DeFi市場におけるAMM DEX「Sushiswap」の基本的な使い方・リスクを徹底解説!

2021/10/02・

airutosena

DeFi市場におけるAMM DEX「Sushiswap」の基本的な使い方・リスクを徹底解説!

この記事では、Sushiswapの概要から使い方について解説しています。代表的なDEXの一つである「Sushiswap」。

近年では、単純なDEXとしての取引機能のみならず、「KASHI(貸し借りのサービス)」「Miso(IDO)」といった機能・プラットフォームを実装しています。

しかし、機能が増えすぎており、逆に分かりにくい・・・という声も。

この記事では、そんなSushiswapの概要から特徴、基本的な使い方はもちろん「KASHI」「MISO」といった新機能についても解説しています。

Sushiswapとは?基本的な部分について

まず、はじめにSushiswapの概要から、実装されている機能・サービスをいくつかご紹介していきます。

一つ一つチェックしていきましょう。

Sushiswapの概要

Sushiswapは、AMMを実装したDEXとしてスタートし、現在では幅広いサービスを提供しているDeFiの1つです。

(AMMの概要)

元々はDEXとしてスタートしていることから、基本的な機能はDEXという認識で問題ありません。

AMMとは?DEXとは?という方は、コチラの記事をチェック。(別のDEXの記事ですが、基本的な仕組みは変わりません)

Sushiswapがスタートした際に、持っていた機能・用途は基本的にUniswapと大きく変わりませんが、いくつかの相違点がありました。

その最も大きな特徴は、SUSHIトークンという独自のトークンを導入したことです。

現在では、DeFi関連のサービスがインセンティブやガバナンスにおいて、独自トークンを用いることは少なくありません。

しかし、AMMを実装したDEXにおいて、はじめて独自トークンを実装したのがSushiswapで、大きく人気を勝ち取った要因になりました。

Sushiswapの人気・シェアはどのくらいなのか

Sushiswapは、一時期と比べると人気が落ちたと言われることが少なくありません。

ただし、現時点でも十分にSushiswapは大きなシェアを持っていると言えます。

CT Analysisによると、DEXにおけるプラットフォーム別の出来高は、Uniswapが上位を独占しています。

その次に、BSCのPancakeswapと続いているものの、Sushiwapも2021年8月における出来高では4位にランクインしています。

このことから、SushiswapはUniswapほどの人気ではないものの、3~4番手程度のシェアを持っていると言えるでしょう。

データの引用元であるCT Analysisでは、WEB・Youtubeでは提供できない中上級者向けの詳細なレポートを「無料で公開」しています。

「仮想通貨にもっと詳しくなりたい!」「クリプトオタクになりたい!」という方は、ぜひ一度CT Analysisをチェックしてみてください。

CT Analysis

Sushiswapの各機能

Sushiswapの概要が分かったところで、Sushiswapが持っている主要な機能を押さえていきましょう。

Sushiswapを機能面から理解していきます。

取引(swap)

一般的なDEXと同じように、Sushiswapでも仮想通貨の交換、つまり取引を行うことが可能です。

取引はAMMを利用しているため、他のDEX同様にレートは自動的に決められたもので取引することになります。

流動性の提供(Liquidity)

この画面から、Sushiswapの流動性プールへ流動性を提供することが可能です。

もちろん、流動性を提供することによって手数料がLPに分配され、かつLPをPoolにステークすることでSUSHIによるインセンティブを受けることができます。

貸し借り(KASHI)

KASHIは、アップデートによって登場したSushiswapのレンディングサービスです。

他のレンディングとは異なり、通貨別にマーケットが形成されている少々特色が異なったものとなっています。(後に詳しく解説)

ステーキング(Stake)

この画面では、SUSHIトークンを預けることで、報酬を得ることができる画面になります。

いわゆるステーキングが可能な画面となっており、保有しているSUSHIを預けることで効果的な運用が期待できます。

IDO(MISO)

Sushiswapにアクセスすると「Miso」という名前のタブがあることが分かります。Misoとは、IDOを行うプラットフォームのことです。

IDOとは、分散型取引所が介入するタイプのトークンセールのことで「Sushiswapで上場前の仮想通貨が購入できる」ということです。

過去には、以下のようなトークンセールが行われました。(Misoの「Marketplace」内の「Past Sales」でチェック可能)

プロジェクトごとに支払い方法として設定されている仮想通貨を保有しておけば、誰でも参加可能です。

Sushiswapの3つの特徴

Sushiswapの大きな特徴をいくつかご紹介していきます。

Sushiswapの強みを把握していきましょう。

FTXが運用を主導

後に注意点・リスクの観点から詳しく解説しますが、Sushiswapは初めに開発を主導していた人物から、FTXのCEOの元に開発の主導権が譲渡されています。

経緯などは省きますが、このことによりSushiswapの開発にはFTXの後ろ盾がある状態といえ、大きな信頼感に繋がると言って良いでしょう。

というのも、FTXは大手海外仮想通貨取引所だからです。

しっかりとした知名度・信頼感のある存在が、Sushiswapの権限を持っている状態であると言えます。

なんでもアリなサービス

Sushiswapはローンチされて数ヶ月程度は、Uniswapに独自トークンである$SUSHIを足したようなものに収まっていました。

しかし、現在ではSushiswapの提供している機能はDEXだけに留まらず、レンディング、ステーキング、IDOプラットフォームなどのような多岐にわたっています。

ロードマップなども公開されており、積極的に開発が行われているので、今後のアップデートによる利便性の向上も期待できます。

複数のブロックチェーンに対応

Sushiswapは、複数のブロックチェーンに対応しており、イーサリアムのみならず、以下のようなブロックチェーンを利用することができます。

著名なブロックチェーンは揃っていると言えるでしょう。

利便性は高いですが、ブロックチェーンによって利用できる機能には制限があり、注意が必要です。

しかし、開発が積極的に行われており、アップデートも行われていることを考慮すると、今後どのブロックチェーンでもさまざまな機能を利用できるようになる可能性があるでしょう。

スワップからステーキングまで!Sushiswapの使い方を徹底解説

これから、Sushiswapを実際に利用するまでの手順を、仮想通貨を購入するという基本的な部分から解説していきます。

初心者の方であっても、利用できるように解説しているので、ハードルを感じている方もぜひチェックしてみてください。

Sushiswapを利用するための準備

前提として、ゼロからSushiswapを利用するには、以下のような下準備が必要になります。

  1. 仮想通貨を購入
  2. ウォレットを作成
  3. ウォレットへ送金
  4. ウォレットとSushiswapの接続

1つ1つチェックしていきましょう。

仮想通貨を購入

まず、はじめにSushiswapで利用する仮想通貨を用意しましょう。

これからご紹介するSushiswapの手順は、イーサリアムのものになりますので、イーサリアムを入手するのがおすすめです。

しかし、日本円から仮想通貨を購入するには、国内仮想通貨取引所での口座開設が必要になります。

まだ、国内仮想通貨取引所の口座を持っていないという方は、Coincheckでの口座開設がおすすめです。

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Coincheckは、国内仮想通貨取引アプリのダウンロード数1位であることから、スマホアプリが非常に使いやすいです。

PCにおける取引画面でも同様のことが言えるため、特にこだわりがない仮想通貨初心者の方は、Coincheckで仮想通貨デビューしましょう。

Coincheckの口座開設・登録についてはコチラ

ウォレットを作成

次に、ウォレットを作成しましょう。

Sushiswapの利用するには、ウォレット(仮想通貨を保存する場所のようなもの)を、自ら用意する必要があります。

特にこだわりがなければ、最もポピュラーな「MetaMask」を利用するのがおすすめです。

MetaMaskであれば、Sushiswap以外でも利用可能なところが多く、DeFiを利用する上での汎用性が高いです。

MetaMaskの登録・使い方はコチラ

MetaMaskの利用方法については、動画でも詳しく解説しています。

ウォレットへ送金

次に、先程紹介したMetaMaskのようなウォレットに、国内仮想通貨取引所で購入したイーサリアムを送金していきましょう。

送金手順は、各取引所によって異なっており、各自チェックする必要があります。

Coincheckの送金手順などはコチラ

ウォレットとSushiswapの接続

最後に、Sushiswapとウォレットを接続していきましょう。

  1. Sushiswapへアクセス
  2. 「Connect to a wallet」へ
  3. ウォレットを選択(記事内ではMetaMask)
  4. ウォレットでの処理を済ませる
  5. 文字列が表示されたことを確認

ウォレットとSushiswapの接続が完了すれば、Sushiswapを利用するための下準備は完了です。

Sushiswapの主要な使い方を機能別に解説

次に、Sushiswapを利用するための下準備が済んだところで、実際にSushiswapの主要な機能の使い方をいくつか解説していきます。

Sushiswapを使いこなせるようになっていきましょう。

Sushiswapで取引する

まず、はじめに最も標準的な機能である「Swap(取引)」する方法をチェックしていきます。

  1. Sushiswapへアクセス
  2. 「Swap」へ
  3. 元となる通貨を選択
  4. 交換したい通貨を選択
  5. 数量などを入力
  6. 「Swap」を選択
  7. 「Confirm Swap」を選択

Sushiswap内で何らかの通貨が必要になったときは、こちらで取引を行うと便利です。

Sushiswapで流動性を提供する

Sushiswapにて、流動性を提供する手順は以下のとおりです。

  1. Swapへ
  2. Liquidityへ
  3. 流動性を提供する通貨を選択(2つの通貨を選択する必要アリ)
  4. 金額を入力
  5. 初めて利用する場合は、Approveなどを行う
  6. 「Supply」で流動性を提供

また、流動性の提供を行う際は、必ず提供する通貨ペア間の価値が等価でないといけないため注意が必要です。

Sushiswapで貸し借りを行う

次に、Sushiswapで貸し借りを行う方法をご紹介していきます。

貸す場合

  1. Lendへ
  2. 任意の通貨ペアを選択
  3. 利率などを確認(Borrowedは貸された割合、APYがリターン)
  4. デポジットを選択
  5. はじめての場合はApproveなどの処理を行う

借りる場合

  1. Borrowへ(画面上部のBorrowでもOK)
  2. 任意の通貨ペアを選択
  3. 利息の利率などをチェック(右側のMarketでも確認可能)
  4. 担保を入力(指定された通貨以外不可)
  5. 借りる通貨の金額を入力(Maxに表示されている金額が限度額)
  6. はじめての場合はApproveなどを行う

(貸し手の場合は、デポジットする際の画面のWithraw、借り手の場合は借りる際の画面のRepayから回収・返済可能です。)

DeFiのレンディングを利用したことがある方だと、色々と違和感を感じるかもしれません。

というのも、Sushiswapの「KASHI」は、各通貨ペアにおけるマーケットが独立しており、特定の通貨でしか貸し借りを行えません。

これにより、他のレンディングサービスのように、貸している通貨の総額を担保として利用するといった利用方法ができません。

また、誰でもレンディングのマーケットを簡単に作ることができるものの(つまり、貸し借りの通貨ペアを誰でも作れる)、この仕様から中にはリスクの高いマーケットも存在しています。

例えば、マーケット内において十分な資金が貸し出されていない場合では、マーケットに貸し出した資金が引き上げられない可能性などが挙げられます。(マーケット内に資金が無いため)

少し癖のあるレンディングになっているので、注意が必要です。

Sushiswapでステーキングを行う

Sushiswapでステーキングを行う(SUSHIトークンを預ける)手順は以下のとおりです。

  1. Stakeへ
  2. 金額を入力
  3. Approveなどをクリック

SUSHIトークンをステーキングすることによって「xSUSHI」が得られます。

このxSUSHIを「Unstake(Stake SUSHIの横)」から返却することによって、預けたSUSHIトークンを回収することが可能です。

SushiswapでIDOに参加する

Sushiswapで、IDOに参加する方法は以下の通りです。

  1. Misoへ
  2. View Auction もしくはコチラ

  3. ウォレットを接続(Sushiswapへの接続とほぼ同じ)
  4. Live Salesへ(「Marketplace」の欄から)
  5. 表示されたセールを選択

過去に何度もIDOは実施されているものの、常時行われている訳ではありません。

そのため、もしも確実に参加したいIDOがある場合は、常時最新情報をチェックしておきましょう。

また、前述の通り、SushiswapのMisoではIDOに利用できる仮想通貨が、各セールごとに異なっています。

そのため、各セールに合う仮想通貨を予め用意しておきましょう。

過去には、以下のような仮想通貨が利用されました。

各セール名(トークンのティッカー)支払いに設定された通貨
SAK3SUSHI
FOlDETH
SunderUSDC
LSDSUSHI

ガス代を許容できれば、Sushiswapで上記した手順でSwapすれば、用意できるものが殆どでしょう。

BSC・Polygonなど他のチェーンで利用したい場合

Sushiswapでは、イーサリアム以外でもさまざまなブロックチェーンを利用することが可能です。

ブロックチェーンによって、利用できる機能に制限はあるものの、基本的な使い方は大きく異なりません。

以下の項目から、好みのブロックチェーンをクリックすると、自動的にネットワーク設定を済ませて、すぐに利用を開始することもできます。

(すでにネットワーク設定を行っている場合は、ネットワークの切り替えが行われる)

Sushiswapにはどんなリスクがあるのか?注意点解説

これまで、Sushiswapについてさまざまな点をご紹介してきましたが、注意点が無いわけではありません。

これから、Sushiswapのリスクや気をつけたいことをご紹介していきます。

開発・運営に関するリスク

Sushiswapは、DeFiにおける開発・運営に関するリスクの典型例であると言えます。

Sushiswapは、前述の通り開発・運営サイドでトラブルが発生したことで、創設者とは異なる代表が、現在Sushiswapの主導権を持っています。

そのトラブルというのが、Sushiswapの創設者である「Chef Nomi」という人物による大量のSUSHIトークン売却騒動です。

Sushiswapは、ローンチされてすぐに注目され、わずか数日で数千億円規模の仮想通貨がロックされました。

このことから、SushiswapのSUSHIトークンの価格も大きく上昇したのですが、開発者が大規模な売却を行ったことから、大暴落しました。

一時期、12ドルを超えていたSUSHIトークンは1ドルまで下落、SushiswapのみならずDeFi関連のコミュニティで大きな話題に。

最終的にこの件は、自身もSushiswapへ仮想通貨をロックしており、Chef Nomiの行動に批判的だったFTXのCEOであるSBFが運営の交代を申し出て、落ち着きをみせました。


Sushiswapに限らず、DeFiにおける開発・運営サイドのリスクは、このような事例から軽視できません。

運用に関するリスク

Sushiswapは提供しているサービスが多い分、流動性の提供に伴うインパーマネントロスや、Sushiswap特有のレンディングマーケットのリスクなど押さえないといけない点が多いです。

端的にまとめると、Sushiswapで仮想通貨を運用する際のリスクです。

一例ではありますが、Sushiswapを利用した仮想通貨の運用には以下のようなものが挙げられます。

  1. 流動性の提供に伴うインパーマネントロス
  2. レンディングのマーケットにおいて資金が不足し引き出せないなど
  3. 仮想通貨を借りる際に担保が清算されるリスク

インパーマネントロスなど、流動性の提供に伴うリスクについてはコチラ

貸し借りに関するリスクに関しては、コチラ

基本的に、Sushiswap内で仮想通貨を何らかの形で運用するものには、リスクがつきものなので注意しましょう。

独自トークンなどの価格に関するリスク

前述したような明確な理由(Chef Nomiによる売却)で、SUSHIトークンの価格が大きく下がってしまうこともあれば、仮想通貨はボラティリティが激しいことから、SUSHIトークンが理由もなく大きく下落することがあります。

SUSHIトークンはSushiswapありきの仮想通貨なので、基本的にSushiswapにネガティブな要素があれば下がる可能性が高いと言えます。

Sushiswapに限った話ではありませんが、基本的にDeFiが発行しているトークンというのは、ほとんど実質的な価値を持ちません。

Sushiswapのおさらい

この記事では、Sushiswapの概要から各機能の使い方まで詳しく解説しました。

Sushiswapは年々進化を重ねており、どんどん便利になっています。

Uniswapと比較すると、シェア率は低いものの、引き続き注目したいDEXの一つであると言えるでしょう。

この記事では、Sushiswapについて解説しましたが、Sushiswapの内容を知って

  • 「準備がめんどくさい・・・」
  • 「ガス代が高そう・・・」
  • 「色々と難しそう・・・」

と感じた方は少なくないはずです。

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