欧州中央銀行「ステーブルコインは安全な避難場所ではない」
2024/10/10・
Crypto Troll
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欧州中央銀行(ECB)は、ステーブルコインが市場の混乱時に「安全な避難所」とされる考えに対して異議を唱え、アメリカの金融政策の影響を大きく受ける可能性があることを示す報告書を発表しました。
ECBの研究によると、ステーブルコインは通常、米ドルなどの法定通貨にペッグされているため、アメリカの金融政策の変更、特に利上げによる影響を受けやすいとされています。ECBは2019年以降のデータを評価した結果、米国政府の金利引き上げによりその後12週間でステーブルコインの時価総額が10%下落したと指摘しています。一方で、同じ期間にマネーマーケットファンドなどの伝統的な非暗号資産には新たな資本が流入していることが示されています。
また、ステーブルコインはビットコインの急激な価値下落などの「クリプトショック」においても時価総額が減少する傾向があり、これには平均で約4%の下落が見られました。結果、ECBは暗号資産市場内のショックよりも、金融政策がステーブルコインに与える影響が大きいと結論づけています。
ECBは、アメリカの金融政策が引き締められ利率が上昇するにつれて、利息のない資産であるステーブルコインを保持することへの魅力が失われ、より伝統的な金融商品へのシフトが進むと分析しています。また、暗号資産市場内の大きな変動は、少なくとも現時点では伝統的金融の世界に大きな影響を与えないと結論付けられています。
情報ソース:ECB