詐欺被害金の仮想通貨取引所への送金事例が多発|金融庁と警察庁が対策要請
Crypto Times 編集部
フィッシングによる不正送金や還付金詐欺、架空料金請求詐欺等における被害金が仮想通貨取引所に送金される事案が増加している件に関して、金融庁と警察庁が警告を発しています。
ビットコインなどの仮想通貨は国や機関に依存せずに自由に管理できる特徴を持っていることが、送金事案増加の背景にあることが予想されます。
両機関は国内仮想通貨取引所に対し、取引所の金融機関口座にお金が振り込まれる際、送金元(一般的な銀行等)の口座名義人と送金先(取引所)の口座名義人が異なる場合に振込や送金取引の拒否を行うよう要請しました。
また、両機関は仮想通貨取引所に対し、不正送金に対する監視の強化を要請。取引のモニタリングによってリスク低減の実効性が確保されるため、抽出基準の改善などを行うよう促しています。
国内仮想通貨取引所が対応を開始
今回の金融庁・警察庁の要請を受け国内仮想通貨取引所OKCoinJapan(オーケーコインジャパン)は本日4月16日、一部金融機関からの入金制限措置を採用する旨を発表しました。
【お知らせ】不正送金対策の強化に伴う、一部金融機関からの入金制限措置について
昨今、不正送金事犯や特殊詐欺事案における暗号資産交換業者の金融機関口座宛の送金被害が多発している状況から、
金融庁・警察庁より不正送金対策の強化に関する金融機関への要請が公表されております。…— OKCoinJapan(オーケーコイン・ジャパン) (@OKCoinJapan) April 16, 2024
同取引所は「振込名義が変更可能な金融機関より送金された場合、振込元の金融機関から情報連携が無い限り名義変更有無の判断は不可能」とコメント。当局が提案する不正送金への対策措置には協力的であり、OKCoinJapanは一時的に三菱UFJ銀行からの入金を4月23日16時より不可とする措置を採用するとしています。
措置開始後に三菱UFJ銀行から入金された場合、口座への即時反映は行わず、組み戻しによる返金処理や厳格な原始確認等が実施されるとしています。
また、OKCoinJapanは不正送金に係るモニタリングのさらなる強化も図るとし、当局の取り組みに対して具体的な対策と共に協力していく姿勢を示しています。
記事ソース:OKCoinJapan、金融庁、警察庁