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2018/05/07分散型取引所DEX関連銘柄の特徴や今後に関して解説
どうもカリフラです(。・ω・。) 5月になり、気温とともにビットコインやアルトコインの価格も上昇し仮想通貨界にも少しばかり春の風が吹きつつあり、気分がいいですね😎☀ というわけで今回は分散型取引所、つまり「DEX」に関連する銘柄の特徴などについて解説していきたいと思います。 DEXとはコインチェックやbitFlyerのように管理者がいる取引所とは違い、管理者不在の分散型の取引所のことです。 DEX関連銘柄の特徴 Kyber Network(カイバーネットワーク) Kyber Network(カイバーネットワーク)はイーサリアムの創始者であるヴィタリック氏がアドバイザーを務める数少ないプロジェクトの1つです。 DEXに関連する特徴として、分散型取引所というのは中央集権の取引所よりも取引量が少ない傾向があるため、売りたいタイミングで売ることができないというデメリットがあります。 そこでKyber Network(カイバーネットワーク)は、イーサリアムのスマートコントラクト機能を使いこのような問題を解決することができます。 仕組みとしては、カイバーネットワークのAPIを利用することでイーサリアムのブロックチェーン上の通貨を自動でイーサリアムに変換するといったイメージです。 Kyber NetworkではMainnetのリリース後、TrustやMyEtherWalletのようなウォレットで簡単に利用できるように進めている点もポイントが高いです。 https://twitter.com/KyberNetwork/status/988734316363448321 0x(ゼロエックス) 分散型取引所(DEX)は流動性が少なく取引が成立するまでに時間がかかる場合があると先述しましたが、0xではそういった問題を解決します。 イーサリアムのブロックチェーン上のトークンは多くあり、マイナーなトークンの場合は取引がなかなか成立しない場合が出てきます。しかし、0xはオープンソースで誰もが利用できるので、0xを中継させることによってスムーズに取引を行うことができるというわけです。 また、0xではオフチェーンによって取引を成立させ、オンチェーンつまりブロックチェーン上では決済のみ行うので電気代の節約や取引手数料を安く済ませることができます。 そして0xの特徴として、0xの分散型プロトコルを利用することで最近話題のDappsなどをひとまとめにすることができるという便利な一面もありますね。 因みに0xプロトコルを利用したDEXもたくさん出てきています。 例えば、採用しているRadarRelayなどで多く取引されていますね。 Bancor(バンコール) Bancor(バンコール)はバンコールプロトコルという仕組みを持っています。 先述したように分散型取引所(DEX)の問題点として流動性が少なく取引が成立しにくいという点を挙げました。 というのも取引所では、取引が行われる際に買い手の買いたい価格と売り手の売りたい価格が一致した際に取引が成立しますよね。 流動性の少ない取引所や通貨では、その両者の価格がなかなかマッチングせず取引が成立しないわけなんですが、そういった問題を解決するためにバンコールプロトコルでは、需要と供給に対して複雑な計算式を用いて自動で価格を決定し取引を成立させてしまいます。 なので取引をする当人同士で価格を決定することはありません。 こういった自動で計算する仕組みによって流動性の問題を解決するということですね。 Airswap(エアスワップ) エアスワップの特徴はエアスワッププロトコルにあります。 スワッププロトコルとは分散型のERC20取引プラットフォームで、取引所を介さずに当事者者同士でERC20規格のトークンを直接取引することができます。 これによるメリットとしては、中央集権の取引所とは違いハッキングのリスクがないという点、そして分散型取引所とは違い注文や予約の際に手数料がかからず取引情報が他人に漏れにくいという点です。 取引の価格についても過去の取引価格が表示されるのでわかりやすいですね。 まとめ という感じで今回はDEX関連銘柄の特徴やその概要についての解説でしたがみなさんいかがだったでしょうか。 暗号通貨を取引・所有するにあたって取引所のハッキング事件というのは実際に起こっており、資産は自分でしっかり管理していかなければいけないというのが現状です。 そのような状況なので2018年ももう4月ですが、DEXはこれからさらに重要視されていくのではないかと思っております。 実際にイーサリアムベースだけでなくNEOを基軸としたNEXのICOも行われましたし今後の動向に注目ですね。 最後まで読んでいただきありがとうございました。それではっ(*・ω・)ノ
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2018/05/07仮想通貨と他のアセットの相関関係をわかりやすく解説!
この記事の3つのポイント 相関関係はリスク管理に置いてとても重要! 仮想通貨は他のアセットとの相関関係が極めて低い 投資機関の参入で今後相関関係が強まる可能性アリ Cyrpto Times公式ライターのYuya(@yuyayuyayayu)です。 中長期のポートフォリオ構築において欠かせないのがアセット同士の相関関係(コリレーション)です。 まだまだ歴史の浅い仮想通貨というアセットですが、近頃は少しずつデータも整ってきました。 今回は仮想通貨が他の金融商品とどのような相関関係を持っているのかを解説したいと思います。 アセットの相関関係とは? 統計学でいう相関関係(コリレーション)とは、2つの変数間の変化の関係のことをいいます。 相関関係は通常、-1から1の間で表されます。相関関係が正の数の場合、2つの変数は同じ方向に、負の数の場合は逆の方向に動くという意味になります。 この「変数」が金融ではアセットタイプー株式、債券、コモデティ、仮想通貨などーの価格を表します。 例えば、株式と債券の相関関係は負の数であることが多いです。これはつまり、株式の値段が上がるときは債券の値段が下がる、また株式が下がれば債券が上がる、ということになります。 リスク管理には相関関係が大事! 相関関係はポートフォリオのリスク分散を実践する上でとても大事になってきます。 例えば、軍資金1000万円で投資をするとしましょう。資金全てを株式に投資してしまうと、株式相場が下落した時にその損失を思い切りくらってしまいます。 ここで例えば株式に700万円、債券に300万円とすれば、株式市場が下落した時に債券は上昇するので、損失を少し抑えることができます。 つまり、資金を逆相関にあるアセットに分けて投資することで、「一発で全部持っていかれる」ことがないようにするわけです。 また、こういった投資法にはもう一つ利点があります。 仮に、株式100%のポートフォリオで10%のリターンを目指すとしましょう。これでは、先ほど説明した通り、株式市場に依存してしまうため高リスクなポートフォリオになってしまいます。 ここで、株式:債券:コモデティ=6:3:1で分散して10%のリターンを目指すとしましょう。この場合、リターンの期待値は同じですがひとつのアセットに依存しないため、比べてリスクは低くなります。 つまり、相関関係を踏まえた上で資金を分散することによって、あるアセットに100%投資した時に得られるリターンと同じだけのリターンをより低いリスクで獲得することができるわけです。 ちなみにこれをモダン・ポートフォリオ理論と呼びます。アメリカの経済学者Harry Markowitzが1952年に提唱した理論です。 仮想通貨と他のアセットの相関関係を把握しよう それでは、仮想通貨市場は他のアセット市場とどのような相関関係があるのでしょうか? Yue Qiu氏, Justina Lee氏とAdrian Leung氏の調査によると、仮想通貨と他のアセットの相関関係は極めて低い、という興味深い結果が出ています。 [caption id="" align="aligncenter" width="623"] Bloombergより[/caption] 上の図では左の横列、上の縦列がアセットクラス(順に債券・株式・コモデティ・フィアット通貨・仮想通貨)を表しています。 また、それぞれのボックスは青に近いほど順相関(価格が同じ方向に動く)、赤に近いほど逆相関(価格が逆方向に動く)を表しています。 図の縦列一番左、仮想通貨と他のアセットの相関関係を見ると、仮想通貨は他のアセットとの相関関係がとても弱く(色が薄い)、また仮想通貨同士の順相関関係がとても強いことがよくわかります。 言い換えれば、仮想通貨の値段が上下しても他の市場にはあまり関係なく、その逆も同じであるということです。 また、仮想通貨同士は強く連動して価格が上下するということになります。これは、とても直感的なのではないでしょうか。 [caption id="" align="aligncenter" width="1137"] CoinMarketCapより 仮想通貨時価総額トップ10。大体の通貨が同じチャートパターンをとっている。[/caption] 仮想通貨はなぜ他のアセットとの相関関係が低いのか Qiu氏, Lee氏とLeung氏は、こういった相関関係は機関投資が増えるにつれ変わるかもしれないと考察しています。 銀行やファンドなどの機関はクライアントからの資金を預かって投資をしているため、常にリスク軽減を考えなければなりません。 したがって、投資機関が仮想通貨市場に参入した場合、市場の上下に応じて他のアセットに資金を移さなければならないケースが発生する可能性があり、それが他のアセットとの相関関係を強めるかもしれない、ということでしょう。 また、あくまで私個人の意見ですが、仮想通貨市場では市場内に既存の金融界のシミュレーション的な現象が起こっており、それが相関関係を弱めているのではないか、と踏んでいます。 一概に仮想通貨といっても、 ネイティブトークン(BitcoinやEthereumなど) 株式のように配当が配られるトークン(FINOMやtZeroなど) フィアットとペグされたトークン(USDTetherやMaker Daiなど) コモデティで担保されたトークン(Digix GoldやCEDEXなど) などと、既存の金融市場のアセットクラスをそれぞれ裏付けにしたコインが出ています。 つまり、あくまで現在の高ボラティリティ下ではあり得ない仮説ではありますが、理論上、仮想通貨市場内でアセット・マネジメントができてしまうのではないかと考えています。 ですから、仮想通貨市場はある種(考えてみれば当たり前ですが)バーチャル版・金融界のようであるため、仮想通貨は株式や債券等より更に複雑なアセットクラスなのではないかと思っています。 "仮想通貨の他のアセットの相関関係"まとめ 以上が仮想通貨と他のアセットの相関関係まとめおよび個人的な考察となります。 バーチャル版・金融界とは言いましたが、まだ生まれて間もなく、機関投資家の参入やインフラの整備も整っていませんから、これからの成長に要注目だと思います。
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2018/05/06【海外の検証】Huobi Token / $HTの分析、Binance Coin($BNB)と同様の成長が見込める?
この記事の3つのポイント! Huobi Tokenは上場のための投票権として稼働する Huobiの取引高からトークン価値を検証すると過小評価されている Huobi Tokenは四半期ごとに利益の20%を使って市場から買い戻される 原文記事:Huobi Token (HT) Analysis – Similar Growth Potential To Binance Coin (BNB)? 取引量におおける主要な仮想通貨取引所の1つであるHuobiは、BinanceやKucoinなどの他の取引所と同じ方法で独自のネイティブトークンHuobi Token(HT)を作成しました。 このトークンの価値は、取引所Huobi.Pro、およびその関連会社のパフォーマンスと密接に関連しており、Huobi経済圏内におけるコインの需給動向によって大きく変動します。 Binance Coin(BNB)が1500億円以上、KuCoin Shares(KCS)が300億円と評価されている中で、Huobi Token(時価総額132億円)も同様の成長を見せてくれるでしょうか? 私たちの見解は”YES”です。 今回の分析では、Huobi Tokenの利用例を紹介し Huobi Token Binance Coin KuCoin Shares COSS Token Bibox Token の比較分析を行います。 (Huobi Tokenが提供するメリットについて既に理解している場合は、比較分析の部分まで読み飛ばして下さい) Huobi Tokenはコイン上場のための投票券として稼働した時に真の価値を発揮する 本項目ではHuobi Tokenに関しての用途に関して説明します。 Huobi Autonomous Digital Asset Exchange(HADAX)は、Huobiが最小限の監査を行い、業界での評価が高い専門投資機関である「Draper」や「ZhenFund」などの投資会社が、プロジェクトに投票することで上場対象を決定しているハイブリッド取引所です。 この仕組みにより、プロジェクトが規制に準拠しており、最低限の品質基準を満たしていることを確実にしています。 Huobi Tokenは、ユーザーの希望するプロジェクトを取引所に上場するために投票を行う以外の用途として、投票対象のプロジェクトから無料でトークンを受け取ることもできます。 Binance等でも行われていることですが、プロジェクトがリストに載っていれば、ユーザーに投票を促すために有権者に向けた報酬の仕組みが設定されています。 例えば、プロジェクトが受け取った全ての投票に対してトークンを10回エアドロップしたり、プロジェクトが選挙に勝った場合は投票者にトークンが渡されます。 そうでない場合は、HTトークンが投票者に払い戻されます。いずれのシナリオにおいても、有権者は損失を被ることがありません。 Huobi Tokenの用途①:手数料の割引 BNBのトークンを所有している瞬間から誰もが手数料を節約できるBinanceとは異なり、Huobiは加入方式を提案しています。 このスキームは、以下に示すように5つの層で動作します。 リファレンス:Huobiの公式サイト Huobiの現在の料金は、すべてのユーザーに対して、Binanceが提案した0.1%と比較して0.2%です。ただし、VIP5クラスに加入することで、Huobiの手数料をBinanceと同レベルまで減らすことができます。 そのため最初はBinanceの方が有益な選択肢に見えるかもしれません。 ただし、Binanceのオファーは一時的なものであり、毎年、Binanseは取引手数料割引率が50%ずつ減少していき、2年目で25%、3年目で12.5%、4年目で6.25%、5年目では0になり、料金の割引率が半減されます。 これは、来年からBinanceとHuobiの取引手数料割引率が一致することを意味し、BinanceはHuobiに対してコスト的優位性を失います。 あなたは取引手数料の50%の削減を受けるために1ヶ月に12,000のHTトークンは高いと主張することができます。しかし、このシステムは間違いなく「少額投資家」を対象とするものではありません。 Huobiは、明らかに機関投資家を引き付けることを望んでいます。 機関投資家は、取引費用の50%を節約することの利点がコストを上回り、月間数千ドルを節約できます。 Huobi Token(HT)の需要と供給の原動力 上記の2つの利用例は、Huobiトークンを保持する主な利点であり、その価値の主要な原動力的要因です。 Huobi Tokenを保有することのもう一つの利点は、価格上昇する可能性が高いことです。 資産の価格は、需給要因によって支配されます。 Huobi Tokenの需要については プラットフォームに参加する機関投資家の数 トークンの価値の上昇を推測するユーザー数 限られたリスクで保証されたリターン が原動力とみなせます。 すべての需要の原動力は、全体として仮想通貨市場に強く結びついています。市場が成長するにつれて、機関投資家の取引が増え、VIP会員に加入する可能性があります。 コインが上場される時のプロジェクトのエアドロップ報酬に関しては、仮想通貨市場の時価総額が増加するにつれて、上場に向けた競争はより激しくなり、ラウンドに勝つためにはプロジェクトは投票権保有者にとって、より魅力的な報酬を提供しなければならない。 魅力的な報酬を提示されれば、人々は彼らのプロジェクトに投票し、結果として投票のためにHTを購入する。 トークンの供給を減らすためにHuobiでは1つの仕組みが存在します。 供給トークンの削減は、買戻しプログラムの形で実行され、 Huobiは四半期ごとに取引所の利益の20%で取引市場からHTを購入し、投資家保護のためにロックアップされます。 つまり、Huobi Tokenの供給量は四半期ごとに減少します。 比較分析 私たちは、Binance、Kucoin、Bibox、Cossの4つのトークン(BNB、KCS、BIX、COSS)と比較して、Huobi Tokenを調べました。 下の表は、時価総額を取引量と比較したものです。 意外なことに、日々の取引量がたった170万ドル(1.7億円)で、COSSトークンの時価総額は3,500万ドル(35億円)となっており、競合他社と比較してすると上記の表からCOSSが過大評価されていることが確認できます。 Biboxの比率は0.73、Binanceの比率は0.59であり、Kucoinの比率は6.10です。 これに対し、仮想通貨投資家は「配当」が「買戻し」よりも価値があると信じているようだが、この考え方は正しいとは言えません。どちらのスキームも資産の価格に同様の影響を与えるためです。 一方で、Huobiは取引高に対してトークンの価値が0.08の比率であり、16億ドルの取引高に対して133万ドルの時価総額となっており、他の取引所トークンと比較して明らかに過小評価であることを示しています。 これらの比率を考慮した場合、Huobi TokenはBinanceおよびBiboxの範囲0.59~0.73辺りに近づくはずなので、とても過小評価されているようです。 さらに、BNBとHTを直接比較すると、Binanceの取引量はHuobiの1.7倍になりますが、BNBの時価総額はHTの12倍になります。 トークン価格の違いは、Huobiが西アジアでBinanceよりも積極的なマーケティング活動を行っているという事実によって説明することができます。ほとんどの人はHuobiに独自のトークンがあることに気づいていません。 最終的な結論 Huobi Tokenを思慮深く見てみることをお勧めします。なぜなら、Huobi Tokenは需要を増加させ、同時に供給を減らすことができる利用例が多いためです。 さらに、競合の取引所トークンと比較すると、Huobi Tokenは過小評価されているようです。 前述の取引所の中でも、シンプルな市場シェアを示しているだけでなく、Huobiがトップ5の仮想通貨取引所になっているにもかかわらず、Binanceとの比較ではその差はかなり大きいです。 少なくとも西アジア地方では、今までにチームが行ったマーケティングが不足していたため、トークンを取り巻く知識が不足しています。 マーケティングが完了した時点でKCSやBNBの場合と同様にHuobi Tokenに関する噂が立つようになるはずです。 私たちは長い間Binance Coinに注視してきた、そして取引所にはまだ十分な成長があると考えており、同様の理由からHuobi Tokenは価値向上の見通しがあります。 免責事項:私たちはHTをホールドしています。 これは投資的価値を確約するような助言ではありません。この記事は個人的な意見に基づいて作成されており、投資を行う前に、必要に応じて自分で研究を行い、ご自身の財務アドバイザーに相談することをお勧めします。
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2018/05/04アセット・バックト通貨とは?特徴・仕組みを徹底解説!
Crypto Times公式ライターのYuya(@yuyayuyayayu)です。 近頃、アセット・バックト(資産担保型)通貨がたくさん出てきています。 アセット・バックト通貨は他の仮想通貨とどう違うのでしょうか?長所や短所といったものはあるのでしょうか? 今回は、アセット・バックト通貨の仕組みと特徴を様々な観点から徹底解説していきたいと思います。 アセット・バックト通貨とは? アセット・バックト通貨とは、実在する資産にペグされている通貨のことをいいます。 言い換えると、トークンが金や石油といったコモデティや不動産などの所有権を表すということです。 従来こういったものをトークンの代わりに証券として住宅ローンや他の債券等を担保とする金融商品、アセット・バックト・セキュリティ(ABS;資産担保型金融商品)というのを聞いたことがある方も多いと思います。 アセット・バックト通貨はABSと似ている点があります。 ABSでは、SPC(特別目的会社)という仲介者的な存在が担保を裏付けにして証券を発行します。 法的規制やデータ管理のシステムには大きな違いがありますが、アセット・バックト通貨を発行するブロックチェーンがこの仲介者的な役割を果たし、証券の代わりにトークンを発行しているわけです。 アセット・バックト通貨の良い例といえば話題のベネズエラ政府発行の通貨、ペトロ(Petro)でしょう。 ペトロでは理論上、一定数のトークンと石油を交換できることになっています。つまり、トークンの価値が石油という資産で裏付けされているということです。 ICO詐欺?救済?ベネズエラの仮想通貨「ペトロ」の概要と問題点とは - CRYPTO TIMES アセット・バックト通貨にはそれぞれ違ったベクトルからの利点が見込まれています。では、具体的にどのようなメリットが期待されているのか見てみましょう。 サプライチェーンの改善 まず、ブロックチェーンの応用という観点からみて、既存のコモデティ市場の効率を改善するはたらきが期待されています。 例えば、CEDEXというプロジェクトではブロックチェーンと機械学習を組み合わせてより効率の良いダイアモンド市場を作り上げようとしています。 既存のダイアモンド産業では、資産の透明性(鉱石がどこから来たのか)や流動性がとても低く、鉱石一つ一つが異なるため価格付けの標準化も整備がうまくいっていないといわれています。 そこでCEDEXではダイアモンドをブロックチェーン上に登録、トークンと紐付けすることによって透明性と流動性を確保し、さらに機械学習を利用して品質に応じた適正価格をつけています。 このように、アセット・バックト通貨は裏付けされている資産の物流の効率化することができます。 価格の安定化 皆さんご存知の通り、ほとんどの仮想通貨はボラテリティーが高すぎる故に日常的な利用にはほど遠いものとなっています。 この高ボラテリティーの根本はスペキュレーション(推測)です。トークンに価値がつく理由や、適正価格はいくらなのかが誰もわからないためにこのようなボラティリティーが発生しているわけです。 行動経済学から見る仮想通貨【第4回】- ブロックチェーンの価値をめぐるバブル – - CRYPTO TIMES ここで、遠回りな方法ではありますが、トークンをコモデティ等の実在する資産で裏付けることによって価格の安定を測ろうとしているプロジェクトが現れてきています。 このような通貨はステーブル・コイン(Stable Coins)と呼ばれています。 代表的なステーブル・コインといえばMakerDaoです。同通貨はコモデティを担保としたものではありませんが、1 Dai = 1 USDとなるようなメカニズムが組み込まれています。 法定通貨に連動!?仮想通貨におけるペグ通貨とは? - CRYPTO TIMES このように、ステーブル・コインは通貨をフィアットやコモデティで裏付けすることにより、価格の安定したより使いやすい仮想通貨を目指しています。 ヘッジ的な利用法 アセット・バックト通貨において、投資家的な目線で一番大切なのがヘッジとしての利用法でしょう。 前項の通り、アセット・バックト通貨には価格を安定させるという利点があります。 ですから、高ボラティリティーが予測される通貨に入っている資金をアセット・バックト通貨に移動することによって価格高騰・下落による損失の回避が期待できる、というメリットもあるわけです。 以下のチャートを見てみましょう。赤線がBTC/USD、青線がDGD/USDを表しています。DigixDaoはトークンが2つ発行しており、DGXは金とペグされている通貨ですが、今回はDGDを例にします。 緑色の丸で囲まれている2月の部分では、大変な差が開いています。 また、BTC下落時にDGDが高騰したり... 上昇・下降を交互に繰り返したり... と見てわかるように、両者は極端な逆相関の値動きを見せていることがわかります。 このように、アセット・バックト通貨はABSのようにヘッジとして使うこともできるのです。 まとめ アセットバックト通貨やステーブル・コインはまだ出現したての仮想通貨です。 今後このようなプロジェクトのサプライチェーンの改善性が注目されるに連れて価格の安定性も助長され、ヘッジ的な利点もさらに強くなっていくものと思われます。 DGXのように既存のゴールド・スタンダードに取って代わるかもしれないプロジェクトもたくさん出てきていますから、今後の動きに要注目です。
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2018/05/04NeoJP Communityについての紹介
こんにちは、フジオカ(@313marshall1)です。 今日は私がコミュニティマネージャーを務めさていただいているNeoJP Communityについて紹介させていただきたいと思います。 NeoJP Communityとは NeoJP Communityは、2017年7月に、NEOの日本語版公式資料の提供のために発足しました。日本におけるNEO Smart Economyの拡大を目的に、公式資料の翻訳を通して活動している団体です。 代表であるCity of Zionメンバーのクリスと、仮想通貨やブロックチェーンの知識が豊富な日英翻訳者約20名で構成されており、主にSlack上で活動しています。 City of Zionとは City of Zionとは、NEOを支える技術者・デザイナー・翻訳者の集団のことです。有名なものとして、NEOのウォレットであるNEONwalletの開発も彼らが手掛けています。 代表であるクリスがCity of Zionメンバーということもあり、NEOに関する公式資料の翻訳からレビュー、そしてNEO公式ウェブサイト掲載の認可が下りるまでの一連のシステムを構築していることが特徴です。 過去の実績 これまでNeoJP Communityは計150を越えるNEOの公式資料の翻訳を手がけてきました。これまで翻訳した資料はこちらにて掲載されています。 また、NEOブロックチェーン上で展開される下記プロジェクトのホワイトペーパー等公式資料の日本語訳も行っています。下記画像に記載されています。 詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。 代表紹介・メンバーからの声 上記のような活動を支えるのは前述したコミュニティの代表であるコロム クリストファー氏です。 彼はCity of Zionメンバーの一人であり、また現在沖縄で生活する日英バイリンガルです。 翻訳案件の受付からマネジメントまで幅広く私たちの活動を支えています。 次に、コミュニティメンバーの一人であるくまさん(@mbc_medical)からコミュニティでの活動に関してコメントをもらいました! くまさん はじめまして、くまと申します。私の本業は医療でありますが、2017年の夏から縁あって翻訳に携わらさせていただいています。 NEOは、プロジェクトの方向性に沿ったブロックチェーンのシステムになっており、特徴的です。翻訳しながら学ぶことで、よりブロックチェーンの理解が深まり、各プロジェクトとの比較もしやすくなると思います。 興味があれば是非お声かけください! 各種リンク 公式Website 公式Twitter お問い合わせは上記ウェブサイトから、もしくは私 (@313marshall1) までDMお願いいたします。
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2018/05/03冬の時代でも仮想通貨を楽しむために -一神教やめませんか?-
こんにちは、くま @kuma_mbc です。この度、CRYPTO TIMES様でコラムを書かせていただくことになりました。 さて、今年も三分の一が終わりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 特にこの冬の季節の間、仮想通貨も冬と呼べるような状況が続いていました。 そんな冬の時代には、どうしても何かにすがりたくなる気持ちが出てくると思います。そんな年始からの現状を振り返りながら、何故そういう状況に陥るのかについて考察していきたいと思います。 バブル崩壊と失望 1月の仮想通貨バブルの際には、自分自身も含め多くの方は、まだ価格が上がり続けると考えている雰囲気がありました。 https://twitter.com/maki_trader0205/status/984341248478605313 しかしながら実際は幻想であり、上記のアンケートでは、回答した方の半数以上が、仮想通貨に限らず1月から4月までの投資で損をしているという状況です。 twitterなどのSNSの雰囲気も、非常によいものであった12月から1月と異なり、バブルの崩壊から4月中旬まで、過疎化とともに失望や攻撃的な印象が強くなっていきました。 また、一つの通貨を信じてホールドし続ける人や、twitter、discord、LINE@などで特定の人を信じる人が増え、一種の宗教のようなものも感じていました。 増えていると感じたのは個人的な印象ではありますが、こういった心理状況は説明できるのだろうかと思い、探していたところ「一神教 vs 多神教」という書籍をみつけました。 この書籍では、個人を対象とする精神分析理論を集団や宗教というものにあてはめて、一神教と多神教に関する考察を述べています。 これは今の仮想通貨の現状として当てはまるところがあると思い、いくつか引用したいと思います。 困難な状況に置かれた時に一神教は広まる 一神教は歴史上、困難な状況に直面している時に大衆に浸透すると述べられています。なぜ、苦しくなると大衆は一神教を信仰するのかについて、以下のように述べています。 人間というのは、幸せにのんびりふらふら暮らしていたほうが、本当は楽なはずです。人間は本来、堅苦しい世界に生きるのは嫌なはずです。にもかかわらず、堅苦しくなるのは、追いつめられて、このままではいけないことは確かだが、何がどうなっているのか考えてもわからないとき、考えることをやめ、事態を単純化して何か絶対的なものをひとつ見つけ、これさえ守ればいいんだ、救われるんだと決め込んで安心しようとするするからです。 身に覚えのある方もいるのではないでしょうか。 厳しい状況が目の前に現れ、何をしていいかわからなくなると一つのものにすがりたくなるのは、人間の”性”ともいえるべき、しかたのない行動といえるかもしれません。 7月に起きたハードフォークの際のビットコインとビットコインキャッシュの対立も、困難な状況下における一神教同士のぶつかり合いだったという考察も面白いと思います。 また、一神教の強さについては以下のように考察しています。 強いからでしょうね。病気が重いほうが強い。狂信者は強い。絶対こうでなければならないと信じている奴と、こうでもいいし、ああでもいいと思っている奴とが喧嘩すれば、勝負は初めから決まっています。 結局、一神教徒が世界を植民地化していったわけですよ。多神教のほうは負けちゃうんですよ。 抽象的な絶対神を求めるのは、一つの逃げ込み先というか、自我に一つの欺瞞的な安心感を与える幻想なのです。唯一絶対神を信じることができれば、精神的に非常に楽なのです。だから、誰にも唯一絶対神を信じたい誘惑はある。そういう誘惑に抗しなければならないということを言いたいわけです。 仮想通貨界隈でも、一つのものにとらわれず、柔軟に対応している人よりも、強く言い切っている人、信じている人の方が声が大きく、さらに人を集め、大きくなっているのが現状だと思います。 ただし、それが必ずしも正しいとは限りません。 誰でも、この通貨を買えば、この人のシグナルに乗れば、このテクニカルを使えば、このbotを使えば絶対儲かる、救われる、といった”唯一絶対神”を信じたい誘惑があると思います。 しかしながら、市場は常に変化しており、このような誘惑に抗わないと一時的に勝つことはできても、長期的に資産を増やすことは難しいと考えます。 一神教が必ずしもいけないわけではない 間違えないでいただきたいのは、多神教の中には一神教があってもよいですし、必ず多神教でなければいけないと強要するのは多神教ではないということです。 著者は宗教観においても、一神教は他のものを認めない絶対的なものであり、相対的な価値観をもつことが非常に重要だと述べていますが、これは仮想通貨にもいえると思います。 今回は詳しく述べることは控えますが、私は通貨やプロジェクトにも、コンセンサスアルゴリズムなどによって、長所短所があり、適材適所の技術を用いることが重要であると考えています。 ですので、いくつかのプロジェクトが共生していくことになると考えていますし、議論はすれど、互いを批判をする必要はないと思っています。 もしもあなたが、他と比較し、長所短所を検討し、自分で考えて一つの通貨に絞ることが結論であったなら問題はないと思います。 ただし、その通貨しか調べていない、誰かがいったから、なんとなく、といった理由で一つの通貨に絞ることは非常にリスクが高い選択だと思います。 まとめ 開発者やプロジェクトの運営者は自分の進む一つの道を信じ、邁進することが大きな成果につながるかもしれません。 しかなしながら、少なくとも投資する側が同じことをする必要はありません。これは通貨同士の問題だけではなく、仮想通貨以外の投資商品も検討してみること、技術としてもブロックチェーン以外のものに目を向けてみることにも繋がります。 ブロックチェーン技術はまだ発展途上であり、現時点で非技術者が内輪もめしたところでなんの意味もありません。むしろ、皆で儲けたいのであれば、界隈を盛り上げまだ仮想通貨に触れていない人にも入ってきていただく必要があります。 仮想通貨の春がやってくる雰囲気も感じられる状況になってはいますが、春が来れば、また冬も来ると思います。そのためにも、今一度現状を見直してみてはいかがでしょうか。
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2018/04/30【ライフハック】海外在住の日本人が仮想通貨を買う方法
こんにちは、kaz(@kazukino11111)です。僕は現在進行形でアメリカはカリフォルニア州に留学してるのですが、先日一つの疑問が頭に浮かんできました。 それが「海外在住の日本人ってどうやって仮想通貨を買うんだろう?」という問いです。僕自身は日本にいた頃に取引所の口座を開設していたため、何一つ不自由なく仮想通貨ライフを送れているのですが、拠点を完全に海外に置いている方はどうやって購入すれば良いのでしょうか? 今回の記事では海外在住の日本人の方が仮想通貨を購入する4つの方法をご紹介します。 この記事の3つのポイント!1.法定通貨で購入するならKrakenかxCoinsがベスト! 2.待つことを覚悟して日本の取引所に申請するのも一つの手 3.最後の手段はゼロからエアドロップでコツコツ貯める 日本語が使えるKraken(クラーケン)がおすすめ 英語よりも日本語で使えた方が良いという方はKraken(クラーケン)という取引所をおすすめします。クラーケンは海外の取引所の中で日本語に対応している数少ない取引所のうちの一つです。 サイトの表示はもちろん、サポートセンターも日本語に対応しているという点で、安心感があります。しかし、口コミによると、日本語を選択した際には返信に英語よりも時間がかかるそうです。 通貨はアメリカドルの他に、ユーロやポンドも用意されているので、ヨーロッパ在住の方でも不自由なく使えます。もちろんどちらも安定した取引量を誇っており、価格変動が不安定になることはありません。 クラーケンでは20種類ほどのメジャーな通貨を取り扱っているため、仮想通貨を始めたいという方には十分でしょう。 因みにKrakenは日本でのサービス提供は廃止を決定していますが、海外居住の日本人は利用が可能です。 仮想通貨取引所大手Kraken 日本でのサービス廃止を発表! - CRYPTO TIMES 簡単さを求めるならxCoins xCoinsはとにかく簡単かつ早く仮想通貨を購入したいという海外在住の方におすすめです。xCoinsは数分で登録を完了でき、すぐにペイパルもしくはクレジットカードを使って仮想通貨を購入することができます。 クレジットカードを使うとのことなので割高な手数料がかかってしまいますが、簡単かつ早いというメリットを考慮すれば悪くない選択肢と言えるでしょう。 覚悟を決めて日本の取引所で口座を開設 一応、海外在住の方でも日本の取引所への口座開設申請は出せるようです。ただ、この方法があまり現実的でない理由としては、書類受け取りまでの時間です。 海外から申請を出すと、本人確認書類の発送までに数ヶ月かかるという報告がちらほら上がっており、かなり待たされるようです。 どうやら日本の取引所では海外への書類発送を後回しにしているとの情報も流れています。どうしても日本の取引所の口座が良いという方は試してみても良いかもしれませんが、できる限り出国前に申請しておきましょう。 エアドロップで0から始める 最後の手段としては、エアドロップを地道にもらい続け、仮想通貨を集めるという方法です。エアドロップをもらうのに必要なMEW(My Ether Wallet)やWaves Walletは住んでいる地域や登録の有無に関係なく使えるので、すぐに始めることができます。 そして、値段がつくトークンがもらえたら、本人確認不要の取引所に送付して、ビットコインやイーサリアムと交換します。 ただ、この方法の問題点は欲しい時に欲しい金額の仮想通貨を手にすることが難しいという点です。 まとめ 仮想通貨を購入する段階が一番手間がかかるということがわかっていただけたかと思いますが、一度購入さえできればあとは本人確認不要の取引所に送ったりして何百種類もの通貨を購入することが可能になります。 今まで海外在住ということを理由にして仮想通貨から距離を置いていた方もこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか? kaz 海外在住って書類手続きとかいっつもめんどくさいから、早くデジタル化すれば良いのに…
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2018/04/30仮想通貨は将来的に有価証券と見なされるのか?
kaz(@kazukino11111)です。 先日元CTFCのGary Gensler氏が「Etherum(イーサリアム)とRipple(リップル)が証券性を持っている」と発言したことでそれらの通貨のホルダーの間では様々な議論が巻き起こりました。 では仮想通貨が実際に有価証券化されるとどのような影響があるのか、また今後この流れは広まっていくのでしょうか?今回の記事ではこれらの点を解説していきます。 この記事の3つのポイント!1.アメリカや日本を始め、世界各国で仮想通貨を証券化する動き 2.仮想通貨が証券化された場合にはより厳しい規制が適用される 3.今後世界中でこの流れが加速していく模様 なぜホルダーは証券化を嫌がるのか? とある仮想通貨が証券化された場合、その通貨に対するSECの監視の目は一気に厳しいものに変わります。そして、インサイダーや価格操作はもちろん、買い煽りにつながるマーケティングは一切禁止されます。 これだけ聞くと監視の下で健全性が増し、価格が安定するようになり、投資家にとっては良いことのようにも聞こえます。さらに、証券化されれば証券取引所に上場するという可能性もあります。 しかし、プロジェクトを運営する側からすれば、証券化されてしまうと今以上に厳しいルールの中で運営していくことを強いられます。様々な業界で様々な使い方が想定されている仮想通貨だからこそ、ある程度柔軟性がある枠組みの中での運営を好むのではないでしょうか。 また、証券化されるとあらゆる面で面倒事が増える事も予想されるため、歓迎ムードというわけではないようです。 金融庁内でも有価証券適用を検討中 日本政府は2014年頃から「仮想通貨を有価証券と見なさない」という姿勢を示してきましたが、以下のCoinPostのツイートでも触れられているように現在有価証券適用を検討中だそうです。 【速報】金融庁主催『仮想通貨交換業等に関する研究会(第2回)』 研究会メンバーの坂 勇一郎 弁護士より ・利益相反の規制 ・価格操作の規制 ・仮想通貨自体を投機取引とする場合、金融商品取引法の有価証券に適用 を検討すべきだと提案がありました。#金融庁 #仮想通貨 — CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2018年4月27日 2014年当時は仮想通貨=ビットコインという認識だったため、有価証券には当てはまらないとされていましたが、現在では仮想通貨の種類も激増し、中には有価証券に近い性質を持つ通貨も登場しました。 さらに最近ではPoS通貨や、数々のICO案件とそれに付随する問題が目立つようになってきており、国の仮想通貨に対する見解も変わってきているようです。 有価証券適用の流れは今後加速していく模様 日本やアメリカ等の先進国で一部の仮想通貨を有価証券適用する議論が始まったということを受けて、この流れは今後世界中に広まっていくと考えられます。 中でも中央集権によって動いている仮想通貨関連のプロジェクトは政府の監視対象になる可能性が高いと言えます。 もちろんG20で公表されたように各国政府は仮想通貨関連のプロジェクトを撲滅したいわけではなく、健全な発展を促したいという意向の元動いているため、むやみやたらに規制が施行されるということは考えづらいでしょう。 また、Ethereumが有価証券と見なされれば最終的には、プラットフォーム上のICO詐欺が全滅する流れになるので投資家にとってもメリットはあると言えるでしょう。 kaz 果たして仮想通貨の今後はどうなっていくのか…
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2018/04/29なぜ今、仮想通貨先進国であるマルタが熱いのか?
こんにちは、kaz(@kazukino11111)です。みなさんタックスヘイブンと言われてどの国を思いうかべますか? 先日パナマ文書のニュースで注目を浴びたパナマもタックスヘイブンとしては有名ですが、今仮想通貨関連企業では南ヨーロッパに位置するマルタ島への関心が高まっています! この記事の3つのポイント!1.仮想通貨関連企業が相次いでマルタ島へ移転 2.理由は進んだ法整備と税率の低さ 3.今後も関連企業のマルタ進出が進む見通し マルタってどんな国? マルタ共和国こと通称マルタは、ヨーロッパの南に位置する共和制国家で、公用語はマルタ語と英語となっています。通貨はユーロで、国土は316km2(東京23区の半分)とかなり小さな島国です。 地中海のリゾート地として毎年数多くの旅行客が訪れていることでも有名ですね。 仮想通貨関連企業が次々へマルタへ進出 先日世界最大手の仮想通貨取引所であるBinanceが本拠地を香港からマルタへと移動したというニュースが報じられました。これに続くような形で同じく香港に拠点を置いていたOKExもマルタへの移転を決定しました。 Binanceは移転直前に日本の金融庁からの警告が出たというニュースも報じられましたが、この件からマルタへの移転を決定したということは考えづらいので以前から計画されていたのでしょう。 自由経済都市の香港から移転する理由とは 香港は1997年にイギリス政府から中国へと返還された領土であり、今日に至るまで中国本土とは異なる政策で統治されてきました。中国本土に比べて法人税が大幅に安かったということもあり、世界中から多くの企業や投資家が資金を投入し、自由経済都市を築き上げてきました。 また、香港では中国とは反対に仮想通貨に対しても寛容な姿勢を貫いてきたため、多くの仮想通貨関連企業が香港に拠点を置いていました。 しかし、最近になって香港が中国本土の影響を受けてきているといった情報や、香港証券先物事務監察委員会(SFC)が規制を始めたといったニュースが流れ始めました。 これらの背景がBinanceとOKExのマルタ移転を後押しした形となったのでしょう。 マルタは香港に劣らない究極のタックスヘイブン 香港といえばタックスヘイブンで有名ですよね。香港での法人税は16.5%、中小企業になるとさらに半分程度とかなり安い方です。 タックスヘイブンとは タックスヘイブンとは法人税や源泉課税などがゼロまたは著しく低い税率に設定されている地域のことを差します。租税回避地とも呼ばれており、ケイマン諸島、パナマ、スイスなどが有名です。 一方のマルタは法人税は35%と日本と同程度の水準となっています。しかし、これはあくまで表面上の法人税率で、還付金制度などを活用することで実質的には5%程度まで抑えることが可能だと言います。 また、マルタでは仮想通貨関連の法整備が整っているという理由も仮想通貨関連企業を惹きつける一つの魅力です。 さらに、個人に関しても所得税が超低税率に加え、キャピタルゲインが非課税、相続税・贈与税がなしとまさに究極のタックスヘイブンと言えるでしょう。 その税金の安さから最近ではマルタへの移住希望者が増え、第二のモナコとまで呼ばれているようです。 国内でも色々話題になったICO、ABYSSもマルタへ移転 4月16日からICOを開始しているABYSSですが、こちらも拠点をスイスからマルタへ移転させるようです。 スイスもタックスヘイブンとして有名な国ですが、先ほどの例と同じくABYSSもより低い税率を求めてマルタへ移転したのだと考えられます。 ちなみに、ABYSSのQ&Aをみてみるとすでに「拠点はマルタです。」と書かれており、移転は完了している模様です。 まとめ 仮想通貨が世間に浸透していくにつれて、取引所や仮想通貨関連企業の規模も大きくなっていきます。その流れの中で少しでも利益を確保するために税率が低い土地へ拠点を移すというのは当然と言えるでしょう。 今後も仮想通貨関連企業のトレンドに要注目です! kaz マルタ島って法律周りもいいですけど、普通に観光地としてもおすすめです!
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2018/04/27ICOを統計とともに振り返る
Crypto Times公式ライターのYuya(@yuyayuyayayu)です。 ブロックチェーン・仮想通貨で必ず知らなければいけないイニシャル・コイン・オファリング、通称ICO。 ブロックチェーン関連のプロジェクトで人気の資金収集法となっており、投資家からも大きく注目されていますが、どのくらい人気なのでしょうか。 今回は、ICOの定義をもう一度見直し、そして今どれくらい普及しているのかを解説したいと思います。 ICOの定義のおさらい 統計を見る前に、ICOという言葉をもう一度深く解説したいと思います。 仮想通貨に関わっていると誰もが何度も目にする言葉ではありますが、良い機会ですのでもう一度定義をおさらいしておきましょう。 ICOとは? イニシャル・コイン・オファリング(ICO)とはブロックチェーン・仮想通貨系のスタートアップが独自のトークンと引き換えに資金を集める方法です。 ベンチャーキャピタル(VC)や銀行では対象となるプロジェクトに厳しい精査が課されますが、ICOではそういったことを行う公式な機関が存在しないというのが特徴です。 ICOの内容自体はシンプルで、ビットコイン等の仮想通貨でプロジェクトに投資をすることにより、後にそのプロジェクトで使用される通貨・トークンが配布されるというものです。 通常、ICOを行う場合、スタートアップはホワイトペーパーというものを発表します。 ホワイトペーパーには、プロジェクトの内容、プロジェクトが解決する問題、必要資金、資金の使い道、支払い通貨、そしてICOキャンペーンの期間などが書かれています。 ICOの長所・短所 トークンの流通がシステムの運営を支持する仕組みになっているプロジェクトには、ICOはとても都合の良い資金収集法といえます。またICOは他の資金収集法と比べ、規制が緩いことも長所といえます。 スマートコントラクトを売りに世界的に認知されたイーサリアムなどは、ICOの良い例を言えるでしょう。同社は2014年にICOを行い、約1800万ドル相当のビットコインを集めえすました。 しかし、この自由さはもちろん裏目に出てしまうこともあります。ICOの中には、スキャム(詐欺)であるものもたくさんあります。 OneCoinやBitConnectなど、ポンジ・スキームを利用した詐欺もあれば、ConfidoのようにICO後に単純に消え去ってしまう者もあります。 しまいにはProdeumのような悪質を飛び越えて呆れてしまうようなプロジェクトもあります。同プロジェクトはICO中に突然、ウェブサイトがただ下ネタが書いてあるだけのページに変貌しました。 [caption id="" align="aligncenter" width="430"] う、うん...[/caption] ブロックチェーンの性質上誰も通貨をコントロールできませんから、あまり規制や精査をすることができません。中国はICOを全て禁止してしまいましたね。 ICO・IPO・クラウドファンディング ICOはイニシャル・パブリック・オファリング(IPO)やクラウドファンディング(crowdfunding)と似ています。 ICOはスタートアップが資金を集める方法、という点ではIPOと同じです。 IPOは投資家から投資を募るのに対し、ICOは画期的なプロジェクトの支持者から資金を募るという違いがあります。また、後者はクラウドファンディングと動機が似ています。 クラウドファンディングは寄付に近いようなものが多いのに対し(例: 貧乏なYuyaにフランス旅行をプレゼントしよう)、ICOのバッカーは投資へのリターン(=通貨の価値の上昇)を求めています。 こういった点から、ICOはcrowdsales(クラウドセールス)とも呼ばれます。 ICO・VC ベンチャーキャピタル(VC)は長期的な成長が見込まれるスタートアップが、大型の投資家や投資銀行などから出資を募ることをいいます。 ICOは基本的に仮想通貨での出資を募ることが多いのに対し、VCではフィアットまたは技術・マネジメント等の提供を募ります。 また、ICOが独自の通貨と引換に出資を受けるのに対し、VCは会社の所有権を販売します。 VCへの投資家は金融アナリストやMBA取得者等が多く、ビジネスモデル、商品、マネジメントや運営の状況等などを厳密に精査します。 ICOの現状 [caption id="" align="aligncenter" width="804"] Coindesk[/caption] このデータはICOにより集められた資金の総額を月ごとに表しています。2017年を切り口として、急激な成長を見せているのが目に見えてわかります。 次に、2017年および18年のICOの総額と総数を見てみましょう。 [caption id="" align="aligncenter" width="728"] Coindesk[/caption] ICOは年々人気が急激に上昇していると言えるでしょう。Coindeskによると、ICOにより集められた資金の総額は2018年3月の段階ですでに63億ドル、2017年の総額の1.18倍であるとされています。 今年の第一四半期だけですでに2017年の総額を超えているわけですから、ICOが資金を集める方法として人気を増しているというのは明確と言えるでしょう。 また、右側のグラフに注目すると、2018年第一四半期のICOの総数は昨年の60%ほどであることがわかります。 昨年の60%ほどの件数で、昨年の総額を上回るわけですから、一件あたりの額も大幅に上昇していると言えるかもしれません。 [caption id="" align="aligncenter" width="1658"] Coindesk[/caption] ここで注目すべきはみなさんご存知、仮想通貨スタートアップ御用達のTelegram(テレグラム)です。同プロジェクトは今年、単独で17億ドルを挙げています。 一見するとこのテレグラムのICOが例外的に今年のICO総額を上げている様には見えますが、同プロジェクトを除いてもなお2018年のICO総額は昨年の85%ほどとなっています。 それでは、前項で対比したベンチャーキャピタル等はどうなっているのでしょうか。 [caption id="" align="aligncenter" width="960"] Statista[/caption] 上の画像は米国でのベンチャーキャピタルによる年毎の総額を表しています。一カ国のデータですので一般化はできませんが、VCによる資金収集も年々増加していることがわかります。 また、総額も米国のみでICOを大きく上回っていることがわかります。つまり、VCも画期的な資金収集法であり、ICOと競合するものではないということです。 まとめ 以上が統計で振り返るICOでした。 ICOは独自トークンを発行するプロジェクトにとって適した資金収集法であるということでした。しかし、利点ばかりではなく、規制の無さから詐欺的なものも存在するということでした。 投資家としては、ホワイトペーパー等をベースに入念なリサーチをしつつ良質なものを選びたいところですね。 参考記事: Initial Coin Offering (ICO) Venture Capital $6.3 Billion: 2018 ICO Funding Has Passed 2017's Total Cryptocurrency Scams Are Just Straight-up Trolling At This Point