BTC8%急落でも強気。15万ドル到達へ繋がる3つの構造的要因とは

トランプ米大統領が中国への関税強化を示唆したことを受け10月10日に暗号資産市場は急落。ビットコイン（BTC）は8%以上下落し、市場のボラティリティの高さが改めて示されました。

しかし、このような短期的な混乱にもかかわらずビットコインの長期的な見通しに対する強気な姿勢は失われていません。次の目標として15万ドルへの到達が依然として議論されています。その背景には機関投資家の動向を中心とした複数の構造的な要因が存在します。

こうした見方を支えるのが現物ビットコインETFへの旺盛な資金流入です。今月に入ってから関連ファンドには記録的なペースで資金が流入しており、機関投資家の底堅い需要を示しています。この動きは短期的な価格変動に左右されない長期的な買い圧力が存在することを示唆します。

また、取引所のデータも強気見通しを裏付けています。分析プラットフォームのグラスノード（Glassnode）によると、取引所が保有するビットコインの残高は複数年ぶりの低水準まで減少しました。これは投資家がビットコインを売却せずに長期保有する目的で個人のウォレットへ移動させていることを意味し、市場の売り圧力が低下していることを示します。

さらにマクロ経済の環境もビットコインにとって追い風です。米連邦準備制度理事会（FRB）による利下げ観測は、現金や債券といった伝統的な資産の魅力を相対的に低下させます。その結果、より高いリターンを求める資金が価値の保存手段としての側面も持つビットコインへ向かいやすくなります。

最近の急落は暗号資産市場が地政学リスクに敏感であることを示しました。しかし、その一方で機関投資家の参入や供給の減少といった構造的な変化が市場を下支えしています。

短期的な価格変動を乗り越え長期的な資産としての評価が続く限り、15万ドルへの道は依然として開かれていると言えるでしょう。