米国発の金融危機に警鐘、金とビットコインへの投資を推奨|米資産運用大手

米国発の金融危機に警鐘、金とビットコインへの投資を推奨|米資産運用大手

米資産運用大手VanEckのジャン・ヴァンエックCEOは米国の政府支出拡大と債務問題が将来的な金融危機の引き金になる可能性を指摘し、金とビットコインを資産ポートフォリオに組み入れる重要性を訴えました。

同氏は2026年9月末時点で約2,441億ドルの資産を運用するVanEckの長期投資戦略について説明するなかでAIやインド経済の成長と並び、政府支出の膨張を今後10年間の重要な投資テーマとして挙げました。

特に警戒しているのが米国政府そのものが金融危機の震源地になる可能性です。ヴァンエック氏は米国の歴史における金融危機は銀行システムや農業などの産業部門で発生した問題が金融システム全体に波及する形で起きてきたと説明。一方、次の危機についてはワシントンD.C.を起点に発生する可能性があるとし、政府自身が問題の原因となれば、従来のような救済が困難になるとの認識を示しました。

ただし、危機がいつ顕在化するかについては「3カ月後かもしれないし、30年後かもしれない」と述べ、発生時期を予測することは難しいとしています。

こうした懸念の背景には米国の財政状況に加え、海外投資家による米国債保有の変化があります。

ヴァンエック氏は中国の米国債保有額がピーク時から約半分に減少したことに言及。実際に米財務省の統計では中国本土の米国債保有額は2013年11月の約1兆3,167億ドルをピークに減少し、2026年8月には約5,907億ドルとなっています。

同氏は中国の民間投資家による金購入にも触れ、海外の投資家が米国の財政リスクを意識して資産配分を見直しているとの見方を示しました。

2032年に社会保障財源が不足か、AIによる解決にも否定的

米国の財政問題についてヴァンエック氏が具体例として挙げたのが社会保障制度です。

米社会保障庁が2026年6月に公表した報告書では老齢・遺族年金を支える信託基金の積立金が2032年第4四半期に枯渇すると予測されています。制度改正がなければ、その時点の収入で支払える給付は予定額の78%にとどまる見通しです。

ヴァンエック氏は給付水準を維持するために政府が追加財源を確保しようとしても、インフレなど別の経済的リスクを引き起こす可能性があると指摘しました。

また、AIの普及による生産性向上や物価押し下げ効果が政府の財政問題を解決するとの見方にも否定的です。

パソコンやインターネットの普及も経済活動の効率化につながったものの、技術革新だけでインフレが解消されるわけではないと説明。年金給付や医療費などの支出はAIが普及しても大幅に減るとは考えにくいとしています。

こうした長期的なリスクへの備えとして、同氏は金とビットコインの保有を推奨しています。

VanEckは1968年に米国初の金鉱株に特化した投資信託を立ち上げた歴史を持ち、現在はビットコインの現物ETFも提供しています。

ヴァンエック氏は金とビットコインへの投資がいつ成果を上げるかはわからないとしながらも、長期的には強気の見方を維持しており、10年後には現在より大幅に高い水準になると予想しています。

米国の財政問題が金融市場に及ぼす影響は依然として不透明ですが、同氏の発言は政府債務や通貨価値の変動に備える資産として、金とビットコインを重視する投資戦略を示したものといえます。

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記事ソース:Youtube

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