷移します。 次に、Collections画面から、購入したいNFTのコレクションを選択します。 ここでは、最もリスティング枚数の多いZorbsと呼ばれるコレクションを選択しています。 コレクションを選択すると、以下のように現在作成されている流動性プール内に存在するNFTが価格の一覧で表示されます。 この画面で、購入したいNFTを複数(一つでも可)を選択することで、画面右側のカートにNFTが追加され、購入価格の見積もりが表示されます。 最後に、画面右下の"> sudo swap"をクリックし、Metamaskからトランザクションを承認することで、NFTの購入が完了します。 画像では、5枚のNFTを合計0.166ETHで購入(スワップ)するトランザクションを作成しています。 流動性プールを作成する方法 続いて、流動性プールの作成方法について解説していきます。 sudoswap AMMでは、NFTを出品する際には、個別の出品ではなく流動性プールを作成することで任意の価格を指定するため、出品は流動性プールの作成により行うことができます。 まずは、NFTの購入同様にsudoswap AMMのトップページへと遷移します。 トップページ右上、"Your Pools"をクリックし、その先の画面中央にある"+ Create New Pool"から先に進みます。 NFT側の流動性を作成 "+ Create New Pool"画面に移動すると、以下のような3つの選択肢が表示されます。 ここでは、NFTのコレクションをsudoswapで出品し、流動性プールを作成するため、画面中央の"Sell NFT for tokens"を選択します。 次の画面では、実際にプールにデポジットするNFTのコレクション、そして販売するトークンを選択します。 NFTの選択とETHの選択が完了したら、右下の赤枠から次の画面に進みます。 続いて、特徴①でも紹介したボンディングカーブや、出品価格の選択を行います。 画面は以上のようになっているはずです。 ここでは、以下の4つのパラメーターを、画像赤枠部分で左上から設定していきます。 カーブの最低価格 カーブの種類 Delta(デルタ) NFTの販売数量 今回は、0.02ETHのスタート価格、直線カーブ(Linear Curve)、Delta(デルタ)を0.005ETH、販売数量を10枚で設定していますので、以上の画像赤枠部分と照らし合わせてご確認ください。 Delta(デルタ)は、カーブの傾きであり、直線カーブを選択した場合、流動性プール内のNFTが売れた際、次のNFT価格に付加する金額を指定できます。 このケースでは、画面下のグラフにあるように、NFTがスワップされるごとにプール内のNFT価格は0.02ETHから0.005ETHずつ上昇していきます。 指数曲線のカーブ(Exponential Curve)を選択した場合、Deltaは金額ではなく、販売あたりの価格上昇の%を指定します。 パラメーターの入力方法が若干異なる点に注意しつつ、画面内でさまざまな条件をシミュレートして、条件を比較していくと理解しやすいかもしれません。 ここまで、設定が完了したら、画面右下の"Next Step >"から次の画面に進みます。 ここが最後の画面となります。 画像中央の赤枠で示されている"Select Your NFTs"から、流動性プールに追加するNFTを選択し、最後に"Approve(承認)"を押します。 Approveが完了すると、画像内"Approve"ボタンが"Create Pool(プールを作成する)"に変化するので、ここからトランザクションを作成し、Metamaskで承認することで、流動性プールの作成は完了となります。 画像のケースでは、10枚のNFTをデポジットし、合計0.425ETHで販売するボンディングカーブを設定した流動性プールを作成するトランザクションとなっています。 ETH側の流動性を作成 ETH側の流動性、つまりボンディングカーブ上で買い指値を作る際は、NFTの流動性プール同様に"+ Create New Pool"画面に移動します。 先ほどと同じ画面に遷移するので、ここでは"Buy NFTs with tokens(トークンでNFTを購入)"をクリックし、次の画面へ進みます。 次の画面では、ETH側の流動性を作成するため、"Select Token(トークンを選択)"でNFTの購入に利用するためのETHを選択、"Select NFT(NFTを選択)"で購入したいNFTのコレクションを選択します。 "Select NFT"のドロップダウンに希望のNFTが表示されないケースもありますので、その場合はコントラクトアドレスを直接入力することで、コレクションを特定することができます。 選択が完了したら、次へ進みます。 ここでは、以下の4つのパラメーターを、画面赤枠左上から設定していきます。 カーブの開始価格 カーブの種類 Delta(デルタ) NFTの購入数量 画像では、0.008ETHの開始価格、指数曲線(Exponential Curve)、Delta(デルタ)を5%、NFTの購入数量を10枚として設定しています。 今回は指数曲線を選択しており、このケースにおけるDelta(デルタ)の数値は、1つのNFTを購入するごとに減少する価格の%を表しています。 直線で選択した場合、Delta(デルタ)は増加する価格の値幅を絶対値として指定する一方で、指数曲線におけるDelta(デルタ)はプール内の在庫の変動ごとに%で変動する値幅を指定している点に注意してください。 設定が完了したら次に進みます。 最後に"Create Pool(プール作成)"をクリックし、MetaMaskを通じてトランザクションを作成することで、流動性プールの作成が完了します。 画像のトランザクションでは、ボンディングカーブ上でNFTを購入する10ヶ所の価格を合算した数値である、0.064ETHをデポジットしています。 両サイドの流動性を作成 これまで、NFTをデポジットし流動性プールを作成する方法と、ETHをデポジットして流動性プールを作成する二種類の方法を解説しました。 最後に、これを同時に実施することで、買いと売りのスプレッドから収益を獲得する、両サイドの流動性プール作成方法を解説します。 まず始めに、プール作成画面で、一番右の"Do both and earn trading fees"を選択します。 続いて、流動性プールに追加するNFTコレクションとETHを選択します。選択が完了したら次の画面に進みます。 この画面では、プールの詳細なパラメーターを設定していきます。画像左の赤枠内から見ていきます。 基本的にはこれまで説明してきた内容と同様となりますが、手数料(Fee Amount)の項目が追加されています。 両サイドの流動性を同時に作成することで、開始価格を基準として売りと買いの間にスプレッドを設定し、sudo上でのスワップから収益を獲得することができます。 設定内容は画像の通り下記4点になります。 手数料(スプレッド)の設定 開始価格の設定 カーブの種類の選択 デルタの指定 画像では、開始価格0.01ETH、直線カーブ、デルタ0.0005ETH、スプレッドを2%に設定しています。 ここでの注意点として、購入価格がマイナスに達するようなデルタは設定することができません。 例えば、0.01ETHの開始価格に対して、0.004ETHのデルタを設定すると、3枚購入した時点で購入価格はマイナスとなるため、この条件では2枚までしか買い側の流動性を追加できないことが分かります。 この場合、デルタを小さくするか、ETH側の流動性(購入するNFTの数量)を小さくして、枚数と価格を調整する必要があります。 画面右側では、流動性プールの作成に際して、何枚のNFTの購入/売却を行うかを決定していきます。 全てのパラメーターの設定が終わると、スライダーを利用して、このカーブを採用する流動性プールの作成に必要なコストが自動で算出されます。 画像のケースでは、最大10枚のNFTを合計0.069ETHで購し、最大10枚のNFTを0.122ETHで売却するようなカーブを採用した流動性プールを設定しています。 設定が完了したら次に進みます。 最後に、"Select Your NFTs +(NFTを追加)"から、実際に流動性プールに追加するNFTを選択します。 その後、"Approve(承認)"をクリックし、MetaMaskからトランザクションを作成することで、流動性プールの作成が完了します。 まとめ この記事では、sudoswap AMMの具体的な使い方を紹介しました。 OpenSeaなどのこれまでのマーケットプレイスと異なり、プールを作成してNFTを売却するため、操作に不安を感じられた方もいるかと思いますが、この記事を読んで使い方を理解することができたのではないでしょうか。 ボンディングカーブを採用するNFTの売買のインフラとしてsudoswap AMMは今後一定の地位を獲得する可能性があります。 また、トークン発行の可能性もないとは言い切れず、プロダクトを早い段階で利用しておくことも決して期待値の低くないアクションであると言えます。 新規のプロダクトであり、ハッキング等のリスクもないとは言い切れないため、利用の際はこれらのリスクを十分にご理解の上、少額で行うことをおすすめします。 また、CT Analysisでも、より詳細にETHとNFTのAMMプロトコルである sudoswapをまとめたレポートをご覧いただけるので、下記リンクよりご確認ください。 CT Analysis 第34回レポート
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2022/07/20DeFiとは?ジャンル別に徹底解説 | 代表プロジェクトも紹介
TVL(Total Value Locked)が2022年のピーク時では約$210b(約29兆円)にのぼるなど、金融分野に革命を起こしているDeFi。 しかしDeFiにはさまざまなプロダクト・ジャンルが存在しており「正直よく分からない」という方も多いかと思います。 本記事ではそのような方に向けて、DeFiの概要から注目したい代表的なさまざまなプロダクトをジャンル別にご紹介していきます。 混沌としているDeFiについて、本記事を参考に把握し数十年に一度の時代の変化について押さえていきましょう。 成熟しつつあるDeFi DeFiは「Decentralized Finance」の略で、日本語では分散型金融と訳されます。 DeFiとは、既存の古い金融サービス・エコシステムに取って代わるよう仕組みを、イーサリアムといった分散型のチェーンを活用することで、非中央集権的な金融サービスを実現する仕組みや枠組みの総称です。 DeFiは、既存の金融システムと比較して以下のような特徴を持っています。 既存の金融システム DeFi センサーシップ データは自分だけのもの 一部の人々しかアクセスできない オープンで誰もがアクセス可能 ブラックボックス 高い透明性を持つ カウンターパーティーリスク 検証可能なコード CT analysisの「2022年5月度版DeFi市場レポート」のデータでは、代表的なイーサリアムにおける*TVLは12兆円を超えています。 *TVL = Tatal Vallue Lockedのことで、ここではチェーンにロックされている金額を指す これはあくまでイーサリアムのみの数字であって、BSCやAvalancheといった他のチェーンを含めると、DeFiにロックされている金額はより多くなります。 記事執筆時点では、市場全体でロック総額が落ち込み気味ではあるものの、すでに非常に大きな規模になっていることが分かるでしょう。 CT analysisでは、各チェーンのTVLやDEX出来高、各月で発生したDeFi関連の注目ニュースなど、DeFi市場に関するレポートを毎月無料で公開しています。 毎月のDeFi市場をまとめて無料でチェック可能となっているので、DeFiに少しでも興味がある方はぜひレポートをご覧ください。 CT Analysisのレポートへ DeFiの3つのジャンル「DEX」「レンディング」「デリバティブ」 「具体的に分散型金融と言ってもどんなものか分からないし想像できない・・・」という方も多いはずです。 そのため、これから多数のプロダクトがローンチされているDeFi領域において、人気の高いジャンルを以下の3つから解説していきます。 ・DEX ・レンディング ・デリバティブ DeFi市場において人気の高いジャンルをチェックしていきましょう。 DEX おそらく、最もイメージしやすく分かりやすいDeFiのジャンルが「DEX」です。 DEX(Decentralized Exchange)は、日本語で「分散型金融所」を指します。 ブロックチェーンの技術を活用して構築された分散的な取引所のことで、DEXを活用すれば企業や業者などの仲介者を挟まずとも、コントラクトを通して仮想通貨の取引が可能です。 2022年5月におけるDEXの出来高は16兆円を超えており、これはCEX(中央集権的な取引所)における出来高の10%以上に相当します。 数ヶ月単位で見て、対CEXとの%が伸びていることが分かるでしょう。 レンディング レンディングは「資産の貸し借り」が可能なプロダクトのことです。 レンディングでは、DEXと同じく企業や業者などの仲介者を必要とせずに、仮想通貨を貸したり借りたりすることができます。 レンディングを活用すれば、自身が保有している仮想通貨を貸し出して利息を得たり、貸し出したものを担保に借り入れを行うことができます。 デリバティブ 最後のジャンルが「デリバティブ」です。 DeFiにおけるデリバティブでは原資産を元にした取引はもちろん、既存の金融システムにもあるようなさまざまなデリバティブ取引を、仲介者不在で実現しています。 DeFiにおけるデリバティブで扱われている商品や取引は多種多様ですが、各資産などをトークン化しブロックチェーン上に実装していることが多いです。 DEXやレンディングと比較して規模は小さいものの、運用上のリスクヘッジとしての活用が期待されており、今後DeFiがより成熟していく上で、重要になっていくと見られています。 DeFiのジャンル別の代表的なプロダクト これから、前述した「DEX」「レンディング」「デリバティブ」の中で、代表的なものや知名度の高いプロトコルやプロダクトをご紹介していきます。 各ジャンルの代表的なプロダクトをチェックして、DeFiの実例や提供されているサービス、特徴の違いなどをチェックしていきましょう。 DEX系プロダクト3選 DEX系の代表的なプロダクトには、以下の3が挙げられます。 ・Uniswap ・PancakeSwap ・Curve Uniswap チェーン イーサリアム、Polygon、Arbitrum、Optimism ティッカー UNI 1日あたりの取引高(2022年7月3日時点時点) 約710億円(V3) TVL(2022年7月3日時点時点) 約6,000億円 Uniswapは、記事執筆時点で取引高No.1のDEXです。(DEX間での取引高) Uniswapを模倣したプロジェクトは多数見られますが、依然としてDeFiやAMMの領域において代表的な存在となっています。 2022年6月には、NFTアグリゲーターであるGenieを買収したことを発表し、今後Uniswap関連のプロダクトとの統合される旨も発表されました。 今後も注目していきたいDeFi領域におけるプロダクト・プラットフォームに挙げられます。 分散型取引所プロトコル「Uniswap」の登録方法と使い方を徹底解説 PancakeSwap チェーン BSC ティッカー CAKE 1日あたりの取引高(2022年7月3日時点時点) 約200億円(V2) TVL(2022年7月3日時点時点) 約4,000億円 PancakeSwapは、BSCで最も高い取引高・TVLを持つDEXです。 基本的な仕様はUniswap・Sushiswapといったイーサリアムに展開している代表的なDEXと大きな違いはありません。 BSCで最も取引高の高いDEXという点から、BSC版のUniswapに近しい存在であると言えるでしょう。 PancakeSwapがNFTマーケットプレイスを開発していることを発表 Curve チェーン イーサリアム、Polygon、Avalanche、Fantom、Arbitrum、Gnosis、Optimismなど ティッカー CRV 1日あたりの取引高(2022年7月3日時点時点) 約160億円 TVL(2022年7月3日時点時点) 約7,000億円 Curveは、何らかの資産と価格が連動しているペッグ系のトークンのみを専門に扱っているDEXです。 USDT・USDC間や、wBTC・sBTC間などを取引可能になっています。(Synthetixの枠組みを活用することで異なる資産間の取引も対応) スリップページが発生しにくいなど、さまざまなメリットが見られます。 ソフトペッグトークン専用AMM DEX「Curve」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! レンディング系プロダクト3選 次に、レンディング系の代表的なプロダクトを以下の3つからご紹介していきます。 ・AAVE ・Compound ・Venus AAVE チェーン イーサリアム、Polygon、Avalancheなど ティッカー AAVE TVL(2022年7月3日時点時点) 約9,000億円 AAVEは、記事執筆時点で最もTVLの高いレンディング系のプロダクト、プラットフォームです。 多数のチェーン・トークンに対応しており、選択肢が非常に多いです。 また、通常のレンディング系のプラットフォームでは需要と供給に応じて金利が変動するのが一般的ですが、AAVEでは設定時には不利な金利となるものの、固定金利が設定できるといった特徴を持っています。 DeFi市場におけるレンディングプロトコル「Aave」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! Compound チェーン イーサリアム ティッカー COMP TVL(2022年7月3日時点時点) 約4,000億ドル Compoundは、記事執筆時点でTVL第2位に位置しているレンディングプラットフォームです。 他のレンディンと比較するとトークンのバリエーションが少ないものの、大きな規模を持っているレンディングプラットフォームであると言えるでしょう。 DeFiレンディング「Compound」の基本的な使い方を徹底解説!金利を稼ぐ手段まとめ Venus チェーン BSC ティッカー XVS TVL(2022年7月3日時点時点) 約1,000億円 Venusは、BSCのレンディング系のプロダクトです。 BSCにおいて最も高いTVLを持っており、BSCにおける代表的なレンディングプロダクトに挙げられます。 基本的なレンディングとしての機能を持っているのはもちろん、貸し付けた資産を元にVAIというドルと価格が連動しているトークンを発行できるといった特徴を持っています。 DeFiレンディングプロトコル「Venus Protocol」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! デリバティブ系の代表格・Synthetix チェーン イーサリアム ティッカー SNX TVL(2022年7月3日時点時点) 約500億円 Synthetixは、デリバティブ系のプラットフォーム・プロダクトの代表格の1つに挙げられます。 Synthetixは、合成資産と呼ばれるデリバティブの金融商品をトークン化したものを扱っています。 利用者はSynthetixのSNXを担保にして、合成資産を発行可能です。 Synthetixの登場によって、今後オンチェーンに存在しないような商品も、チェーン上で取引できるようになるかもしれません。 【収益トップクラス】合成資産プロトコル「Synthetix」の概要や使い方を解説 【知っておきたい】L2ソリューションについて これまで、レンディングやDEXなどをご紹介してきましたが、「Layer2(以下L2)」のソリューションを活用するとDeFiはさらに便利になる可能性を秘めています。 L1のチェーン(イーサリアムであればイーサリアムメインネット)で処理しきれない計算を、L2のソリューションで代替することで、ガス代軽減や処理速度の向上が期待できます。 前述したようなプロダクトの中にも、トランザクションが集中してくるとガス代が高騰するケースも多いです。 DeFiを利用する過程で、ガス代や処理速度にストレスを感じたら利用を検討するのがおすすめです。 L2の中でもロールアップ系のものは、以下の2点をすでに詳細に解説していますので、ぜひご覧ください。 ・L2ネットワーク「Arbitrum One」の概要や設定方法、基本的な使い方からリスクまで徹底解説! ・L2ネットワーク「Optimistic Ethereum」| 概要・使い方・リスクまで徹底解説! まとめ 本記事では、さまざまなDeFiについてご紹介しました。 クリプトの業界では日々新たなDeFiプロダクトが登場するだけでなく、既出のプロダクトであっても魅力的なアップデートが日々実装されています。 DeFiの領域は、今後も注目していきたいトピックの1つであると言えるでしょう。 是非本記事を参考に、DeFi情報のピックアップにご活用ください。 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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2022/02/08「ゼロ知識証明とzk-SNARKs」を初心者にもわかりやすく解説!
ビットコインなどの一般的なパブリックチェーンは、ブロックエクスプローラを利用することで、他人のものも含め全てのトランザクションの内容を自由に閲覧することができます。 トランザクションの内容には送金者と受取人のパブリックキー(ウォレットアドレス)や送金額なども載っているため、特定のウォレットの資産の行き先などを追跡することができてしまいます。 こういった特徴は分散型台帳の大事な要素である一方、「誰がどこにいくら送ったか」がわかってしまうことに不便さを感じることも確かです。 そこで昨年から注目されているのが、「ゼロ知識証明」というコンセプトを基にしたzk-SNARKsというテクノロジーです。 同テクノロジーを利用したブロックチェーンでは、「トランザクションが正当に行われた」という情報を一般に開示する代わりに、上記のような取引内容を完璧に隠すことができます。 こちらのページでは、そのゼロ知識証明とzk-SNARKsとはいったいどのような仕組みなのかを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきたいと思います。 ゼロ知識証明とは ゼロ知識証明とは1985年に初めて定式化されたコンセプトで、証明者(prover)と検証者(verifier)の二者間で行われるある「対話」を意味します。 この対話では、証明者がある秘密を知っていることをその秘密の内容を明かさずに検証者に証明します。 数学的には「命題が真であることを、それ以外の情報を与えずに証明する」といいます。 このコンセプトは、分散型ネットワークのプライバシーを保つ上でとても役立つもので、zk-SNARKsと呼ばれる応用型がZCashやQuorumなどのブロックチェーンで利用されています。 ジャン=ジャックの洞窟 ゼロ知識証明を簡潔に説明できる例として、ベルギーの暗号学者・ジャン=ジャック・キスケタが提案した「洞窟の問題」があります。 [caption id="" align="aligncenter" width="274"] ウィキペディアより[/caption] この例では、ピンク色の服を着た証明者Pさんが、緑色の服を着た検証者Qさんに、 上図のような洞窟の最奥部にある扉を開けるパスワードを知っていることを証明します。 Pさんは洞窟の入り口で、最奥部に到達するルートAまたはBをランダムに選んで進んでいきます。ここでは、PさんはルートAを選んだものと仮定します。 Pさんが最奥部に到達するまで充分な時間が経過した時点で、洞窟の外で待機していたQさんがルートAまたはBをランダムに選び(中へは進まない)、Pさんに選ばれたルートから戻ってくるように叫びます。 ルートAとBを仕切る扉のパスワードを知っているPさんは、ルートAから戻るように言われれば来た道を戻ることができ、ルートBが選ばれたケースでは扉を解錠してBから戻ることができます。 この作業を何度か繰り返して、Pさんが毎回正しいルートから帰ってくれば、QさんはPさんが本当にパスワードを知っているということを、パスワード自体を知ることなく確認できます。 ノンインタラクティブ型 ゼロ知識証明の例をもう一つ挙げます。こちらは、「ノンインタラクティブ型」と言われるタイプの証明になります。 証明者Xさんは、5点満点のテストで「Yさんと同点ではないこと」を検証者Yさんに証明します。ここでは、Xさんは5点、Yさんは3点を取ったと仮定します。 まずXさんは、5つの施錠された箱を用意します。それぞれの箱には1点、2点、3点、4点、5点と点数がふられています。 Xさんはそれぞれの箱の鍵をYさんに渡し、部屋を退出します。退出を確認したYさん(検証者)は、自分の点数(3点)以外の箱の鍵(1, 2, 4, 5点)をその場で捨てます。作業が終わると、Yさんは退出します。 今度はXさんが、自分の点数が書かれた箱(5点)の蓋の隙間から丸印のついた紙切れを入れ、それ以外の箱(1, 2, 3, 4点)にバツ印のついた紙切れ滑り込ませます。 再度XさんとYさんが部屋を入れ替わり、Yさんは鍵を使って3点の箱を開けます。中に入っている紙切れは必然的にバツ印であることから、YさんはXさんと同点ではないことがわかります。 しかし、Yさんは、Xさんの点数が自分より良かったのか、悪かったのかはわかりません。 この例は、洞窟の問題と違い、XさんとYさんの直接のやり取りを必要としません。このようなゼロ知識証明を「ノンインタラクティブ型」と呼びます。 ゼロ知識証明のルール ゼロ知識証明には、証明者による不正を最小限に抑えるために守るべきルールが定義されています。 ひとつめは、完全性(completeness)と呼ばれるものです。これは「証明者が秘密を持っていることが本当ならば、検証者はそれが本当であることが必ずわかること」を意味します。 例えば、洞窟の問題では、証明者Pさんがパスワードを知っているなら、検証者QさんはルートA、Bをランダムに選ぶ作業を繰り返すことででPさんが本当にパスワードを知っていることを確認できます。 ふたつめは、健全性(soundness)と呼ばれ、「証明者が秘密を持っているという嘘をついている場合、検証者は高確率でその嘘を見抜ける」というものです。 洞窟の問題で証明者Pさんが嘘をついていた場合、Pさんは最奥部の扉を解錠できないため、来た道(上記の例ではルートA)から戻るほかに選択肢がありません。 検証者Qさんがランダムに選ぶルートがAである確率は50%であることから、この作業を繰り返していけば、Qさんが毎回Pさんによって選ばれたルートから戻ってくる確率は極端に低くなります。 証明の回数を重ねるごとに証明者Pさんが不正を働ける確率が低くなるため、QさんはPさんが嘘をついていることを高確率で見抜ける、ということになります。 最後に、ゼロ知識証明はゼロ知識性(zero-knowledge)というものを満たさなければなりません。これは、検証者が証明の結果得られる知識は、証明者の命題が真であることのみであるという意味です。 洞窟の例では、検証者は証明者がパスワードを知っていること(命題)が本当であることは確認できますが、そのパスワード自体を知ることはできません。 zk-SNARKsとは? 匿名性の高いことで有名な暗号通貨・ZCashなどは、zk-SNARKs(ゼットケー・スナーク)と呼ばれるゼロ知識証明の応用型をトランザクションの記録に利用しています。 ZCashでは、第三者が得られる情報は「トランザクションが正当に行われた」という命題が真であることのみで、送金者や受取人、送金額などといった情報は確認できません。 zk-SNARKsのzkはZero-Knowledge(ゼロ知識)を意味し、SNARKはそれぞれ以下の略称となっています。 Succinct (簡潔) - 証明結果は証明のプロセス(計算)に比べサイズが軽い。証明プロセスをノンインタラクティブ型にすることで、証明結果の容量を節約できる。 Non-interactive (ノンインタラクティブ) - トランザクションの正当性を確認したい検証者が、証明者と直接やり取りせずに証明を確認できる。 ARgument - 証明者の計算能力には限りがある。並外れた計算能力を持つ証明者は、力づくで暗号を解き、虚偽の証明を提出できてしまう。 of Knowledge - 証明者は、取引に関与するウォレットのアドレスなどといった知識を前もって知っていない限り、証明を作成することはできない。 証明が簡潔かつノンインタラクティブ(証明者から検証者へメッセージを送るだけ)であることで、ブロックチェーン上に記録する内容を少なく抑えることができる、ということになります。 Argument of Knowledgeは、zk-SNARKsが満たすべき仮定、と考えることができます。 zk-SNARKsはZCash以外にも、米JPモーガンのQuorumでも実装されているほか、イーサリアムでも実装を検討していることがわかっています。 【ゼロ知識証明】プライバシー銘柄「zCloak Network」とは?テストネットのやり方も解説 まとめ ゼロ知識証明とzk-SNARKsについて、大事な点をもう一度確認しておきましょう。 おさらい ゼロ知識証明とは「命題が真であることを、それ以外の情報を与えずに証明する」ということ。 ブロックチェーンに応用すると、「トランザクションが正当であること」を証明することで、送金者や受取人、送金額などといった他の情報を一切提供しなくて済む→プライバシーの保護 zk-SNARKsは、ブロックチェーン技術と組み合わせて利用できるタイプのゼロ知識証明。証明結果の容量の小ささや、計算における仮定が特徴。 ZCashによるzk-SNARKsの解説はコチラからアクセスできます。また、ゼロ知識証明のより数学的な解説はコチラに載っています。