米国株がブロックチェーン上の資産に?配当・議決権まで広がる可能性
Crypto Times 編集部
米国株をブロックチェーン上で売買する「株式トークン」が株価に連動するだけの商品から一歩先へ進もうとしています。米金融サービス大手Robinhoodは現物株への交換や株主としての議決権付与を計画しており、その周辺では株式トークンをDeFiや新たなトークン市場と組み合わせる実験もすでに始まっています。
RobinhoodでInternational & Crypto部門を率いるJohann Kerbrat氏は同社が展開する「Stock Tokens(株式トークン)」について現物株へ1対1で交換できる「現物償還」の仕組みを開発中で、適格なStock Token保有者への議決権付与もロードマップに含まれているとコメントしました。同社はすでに株主向けサービス「Say by Robinhood」を運営しており、株主が企業の投票に参加するための基盤を持っています。
With Stock Tokens TVL reaching over $170M and nearly $50B in DEX volume on the Robinhood Chain, we are getting more questions about what they are and how they work.
All Robinhood Stock Tokens are backed 1:1 with real shares in secure custody. And Stock Tokens receive the…— Johann Kerbrat (@JohannKerbrat) September 14, 2026
市場規模も急拡大しており、Kerbrat氏によればStock TokensのTVLは1.7億ドルを突破し、Robinhood Chain全体の累計DEX出来高は約500億ドルに達しました。9月23日時点ではチェーン全体のTVLが10億ドルを超え、24時間DEX出来高も15億ドルを記録したと報告されています。
同じ9月23日には、Robinhoodの公式Xアカウントが「Something is coming to Stock Tokens」と投稿し、新たなアップデートを予告しました。現時点で内容は明らかになっておらず、議決権や現物償還に関する発表かどうかは分かっていません。
株式を「持つ」だけではない市場が生まれる
背景にあるのはRobinhoodがStock Tokensを「コンポーザブル」な資産として設計している点です。保有・売買にとどまらず、スマートコントラクトやDeFiなど別のサービスに組み込めるため、同社が手掛けるRobinhood Chainではすでに少し変わった使い方が登場しています。
トークン発行プラットフォーム「LONG」では「Artificial Inu(AI)/NVIDIA」「BONER/Hims & Hers Health(HIMS)」のように、独自トークンと特定企業のStock Tokenを組み合わせた取引市場が作られています。特徴的なのは手数料の設計です。Community Modeでは買い取引で発生した手数料の一部がペアとなる株式トークンとしてコミュニティVaultへ蓄積されます。BONERの取引が増えるほどHIMSのStock TokenがVaultに積み上がり、コミュニティの取引が活発になるほど特定企業への株式エクスポージャーが蓄積される構造です。
将来的な議決権を見据えた動きもあります。LONG周辺ではVaultが保有する株式についてコミュニティが投票方針を決めることを想定したダッシュボードのプレビューが公開されました。議決権が実装され、Vault保有分にもその権利を反映できるようになれば、コミュニティが取引を通じて株式を集め、投票方針を共同で決める仕組みも考えられます。
同じRobinhood Chain上で急成長しているLaunchpad「PONS」の創業者Ozzy氏はGalaxyの番組内でStock Tokensの今後に言及し、特に配当に注目していると語りました。PONSではすでに取引収益をクリエイターやコミュニティへ還元する仕組みを採用しており、将来的に株式トークン由来の配当まで組み合わせられれば、新たな経済的インセンティブが生まれるとの考えです。
もっとも、こうした仕組みがそのまま実現するとは限りません。スマートコントラクトが保有する株式の議決権を誰が行使するのか、KYC済みの保有者とウォレットをどう紐づけるのか、流動性プールに入っている株式をどう扱うのかなど、制度面・技術面の課題は多く残っています。
それでも現在の動きは「米国株をブロックチェーン上で売買できる」段階から、その株式をDeFiやコミュニティ型の金融サービスへ組み込む段階へ進みつつあることを示しています。現物償還、配当、議決権、そしてオンチェーン金融との組み合わせをStock Tokensがどこまで実現していくのか。Robinhoodが予告した次のアップデートはその方向性を知るうえでも注目されそうです。
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記事ソース:Galaxy
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