「デジタルゴールド」は幻想？BTCと金が非相関

10月、ビットコイン（BTC）と金の価格はほとんど相関しない動きを見せており、BTCに対する「デジタルゴールド」という通説に疑問を投げかけています。

月の半ばまで金が約10%上昇した一方でビットコインは約6%下落。両資産の大きな価格変動は互いに逆行するものではなく、それぞれが独立した要因で動いていたことが示唆されます。

Bitcoin and gold – TradingView

一般的に金が売られてビットコインが買われた安全資産からリスク資産への資金移動と見なされがちですが、実際のデータは異なります。金の価格が5%以上急落したのは10月21日から22日にかけてでした。しかし、ビットコインはこの下落局面で同調して約1.5%下落しており、資金の逃避先にはなりませんでした。ビットコインが本格的に回復したのは金がまだ上昇していた前日の20日です。

BTC最高値でもアルトシーズンが来ない理由

両資産の相関が崩れた背景には異なる価格変動要因があります。金の価格は主に金利やマクロ経済の流動性に反応していました。対照的にビットコインの価格は市場内のレバレッジ、ETFへの資金流入、オンチェーンデータといった暗号資産市場に固有の要因に左右されていました。

ビットコインは金よりも先に価格調整を経験しました。10月半ばには高値から一時17%下落し、金が価格のピークを付けている間に支持線を固めていました。これはビットコインが独自の時間軸で動いていることを物語っています。

マクロ的な対称性を探す市場において、時には二つの資産が同じ時間軸を共有していないことが示唆されました。