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2018/06/02仮想通貨への51%攻撃は557ドルから可能に
こんにちは、kaz(@kazukino11111)です。 今回は仮想通貨の51%攻撃に関する面白い記事を見つけたので翻訳記事的な感じでご紹介したいと思います。 Vergeが過去6週間で三度目の攻撃に苦しんでいるように、PoWを採用しているコインに対するマイニングアタックは過去最安で行えるようになりました。 これにはレンタルハッシュパワーサービスなど様々なサービスの普及が関係しています。これによって以前は数週間にも渡る計画が必要だった51%攻撃も数分で実行できるようになりました。 51%攻撃は史上最も安い Crypto51.appという新たなウェブサイトではそれぞれのPoWコンセンサスアルゴリズムを採用した通貨に51%攻撃を行う際の理論上のコストが掲載されています。このウェブサイトではその通貨に一時間攻撃を仕掛けると想定した際のコストが最も攻撃しやすい時間帯などを考慮して計算されています。 実際は一時間の攻撃が成功するという保証はどこにもありません。取引所は怪しい入金を素早く検知します。しかし、51%攻撃が実行可能なことに変わりはありません。そして、先日のビットコインゴールド(BTG)のハッキング事件が成功の可能性を示しています。 一方で特定の通貨への攻撃のしやすさはネットワークのハッシュレートやアルゴリズムなど様々な要因によって左右されます。中でも equihashというアルゴリズムを採用した通貨は巨大なハッシュパワーを持つNicehashの影響を受けやすいと言います。 Nicehashとは?スロベニアに本社を置く会社で仮想通貨マイニングに必要な処理能力を売買できるプラットフォームを提供している。 Bytecoinの攻撃コストは557ドルと試算 Bytecoin(BCN)は現在10億ドル以上の時価総額を誇り、仮想通貨全体の上位20位にも入っている通貨ですが、Crypto51.appによると同通貨への攻撃は557ドル程度で可能だとされています(記事執筆時点では1444ドル)。これはアルゴリズムと低いハッシュレートによるものだと考えられます。 一方でJohn McAfee氏の支援するビットコインゴールドは778ドル程度と試算されています(記事執筆時点では4190ドル)。 一方で攻撃への対策も講じられている Bitcoin.comが先日報じたところによると、一つのPoWアルトコインの開発チームがハッシュレートを監視するスクリプトを開発しました。 これにより、10%を超える大きな変化があれば自動的に通知されるようになります。そして、新たに追加されたハッシュレートが未知のプールから発生するか、50%を超える既存のプールに転倒しそうになった場合はNicehashに大量のBTCが用意されており、それらを購入し、攻撃に対抗することができます。 PoWはPoSなどに比べて、比較的安全なコンセンサスメカニズムとして扱われてきました。ビットコインやイーサリアムなど高いハッシュレートを持つ通貨はこれに当てはまりますが、規模が小さな通貨はより少ない保護しか持ち合わせていません。 これらの通貨は今後51%攻撃に対抗する何らかの対策が求められています。 まとめ いかがでしたでしょうか?僕自身51%攻撃なんて仮想通貨の技術に詳しい人が、めちゃくちゃ緻密な計画を練ってやっと成功するかもしれないっていうレベルだと思っていたんですが、この記事を読んでみると以外と攻撃にかかるコストは安いみたいですね。 あくまでこのウェブサイトは攻撃にかかるコストを掲載して注意喚起を呼びかける目的のものなので、決して悪用しないようにしましょう。 記事ソース:You Can Now 51% Attack a Coin for as Little as $500
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2018/05/302018年前半の下落トレンドでも価格を上昇させた銘柄5種類とは
こんにちは、kaz(@kazukino11111)です。 2017年末にブームで過去最高値をつけた通貨は多かったですが、今年に入ってからは下落トレンドが続く一方です。ビットコインに至っては去年の220万円から70万円前半まで落ち込みました。 一方で、そんな相場でも価格を挙げている通貨は存在します。 2018年前半に高騰した通貨5選 ここでは2018年前半に高騰した通貨5種類をご紹介します。 Binance Coin (BNB) Binance Coinは名前からわかるように世界最大の取引所、Binance(バイナンス)が発行している通貨です。Binance Coinの最大の特徴は保有しているだけで同取引所での購入手数料が割引されるという点です。 BNBは今年2月頭に700円を切る程度まで下落しましたが、その後堅調に価格を上げ、5月に入ってからは1300円から1600円のレンジで取引されています。上昇率でいえば数倍とまでは行きませんでしたが、時価総額18位の通貨としては大きな上昇率なのではないでしょうか。 BINANCEは現在、DEXの開発などにも力を入れており、今後も目が離せません。 EOS EOSは企業を対象としてスマートコントラクトを利用した分散型アプリケーションプラットフォームを提供しています。利用料はかからず、一秒間に何百万件ものトランザクションを処理できるとあって注目されているプロジェクトです。 今年のお正月には 900円台で取引されていたEOSですが、4月末から5月頭にかけて2200円を超えて急騰し、過去最高額を記録しました。記事執筆時点では1300円前後にまで落ち着いています。 2018年6月頭にはメインネットのローンチもあり、市場がEOSへの期待をしているのもわかります。 EOSのトークンスワップはウォレットに入れたままだと無価値になってしまうので気をつけましょう。 EOSメインネット移行が近づくも、ユーザーの65%が未登録。EOSトークンスワップ方法まとめ - CRYPTO TIMES 0x (ZRX) 0x(ゼロエックス)はざっくり説明すると、分散型取引所をプロトコルを利用して、簡単に構築できるようにするプロジェクトです。このプロジェクトにより、イーサリアムのブロックチェーン上に存在するトークンはほぼ手数料無料で相互に交換することが可能になります。 0xは年始には100円未満で取引されていましたが、1月後半から2月にかけ、大きな成長をみせ、250円程度まで上昇しました。その後一度下落し、50円程度まで値を戻しますが、5月に再度高騰し、現在は120円程度で取引されています。 最近では、0x Protocolを利用した分散型取引所も非常に増えてきているので今後も要注目です。 VeChain (VEN) VeChainはブロックチェーンの書き換えができないという特性を活用して、商品の真贋を判定するサービスを提供しています。真贋判定と聞くとブランド物に使われるとイメージしがちですが、VeChainは他にも政府関係機関や農家、ロジスティクスなど幅広い分野での活用が見込まれています。 VeChainは昨年末から急激に成長し始め、1月後半には300円から1000円まで急騰し、過去最高値を記録します。その後も昨年に比べて高いレンジで取引されており、記事執筆現在は345円となっています。 VeChain / VEN メインネット移行に伴うトークンスワップ情報 - CRYPTO TIMES TRON (TRX) Tronはエンターテイメントコンテンツをブロックチェーンを使って世界に広めることでクリエイターを支援し、新たな働き方を提案するプロジェクトです。簡単にいえばYoutubeやShowroomなどといったプラットフォームと同じようにエンタメシステムの再構築を目指しています。 昨年Tronは0.5円にも満たない価格で取引されており、なかなか日の目を見ることはありませんでした。しかし、複数の取引所に上場されるという噂から急騰し、今年の正月には23円ほどにまで上昇しました。一月以降は相場も落ち着き、現在の6円前後という価格になっています。 それでも0.5円という価格からの上昇率を考えたらかなり伸びている通貨ではあります。 まとめ いかがでしたでしょうか?数多くのアルトコインがビットコインやメジャーな通貨の下落トレンドに流され右肩下がりな相場が続いた2018年前半ですが、そんな中でも成長していた通貨は存在します。 僕自身、どんな局面でも本当に価値のある通貨を見抜けるようにまだまだ勉強する必要があると感じました。 それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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2018/05/29【プレスリリース】Everus紹介
Sponsored by Alibabacoin Foundation EverusテクノロジーSdn. Bhd.はマレーシアを拠点とするブロックチェーン技術企業で、国内だけでなく世界中にこの技術を提供することを目指している。最近では、韓国の仮想通貨市場に参入し彼らを惹きつけようと尽力している。産業において世界を変えるソリューションを提供するために創り上げられた製品を利用し、Everusは消費者が仮想通貨やブロックチェーンをサービスとして享受できるような遷移を提供しようと試みています。 EverusはEthereumのブロックチェーンネットワーク上のERC20の規格を採用した独自の仮想通貨であるEVRを持ちます。トークンはC-CEX、Cryptopia、Kuna、LocalBitcoinCashなどの取引所で扱われており、現在では、合計枚数の10億枚のうち8,000万枚以上が市場に流通しています。 今年の4月、Everusはマレーシアの中央銀行(BNM)から、資金洗浄防止とテロ資金対策(AML/CFT) – 電子通貨(セクター6)ポリシーに準拠した報告機関であるとの認識を受けました。BNMからこうした認識を受けることは、すべてのEverusのトランザクションが透明性を持ち規制当局による規制を順守する事実に加えて、消費者の更なるEverusに対する信頼につながります。 EVRのウォレット所有者は、自身の保有するEVRを今年の4月にリリースされたEverusモバイルウォレットアプリ内で追跡、送金、受け取り、保管をすることができます。iOSとAndroidの両方で利用可能なEverusウォレットのアプリがあれば、いつでも簡単にアカウントにアクセスすることができます。このアプリの重要な強みはそのセキュリティ面での機能になります;モバイルウォレットは顔認証機能と指紋認証機能の両者に対応した最先端の技術に対応しています。加えて、Everusはモバイルアプリにオールインワンのユーティリティ決済処理機能を搭載することで、Everusのモバイルアプリの多様性を向上させることに成功しています。これによりEverusのモバイルウォレットアプリ利用者は公共料金や携帯料金の支払いなどをウォレット内で完結させることができます。 主に投資の目的で利用される他の仮想通貨と異なり、EverusはEVRを決済の実用的な手段として普及させその立ち位置を確立することを目的としています。Everusは現在、商人からなる世界的なネットワークを構築しており、これによりEVR保有者間でのユーザビリティ向上を目指しています。 Everusのエコシステム拡大の方策として、Everusはまもなく仮想通貨のデビッドカードをローンチします。これにより、Everusウォレット利用者は世界中の広いネットワークの中でEVRを支払いに利用することができるようになります。このデビッドカードの目的は何かを購入する際に便利に支払いが行えることだけでなく、潜在的なユーザーがEVRを利用し始めることで仮想通貨に関する理解を深め、より広くこれを採用させる目的があります。 Everusはマイニングの愛好家向けにマイニングサービスにも取り組んでいます。Yottahashサービスは、場所の提供からリグのセットアップやメンテナンス、規制の順守など、運営における要件を克服するソリューションを探しているマイニング愛好家に対して提供されます。 EverusはYottahashをアジアで最大級の仮想通貨マイニングファームへ成長させることを目指しています:更に、マイニング愛好家の方々向けに信頼のできるマイニングのリグを多岐にわたり販売しています。Yottahashは100%の透明性、24時間の監視、追跡可能性を保証します。 Everusの重要なプロダクトが完成すると、EVRには更なる取引量の増加とユーザビリティに関する大きな変動が見られると考えられます。現在はまだ初期段階ですが、Everusのマイルストーンが実現されれば、東南アジアにおける最もダイナミックなブロックチェーン企業となるでしょう。 お問い合わせはこちら:[email protected] より詳細な情報はこちら: www.everus.org ソーシャルメディアのフォローもお待ちしています: Facebook: https://www.facebook.com/everusworld/ Twitter: https://twitter.com/everusworld Instagram: https://www.instagram.com/everusworld/ LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/13359278/
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2018/05/28週刊少年クリプト創刊号発刊!世界初!仮想通貨の漫画雑誌爆誕!
CRYPTO TIMESでもコラムを書いているコンソメ舐め太郎さんが編集長となり、5/25(金)20:00に世界初の仮想通貨漫画雑誌の「週刊少年クリプト」が創刊されました。 値段は500円、noteから購入できます。 週刊少年クリプト創刊号 ちょっと中身を見てみたいという方向けにのお試し版は、以下より立ち読みが可能です。 週刊少年クリプト創刊号 お試し版 週刊少年クリプト!気になる内容は? さて、気になる内容ですが、以下のようなコンテンツが掲載されています。 順に紹介していきたいと思います。 クリプトヒーローズ 絵 : おにぎりまん(@onigiriman1998) 脚本:コンソメ舐め太郎(@Ether_takuya) 仮想通貨をモチーフとしたキャラクターの王道格闘漫画 仮想通貨のヒーローたちが敵をバシバシ倒していく姿は必見 ~暗号戦線~ クリプトくん 絵:D@クリプトくん(@D_Critical ) 脚本:Koishi(@kitraum ) 仮想通貨に関する過去の歴史や事件を紹介した漫画 主人公のクリプトくんによるかわいい解説で、初心者でも仮想通貨の歴史を学べます。 マンガでわからなくなる?仮想通貨 絵:風野なつき(@Kazanock ) 脚本:いおんぶてぃっく(@BticIon ) 仮想通貨の概要をチャーミングなキャラクターとともに学べる漫画 無茶苦茶な性格の“はかせ”と冷静沈着な“かれんちゃん”によるクスっときてしまうやり取りが面白いです。 ゼロからはじめるBTCFX 絵:えびてん(@Quubelcrypto ) 脚本:コンソメ舐め太郎(@Ether_takuya) Bitcoin FXをやりたい方、実際にやっている方向けの解説漫画。 マスターノード、その生き様 (記事) 記者:ぐぬぐぬたい(@pukupuyotai ) 仮想通貨における“マスターノード”がどういったものか、その一生を説明した記事。 ぐぬぐぬたいさんは日本におけるマスターノードの第一人者であり、右に出るものはいません。 スマホではじめるDapps ~イーサエモン~ (記事) 絵:コイモン(@soco_illusts ) 記者:はやた(@hayata_sc ) Dappsゲーマー第一人者のはやたさんが、スマホでのEtheremonの始め方を解説。 挿絵にはコイモンもいて、非常に楽しくDappsゲームをはじめることができる内容になっています。 気になる反応は? https://twitter.com/nanzyara/status/1000081264337084416 https://twitter.com/kichigaineco/status/1000516766240509953 https://twitter.com/cancan___can/status/1000045620441235456 https://twitter.com/sabachancoin/status/1000173313434374144 https://twitter.com/blooyetii/status/1000448221158805505 日本だけでなく、海外からも反応があるようです。すごい! まとめ 以上、週刊少年クリプト創刊号の紹介でした。 今までになかった分野への挑戦であり、これからどのように展開していくのか非常に気になりますね。 初心者の方も、仮想通貨に精通している方も読める非常に面白い雑誌になっています。 さて、次回は編集長でもあり、CRYPTO TIMESでもコラムを書いてくれているコンソメ舐め太郎さんへのインタビュー記事もあるとか、ないとか。 乞うご期待!!!
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2018/05/27仮想通貨市場のデータ分析を一目で確認できるツール QUBE(キューブ)100 INDEXの紹介
こんにちは!Shota(@shot4crypto)です! 本記事では、だいぶ前に情報収集をしていた際に見つけて今でもリサーチの際に活用している、仮想通貨市場の動向を簡単に掴むことのできるQUBE100INDEXを紹介していきます。 QUBEを使うことで、多数の通貨の価格の変動や数値化された市場の楽観悲観など、取引の際(特にスイングトレードなど)に役立つ多くの指標を手に入れることができます。 中国系のサービスやプロダクトは、知名度が低いだけで実際は相当優れているものが多く存在するので、是非本記事を参考に活用していただければと思います。 QUBE(キューブ)100 INDEX とは? Qube100Indexとは、ユーザーの取引を円滑にするために中国にて開発がされているプラットフォームであるQubeのサービスのうちの一つです。 本チャンのサービスでは、上の画像にあるような大手取引所の取引をQubeのアカウント一つで一括で管理したり、各取引所の資産を合算したポートフォリオなどを作成することができるようです。 一方で、今回紹介するQube100Indexは以下の情報をチェックできるサービスをすべて無料で利用することができます。 無料で利用可能なサービス Qubeのインデックス カテゴリー(産業)別の出来高や価格変動の一覧 カテゴリー(産業)別の24時間での高騰、低落銘柄の一覧 通貨別の詳細な情報 銘柄別の24時間以内の市場心理とそのパーセンテージ 一般 / 市場 / 投資家の市場心理のパーセンテージとそのインデックス 取引所の基本情報と、メイカー / テイカーの取引手数料、通貨ペア数など 最近ですと、NEO系のAlphacat(中国)などAIを使った市場分析などのサービスが出てきていていますが、上述の通りQube100Indexが提供する幅広く、かつ独自の情報は市場を分析する上で非常に役に立つものだと考えています。 更にこれらすべてがブラウザ上で利用している間、数秒単位のリアルタイムで更新されていきます。 次項で、上述のQube100Indexが提供するサービスの中からいくつか、その指標が何を意味するのか、ユースケースなどを紹介していきます。 Qube100Indexのユースケース カテゴリー(産業)別のデータ 本記事執筆時(2018/5/26現在)ですと、ここ一週間の相場の全体的なトレンドは下落基調ですが、通貨のカテゴリー別でみた場合、一部のカテゴリーではBTC以上に下落している一方で、その他のカテゴリーではその下落幅が0%に近いものなど様々です。 つまり、カテゴリー別で見た場合、どこに資金が流れているのか、市場に参加する投資家はどのようなプロジェクトに目をつけているのかなど、ある程度データに基づいた推測をすることができるようになります。 上の画面は、実際のQube100Indexの画面で、通貨がQubeのチームによってカテゴライズされ、その情報がズラリと並んでいます。 まず、注目していただきたいのは【Price Change 7 Days, %(7日間の価格変動率)】の部分です。 【Price Change 1Hours, %(1時間の価格変動率)】や【Price Change 24Hours, %(24時間の価格変動率)】では、サンプルとなるデータの時間軸が短いためあまり大きな差異を見て取ることができません。 しかし、7日間の部分に注目すると、カテゴリ別に大きな差が出ていることがわかります。 ここ7日間で言うと$BTCの価格変動率が約-9%程度ですので、画像の 【6 Dapp Decentralization】 【8 Side Chain Concept】 【16 Data Storage】 系のカテゴリの下落が極端に緩やかである(=BTCの下落に対し強めの値動きをしている)ことがわかると思います。 また24時間の出来高も【24 Hour Volume $Million】の部分で見ることができるので、そこからいまは何系の銘柄 / トークンがアツいのかを一目でチェックすることができます。 通貨別データ 通貨別の詳細なデータを見るのは、CoinMarketCapが有名で実際に取引所や通貨の情報が載っているため優れていると思いますが、市場を俯瞰するという意味ではQube100Indexの提供するこのサービスの方が優れていると思います。 以下が通貨データの一覧画面になります。 [caption id="attachment_9840" align="aligncenter" width="696"] 執筆時点で1624種類の銘柄に対応(CMCと同数)[/caption] 通貨データに関してはCoinMarketCapやLiveCoinWatchなどの競合がいるので、まずはこれらの競合と比べたメリットとデメリットを紹介していければと思います。 Qube100Indexのメリット 1時間~7日間の価格変動をパーセンテージで比較することができる 時価総額や出来高のランキング、その他数字のデータが圧倒的に見やすい リアルタイムで更新が行われる Qube100Indexのデメリット ある程度銘柄を熟知していないとググる羽目(二度手間)になる 各通貨の詳しい情報の網羅性がない(投資家向け) 適当なタブでソートを行うことができない Qube100Indexはこれらの点を考慮すると、メジャー銘柄や時価総額上位のコインの状況を把握においてに優れていると言えます。 理由として、Qube100Indexは、すべてのデータが順位やパーセンテージで表示され、さらに上昇下落に関してすべて色で確認できるため、パフォーマンスのいいものと悪いものを一目で確認することができるからです。 また、マイナー銘柄に向かないと考える理由は、通貨のティッカーや名前以外に情報を調べることができないので、リサーチが『値動きデータ→通貨の情報』というプロセスになってしまう上、通貨の情報を知りたい場合、CMCの方が単純に優れているからです。 仮想通貨市場の心理データ おそらく仮想通貨の市場心理に関してQube100Indexが提供する以上に詳細かつ包括的なデータを無料で提供しているプラットフォームは存在しません。 (何かございましたら追記させていただきますのでお申し付けください) Qube100Indexが提供するサービスでは、普段僕らが目にする仮想通貨のファンダ情報やおそらくそれ以上のソースからデータを楽観 / 悲観 / 中立にカテゴライズし、これを視覚化してまとめられた一覧データを一挙で確認することが可能です。 画像上部の【Bullish Information】は主に好材料となる情報を表し、逆に【Bearish Information】は悪材料となる情報を表します。 視覚化されている部分で直近24時間の好材料、中立材料、悪材料のパーセンテージを確認することができ、そのスコアが数値化されているので、例えばこれが前日と比べて高いものとなっていれば、市場が上向きであることがわかります。 画像下部では、この好材料、中立材料、悪材料のパーセンテージとスコアが通貨ごとに算出されており、さらにその横には直近1時間 / 24時間の値動きが表示されています。 具体的な使い方はといいますと、第一に上述の通り、仮想通貨市場全体の心理を確認することで、大まかな上昇下落の予測を立て合理的な取引ができるようになります。 例えば、仮想通貨の市場心理のインデックススコアが-10.0であるときに、短期足ベースのチャートを見てロングを入れてしまうようなリスクを極力減らすことができるようになります。 第二に、通貨ごとのファンダメンタルズを完全に網羅して精査する、という人間を超越した技を会得する必要がなくなります。 (ここで、ニュースや上場のアナウンス、提携などのニュースが出た後にそれがチャートに少なからず影響する点は前提としています。上場アナウンスとそのチャートへの影響に関する記事も是非読んでみてください。) この前提をもとに考えると、最速で手に入れた膨大な量のファンダは少なからず直近の価格に影響することが予測できると考えられます。 本記事執筆段階でのBCHのスコアを見ていきましょう。 他の通貨と比較した際に、3つのインデックススコアが他のどの銘柄よりも高く算出されていることがわかると思います。 また、Qube100Indexのリアルタイムで更新されるという性質を生かしてこの変動に注目することで、初動を捉えて取引を行うことができるかもしれません。 shota 現在はまだ先物やデリバティブ商品がマイナー銘柄に浸透していませんが、dydxのようにこれを体系化するようなシステムがでてくれば更に役に立つかもしれません! まとめ 本記事では、中国のQube100Indexと呼ばれる便利なサービスを紹介させていただきました。 Twitterなどで主に情報収集をされている方ですと、日本の界隈の狭い心理しか見えない状況や情報を手に入れるまでに時差が発生してしまうといった状況が考えられると思います。 そのため、デイトレードなどをメインにされる方にはベストなツールだと思います! 僕もあまり使いこなせている自信はありませんが、ぜひ使ってみてください!
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2018/05/26ペトロってどうなったの?ベネズエラの仮想通貨事情を時系列で全部解説!
Crypto Times公式ライターのYuya(@yuyayuyayayu)です。 今回は、定期的に話題にあがるベネズエラの仮想通貨事情についてまとめてみたいと思います。 ベネズエラ政府は昨年12月に石油で裏付けされた仮想通貨「ペトロ」を発表してから、技術面の発展や外交などを通して着実に世間の注目を集めています。 当記事では、同政府による仮想通貨関連の出来事を時系列で完全網羅したいと思います。 ベネズエラの仮想通貨事情・時系列 2017-12-03: 石油裏付け型仮想通貨「ペトロ」公表 昨年12月、ベネズエラ大統領Nicolás Maduro氏はペトロのローンチを会見で発表しました。 ベネズエラでは不穏な政治状況をめぐり法定通貨であるボリバルが暴落、ハイパーインフレーションに陥っています。 価格安定性を謳うペトロは新たな信頼性のある通貨として政府が導入を試みているものです。仮想通貨ではありませんが、過去に新たな通貨の導入によりインフレを脱出した国は存在します。 そんな政府の思惑とは真逆に、ペトロは国内外からその信用性を疑われています。 同通貨は石油を裏付けることによって通貨の価格安定性を図っていますが、その担保である石油と信頼性皆無のボリバルではフェアな取引が成り立たないため裏付けの意味がないと懸念されています。 加えてペトロの価格設定法や価格安定メカニズムは極めて不透明で、実際には政府の都合の良いように価格がコントロールされてしまうのではとも問題視されています。 また、この集権性が懸念される中でPoWが採用されていたことも批判の対象になっていました。しかし、以降イーサリアム、のちにNEMへとプラットフォームも転々と変えていきました。 2018-02-20: プレセールスタート 否定的な意見とは裏腹に、ペトロはプレセール初日で7億3500万ドルを売り上げたとされています。 Maduro大統領がペトロの大成功を讃える一方で、同氏を独裁者だと批判する米国はこれに危機感を覚え、経済制裁等への意向を強め始めます。 2018-03-20: 米国がペトロ購入を禁止 ペトロがロシアの支持を受け始める中、米国はいよいよ市民にペトロの購入を禁止します。これにより、ベネズエラは経済制裁を迂回して外貨を貯蓄することが難しくなりました。 さらに、独裁政治に対する経済制裁として多数のベネズエラ政府関係者のドル資産を凍結し始めます。 2018-04-29: インドにペトロでの石油購入を提案 ベネズエラはロシアに加え、さらにインドからも支持を得ようとする動きに出ます。 政府は、インドに「ペトロで購入すれば石油を30%安くする」と提案します。ペトロの開発チームは実際にインドを訪れるなどもしており、ペトロの普及に大きく力を入れている様子がわかります。 これを受け、インドの仮想通貨取引所Coinsecureはペトロを販売することを決定します。しかし、インド国内でも同通貨に対する批判は続きます。 2018-05-05: ユースバンク開設・ペトロゴールド発表 Maduro大統領は、2000万ペトロ(約12億ドル相当とされる)を元手に学生や若者向けの銀行を開設することを表明します。 反政府活動を活発に行う若年層をターゲットに、ペトロによる経済効果をいちはやく目に見える形にしようとしていることが伺えます。 しかし、同通貨の信用の低さは拭えません。この発表では、Maduro大統領は各大学にマイニングファームの開設を促すともしていますが、NEMベースのペトロにはマイニングという概念が存在しません。 また、同氏はここで新たに金を裏付けにした通貨ペトロゴールドをローンチする方針であることも明かしました。 2018-05-07: パレスチナとペトロファンド開設・取引所リスト公開 Maduro大統領はペトロの信用を上げる新たな外交策として、パレスチナと戦略提携を組み、2000万ペトロの準備金を元手に両国が共同で経営するペトロファンドを開設すると発表しました。 また同時に、ペトロが販売される16の仮想通貨取引所が正式に公開されました。 まとめ 以上がベネズエラの仮想通貨事情の時系列まとめになります。これからさらに進展があるに連れ、都度更新していければと思います。 ペトロの将来には米国、ロシア、インド、中国などの大きな経済母体からの支持・反対や、国内での反政府活動など様々なファクターが関係してくるので、今後の進展に要注目です。 ICO詐欺?救済?ベネズエラの仮想通貨「ペトロ」の概要と問題点とは - CRYPTO TIMES
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2018/05/25モナコイン、バージ、ビットコインゴールドのハッキング情報まとめ
特にメジャーなハッキング事件が起こらなかった四月・五月上旬でしたが、ここにきてモナコイン(MONA)、バージ(XVG)、ビットコインゴールド(BTG)のハッキングが次々と発覚しました。 この記事では、それぞれの通貨への攻撃の手口や被害状況、公式の対応などについてまとめたいと思います。 攻撃の手口 今回のハッキングを受けた通貨は全てProof of Workを採用した通貨で、51%攻撃と呼ばれる手口によって被害に遭いました。 Proof of Workでは、マイニングにより承認されたブロック(トランザクションの集まり)は他のネットワーク参加者全員に共有されることになっています。 同時にいくつか異なるブロックが承認されてしまった場合、様子を見て、その後により多くのブロックが繋がった方が正しいブロックのチェーンとして採用されます。 51%攻撃とは、ネットワーク全体の50%以上のマイニング能力を保持するハッカーが非公開で自分に都合の良いブロックのチェーンを作り上げ、タイミング良く公開するという手口です。 これを悪用すると、現在公開されているチェーン上で送金を行い、その後に送金を行なっていないチェーンを公開し、それが採用されることで送金をなかったことにできます(ダブルスペンディング)。 この攻撃が成功する確率は、ネットワーク全体の50%以上の処理能力を得ることによりほぼ100%成功すると言われています。これが「51%攻撃」と呼ばれる理由です。 モナコイン(MONA) 2013年に誕生した日本初の仮想通貨ですが、今月13日から15日にかけて51%攻撃を受け、約9万ドル相当の被害が生み出されたもようです。 今回の攻撃では、モナコインをLivecoinなどの取引所を通して別の通貨に両替し、非公開チェーンを公開して取引を無かったことにするという手口であったようです。 犯人は未だ特定されておらず、全ハッシュレート(マイニング能力)の約57%を保持していたと推定されています。 また、犯人は同様の手口でのハッキングを半年ほど試みていたと考えられおり、モナコインのマイニング難易度調整システムを悪用しようとしたものとみられます。 モナコイン公式は、攻撃の存在を公式に認めたのち、51%攻撃が既存のProof of Workではどうしても解決できないものであるとコメントしています。 現状ではサービス提供側で入金の承認数を上げる以外に有効な手段はありません。 PoWコインである以上は避けられない問題でもあるので、PoS等への移行も視野に入れていく必要があると考えています。 — monacoinproject (@tcejorpniocanom) May 17, 2018 バージ(XVG) 4月に2千万XVG(時価約1億2千万円相当)の不正獲得事件が起こって間もないバージですが、今月22日、システムのバグを悪用した51%攻撃の被害に遭ったもようです。 今回のハッキングは、同通貨のマイニングプロトコルの欠陥性が悪用されたもので、ブロックの順番を表すタイムスタンプと呼ばれるものが偽装されたことが原因とされています。 これにより、ハッカーは短時間で3500万XVG(約2億円相当)を不正に獲得したと推定されています。 今回のハッキングはBitcointalkのユーザーが指摘したものですが、バージ公式はこれを認めておらず、攻撃は他の原因により生じたと言及しています。 同通貨は大手アダルトサイトの支払い手段として導入されるなど実用化に力を入れていますが、今回の二度目のハッキング事件によって信頼性が大きく疑われています。 ビットコインゴールド(BTG) ビットコインのGPUハードフォークとして登場したビットコインゴールドですが、今月16日から18日にかけて51%攻撃を受け、その被害額は約39万BTG(約2億円相当)に登るとされています。 モナコインと同様、不正にコントロールされたBTGは仮想通貨取引所と犯人のものと思われるウォレットに両方に送金されたことになっているとのことです。 ビットコインゴールドのデベロッパーは、今回の不正なチェーンのサイズが最大22ブロックにも及んだことから、採用を決定するチェーンの長さを50まで延長するようにと助言しています。 まとめ 以上がモナコイン、バージ、ビットコインゴールドのハッキング事件のまとめとなります。 5月24日現時点での情報ですので、追加・変更等あれば随時更新していきたいと思います。
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2018/05/24行動経済学から見る仮想通貨【第5回】- ポートフォリオ・マネジメントをめぐるバイアス
Crypto Times公式ライターのYuya(@yuyayuyayayu)です。 「行動経済学から見る仮想通貨」シリーズ第5回となる今回は、ポートフォリオ・マネジメントをめぐるバイアスについてお話したいと思います。 リスク分散に役立つポートフォリオの構築ですが、これを実践するにあたり複数の心理的な壁が立ちはだかります。 今回は、それがいったい何なのかを詳しく掘り下げて解説したいと思います。 なお、今回の記事は中長期のリターンを狙って仮想通貨を保有している人向けの内容です。 行動経済学から見る仮想通貨【第1回】 -仮想通貨を買う人とその動機- - CRYPTO TIMES 行動経済学から見る仮想通貨【第2回】- 仮想通貨ブームとバイアス- - CRYPTO TIMES 行動経済学から見る仮想通貨【第3回】- ハイマン・ミンスキーとビットコインバブル- - CRYPTO TIMES 行動経済学から見る仮想通貨【第4回】- ブロックチェーンの価値をめぐるバブル - CRYPTO TIMES ポートフォリオ・マネジメント [caption id="" align="aligncenter" width="1000"] 資金はたまご、アセットはそれを入れるカゴ。ひとつのカゴに全て入れてしまうと、万が一の時に全て失ってしまう。[/caption] ポートフォリオを構築する上で基本となってくるのがアセットの多様化(ディバーシフィケーション)です。 これは、投資資金全てを一つの銘柄やアセットクラスに費やすのではなく、多数のものに分散するというものです。 こうすることにより、一つの銘柄や市場が暴落を起こしても、他でカバーすることができるため、全体的にはリスクが軽減されます。 仮想通貨と他のアセットの相関関係をわかりやすく解説! - CRYPTO TIMES 具体的に、ポートフォリオを数学的に構築したり、インデックス投資(ETFなど)をするなどといった様々なアプローチがあります。 しかし、特に個人投資家にとって、これはわかっていても中々実践する気になれないものだと思います。また、分散していると思っていても、実はできていない場合もあるでしょう。 無意識のうちに特定のアセットを偏って購入してしまう心理にはどのような要素が関係しているのでしょうか。深くみてみましょう。 ファミリアリティ・バイアス ファミリアリティ・バイアスとは、馴染みのある銘柄やアセットクラスを無意識のうちに選り好みしてしまう傾向のことをいいます。 このバイアスを受けてしまうと、特定のアセットばかり偏って購入してしまうせいで、ポートフォリオのリスク分散がうまくいかなくなってしまうという問題があります。 例えば、以下のようなケースでは、ファミリアリティ・バイアスが生まれやすいです。 プロジェクトが日本発だ [カントリー・バイアス] または、同じ地域発だ(アジア圏内など) [ホーム・バイアス] SNSでよく見る [ハーディング] あるいは単純に、有名な企業だ [代表性・可用性ヒューリスティクス] ファミリアリティ・バイアス下では、無意識のうちにこういった馴染みのある銘柄の価格変動に関する情報を掴めているような錯覚に陥ってしまうのです。 しかし、本当に価格に関係する情報は既にリターンやリスク指標に現れています( ※1 )。 従って、中長期投資を行うときは銘柄の名前ではなく数字を見てポートフォリオを組む方が良いといえます。 (※1) 冒頭にある通り、これは中長期型の指標投資に関するもので、効率的市場仮説(EMH)という理論に基づいています。従って、ここでいう「情報」のうち、アービトラージやプライスアクション取引に関するものはリターンやリスク指標には現れていません。 投資家と「慣性の法則」 投資家には「慣性の法則」が働くと言われています。これは、一度静止した物体が静止し続けるように、一度構築したポートフォリオがそのまま触られないことを指します。 しかし、ポートフォリオは資金を一度分散すれば終わりというわけではなく、それぞれのアセットの値動きに応じて定期的に再分散(リバランス)も行わなければなりません。 確定拠出年金利用者などを対象にこの慣性の法則を検証する研究が多数行われており、「買って保有しておく」タイプの個人投資家の多くはリバランスを行わない傾向にあることがわかっています。 慣性が働く理由として、値上がりするまで待ちたい(ディスポジション効果)ですとか、単純に面倒臭い、必要知識がないなどといったものがあります。 このような要素が絡まり合うと、リスク分散をつい怠りがちになってしまいます。機関投資家であれば顧客の資金を扱うのでよりリスクに気をつけますが、個人投資家だと特に放置しがちです。 仮想通貨取引との関連 リスク分散を妨げる心理的な要素をいくつか挙げましたが、これは仮想通貨取引においてどのような関連性があるのでしょうか。 これには、ポートフォリオレベル(全資金)と、アセットクラスレベル(仮想通貨に充てる資金)で別々の解釈ができると考えています。 ポートフォリオレベルでの問題 中長期型の投資をしている人、いわゆるHodler(ホドラー)の多くに当てはまるのがそもそも仮想通貨以外に投資をしていないケースでしょう。 ある機関投資家の意見では、仮想通貨はポートフォリオの1~2%ほどが良いとされています(あくまで機関投資家向けの提案です)。 仮想通貨はリターンも非常に高いため、これをきっかけに投資を始めた人は資金の大部分を株式や債券に移すことに大きな抵抗を感じてるものと考えられます。 ファミリアリティの観点から見れば、仮想通貨市場では個人が徹底してICO精査を行うので、より多くの資金を優良ICOにつぎ込みたくなるものだと思います。 また、市場のリサーチをやり直したくないという理由で別のアセットクラスには手を出していないという投資家も多いと考えられます。 他にもFOMO(投機を見逃す恐怖)や損失を埋め合わせるために価格が上昇するまで資金を動かしたくないという考えもあるでしょう。 アセットクラスレベルでの問題 次に考えられるのが、仮に資金をポートフォリオで管理していたとしても、仮想通貨に充てる資金を少数の銘柄のみにしか投資していないケースです。 リスク分散は、アセットクラス間とアセットクラス内両方で行わなければなりません。ですから、他との割合を考慮して仮想通貨用の資金を準備したら、これもうまく分散しなければならないのです。 しかし、仮想通貨界はSNSやニュースをひときわ強く受けるため、これにつられて少数の通貨にたくさん資金をつぎ込む投資が主流になっているのではと考えられます。 もちろんですが、そもそも優良ICOなどを拾っていく投資をしている場合は話は別です。 しかし、中長期の成長を見込んだ保有もしたい場合は、まず資金の大部分を分散し、一部のみをアクティブ投資するのが安全策と考えられます。 まだ派生商品が少ないという問題はありますが、参考になるインデックスはMVISやCoinbaseなどから出ています。 また、バイナンスにある資金をトップ20に分散、自動で再配分してくれるボットなども存在します。 まとめ リターンとリスクの関係を最適化するこの方法を実践するにあたり様々な心理的な壁が立ちはだかると言うものでした。 仮想通貨投資において、リスク分散をすると言うのは特に難しいことだと思います。市場自体も生まれたてで、有望はプロジェクトもたくさん出てきているからです。 しかし、この先万が一大きな価格の適正化が起こった時のために、できるだけ資金分散を心がけるべきでしょう。 行動経済学からみる仮想通貨シリーズ: 第1回・第2回・第3回・第4回
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2018/05/23BINANCE(バイナンス)への上場アナウンスと価格変動に関して検証
こんにちは! Shota(@shot4crypto)です。 先日、TUSD(TrueUSD)と呼ばれるUSDと価値が1:1に固定されたペッグ通貨のBinanceへの上場発表がありました。 本記事では、直近に上場アナウンスがあった2銘柄に注目して、同タイミングで起こった他の取引所での急騰の具体的な数字に関して検証をしていきます。 仮説 『TUSDのBinance上場アナウンス直後に他の取引所のTUSD/USDTペアの値動きを見れば、Binance上場アナウンスが他の市場にどの程度のインパクト(値動き)をもたらすのかがわかる。』 これは、両者ともUSDをベースとしたペッグ通貨であるため、TUSD=USD, USDT=USDの関係が成り立つならば、TUSD=USDTの関係もすべからく1:1になると考えられるためです。 この1:1の価値関係は自明であるにもかかわらず大きな値動きが観測されれば、上場アナウンス自体が値動きに表す影響を他の通貨以上に明確に見ることができると考えます。 また、時価総額などによっても値動きの幅が異なることは十分にあるので、今回は前後でアナウンスがあったAugurと同時に検証してみたいと思います。 検証① アナウンス直後のTUSD-USDTペアの値動き まずは、上場アナウンス直後のBittrexのTUSD-USDTペアの値動きを見ていきます。 以下はバイナンス上場のアナウンスです。ツイートの日時は18/05/16の16:36となっています。 https://twitter.com/binance/status/996655533808435200 そしてこちらがBittrexのTUSD-UDSTペアのチャートになります。注目すべきポイントは赤枠で囲ってあります。 [caption id="attachment_9394" align="aligncenter" width="560"] 引用元:Trading View[/caption] Binanceの上場アナウンス直後のこのTrading Viewのチャートからでも以下の情報を得ることができます。 アナウンス直後に急激な出来高の上昇 数時間以内に短期上昇トレンドを形成し最高値1.50付近へ到達(150%) 4時間を過ぎたころに1.30付近での高値更新に何度か失敗しトレンドが収束 またアナウンス直前に出来高の上昇が見られなかったことから、Binanceの上場に関しての情報はツイート時まで誰も知らなかったと判断するのが賢明だと考えます。 検証結果① 人によって見出す価値が異なるBTCやその他ではなく、市場参加者がTUSDとUSDTの性質を1:1だと理解しているとした場合、彼らがTUSDとUSDTに見出す価値は同一になります。 そのため、今回で言うUSDのペグ同士で1:1の価値以上にならないものに対する投機により動いた価格は150%程度であったことから、現段階では『Binance上場アナウンスが150%前後の値動きを誘発する可能性がある』としておきます。 検証② アナウンス直後のAugurの値動き 次にAugurの値動きを見ていきたいと思います。 ここでAugurを選ぶ理由は特にないのですが、直近で上場アナウンスがあったこととAugur自体にれっきとした付加価値がつく実体があることを考えて比較対象としてみました。 とりあえずTUSDと同様こちらがTwitterでのアナウンスです。ツイート日時は18/05/11の15:59となっています。 https://twitter.com/binance/status/994834357322960896 そして同時刻のBittrexのAugur(REP)-USDペアのチャートが以下になります。(bittrexにUSDTとの通貨ペアがなかったので便宜上USDとUSDTの価値は同一とします。) こちらも注目すべきポイントは赤枠で囲っています。 [caption id="attachment_9434" align="aligncenter" width="560"] 引用元:Trading View[/caption] AugurのBinance上場アナウンスと、このTrading Viewから得られる情報を以下にまとめてみます。 アナウンス直後に急激な出来高の上昇 約1時間の間、超短期の上昇トレンド形成 約半値を戻した後は戻り高値を形成してトレンドが収束 Augurに関しては、事前に仕込みが行われていたかどうかを単刀直入に判断することは正直難しいです。しかし、短期で上場アナウンス後早期に買いを入れた市場参加者が、価格の暴騰を見て売りに転じたと考えるのが無難な気がします。 この辺は少しあいまいなので何かありましたら意見お持ちしています。 検証結果② Augurの場合価格、上昇を引き起こす要素がTUSD以上に多く考えられ(例えば名前がXRPと似ているなど(適当))、一方で出来高を見るとTUSDが120k近くあったのに対しAugurは25k程度で約1/5程度となっています。 ですが、TUSDと違いアナウンス直後が出来高の頭となっておらず、出来高の上昇はアナウンス後も140付近到達まで上昇し続けています。 以上のことから、『Binance上場アナウンスにより、実体を伴う(人によって評価が異なる)トークンは150%以上の上昇、特に押し安値形成後の爆発的な出来高上昇を伴った暴騰が確認できる可能性が高い』と言うことができるかもしれません。 結論 今回の検証ではBinanceの上場アナウンスがあった銘柄の、アナウンス直後の2銘柄のbittrexでの値動きを詳しく見ていきました。 以上の検証結果から 『Binance上場アナウンスはbittrexにおいて、どんなにある一定以上の価値を見出すことができない銘柄(TUSD)などでも、最低150%の値動きを誘発するポテンシャルを秘めている』 『また、これが実体を伴い人によってトークンに対して見出す価値が異なる場合、最初の出来高上昇からさらに爆発的な出来高上昇を伴い150%以上の急騰を見せる可能性がある』 という結論を出すことができました。 ただ、今回の結論が必ずしも正しいというわけではなく、全てに上記が適応されるわけではありません。 また、今後も上場アナウンスと値動きの関連性に関しては更なるリサーチをしていくつもりですが、今回はTUSDとAugurに注目した検証記事となります。 読了ありがとうございました。Twitter(@shot4crypto)のほうもフォローお願いいたします。 ※投資は自己責任です。
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2018/05/23韓国におけるICOの現状とこれから【2018年5月版】
こんにちは、 kaz(@kazukino11111)です。 韓国でのICOが全面的に禁止されたことは記憶に新しいですが、以前より韓国は仮想通貨市場において無視できないほど大きな存在でした。 しかし、ICOの全面規制は韓国のブロックチェーン産業の成長を妨げる障害となってしまっていました。今回の記事では韓国での規制の現状と、今後の動向について解説していきます。 この記事の3つのポイント!1.韓国では昨年9月にICOが全面的に禁止に 2.今後規制は緩和され、ICOも合法化されると見られている 3.一方で規制当局は現在も国内の取引所を調査中 仮想通貨市場における韓国 韓国は日本や中国と並び世界を代表する仮想通貨大国です。仮想通貨市場において、韓国の取引所は全体の約1割を占めると言われており、かなりの存在感を放っています。 また、CryptoCompareのデータによると、韓国はXRPの取引が盛んで、通貨別の取引量を見てみると、BTC、USDT、KRW(韓国ウォン)となっていて、法定通貨では世界一の取引量を誇ります。 韓国の大手取引所Bithumbやメッセンジャーアプリを提供するカカオが国外でICOの実施を計画していると報じられたこともあり、規制当局は法整備を急いでいます。 韓国での規制の現状 韓国政府は昨年9月に国内でのICOを使った資金調達を禁止しました。一方で、規制当局は禁止が発表される前にICOで集めた資金の返金を強制はしておらず、海外のICOへの投資も引き続き可能となっています。 今年1月18日には韓国の金融監督院(FSS)の責任者が「政府が全ての仮想通貨取引所の閉鎖を検討している。もしくは禁止令を法律を破る取引所に発令する」とコメントを発表し、仮想通貨界隈に大きな衝撃を与えました。 しかし、その直後に韓国の財務大臣は「仮想通貨市場を禁止または抑圧するつもりはありません」と相反するコメントを発表し、政府が取引所を閉鎖する予定はないことを認めました。そして、代わりに政府は規制を導入することを検討していることも明かしました。 今後ICOは合法化される? 現地メディアのKorean Timesは先日、韓国の議員グループが昨年施行されたICO禁止の措置を取り消す法案を作成中だと報じました。 韓国与党民主党のホン・ウィラク議員は今月2日に国会で行われたブロックチェーンとICOに関する公開討論に出席し、法案への支持と今年中の施行を望んでいるという望みを述べました。 「法案の第一の目的は、ブロックチェーン関連企業が直面している不透明感を取り除くことである」 同法案は、研究センターが立ち上げるICOを精査、育成し、ブロックチェーンの進化を促すものとなる予定です。そして、それらのICOは韓国金融サービス委員会に詳しく調査されることになります。 規制当局も合法化に向けて動き出す 国会議員がICOを合法化する法案を作成している傍、FSSが仮想通貨の規制を緩和しようと動いていると報じられました。 FSSのユン・ソクホン長官は仮想通貨の肯定的な側面を認識しているとし、物事はゆっくりと解決に向かっていると発言しました。 「対処したり検討しなければならない問題が山積みになっている。解決することは不可能ではないが、徐々にということになるだろう。」 取引所の捜査は現在も継続中 韓国金融委員会(FSC)は先日捜査の対象となった国内の取引所に対し、現在も捜査を継続しています。現地メディアの朝鮮日報は、アップビットに捜査が入っていると報じました。FSCは国内の取引所を対象に、マネーロンダリングや詐欺行為などがないか調査しています。 FSC関係者は朝鮮日報に対して以下のようにコメントしました。 「FSCは海外の政府機関と連携している。最近、アップビット社がバランスシートを偽り、投資家を騙していたことが明らかになった。FSCはFSSなどと連携して、コンピューターシステムをチェックし、同社の保有する仮想通貨を検査している」 その後、アップビット社は自社で内部監査を行い詐欺の疑いはないと発表しました。規制機関は多様化する取引所に対して他の機関との密接な連携が求められています。 一方で、FSCの副院長は、規制機関は現在も仮想通貨には大きな可能性があると考えているとコメントしました。 まとめ 韓国で起こっている仮想通貨周りの法整備や規制問題が落ち着くまでにはもう少し時間がかかりそうです。しかし、政府や規制機関が発表しているように、仮想通貨およびICOの全面禁止という結果は考えづらく、将来的には規制が緩和されていく方向に進んでいくと見られています。 キムチプレミアムと呼ばれるほど仮想通貨市場では存在感を放っている韓国ですが、今後も同国の動向から目が離せません。