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2025/06/23仮想通貨プロジェクトへの投資、3割以上がAI領域|勝者の条件とは
仮想通貨市場では数え切れないほどの新しいトークンが生まれては消えていく光景が日常となっています。多くのアルトコインプロジェクトが期待されたほどの成果を上げられずにいるのが現実です。 この状況のなかで投資家は「何が本当に価値のあるプロジェクトなのか」という根本的な問いを改めて考える必要があります。 見せかけの成功指標に惑わされない これまで多くの投資家が頼りにしてきた判断基準の多くが実は価値創造とは直接関係がないことが昨今の市場の動きが示しています。 有名な投資ファンドが出資しているからといってそのトークンが成功するとは限りません。優れた技術を持つプロジェクトであってもその成果がトークン保有者の利益に繋がる保証もありません。 プロジェクトが順調に収益を上げていてもその利益がトークンの買い戻しやバーンといった形で還元されなければ、投資家にとっての価値は生まれません。取引所への上場もかつてほどの価格押し上げ効果は期待できなくなっています。 重要なのはプロジェクトが作る「プロダクト(製品)」と私たちが投資する「トークン」がどのような仕組みで価値を共有しているかを理解することといえます。 新たな成長の源泉:AIとデジタル経済 では、これからの市場成長はどこから生まれるのでしょうか。 AI技術の急速な発展により、私たちの経済活動そのものが大きく変化しようとしています。AIエージェントが人間に代わって様々な取引や決済を行う未来が現実味を帯びる中でその経済活動を支える新しい金融インフラやプロダクトへの需要が高まっています。 この変化はすでに企業に対する投資行動にも表れています。ある調査によると、2025年第1四半期のAIスタートアップへの投資額は全体の58%を獲得し、前年同期比の28%から大幅な増加となっています。 また、直近1ヶ月のWeb3プロジェクトの資金調達事例の数を見ると、AI関連のプロジェクトが全体の3割以上を占めるようになっており、市場の関心がこの分野に集中していることが分かります。 #CTAnalysis より「2025年6月1日-6月7日 資金調達を実施したPJ 8選」を公開しました。https://t.co/f0kRKR6wkF 本レポートは、6月1日〜6月7の資金調達を特集した内容です。 今週は取引所やAI関係の資金調達が目立ちました。 pic.twitter.com/dabqdMv32u — CT Analysis | Web3.0 Research Platform (@ct_analysis_) June 12, 2025 同時にCircleの上場と株価の高騰、Amazon、Walmart、Shopifyといった大手企業によるステーブルコイン導入の検討など、デジタル通貨が日常的な商取引の一部として受け入れられつつあります。これは単なる技術的な実験ではなく実用性に基づいた本格的な採用の動きと言えるでしょう。 関連:ビットコインを超える可能性?著名投資家が次に賭ける「AI銘柄」とは 成功するプロジェクトの新しい条件 この新しい環境で成功するプロジェクトには従来とは異なる特徴が求められています。 最も重要なのは創業者とチームが製品開発だけでなく、トークンの価値向上についても明確な戦略を持っていることです。技術的な革新を追求しながらもそれがどのようにトークン保有者の利益に繋がるのかを具体的に説明できるチームが求められています。 また、優れた技術を持つだけでは不十分です。その価値を世界中の投資家に効果的に伝えるマーケティング能力、そしてトークン発行後も継続的にコミュニティとの関係を築いていく姿勢がプロジェクトの長期的な成功を左右するといえるでしょう。 関連:Cookie DAOは次なるKaito AIか?InfoFi市場の新星 投資家として大切にすべき視点 市場の短期的な動きや派手なニュースに振り回されるのではなく、長期的な構造変化に注目することが重要です。 AI技術の進歩やデジタル通貨の普及、また、昨今では機関投資家の本格参入といった大きな流れは今後数年間にわたって市場の成長を支える基盤となるでしょう。 成功する投資家はこうした変化の本質を理解し、一時的な市場の混乱に惑わされることなく将来への信念を持ち続けています。技術革新の初期段階では必ず懐疑的な声が上がりますが、その中で真の価値を見抜く眼を養うことが次の大きな波を捉えるための鍵となります。 信頼できる情報源から継続的に学び、歴史の教訓を活かしながら、変化の激しいこの市場で長期的な成功を目指す姿勢が求められます。 記事ソース:Substack [no_toc]
特集・コラム
2025/06/21Evo Fundによる資金調達の仕組みとは:BTCで動くメタプラネット株価を事例に、希薄化リスクを考える
2024年から2025年にかけて、メタプラネット社の株価急騰をきっかけに投資ファンド「Evo Fund」の名が市場を賑わせています。彼らが仕掛ける「BTCドーピングによる資金調達スキームと株価上昇」は時に株価を劇的に押し上げる起爆剤となり、多くの投資家に「一攫千金の夢」を見せます。 関連記事 : メタプラネットは”信念”を貫けるか?『BTCドーピング』により株価が崩壊する”3つの試練”と運命の分岐点 - Crypto Times しかし、その夢の裏側には投資家が知るべき三重のリスクが存在します。それは「①持分希薄化」という未来の売り圧力、「②空売りヘッジ」という現在の売り圧力、そしてそれらが引き起こす最悪のシナリオ「③デス・スパイラル」です。 本稿ではEvo Fundが用いる手法の全体像から、実際に企業が破綻に至った過去の事例まで、投資家が自らの資産を守るために知るべき全ての情報を網羅的かつ詳細に解説します。Evo Fundに関してをまとめた記事は下記の記事も参考にしてください。 関連記事 : メタプラネット株価80倍の“仕掛け人” EVO FUNDとは何者か?その投資哲学と「BTCドーピング」の錬金術 - Crypto Times [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 「BTCドーピング」が生み出す「二重の売り圧力」という罠 Evo Fundが関与する銘柄に投資するということは、常に「二重の売り圧力」に晒され続けることを意味します。これは、彼らの資金調達スキームの構造そのものに起因する、避けられない現実です。 罠① 将来の売り圧力 ― あなたの株の価値を薄める「持分希薄化」 Evo Fundの資金調達手法の核であるMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)は、将来、大量の新株が市場に放出されることを運命づけられています。 なぜ企業はこのようなリスクのある手法を受け入れるのでしょうか。その多くは銀行融資や公募増資といった伝統的な資金調達が困難な業績不振の企業や新興企業です。彼らにとってEvo Fundは迅速に資金を供給してくれる、いわば「最後の貸し手」なのです。 しかし、その代償は既存株主が支払います。Evo Fundが権利を行使するたびに新株が発行され、あなたが持つ株1株あたりの価値が薄まる「持分希薄化」を必然的にもたらします。 [caption id="attachment_138115" align="aligncenter" width="504"] 持分希薄化 を 参加者が増えピザに比喩した図[/caption] パーティーの途中で後から来た参加者のためにピザがどんどん小さく切り分けられていくように、あなたの資産価値は機械的にそして継続的に減少していくのです。この「いつか必ず売られる大量の株式」は常に株価の上値を重くする、将来の売り圧力として存在し続けます。 罠② 現在の売り圧力 ― 公式資料も認める「空売りヘッジ」 Evo Fundによる売りは未来の話だけではありません。彼らはリスク管理のプロとして、新株を手に入れる前から「空売り」を仕掛ける準備をしています。これは憶測ではなく、発行体である株式会社メタプラネットが2025年6月6日に開示した公式資料の中でその具体的な準備行為がはっきりと記されている事実です。 資料の14ページには、Evo Fundが「本新株予約権のための貸株契約を締結する予定」であると明記されています 。この「貸株契約」は、彼らがヘッジ目的で株式を市場で売却(空売り)するための準備に他なりません。 [caption id="attachment_138114" align="aligncenter" width="773"] 25/6/6にだされた新株予約権のお知らせP14より抜粋[/caption] では、なぜ彼らは空売りを行うのでしょうか。 本新株予約権の行使価額は株価に連動するため、新株を受け取るまでの間に株価が下落するとEvo Fundも損失を被る可能性があります。そのリスクを相殺(ヘッジ)するために、あらかじめ同じ銘柄を借りてきて市場で空売りしておくのは彼らにとっては極めて合理的なリスク管理手法です。 しかし、その合理的な行動が市場にとっては「現在の売り圧力」として重くのしかかります。 つまり投資家は「将来、権利行使によって売られる運命の株」と「今まさに、ヘッジ目的で売られているかもしれない空売り」という、二重の売り圧力の中で極めて不利な戦いを強いられることになるのです。 最悪のシナリオ「デス・スパイラル」とその悲劇的な結末 この二重の売り圧力が企業の業績悪化や市場全体の地合いの悪化などを引き金に破滅的な連鎖反応を起こすことがあります。それが、MSワラントが内包する最大のリスク「デス・スパイラル」です。 メカニズム:株価が下がるほど、破滅が近づく悪循環 デス・スパイラルのメカニズムは、一度始まると止めることが困難な負のフィードバックループです。 【引き金】 企業の業績悪化や悪いニュースなどをきっかけに、株価が下落を始めます。 【下方修正】 株価に連動して、MSワラントの行使価格(新株の発行価格)も、自動的に引き下げられます。 【必要株数の天文学的増加】 例えば、企業が10億円を調達したい場合、株価1000円なら100万株の発行で済みます。しかし株価が100円に暴落すると、同じ10億円を調達するために1000万株もの新株発行が必要になります。 【パニック】 「発行済株式総数を上回る新株発行の可能性」といった見通しが市場に伝わると、致命的な希薄化懸念を呼び、既存株主によるパニック的な投げ売りを誘発します。 【無限地獄】 株価暴落が、さらなる発行株数の増加を招き、株価が1円、あるいはそれ以下になるまで下落が止まらない…という悪循環が完成します。 事例1:急転直下の破滅「テラ社の悲劇」 このデス・スパイラルの恐怖を日本の市場参加者の記憶に最も強く刻み付けたのが、かつての人気バイオベンチャー「株式会社テラ」の事例です。 再生医療への期待から株価は高騰しましたが、事業は恒常的な資金難に喘ぎ、MSワラントによる資金調達を繰り返しました。その結果はまさにデス・スパイラルの教科書でした。 増資のたびに株価は下落し、それが次の大規模な希薄化を呼び…という悪循環の末、株価は数年で数百分の1以下に。最終的に2022年に自己破産を申請し上場廃止となり、多くの投資家の夢と資産を文字通り「紙クズ」に変えました。 事例2:緩やかな価値の死「ピクセラ社のケース」 Evo Fundが長年、筆頭株主として関与してきた「ピクセラ株式会社」は異なる形の結末を示唆します。ピクセラ社はEvo Fundから何度も資金供給を受け、そのたびに株価が低迷。株価が1円に近づくと「株式併合」(例:10株を1株にまとめることで、見かけ上の株価を10倍にする)を繰り返してきました。 テラ社のように急激に破滅するわけではありません。しかし、株式併合をすればあなたが持っている株数も10分の1になり、資産価値は実質的に大きく毀損します。 これは、急激な破滅ではなく株主の価値だけがじわじわと、しかし確実に毀損されていく「緩やかな死」と言えるでしょう。Evo Fundが事業転換を支える「パートナー」としての一面を見せる裏で既存株主は静かに価値を削られていくのです。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 「三重の罠」から資産を守るための具体的な防御術 では、個人投資家はこの「三重の罠」にどう立ち向かえば良いのでしょうか。感情的な期待を排し、冷静な分析に基づいた具体的な防御策が不可欠です。 企業の「体力」を徹底的に調査する まず、なぜその企業がMSワラントのような「劇薬」に頼らざるを得ないのか、その根本原因を突き止めなければなりません。企業のIR情報や決算短信を読み込み、以下の点を最低限確認しましょう。 本業のキャッシュフロー: 事業活動で現金を稼げているか、それとも常に営業赤字か。キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスの企業は、外部からの資金供給が止まれば事業継続が困難になる、極めて脆弱な状態です。 財務状況(自己資本比率): 企業の総資産のうち、返済不要な純資産がどれくらいの割合を占めるかを示す「自己資本比率」を確認します。一般的に、この比率が20%を下回ると財務的な危険水域と見なされます。財務が脆弱な企業ほど、デス・スパイラルに陥るリスクは高まります。 事業の将来性: 手掛けている事業は、そもそも成長市場にあるのか。ITやバイオなど、成功すれば大きなリターンが見込める分野か、それとも構造的に厳しい業界かを見極めます。 Evo Fundの「動き」を常に監視する Evo Fundの動きは、EDINET(金融商品取引法に基づく開示書類に関する電子開示システム)で誰でも、無料でリアルタイムに確認できます。これは、投資家にとって最強の武器です。 【EDINETの具体的な使い方】 EDINETのサイトにアクセスし、「書類検索」画面を開きます。 「提出者(ファンド名、個人名など)」の欄に「Evo Fund」の提出者コードである「E11943」を入力して検索します。 検索結果から、お目当ての企業の「変更報告書」を探します。 報告書内の「株券等保有割合」の増減を確認します。特に、この割合が「減少」に転じた場合、それはEvo Fundが市場で株式を売却し、利益確定を始めたという極めて重要なサインです。 株価が天井を打つ直前には彼らが売り抜けているケースが非常に多く見られます。彼らの動きを監視することは、高値掴みを避け、適切なタイミングで撤退するための生命線となります。 「熱狂」と「希薄化」を天秤にかける 「BTC購入」というニュースがもたらす熱狂とその裏で進む「株式の希薄化」という現実を冷静に天秤にかける必要があります。 MSワラントでどれだけ株が増えるのか、そのインパクトを概算で掴むことが重要です。企業の適時開示資料には発行される新株予約権の数とそれによって最大で何株の新株が発行される可能性があるかが記載されています。 例えば「現在の発行済株式数が1,000万株」で、「ワラントによって新たに最大で1,000万株が発行される」可能性がある場合、もし全ての権利が行使されれば、株数は2倍になります。これは、あなたの持つ1株の価値が理論上、将来半分になる可能性があることを意味します。株価が2倍以上にならなければあなたの資産価値は実質的に増えないのです。この単純な計算だけでも熱狂に浮かされることなく、リスクを冷静に評価する助けとなります。 最終結論:あなたは歴史の教訓から目を逸らしますか? Evo Fundが関わる銘柄がもたらす短期的な熱狂は非常に魅力的かもしれません。しかし、その裏には、 将来の売り圧力(希薄化) 現在の売り圧力(空売りヘッジ) 最終的な破滅シナリオ(デス・スパイラル) という「三重の罠」が常に存在します。 デス・スパイラルは机上の空論ではなく、テラ社の事例が示すように実際に市場で何度も繰り返されてきた現実です。「今度こそ大丈夫」という根拠のない期待は過去の数多の悲劇の前ではあまりに無力です。 投資家として自らの資産を守るために唯一できることはこのリスクの全体像を冷静に理解し、そもそもなぜその企業が「劇薬」に頼らざるを得ないのか、その根本的な財務・事業上の問題から決して目を逸らさないことです。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 出典・参考資料 公式サイト・IR情報 Evolution Financial Group 公式サイト EVOLUTION JAPAN証券株式会社 公式サイト 株式会社メタプラネット、株式会社ピクセラ等の各社公式サイトおよびIR情報ページ 規制当局提出資料 金融庁 EDINET(電子開示システム)におけるEVO FUNDの大量保有報告書・変更報告書 IR BANK、株探 等の大量保有報告書データベース 業界・市場データおよび報道 日本証券業協会、東京証券取引所 提供の各種統計データ 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
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2025/06/20メタプラネット株価80倍の“仕掛け人” EVO FUNDとは何者か?その投資哲学と「BTCドーピング」の錬金術
2024年から2025年にかけ、株価が一時80倍にも高騰したメタプラネット社。このシンデレラストーリーの裏で、その成長を資金面から支え、巨大なリターンを手にした影の主役がいます。その名は「EVO FUND」。 「大量保有報告書でよく見る名前だけど、一体何者?」「なぜメタプラネットに巨額の資金を提供できるのか?」 本稿では、謎に包まれた投資ファンド「EVO FUND」の正体に迫ります。彼らの投資哲学、そして「BTCドーピング」とも呼ばれるムーブメントを可能にする、驚くべき“錬金術”の仕組みを徹底的に解き明かします。 関連記事 : メタプラネットは”信念”を貫けるか?『BTCドーピング』により株価が崩壊する”3つの試練”と運命の分岐点 - Crypto Times [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] EVO FUNDの正体:日本市場に特化したプロフェッショナル集団 グローバルな組織と百戦錬磨の経営陣 EVO FUNDは、2002年にマイケル・L・ラーチ氏が設立したエボリューション・ファイナンシャル・グループの中核をなす、ケイマン諸島籍の投資ファンドです 。グループ全体では世界10拠点に500人のスタッフを擁しますが、驚くべきことにその半数以上の250人超が日本で活動しており、いかに日本市場を重視しているかが伺えます。 その日本における執行機関が、東京・紀尾井町のニューオータニ ガーデンコートに拠点を置く「EVOLUTION JAPAN証券」です 。 創業者であるマイケル・L・ラーチ氏は、プリンストン大学を卒業後、世界の主要投資銀行で約10年間キャリアを積んだ人物で、現在もグループの全投資の最終決定権を握るグローバル最高投資責任者を兼任しています 。 彼を支える法務責任者のリチャード・G・チザム氏(カリフォルニア大学ヘイスティングス法科大学院卒)や、日本法人代表で金融業界30年のベテランであるショーン・M・ローソン氏(国際基督教大学卒、メリルリンチ日本証券元責任者)など、経営陣は金融のプロフェッショナルで固められています 。 投資哲学と日本市場での圧倒的実績 彼らは、巷で囁かれるような短期的な利益のみを追求する「ハゲタカファンド」とは一線を画す、独自の哲学と行動規範を掲げています。 純投資パートナー: 経営権の取得を目的とせず、あくまで企業の成長を資金面から支える「純粋な投資家」としての立場を貫く。 企業文化: 「進化し続けること」「協力すること」「市場参加者としての自覚」を行動規範とし、責任ある市場参加者としての役割を重視。 日本市場への特化: 20年以上にわたり日本の上場企業、特に中小型株への投資を専門としており、日本の市場環境や規制に精通。 PIPES市場の支配者: 上場企業に対する私募増資(PIPES)の分野では、2024年に首位を獲得するなど、圧倒的な実績を誇る。これまでに63社へ投資し、提出した大量保有報告書は1,746件に上る 。その通算取引金額は、2019年時点で450億米ドル(約6兆円)に達する。 つまりEVO FUNDとは、突如現れた謎の存在ではなく、長年にわたり日本の資本市場で独自の地位を築き上げてきた、したたかなプロフェッショナル集団なのです。 EVO FUNDの「投資の錬金術」:その手法と進化 主力武器「MSワラント」の仕組みとリスク EVO FUNDが「BTCドーピング」の仕掛け人となり得る最大の理由は、彼らが得意とする「MSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)」という特殊な資金調達手法にあります 。 これは、一言で言えば「企業の株価が上がれば上がるほど、より多くの資金を調達できる」仕組みです 。 [caption id="attachment_138006" align="aligncenter" width="366"] MS Warrantの図[/caption] 【MSワラントの仕組み】 企業は、将来一定の価格で新株を買える権利(新株予約権)をEVO FUNDに第三者割当で発行。 企業の株価が上昇すると、新株予約権の行使価格もそれに連動して上方修正される仕組み 。 EVO FUNDは、高くなった価格で権利を行使して新株を取得し、それを市場で売却することで、企業に多額の資金を払い込む。 このサイクルにより、「BTC価格上昇 → 株価上昇 → 資金調達額増加 → さらなるBTC購入」という強力な好循環が生まれる。 この手法は、資金を必要とする企業にとっては、株価が好調な時に柔軟かつ大規模な資金調達ができるという大きなメリットがあります 。しかしその一方で、新株が大量に発行されるため、既存の株主が持つ1株あたりの価値が薄まる「持分希薄化」という重大なリスクを内包していることを忘れてはなりません 。 進化形「EVO-ZERO™」:業界を変える一手 さらにEVO FUNDは、2023年11月に「EVO-ZERO™」という、より革新的なスキームを導入しました 。これは、従来の第三者割当増資で一般的だった慣習を打ち破るものです。 ディスカウントゼロ: 従来8~10%が当たり前だった株価のディスカウントを完全撤廃 。 制約条件ゼロ: 企業の将来の資金調達を縛るロックアップや先買権も要求無し。 「なぜそんな好条件を提示できるのか?」という疑問に対して、彼らが案件ごとに最低収益を定めない独立ファンドであること、少数精鋭でコストが低いこと、そして多数の案件を手掛けることで単独案件での収益確保の必要性が相対的に低いこと、と考察しています。これにより、企業との良好な関係を築き、リピート率20%以上という高い信頼を得ているのです 。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] ケーススタディ:EVO FUNDの投資戦略と実績 最大の成功事例:メタプラネット このMSワラントを駆使したEVO FUNDの戦略が、最も劇的な形で成功したのがメタプラネットの事例です 。 関与と影響力: 2024年頃から本格的に関与し、2025年2月には最大で発行済株式の28.17%を保有する筆頭株主となり、同社のBTC戦略に強い影響力を持つに至る 。 利益確定の実行: メタプラネットの株価が20円から1,600円へと80倍に高騰する過程で、EVO FUNDは保有比率を4.45%まで段階的に引き下げています 。これは、高値圏で巧みに株式を売却し、利益を確定させていることを示唆している。 驚異的なリターン: 独自の分析では、EVO FUNDは数十億円規模の投資に対し、数百億円規模(推定リターン10倍以上)という、まさに「錬金術」と呼ぶにふさわしいリターンをこの案件で得たと推定 。同社の「555ミリオン計画」(2027年末までに21万BTC保有を目指す)も、EVO FUNDの資金調達支援なくしては成り立たない。 横展開されるBTC戦略:リミックスポイントとマックハウス EVO FUNDの戦略は、メタプラネットだけで終わっていません。彼らはこの成功スキームを、他の投資先にも「横展開」しています 。 リミックスポイント (3825): 同様にEVO FUNDの支援を受け、BTC保有量を1,000BTCまで拡大させています 。EVO FUNDは最大約56億円の調達を支援しました 。 マックハウス (7603): 2025年6月19日、メタプラネットとほぼ同じスキームでEVO FUNDを割当先とし、最大17億円超のBTC購入を発表しました 。 この動きは、EVO FUNDが日本市場で「BTC投資のイネーブラー(促進者)」として、意図的にブームを創出し、主導していることを強く示唆しています 。 投資パターンの多様性:長期支援の実績 一方で、EVO FUNDは短期的なBTCテーマだけでなく、より時間のかかる投資も手掛けています。その投資回収パターンは、以下の3つに分類できます。 短期高収益型: メタプラネットのように、1~2年で10倍以上のリターンを狙う 。 中期安定型: リミックスポイントのように、3~5年で3~5倍のリターンを目指す 。 長期育成型: フルッタフルッタのように、5年以上の長期にわたり事業基盤の強化を支援する 。 特に、215件もの大量保有報告書を提出しているピクセラ (6731)の事例では、同社が従来のデジタル機器製造から、IoTやWeb3といった成長分野へ事業転換するのを、長期にわたって資金面から支え続けています 。これは、彼らが単なる投機家ではなく、企業の変革を支えるパートナーとしての一面も持つことの証明です。 競合との差別化:なぜEVO FUNDは選ばれるのか 日本の投資市場には、KKRやベイン・キャピタルのような大手国際系ファンドや、日本産業パートナーズ(JIP)のような国内大手ファンドも存在します 。しかし、EVO FUNDは彼らとは全く異なる土俵で戦っています。 大手ファンドが巨額の資金で企業の経営権を取得する「バイアウト」を中心とするのに対し、EVO FUNDは経営権を求めず、上場したままの中小型企業にPIPESという手法で迅速に資金を供給することに特化しています 。 その独自の強みは、「投資手法の革新性(EVO-ZERO™など)」「意思決定の迅速性(自己資金によるトップダウン)」「PIPES市場での圧倒的な実績」に集約されます 。大手ファンドが参入しないニッチな市場で、他にないソリューションを提供すること。それが、EVO FUNDが企業から選ばれ続ける理由です。 まとめ:EVO FUNDはパートナーか、投資のマエストロか EVO FUNDの姿を解き明かすと、二つの顔が見えてきます。 一つは、経営権を求めず、企業の革新的な挑戦や事業再生を資金面で支える「純投資パートナー」としての顔。彼らがいなければ、メタプラネットの壮大なBTC戦略は始まらなかったかもしれません。 しかし、もう一つは、MSワラントやEVO-ZERO™といった金融技術を駆使し、市場の熱狂を巧みに利用して、最終的に巨額の利益を手にする「投資のマエストロ(名人)」としての顔です。 EVO FUNDが関わる銘柄に投資するということは、この両方の側面を理解し、企業の成長ストーリーに期待すると同時に、彼らの出口戦略(売り抜け)のリスクを常に意識する必要があることを意味します。彼らは、日本の資本市場にダイナミズムをもたらす重要な存在であると同時に、その戦略の裏側を冷静に見つめる必要がある、極めて手ごわいプレーヤーなのです。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 出典・参考資料 公式サイト・IR情報 Evolution Financial Group 公式サイト EVOLUTION JAPAN証券株式会社 公式サイト 株式会社メタプラネット、株式会社リミックスポイント、株式会社ピクセラ等の各社公式サイトおよびIR情報ページ プレスリリース・適時開示 EVOLUTION JAPAN証券株式会社 プレスリリース 革新的スキーム「EVO-ZERO™」の発表 2023年度PIPES市場における首位獲得について TDnet(適時開示情報閲覧サービス)における各投資先企業の開示情報 規制当局提出資料 金融庁 EDINET(電子開示システム)におけるEVO FUNDの大量保有報告書・変更報告書 IR BANK、株探 等の大量保有報告書データベース 業界・市場データおよび報道 日本証券業協会、東京証券取引所 提供の各種統計データ 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
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2025/06/17メタプラネットは”信念”を貫けるか?『BTCドーピング』により株価が崩壊する”3つの試練”と運命の分岐点
今、日本の株式市場で最も熱い視線を集める企業、メタプラネット社。2024年4月にビットコイン購入方針を発表後、当時約20円だった株価は、1年余りで一時80倍を超えるという驚異的な上昇を記録しました。しかしこの現象は、同社だけの特別な物語ではありません。 国内においてもエス・サイエンス社やANAPホールディングスなどがBTCを購入するための資金調達を発表。海外でも2024年から2025年にかけてSemler Scientific社やDeFi Technologies社などが追随し、今、国内外でBTCを購入することで株価を上げる「BTCドーピング」とでも呼ぶべきムーブメントが静かに広がっています。(BTCドーピングは筆者が命名) これは、円資産のリスクをヘッジする「信念」の物語か。それとも、株価を急騰させ資金調達を行う、投機的な「ドーピング」に過ぎないのか。 筆者が考える結論から言えば、現在のメタプラネット社は、その両方の側面を併せ持つ「ハイブリッド型」と見るのが的確かと考えています。そして、この戦略の行く末を占う上で避けては通れない「3つの試練」が存在します。本稿では、歴史的な教訓や国内外の事例も交えながら、その運命の分岐点を探ります。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 「BTCドーピング」時代の到来と歴史の教訓 国内外で広がるドーピング企業とその末路 メタプラネットの株価急騰は、決して日本だけの現象ではありません。筆者の調査によれば、海外でも同様の事例が散見されており、下記は海外企業がビットコインを購入発表したのちのデータです。 Semler Scientific (米国): 医療機器メーカーがBTC購入を発表し株価は+37%急騰。しかし、その後のBTC価格調整でピーク比-55%の急落。 DeFi Technologies (カナダ): BTC採用発表で株価+26%。直後に大規模な増資枠を設定するも、株価は不安定に。 Long Blockchain (米国): 飲料メーカーが社名変更しただけで株価3.8倍。しかし実態が伴わず、後にSECから上場廃止処分に。 これらの事例が示すのは、BTC購入という「魔法の言葉」の効力がいかに短期的なものであるか、そしてその反動がいかに大きいかという事実です。 歴史は繰り返すのか?ドットコムバブルが示す未来 暗号通貨市場においては草コインに資金が集まり、価格を上げると最後はすべてのマーケットが市場崩壊するという場面が何度も散見されました。これには暗号通貨への資金流入の減少、草コインに対して高掴みをしたプレイヤーが損をした結果退場するなどのことから見られます。 それでは株式市場においても同様のことは起きるのでしょうか? 結論、暗号通貨特有の極端なボラティリティは制度面で緩和されていますが、同様のメカニズムは歴史上繰り返されています。そのため、現在のようにBTCを購入することをプレスリリースで発表し、株価をあげ、資金調達を行ういわばBTCドーピングブームは、歴史上、何度も繰り返されてきた光景です。 1999年のドットコムバブルでは、多くの企業が社名に「.com」と付けるだけで、事業実態がなくても株価は何十倍にもなりました。しかし、そのほとんどは利益を生み出せず、資金が尽きた途端に市場から姿を消しました。現在の「BTC購入」というキーワードは、当時の「.com」と同じ熱狂を生み出してはいないでしょうか。 また、記憶に新しい2021年のSPACやEV(電気自動車)ブームでも、特定のテーマに資金が集中し、その後多くの関連銘柄の価値が70〜90%も失われました。テーマ株への熱狂とその後の崩壊は、株式市場の常なのです。 小型テーマ株の連鎖崩落モデルとしては、 株価= (本業利益+BTC 評価益株式数) / 株価 という形で表されます。そのため、BTC が 30% 下落した場合、評価益が消失し、市場は PER の再計算を迫られる。増資で“株式数”が膨らんでいれば希薄化効果が増幅し、段階的な下方修正ラッシュ → 失望売り → 流動性枯渇という草コイン崩壊と類似のプロセスを辿りやすいこととなります。 メタプラネットの運命を分ける「3つの試練」 [caption id="attachment_137843" align="aligncenter" width="769"] メタプラネットを船に例えた3つの試練の図[/caption] 歴史の教訓を踏まえた上で、メタプラネットがこれらの先行事例と同じ道を辿らないために乗り越えるべき「3つの試練」を、マイクロストラテジー社の事例と比較しながら見ていきましょう。 試練①:「BTC長期低迷の冬」と資金調達の罠 現在のメタプラネット株価の強さは、「BTC購入発表 → 株価急騰 → 高値で資金調達(主にMSワラント) → さらなるBTC購入」という強力な好循環エンジンに支えられています。しかし、このエンジンは「BTC価格と自社株価が上昇し続ける」という燃料がなければ回りません。 もし、1年以上続くような「BTCの冬」、つまり長期低迷期が訪れた場合、このサイクルは無慈悲に逆回転を始めます。株価が低迷すれば、ワラントによる資金調達は極めて困難になり、燃料(資金)が枯渇。BTCの追加購入どころか、企業の存続すら危ぶまれる「資金調達不能」というシナリオが現実味を帯びてきます。 一方、先行するマイクロストラテジー社も、2022年に訪れた厳しい「暗号の冬」を経験しています。当時、同社の株価も大きく下落しましたが、戦略を維持し、むしろ安値でBTCを買い増すことさえできました。なぜなら、彼らの資金調達手段は、短期的な株価に依存するワラントだけでなく、長期の転換社債など多角化されており、何よりも後述する本業が財務を支えていたからです。 さらに、後発であることは構造的な不利を伴います。マイクロストラテジーがBTCを買い始めた2020年当時と比べ、現在のBTC価格は遥かに高水準です。これからBTCドーピングに参入する企業は必然的に“高値掴み”のリスクを負うことになり、同じ価格下落幅でも、より早く、より深刻な財務ダメージを受けることになるのです。 試練②:「本業の収益化」とドーピングへの依存度 2つ目の試練は、メタプラネット自身の「稼ぐ力」です。「本業のキャッシュフローが成長か赤字依存か」は企業の真の体力を測る上で最も重要です。この点において、メタプラネットとマイクロストラテジーの構造的な違いは決定的です。 [caption id="attachment_137847" align="aligncenter" width="513"] 上場直後から2020年までのマイクロストラテジー社の財務データ分析グラフ[/caption] 上記の画像は筆者が作成した上場直後から2020年にBTCを購入するまでにおける、マイクロストラテジー社の財務データ分析グラフになります。 マイクロストラテジー社が“信念”を貫ける最大の理由は、BTC戦略を開始する以前から続く、ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェア事業という強力な本業があるからです。この事業は安定したキャッシュフローを生み出し続け、BTC戦略の「安全弁」であり「生命線」となっています。彼らにとってBTC戦略は財務戦略の柱ですが、現在のメタプラネットにとっては「事業そのもの」に近い状態です。 過去、音楽事業やホテル事業で苦戦した歴史を持つメタプラネットが、現在構想するコンサルティング等のBTC関連事業で、市場が納得するだけのキャッシュフローを生み出せるか。これが、同社が単なる「ドーピング企業」への依存から脱却し、マイクロストラテジーのようにBTC戦略を支えるだけの安定した基盤を持つ、本物の「信念型」企業へと進化できるかを左右する、決定的な分岐点となります。 参考記事 :【株価1800円超え】なぜメタプラネット社は日本経済の未来を賭け、BTC(ビットコイン)を買い続けるのか? - Crypto Times 試練③:「会計上の時限爆弾」と減損ショック 最後の試練は、会計ルールに仕組まれた「時限爆弾」です。国際的な会計基準では、企業が保有するBTCには極めて厄介な「非対称なリスク」が伴います。 減損会計の非対称リスクとは? 企業が保有するBTCは「無形固定資産」として扱われます。この会計ルールでは、BTC価格が購入時より上昇しても、その「含み益」は決算書の利益には計上されません。しかし、価格が購入時より下落すると、その「含み損」は「減損損失」として利益から差し引かなければなりません。つまり、利益は計上されず、損失だけが財務諸表を直撃するのです。 この「減損」の発生を左右するのが、ビットコインの取得単価です。マイクロストラテジーは、特に初期に非常に低い単価で大量のBTCを取得できたため、価格下落に対する強力なバッファ(緩衝材)を持っています。例えば、取得単価が3万ドルであれば、BTC価格が5万ドルに下落しても会計上の損失は発生しません。しかし、取得単価が7万ドルの企業は、同じ5万ドルへの下落で巨額の減損損失を計上せざるを得ません。取得単価が低ければ低いほど、この会計上の時限爆弾の導火線は長くなるのです。 この減損ショックは、マイクロストラテジーも実際に経験した道です。彼らは2022年の弱気相場で、累計で数十億ドルという巨額の減損損失を計上しました。しかし、それでも戦略が破綻しなかったのは、市場や投資家が「これはキャッシュの流出を伴わない会計上の評価損だ」と同社の長期戦略を理解していたこと、そして何より本業の利益が会計上の損失の衝撃を和らげ、財務の健全性に対する信頼を維持できたからです。 メタプラネットや今後参入する企業が、取得単価が高いという不利を乗り越え、同様の減損局面に直面した時、市場の信頼を維持できるかが厳しく問われます。以下の「リスク連鎖シナリオ」は、この衝撃に耐えられない企業を襲う、現実的な負のスパイラルなのです。 BTC価格下落 → 評価損発生 → 決算で「減損損失」を計上 → 純資産が毀損 → 財務内容悪化でコベナンツ(財務制限条項)違反 → 保有BTCの強制売却へ 結論:投資家が監視すべき「運命の分岐点」 メタプラネットの物語は、大きなトレンドの一部です。彼らが「信念型」の偉大な企業となるか、「ドーピング型」のテーマ株として歴史に消えるかは、これから訪れる「3つの試練」を乗り越えられるかに懸かっています。 私たち投資家は、熱狂に踊らされることなく、この運命の分岐点を冷静に監視し続ける必要があります。具体的には、以下の点を常にチェックすべきです。 BTC価格の長期トレンドと、他のドーピング企業の動向(試練①の兆候) 四半期決算における、本業のキャッシュフローと利益(試練②の進捗) 保有BTCの取得原価と時価を比較し、減損リスクを把握すること(試練③の時限爆弾) ワラント行使による株式の希薄化と、経営陣の自社株売買(EDINETで確認) メタプラネットが示した(少なくとも短期的な)株価の成功は、今後、日本市場で「第二、第三のメタプラネット」を生み出す呼び水となるでしょう。 同じようにBTC購入を宣言し、投資家の夢を煽る企業が次々と現れるかもしれません。 しかし、本稿で分析した通り、後発企業はより高い取得単価という構造的な不利を背負うことになります。安易にその熱狂に飛びつくのではなく、本稿で提示したチェックリストを用いて、その企業が「信念型」か、単なる短期的な「ドーピング型」なのかを、より一層厳しく見極める必要があります。 メタプラネットがこれらの試練にどう立ち向かうのか、その一挙手一投足こそが、株価の未来を最も雄弁に物語るでしょう。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
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2025/06/16【株価1800円超え】なぜメタプラネット社は日本経済の未来を賭け、BTC(ビットコイン)を買い続けるのか?
最近、ニュースやSNSで「メタプラネット」という企業の名前を目にする機会が増えていませんか?メタプラネット社は「日本版マイクロストラテジー」とも呼ばれ 、その株価の動向とともに現在、大きな注目を集めています。 「ビットコインを大量に買っているらしいけど、一体どんな会社?」 「なぜ、そこまで大胆な戦略をとれるのか?」 実はこの会社、かつては音楽CDの制作やホテルの運営を手掛けていました。それが今や、日本で最も多くのビットコインを保有する企業の一つへと、劇的な変貌を遂げているのです。2025年6月16日、同社が保有するビットコインは、ついに10,000BTCを突破するとともに、株価も1895円になり、メタプラネット社の時価総額も1兆円を突破する勢いとなりました。 なぜ、彼らはこれほど大胆な道を選んだのか。その背景には、緻密な哲学、それを実現するための強力な実行計画、そして日本の未来を見据えた壮大なビジョンがありました。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 始まりは音楽、そしてホテルへ。メタプラネットの知られざる「変身の歴史」 物語は1999年、CDの企画・制作・販売を行う「ダイキサウンド株式会社」として始まります 。当時は音楽業界で着実に地位を築き、2004年には株式を店頭登録(現・JASDAQ)するほどでした。しかし、音楽業界におけるCD販売の縮小という構造変化に直面し、同社は大きな決断を迫られます 。 [caption id="attachment_137714" align="aligncenter" width="357"] メタプラネット社沿革[/caption] 次なる挑戦の舞台は、ホテル事業でした。2013年4月にホテル運営事業に進出し、2014年1月には「株式会社レッド・プラネット・ジャパン」に社名を変更して再出発を図ります。 しかし、ホテル事業でも十分な収益性を確保することができず、さらなる事業転換の必要性に迫られました 。そして2023年2月、同社は「株式会社レッド・プラネット・ジャパン」から「株式会社メタプラネット」として 、誰も予想しなかった領域へと舵を切ります。それが「ビットコイン・トレジャリー企業」、つまり、ビットコインを企業の主要な財務資産とする戦略への大転換でした 。 なぜ「ビットコイン」だったのか?その深く、揺るぎない確信 メタプラネットが数ある選択肢の中からビットコインを選んだ最大の理由は、日本円が直面する構造的なリスクへの対応と言われています。 インフレリスク: 日本銀行の金融緩和政策により、将来的なインフレ圧力が高まる可能性。 円安リスク: 日米金利差の拡大や日本の財政状況への懸念から円安が進行するリスクがあり、円建て資産の国際的な購買力低下を招く恐れ有り。 財政リスク: 日本の政府債務残高は先進国で最悪の水準にあり、長期的な財政持続性への懸念有り。 こうしたリスクへの有効なヘッジ手段として、CEOのサイモン・ゲロウィッチ氏をはじめとする経営陣が強い確信を持っているのが 、ビットコインの本質的な価値です。 絶対的な希少性: 発行上限が2,100万枚に定められており、インフレ耐性を持つ 非中央集権性: 特定の政府や中央銀行に依存しない、グローバルな価値保存手段 デジタル経済への適合性: デジタル経済時代に適した、デジタルネイティブな資産形態であると評価受け この揺るぎない哲学が、前例のない企業変革の原動力となっているのです。 戦略の心臓部:ビジョンを現実にする「資金調達エンジン」 メタプラネット社は2024年4月の戦略開始からわずか14ヶ月で、総額1,391.52億円を投じて10,000BTCを取得しました。この驚異的な資金力は、単なる自己資金によるものではなく、その裏には極めて巧みな財務戦略と、それを支える強力なパートナーの存在があります。 その中核をなすのが、同社の筆頭株主でもある投資ファンド「EVO FUND」との戦略的パートナーシップです。EVO FUNDは2006年に設立されたケイマン諸島の投資ファンドで、日本市場において20年以上の豊富な投資実績を持っています。彼らは経営権を握ることなく、純粋な投資によって企業の成長を資金面から支援する「純投資」を哲学としており、メタプラネットにとってまさに一心同体の資金調達パートナーとして機能しているのです。 このパートナーシップを軸に、メタプラネットは主に2つの革新的な資金調達手法を駆使しています。 第一の手法が「MSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)」です。 [caption id="attachment_137716" align="aligncenter" width="559"] What is MS Warrant ?[/caption] これは、株価が上昇すればするほど、より多くの資金を調達できる仕組みになっており、「BTC価格上昇 → 株価上昇 → 資金調達額増加 → さらなるBTC購入」という強力な好循環を生み出すエンジンとなります。一方で、株価が下落した際には新株の発行が抑制されるため、既存株主の利益を保護する仕組みも組み込まれており、市場環境に応じた柔軟な資金調達を可能にしています。 第二の手法が「ゼロクーポン社債」です。これは、EVO FUNDを主要な引受先として発行される無利息の社債です。この手法の最大の利点は、金利コストをゼロに抑えることでBTC投資のリターンを最大化できる点と、MSワラントとは異なり株式の希薄化(1株あたりの価値が下がること)を避けながら、必要な資金を機動的に確保できる点にあります。 メタプラネットは、追加のビットコイン購入を目的として、2億1,000万ドルの無利息普通社債を発行しました。 pic.twitter.com/e7TZiqDVbp — Metaplanet Inc. (@Metaplanet_JP) June 16, 2025 このように、メタプラネットは「EVO FUND」という強力な伴走者を得て、「MSワラント」と「ゼロクーポン社債」という特性の異なる2つのエンジンを市場環境に応じて使い分けることで、他に類を見ないスピードと規模での戦略実行を可能にしているのです。 以下の関連動画も要チェック! 野望のスケール:「世界の1%」を握り、エコシステムを創る メタプラネットの挑戦は、単にビットコインを買い集めるだけでは終わりません。同社は「1株あたりビットコイン保有量の最大化」という、極めてユニークな経営指標(KPI)を設定しました 。これは、事業の成功をビットコインの保有量と直接結びつけ、株主価値を高めるという明確な意思の表れです。 その野望は、自らが日本のビットコインエコシステムの中核となることにあります。 情報発信: ビットコイン専門メディア「Bitcoin Magazine Japan」を運営し、日本国内でのビットコインの普及とエコシステムの発展に貢献。 事業展開: ビットコインを準備資産として採用したい企業に対し、戦略立案から導入までを支援するコンサルティングサービスも提供。 そして、その最終目標が「555ミリオン計画」です。2025年6月6日に発表されたこの計画は、2027年末までに21万BTCの保有を目指すというもの です。 21万BTCは、ビットコイン総供給量の1%に相当し 、この達成はメタプラネットが「1%クラブ」入りを果たし、世界的なビットコイン保有企業になることを意味します。 まとめ:緻密な戦略の裏にある覚悟と未来 メタプラネットの物語は、単なる事業転換の話ではありません。それは、 明確な哲学: 日本円のリスクを直視し、ビットコインを価値保存の最適解とする確固たる信念。 強力な実行力: EVO FUNDとのパートナーシップと革新的な財務戦略が可能にする、迅速な資金調達と購入。 壮大な野望: 世界の1%のBTCを保有し、日本のビットコインエコシステムの中核を担うという大きなビジョン。 これらが三位一体となった、緻密な企業戦略です。 もちろん、ビットコインの高い価格変動や規制変更など、その道には大きなリスクも伴います 。 しかし、そのリスクを理解した上で、日本の資本市場に新たなモデルを提示しようとするこの挑戦が、今、多くの投資家から熱い視線を注がれている最大の理由となっています。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] [no_toc]
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2025/06/13【徹底解説】メタプラネット株 vs ビットコイン|今、本当に買うべきはどちらか?
「ビットコインを直接買うべきか、それともビットコインを大量保有するメタプラネットのような企業の株を買うべきか?」 仮想通貨投資家の間で今、大きな関心を集めているのがメタプラネット社の動向です。同社は2024年4月8日にBTCの購入方針を発表しましたが、当時約20円だった株価が、2025年6月現在1600円を超えるまでに高騰。80倍以上の上昇率を記録し、「新たな億り人を生む銘柄」として大きな話題を呼んでいます。 しかし、その輝かしいパフォーマンスの裏で、見過ごされがちな重大なリスクが潜んでいることをご存知でしょうか?なぜ専門家は、この熱狂に対して警鐘を鳴らすのでしょうか。 本稿では、8,000本以上の仮想通貨・ブロックチェーン関連の記事を配信してきた専門メディア「CryptoTimes」の独自の視点から、当メディア代表でもある新井氏の解説を元に、ビットコイン保有企業への株式投資が抱える構造的な問題を徹底的に解き明かしていきます。 以下の関連動画も要チェック! [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] なぜ投資家は惹きつけられるのか?:戦略・心理・制度が織りなす魅力 まず、なぜこれほど多くの人々がメタプラネット株に熱狂するのでしょうか。その背景には、企業の巧みな戦略、人間の心理、そして日本市場の特有の環境が複雑に絡み合っています。 「ビットコイン財務戦略」という力強いストーリー メタプラネット社が投資家を惹きつける最大の理由は、その明確で力強い企業戦略にあります。 同社は、将来的なビットコイン価格の上昇を確信し、それを元手(あるいは担保)に資金調達を行い、さらにビットコインを買い増すという、米マイクロストラテジー社と同様の「ビットコイン財務戦略」を採っています。これは、企業そのものがビットコインの価値と成長を共にするという宣言であり、この能動的な価値創造の姿勢が、投資家に「企業の未来への期待」を抱かせる強力なエンジンとなっているのです。 [caption id="attachment_137557" align="aligncenter" width="743"] 初めてBTC購入のプレスを発表した時のメタプラネットの株価は20円[/caption] この力強いストーリーと、実際に株価80倍を達成した過去のパフォーマンスが組み合わさることで、人間の「機会損失への恐怖(FOMO)」を強烈に刺激し、「次の熱狂に乗り遅れてはいけない」という強い投資意欲を生み出しています。 日本市場の特性が生む「合理的な選択肢」としての魅力 さらに、日本の制度がメタプラネット株を「極めて合理的な選択肢」として投資家に提示しています。 第一に、税制上の圧倒的な優位性です。現在、個人がビットコインの売買で得た利益には、最大55%の税金(雑所得)が課されます。一方で、メタプラネット株をNISA口座で購入した場合、その利益は非課税です。利益の半分以上が税金で消える直接投資と、利益がまるまる手元に残る可能性のある株式投資――この「天国と地獄」ほどの差は、多くの投資家にとって株式を選ぶ強力な動機付けとなります。 第二に、規制上の希少価値です。米国などとは異なり、日本ではまだビットコイン現物ETFが承認されていません。本来なら低コストで分散投資できるはずの「高速道路(ETF)」が未整備なため、「一般道(個別株)」であるメタプラネット社は、日本市場でビットコインの価値に連動する数少ない上場企業として、独自のポジションと希少価値を確立しているのです。 しかし、その魅力の裏に潜む「二重の罠」 ここまで見てきたように、メタプラネット株には投資家を惹きつけるだけの確かな魅力と合理性が存在します。しかし、その高いリターンの可能性は、看過できない重大なリスクと表裏一体です。専門家が警鐘を鳴らすのは、主に以下の2つの「罠」が存在するためです。 構造的な「2階建てリスク」:リスクが足し算ではなく、掛け算で増幅される仕組み。 現在の株価に含まれる「異常なプレミアム」:実態価値から大きく乖離した、熱狂が生み出す砂上の楼閣。 構造的な「2階建てリスク」:リスクが掛け算で作用する恐怖 「2階建てリスク」とは、文字通り2つの異なるリスクを同時に背負う状態を指します。想像してみてください。1階建ての家なら、地震の揺れは地面から伝わるものだけです。しかし、2階建ての家は、地面の揺れに加えて、建物自体の揺れも加わります。ビットコイン保有企業の株への投資は、これと全く同じ構造を持っています。 1階部分のリスク:企業の経営リスク 投資対象はあくまで「企業」です。そのため、本業の業績不振、財務状況の悪化、将来性の欠如、あるいは経営陣の不祥事といった、企業そのものに起因する株価下落リスクから逃れることはできません。 2階部分のリスク:ビットコインの価格変動リスク その企業がビットコインを保有している以上、当然ながら暗号資産市場全体の動向、つまりビットコイン自体の価格変動リスクも直接的に影響します。 最も恐ろしいのは、この2つのリスクが「掛け算」で作用する点です。ビットコイン価格が10%下落した際、市場は「ビットコイン価格の下落」と「含み損を抱えた企業の将来性」を二重に評価するため、株価は10%以上の、時には20%を超える「増幅された下落」に見舞われる可能性があります。 コロナショックのような市場全体の暴落時には、ビットコインそのものは取引が継続されていても、株式市場では連日ストップ安となり、売りたくても売れないという最悪の事態も想定されるのです。 ケーススタディ:メタプラネット株に織り込まれた「熱狂」と「リスク」 この「2階建てリスク」をさらに深刻化させているのが、現在のメタプラネット株の価格に織り込まれた「異常なプレミアム」です。これは、株価が企業の本質的な価値からどれほど乖離しているかを示す、極めて重要な警告サインと言えます。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] ビットコイン価値に対する「5.5倍のプレミアム」 第一に、投資家は市場価格よりも遥かに高いコストを支払って、間接的にビットコインを保有している状態にあります。解説動画時点での分析によると、メタプラネット社の時価総額は、同社が実際に保有しているビットコインの市場価値総額に対して、約5.5倍に達していました。 これは例えるなら、市場で1,000万円で売られているビットコインを、メタプラネット株を通じて買うことで、あなたは実質的に5,500万円を支払っているのと同じ状況です。この取引を、冷静に「賢い投資」だと言えるでしょうか?この差額こそが、市場の熱狂が生み出した「プレミアム(上乗せ価格)」なのです。 PBR 28倍が意味する「解散価値の低さ」 第二に、この異常なプレミアムは、企業の純粋な資産価値(解散価値)と比較しても、極めて脆弱な土台の上に成り立っています。 まず、会社の「解散価値」とは何かを理解する必要があります。これは、会社の全財産(資産)から、すべての借金(負債)を差し引いた「純資産」のことを指します。つまり、もし会社が今すぐ事業をやめて清算した場合に、株主の手元に残る理論上の価値です。 そして、PBR(株価純資産倍率)とは、市場の評価額である「時価総額」が、この「純資産(解散価値)」の何倍になっているかを示す指標です。 [caption id="attachment_137584" align="aligncenter" width="541"] PBRに゙関しての説明[/caption] メタプラネット社のPBRは28倍超とされています。これは、市場が同社の会計上の解散価値の28倍以上という、極めて熱狂的な価格をつけていることを意味します。 これを投資家の視点で見ると、その危険性がより明確になります。 PBRの逆数(1 ÷ PBR)は、「あなたの投資額(時価総額)のうち、どれだけの割合が会社の純資産(解散価値)によって裏付けられているか」を示します。 計算すると、1 ÷ 28.46 = 約0.035(3.5%)となります。 これは、もし今メタプラネット社が帳簿通りの価値で解散した場合、あなたの投資額のうち、理論上戻ってくるのは純資産の分、つまりわずか3.5%程度に過ぎないということです。残りの96.5%は、実体のない市場の「期待」に対して支払ったお金であり、ひとたび熱狂が冷めれば、一瞬でその価値が消え去るリスクをはらんでいるのです。 これはもはや堅実な投資ではなく、熱狂が作り出した「砂上の楼閣」の上で踊っている状態に近いと言えるかもしれません。 まとめ:リスクとリターンを天秤にかけ、あなた自身の答えを 今回は、メタプラネット株が持つ「魅力」と「リスク」を両面から解説しました。 同社が展開する大胆な財務戦略と、日本の税制・規制環境が生み出す独自のポジションは、投資家にとって大きな魅力であることは間違いありません。しかし、その高いリターンの可能性は、これまで見てきた「2階建てリスク」や「資産価値との乖離」といった重大なリスクと常に隣り合わせです。 ここで最も本質的な問いは、「あなたは、資産の『真の所有権』と『税制の優位性』のどちらを優先するのか?」ということです。 ビットコインを直接購入すれば、その秘密鍵を持つあなたが唯一の所有者です。一方、企業の株を買うことは、所有権を手放す代わりに、税制上のメリットと企業の成長戦略に賭けることを意味します。 どちらが正解ということはありません。この記事が、熱狂と冷静さの間で、あなた自身の投資哲学に基づいた判断を下すための一助となることを心から願っています。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
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2025/05/29アルトコインバブル到来の可能性?BTCドミナンス低下予兆か
過去最高値の更新やトランプ政権の関税停止命令などを背景としてビットコインへの関心が高まる中、多くの投資家はアルトコイン市場へも期待を寄せています。 投資家の@CryptosBatman氏は、ビットコインの市場占有率(ドミナンス)が上昇ウェッジパターンを下抜けしたことを指摘。「これは通常、強気トレンドが弱気トレンドにシフトする初期の兆候でありドミナンスが下落すれば次にアルトコインが爆発する番だ」との見解を示しています。 $BTC Dominance just broke down from a clean rising wedge pattern, losing its support trendline. That's usually an early sign of a bullish trend shifting to a bearish one. And when dominance drops, you already know, altcoins are next in line to explode. pic.twitter.com/IAlOmTJqED — BATMAN ⚡ (@CryptosBatman) May 28, 2025 従来、仮想通貨市場ではまずビットコインに資金が集中し、その後ドミナンスが低下する過程でアルトコインへと資金が循環しアルトコイン全体の強気相場が訪れるという流れが一般的でした。 しかし、近年はアルトコインの種類が大幅に増加しているため、数年前のバブル相場のようなアルトコイン市場全体での大幅な高騰ではなく、特定の分野やプロジェクトが大きな価格上昇を見せる可能性があります。 こうした市場環境の変化のなか、BitMEXの共同創設者で著名投資家のアーサー・ヘイズ氏はトランプ政権の関税施策の停止命令を背景に「全てを買え」とXに投稿し、アルトコイン市場を含む投資市場全体への強気な見方を示しています。 Buy everything round dos. pic.twitter.com/VDPxGFYczX — Arthur Hayes (@CryptoHayes) May 29, 2025 CoinGeckoのデータによると5月29日時点での仮想通貨市場全体の時価総額は3.56兆ドルで前日比-1.8%となっています。 アルトコインとしてはTelegram関連のブロックチェーンプロジェクトトークン$TONが過去24時間で約12%の上昇、ミームコインに分類される$SPXが約20%の上昇を見せているものの、市場全体での盛り上がりは見られていません。 ビットコインでは現物型ETFへの資金流入が好調であることやパキスタンが国家規模での戦略的ビットコイン準備金を創設する計画を立てていることが発表されるなど、ポジティブな材料が見られています。 しかし、昨今ビットコインは先進的な技術的ソリューションとしての文脈ではなく、ゴールドに替わる価値代替手段としての文脈を強めており、同通貨への関心の高まりとアルトコインの価格上昇の関連性は弱まっている可能性も指摘されています。引き続き市場の動向に注目が集まります。 [ad_area] 仮想通貨取引所Bitget(ビットゲット)では、トランプ大統領が手掛ける正式ミームコイン$TRUMPなど国内取引所からは購入できない通貨が多く取り扱われています。 また、実際に現物の仮想通貨を購入するだけでなく証拠金を元にレバレッジ取引も行えます。 [/ad_area]
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2025/05/29仮想通貨は本当に儲かるのか?成功者の軌跡と「負けないための思考法」
仮想通貨市場は一攫千金を夢見る多くの人々を惹きつける一方でその厳しさから多くの敗者も生み出してきました。 本記事では成功体験や多くの敗者が生まれる理由などを実例とともに見ていき、仮想通貨取引の実態を覗いていきます。 驚異的な成功事例:Loopify氏の投資体験 仮想通貨投資家のLoopify氏(@Loopifyyy)は、2020年8月から1年間で0ドルから数百万ドルの資産を築いた体験談を公開しました。 https://t.co/ej5UL3xhc5 — Loopify 🧙♂️ (@Loopifyyy) May 27, 2025 2020年8月当時、ビットコインは12,200ドル、イーサリアムは430ドル、ソラナは3.33ドルで取引されており「ほとんど誰も仮想通貨に関心がなくNFTが何であるかさえ知らなかった」状況だったといいます。元々アーティストだったLoopify氏は初期投資額0ドルからコミュニティの支援を受けてNFT市場に参入しました。 最大の成功例は著名アーティストBeeple氏のNFT作品への投資だったといいます。流動資産を全て投じ、兄弟から10%を借りて6,000ドル(16ETH)で購入した作品を2021年3月9日に333.33ETH(当時66万ドル以上)で売却し、約100倍のリターンを記録しました。その後も「Into The Ether 139」を2時間未満で9万ドルの利益で売却したといいます。 また、人気のBored Ape Yacht Club(BAYC)のNFTでは初期にミントした40体のうちわずか3体を売却しただけで合計60万ドル以上の利益を獲得。さらに、CryptoPunk #8546は2021年8月に30万ドルで購入し、1ヶ月後には50万ドルで売却、20万ドルの純利益を得ています。このようにLoopify氏は積極的な取引で利益を拡大しました。 [ad_area] 仮想通貨を買うなら「Bitget」 仮想通貨取引所Bitget(ビットゲット)では、国内取引所では購入できない100種類以上の仮想通貨取引が可能となっています。 [/ad_area] プロが明かす「あなたがトレードで負ける本当の理由」 一方、7,000人以上のトレーダーが利用する取引プラットフォームTradeStream(@tradestream_xyz)は多くのトレーダーが負ける真の理由を分析しています。 you didn't lose because you were wrong. you lost because someone better used your idea against you. your setup didn't fail it just got harvested. trading is adversarial. and most of you have no clue who you're up against. heres why and how choosing the right table is key🧵 — TradeStream | Improve Your Trading (@tradestream_xyz) May 26, 2025 「あなたが負けたのは間違っていたからではない。より優れた誰かがあなたのアイデアをあなたに対して使ったからだ」と同社は指摘します。 同社は多くのトレーダーが「自分が誰と戦っているのか全く分かっていない」と指摘します。重要なのは「私の信念は正確か?」という内省的な問いではなく自分の信念が相手よりもより優れているか、より速いか、より適応性があるかという相対的な優位性の問いだといいます。 では、どうすればこの競争で生き残れるのでしょうか? TradeStreamは「エッジ」の重要性を説きます。しかし、その「エッジ」とは単なるテクニカル分析や一般的な知識ではありません。「すべての真のエッジは3つのバケットのいずれかに分類される。スピード(より速く反応する)、情報(より明確に見る)、スケール(より良く動く)。それ以外のすべてはシステムを装った自信に過ぎない」と断言し、曖昧な優位性を徹底的に排除します。 さらにエッジは絶対的なものではなく条件付きで、自分が誰と取引しているかに対してのみ存在しまし、間違った環境の中では"エッジ"は機能せず、時には悪影響を生む可能性を同チームは指摘しています。 成功と失敗の分かれ目 成功要因についてLoopify氏は「幸運、ピークの強気相場、そして最大の新興市場の一つに深く関わっていたから」と分析、「ほとんどの人々にはこのチャンスがない」と現実的な見解を示しています。現在は積極的な取引からほぼ引退しトレーダーモードからファウンダーモードへ移行したと述べています。 TradeStreamは「あなたが何を悪用しているかを説明できないなら、あなたはおそらく悪用されている側です」と厳しく指摘しています。 両者の見解は仮想通貨市場での成功には運とタイミング、スキルセット、熱量などの要素に加えて、「誰と戦っているかを理解すること」が重要であることがわかります。 [ad_area] 【590万円相当獲得事例も!】「参加するだけで仮想通貨がもらえるチャンスがあるらしいけど、難しそう…」その悩み、『Candy Drops』が解決します。専門家が選りすぐった厳選情報のみをお届け。「時間がない」「調べるのが面倒」「収入を増やすチャンスが欲しい」といった要望に応えます。 まずは過去の実績をチェック 今すぐ詳細を見てみる [/ad_area] [no_toc]
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2025/05/261.25兆円分のビットコイン売却の真実?知られざるピザデーの裏側
毎年5月22日になると仮想通貨界隈では「ビットコイン・ピザデー」として知られる記念日が話題になり今年も各地でイベントが行われました。 この日は一般的にラズロ・ハニエッツ (Laszlo Hanyecz) という人物が2010年に10,000ビットコインでピザ2枚を購入した日として語り継がれています。現在の価格で換算するとその価値は約11億ドル(約1,600億円)にも上ります。 しかし、実はこの物語には隠された真実があるとポッドキャスト番組『The Mining Pod | Bitcoin Mining News』に登場したCharlie氏とColin氏は話します。 ハニエッツ氏が実際に使ったビットコインは10,000枚どころではなかったというのです。 80,000 BTC(ビットコイン)がピザに消えた 番組によるとハニエッツ氏は2010年の1年間で80,000BTCをピザ代として使用していたといいます。これは現在の価格で換算すると約1.25兆円に相当する金額です。 ハニエッツ氏のウォレットアドレスを追跡した結果、以下のような内容が判明したとしています。 ウォレット残高のピークは43,854 BTC 総流出入額は81,432 BTC 2010年中に80,000 BTCを支出 2011年6月までにウォレットは完全に空になった ハニエッツ氏自身も後に「すべてピザに使った」と語っており、これは決して誇張ではないことが指摘されています。なぜハニエッツ氏はそれほど多くのビットコインを持っていたのでしょうか。 この疑問の答えはハニエッツ氏のもう一つの重要な側面である「GPU マイニング」の発見にあるといいます。 GPU マイニングの革命 2010年5月10日、ハニエッツ氏はビットコイン史上極めて重要な発見をしたといいます。それまでビットコインのマイニングはCPUで行われていましたが、ハニエッツ氏はGPUを使用することでマイニング効率を約10倍向上させることに成功したのです。 この発見により、ハニエッツ氏は1日1〜2ブロックから1時間に1〜2ブロックの生成が可能になり、ビットコイン全体の供給量の1〜1.5%を保有、当時のビットコインネットワークの約6分の1を占める計算力を獲得したといいます。 サトシナカモトからの警告 しかし、この革新的な発見は予期せぬ結果をもたらしました。 ビットコインの創設者であるサトシナカモト(チームか個人かは未だ不明)から、ハニエッツ氏に対して以下のような主旨の警告メールが送られたのだといいます。 「新規ユーザーにとって大きな魅力はコンピューターを持っている人なら誰でも無料でコインを生成できること。GPUはこの恩恵を高性能GPU ハードウェアを持つ人だけに限定してしまう。GPUコンピュータークラスターが最終的にすべての生成コインを独占することは避けられないがその日を早めたくはない。」 サトシナカモトはビットコインの分散化と公平性を重視しており、GPU マイニングの普及が早すぎることを懸念していたのです。 ピザ購入は「贖罪」だったのか? この文脈で考えるとハニエッツ氏の大量のピザ購入は一種の「贖罪」だった可能性があります。 GPU マイニングの発見によりハニエッツ氏は意図せずビットコインの集中化を加速させてしまいました。そのため、保有していた大量のビットコインを市場に還元し、より多くの人々に分散させることでビットコインエコシステムの健全性を保とうとしたのかもしれません。 現代への教訓:企業のビットコイン財務戦略 ハニエッツ氏の物語は現在のビットコイン市場にも重要な示唆を与えています。2025年現在、ストラテジー社をはじめとする多くの企業がビットコインを企業財務戦略に組み込んでいます。 最新の市場動向によると現在80以上の公開企業が合計約79万BTCを保有しており、その中でもマイクロストラテジー社は約57万BTC(総供給量の約2.7%)を保有する最大の企業保有者となっています。 ハニエッツ氏が直面したとされる「集中化への懸念」は、現在の企業ビットコイン保有戦略にも当てはまります。一部専門家は長期的にはすべての企業がビットコイン財務戦略を持つようになり、それは「良いコーポレートガバナンス」や「適切な資本配分」と呼ばれるようになると予測しておりこの流れは加速する可能性があります。 2025年の市場環境ではビットコインETFへの継続的な資金流入、ステーブルコイン法案の進展、そして仮想通貨オプション市場の米国への開放など当時からは想像もできなかった金融インフラが構築されつつあります。 これらの発展はビットコインが単なる実験的な通貨からグローバル金融システムの重要な構成要素へと進化していることを示しています。引き続き、ビットコインが当初掲げていた理念と現在の最新動向に注目が集まります。 [ad_area] ビットコイン同様、その他仮想通貨においても初期に参入することが資産形成において最も重要なポイントの1つといえます。 当メディア運営会社が手掛ける情報サイト「CandyDrops」では、無料で仮想通貨が配布される現象(エアドロップと呼ばれます)に焦点を当てた情報発信を行っています。 このエアドロップで590万円相当獲得事例も報告されており、その注目は年々増し続けています。ぜひ詳細をチェックしてみてください。 詳細を見てみる [/ad_area] 記事ソース:blockspace.media、bitcointreasuries.net [no_toc]
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2025/05/16ソラナはイーサリアムキラーとなるか|新たなキーワードとミームコインの影響
かつて「イーサリアムキラー」の筆頭として大きな注目を集めたソラナ (SOL) 。その後の市場の変動の中で様々な評価を受けてきましたが、今再びそのエコシステムが活況を呈し、独自の進化を遂げようとしています。 本記事ではソラナが真にイーサリアムの対抗馬となり得るのか、そして現在のエコシステムがどのような状況にあるのかを昨今話題となっている新たなキーワードと熱狂的な「ミームコインブーム」という2つの側面から見ていきます。 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からイーサリアムやソラナの積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでも仮想通貨投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する ソラナとは? なぜ「イーサリアムキラー」と呼ばれるのか まず、ソラナについて簡単におさらいしましょう。ソラナは「高速・低コスト」を最大の特徴とするブロックチェーンプラットフォームです。イーサリアムが抱えるガス代(取引手数料)の高騰や処理速度の限界といったスケーラビリティ問題を解決することを目指して開発されました。 理論上、1秒間に数万件のトランザクションを処理できるその能力は特定の条件下ではクレジットカードの処理速度にも匹敵するといわれ、多くのプロジェクトや開発者を引き付けてきました。この高いパフォーマンスからイーサリアムが独占してきたスマートコントラクトプラットフォームの牙城を崩す存在、すなわち「イーサリアムキラー」として期待されてきたのです。 「インターネットキャピタルマーケット」とは? ソラナの新たな野望 最近、仮想通貨コミュニティ特にXなどで「インターネットキャピタルマーケット」という言葉がミームのように広がりを見せています。これは、ソラナが単なる高速なブロックチェーンであるだけでなく、新しいプロジェクトが生まれ、資金を調達し、ユーザーと直接繋がるための「市場」そのものになろうという構想を示唆しています。 この背景には最近大幅な価格上昇を見せた$LAUNCHCOINやそれを支えるBelieveというプラットフォームの登場があります。 [caption id="attachment_135465" align="aligncenter" width="546"] Believeの公式Xアカウント[/caption] ユーザーはBelieveの公式Xアカウントに対してティッカー名を添えて返信することでSolana上のトークンをローンチでき、従来の複雑なプロセスを経ずにより手軽にプロジェクトのトークンを発行しコミュニティの形成を可能にします。 この「インターネットキャピタルマーケット」構想はソラナエコシステムに以下のような影響を与えると考えられます。 イノベーションの加速:新しいアイデアが形になりやすくなり多様なプロジェクトが生まれる土壌となる 資金調達の民主化:伝統的なVC(ベンチャーキャピタル)へのアクセスが難しいプロジェクトにもチャンスが広がる ユーザー参加型の経済圏::ユーザーは単なる利用者ではなくプロジェクトの初期からの支援者や貢献者となり得る この構想がさらに拡大すれば、ソラナはイーサリアムとは異なるアプローチで独自の巨大な経済圏を築き上げる可能性を秘めていると言えるでしょう。 ミームコインブームの震源地としてのソラナ ソラナエコシステムの現在の活況を語る上で欠かせないのが前述のBelieveとも関連するミームコインブームです。 ドージコイン (DOGE) やシバイヌ (SHIB) といったミームコインは以前から存在しましたが、直近数年間ではソラナ上で新しいミームコインが次々と生まれ、短期間で爆発的な価格上昇を見せる例が後を絶ちません。 この背景にはソラナの取引手数料の安さと処理速度の速さがあるとされています。 イーサリアム上でミームコインを取引しようとするとガス代だけで数千円から時には数万円かかることも珍しくありませんが、ソラナであればごくわずかな手数料で済みます。これにより少額からでも気軽にミームコイン取引に参加できるため多くの個人投資家を呼び込んでいます。 ミームコインブームはソラナエコシステムに以下のような影響をもたらしています。 流動性の向上:活発な取引はエコシステム全体の流動性を高める 新規ユーザーの獲得:ミームコインをきっかけに初めて仮想通貨に触れるユーザーを呼び込む コミュニティの活性化:共通のミームコインを支持する熱狂的なコミュニティが形成されやすい しかし、ミームコインはその性質上、価格変動が非常に激しく投機的な側面が強いことは十分に理解しておく必要があります。 実質的な価値の裏付けがないものがほとんどであり、突然無価値になるリスクも常に伴います。ミームコインへの投資はあくまで自己責任のもと余剰資金で行うことが鉄則です。 [ad_area] ミームコインを買うなら「Bitget」 国内の仮想通貨取引所ではまだ取り扱われていないアルトコインやミームコインの多くが、仮想通貨取引所Bitget(ビットゲット)ではすでに現物取引が可能となっています。 [/ad_area] ソラナエコシステムの現在地と今後の課題 「インターネットキャピタルマーケット」構想とミームコインブーム。この2つの大きな波に乗り、ソラナエコシステムは継続的にその活気を維持しています。新しいプロジェクトが次々と生まれ、多くのユーザーが参加し、資金が循環するエコシステムはイーサリアムと異なる独自の進化の道を歩んでいるように見えます。 しかし、手放しで楽観視できるわけではありません。ソラナには依然として克服すべき課題も存在します。 ソラナは過去に何度かネットワーク障害が発生しており、その安定性については依然として懸念が残ります。大規模なトランザクションが集中した際の耐久性は今後も注視していく必要があります。 また、イーサリアムではアービトラム(Arbitrum)やオプティミズム(Optimism)といったレイヤー2スケーリングソリューションの発展によりガス代問題の改善が進んでいます。また、RWA(現実世界資産)トークンの文脈では、より大きい規模のチェーンとしてイーサリアムに軍配が上がる可能性が高い点も留意すべきでしょう。 さらに、ソラナの現在の活況はミームコインへの投機熱に大きく依存している側面は否定できません。ブームが沈静化した後もエコシステムが持続的に成長できるかどうかが問われます。 まとめ ソラナが「イーサリアムキラー」として台頭すると断言するのは現時点ではまだ早いかもしれません。イーサリアムが持つ巨大な開発者コミュニティ、長年の運用実績、そしてDeFi(分散型金融)における圧倒的なエコシステムの規模は依然として他を寄せ付けない強固なものです。 しかし、ソラナは「高速・低コスト」という明確な強みを活かし「インターネットキャピタルマーケット」という新たなキーワードも生まれるなかでミームコインというニッチながらも強力なユーザー獲得手段を確立しつつあります。これはイーサリアムとは異なる土俵で独自の価値を創造しようとする動きと言えるでしょう。 今後、ソラナがネットワークの安定性を確固たるものにし「インターネットキャピタルマーケット」構想から実質的な価値を持つプロジェクトが数多く生まれ、ミームコインブームで獲得したユーザーを長期的にエコシステムに留めることができれば、さらに成長する可能性は十分にあります。今後もソラナの動向から目が離せません。 [no_toc]