SEC委員長「トークン化が米国の中心に」｜金融システム激変か

米証券取引委員会（SEC）のポール・アトキンス（Paul Atkins）委員長は、数年以内にトークン化が米国市場の中心的な機能になる可能性があるとの見解を示しました。

🚨SEC Chair Paul Atkins: 🇺🇸“All U.S. markets will be on chain within two years.” pic.twitter.com/y8118oDNcO

— Coin Bureau (@coinbureau) December 6, 2025

SECは現在、デジタル資産の管轄を明確にするための「トークン分類」の策定を進めています。これは市場活動を米国内の監視下に置くことを意図しており、FTXの破綻などを教訓に適切な規制下でのイノベーション促進を目指すものです。

一方で、シタデル・セキュリティーズ（Citadel Securities）やコインベースなどの主要プレイヤー間では分散型プロトコルを既存の仲介業者規制にどう当てはめるかを巡り議論が続いています。

技術的な課題も残されており、ナスダックが処理する秒間約2,920件の取引量に対しパブリックブロックチェーンの性能や信頼性はまだ発展途上です。市場構造への正式な統合にはカストディや清算機関を含めた大規模なインフラ刷新が必要となります。RWA.xyzのデータによるとオンチェーン上の現実資産（RWA）総額は約358億ドルまで成長しており、国債などの低ボラティリティ資産を中心に機関投資家の関心が高まっています。

シンガポールや香港がトークン化インフラの整備で先行する中、米国がこのギャップを埋められるかはSECによるルール整備のスピードと従来の金融システムとDeFiの対立解消にかかっています。

アトキンス氏が描く道筋通りに準拠したフレームワークが構築されれば、トークン化市場は今後数年で飛躍的な拡大を遂げる可能性があります。