Movement Summit@KBW 2025 参加レポート ― 新体制下で見せた「開発者主導の熱量」―
Henry

ソウル・江南で開催された「Movement Summit @ KBW 2025」は、前CEOのRushi氏退任後、新CEO Torab氏 ( https://x.com/torabyou )の体制で開催されたサイドイベントとして注目を集めた。Luma上では1,000名を超える参加登録が確認され、会場は開場直後から熱気に包まれていた。
KBW has been a movie. pic.twitter.com/RRLqXhtEAv
— The Movement (@moveindustries) September 23, 2025
Crypto Times コンサルティング事業部としては、単なる来場ではなく、新体制の方向性・開発者層の反応・韓国拠点戦略の実効性を見極めることを目的に現地へ足を運んだ。
プログラムの主な構成は以下の通り:
- Opening Keynote:Movement の進化と “Mobile-First 未来”
- Move Tank:投資家パネル + ピッチアリーナ
- チェインリンク × Movement Fireside Chat
- 開発者向け統合・ツール解説(サイドセッション)
- 閉会セッション
新体制の始動と「Movement 2.0」

新CEO Torab氏によるプレゼンテーション
オープニングセッションでは、新CEO Torab氏によるプレゼンテーションが行われ、
- 「Movement 2.0」の発表
- 韓国をアジア展開の中核拠点とする “Movement Hub” の設立
- Aptosから新たに迎え入れたデベロッパーの紹介
といった様々なニュースが次々に打ち出された。
熱量の中心にあった「開発者コミュニティ」

ピッチに参加したプロジェクトメンバーの皆様
今回のサイドイベントを特徴づけたのは、来場者の層の厚さと熱量だ。
一般ユーザーだけでなく、Movement上でプロダクトを構築する各種プロジェクトのCEO・CTO・リードデベロッパーたちが多数来場していた。
参加プロジェクト一覧
- Meridian https://x.com/meridian_money
- Mosaic https://x.com/mosaicagg
- Stableyard https://x.com/stableyardfi
- Spyre https://x.com/spyreio
- Up Network https://x.com/upnetworkhq
- LayerBank https://x.com/LayerBankFi
- Neony https://x.com/NeonyExchange
サイドイベントではセッションの最中でも、来場者がネットワーキングに精を出しすぎるがゆえノイズが多くなることがありがちだが、当該イベントで開催されたプロジェクトのピッチセッションでは皆が真剣にプレゼンテーションを聞いていた。

SpyreのCEOによるプレゼンテーション
他のイベントにありがちな“案件獲得中心”のムードとは異なり、ここには“現場のエンジニアたちが技術を語り合う空気”があり、開発コミュニティとしての盛り上がりを肌で感じられた。
ネットワーキングと現場の空気
プレゼン・ピッチ後のネットワーキングでは、開発者同士の情報交換や新規コラボレーションの相談が各所で行われた。
開発者以外の来場者も楽しめるよう、会場ではMovementチームが準備したケータリングや各種ノベルティグッズも配布され、参加者の間で連絡先交換とともに話題をつなぐきっかけとなっていた。

Movementが大事にしているコミュニティと世界観が分かる遊び心あふれるデザインが会場全体に展開されていた

Swag ブース / Movement 上で開発されているプロジェクトのグッズなども配布されていた
特に今回配布された中でも非常に面白かったのがdope.cards。
Cardsをスマホにタップさせるとウォレットが自動的に生成され、遊び心からか69 $MOVEがエアドロップされた。
Movement Summitで来場者に配られたDope Card @dopedotcards .
遊び心か、カード経由で “https://t.co/V27b1zemM8”のアプリをインストールしたら、69 $MOVE がプレゼント。
今回のサイドイベントのピッチでは他にも新しいプロジェクトが出てきてて、引き続き要注目のMovementです。
👇Dope… https://t.co/srDwYHZpys pic.twitter.com/ZHVoEINGP6
— Henry (@HenryWells1837) September 23, 2025

オリジナルのキャップ

オリジナルのプロシャツ
Crypto Timesチームとしても、Moveエコシステムの複数プロジェクト関係者と接点を持ち、投資家としての立場だけでなく日本市場での情報発信・PR連携など、今後の具体的な協業の糸口を探ることができた。
総括 ―「継続」と「成熟」のフェーズへ
Rushi前CEOの退任という節目を経て、Movementは“リブート”でも“再構築”でもなく「継続と成熟」の段階へと移行しているように感じた。
2月のETH Denverで会ったときのRushi氏は、カリスマ性と推進力を前面に出す性質のリーダーだったが、今回のTorab氏はその真逆。落ち着いた物腰の中に、開発者とともに一歩ずつ前へ進めていくような誠実さと精度志向のマネジメントスタイルを印象づけた。
興味深いのは、リーダーが交代してもコミュニティの熱が冷めていないことだ。むしろ、Movement上でプロダクトを開発するエンジニアやプロジェクトのリーダーたちが、以前にも増して主体的に盛り上げようとしている。この“開発者コミュニティの芯の強さ”こそが、Movementが持つ最大の資産であり、ブランドとしての生命線だろう。
韓国をアジア拠点とする戦略もまた、その地盤の強化を象徴している。開発者人口の多さ、投資ネットワークの厚み、ローカルでの技術イベントの頻度を考慮すれば、韓国Hub設立は理にかなった布陣だ。
今回のSummitを通じて感じたのは、“変化”ではなく“成長”だ。
Movementは今、過去の推進力と新体制の安定感が交わる地点に立ち、次のステージに向けた穏やかな雰囲気の中での確信を手に入れつつある。開発者たちの笑顔と議論の熱量がその未来の方向をすでに示していた。