開発チームがなくなっても半永久的に動き続ける、完全に分散化された『真のDEX』へ | Sifchain sif_moon氏へのインタビュー
Yuya
Sifchain Financeは「インターオペラビリティ」「高機能なAMMシステム」「DEXとしてのユーザビリティ」の3点を追求したオムニチェーンDEXを開発しているプロジェクトです。
Cosmosベースの同プロジェクトは、大手仮想通貨取引所・FTXの母体であるAlameda Researchなど数多くの有名な団体をパートナーにつけています。
Sifchainの概要や詳しい技術、ネイティブトークンなどについてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ一度目を通してみてください。
インターオペラブルで高機能なDEXを実現する「SifChain Finance」を徹底解説! – CRYPTO TIMES
今回、CRYPTO TIMESはSifchain Financeでビジネス開発・運営を務めるsif_moon氏を取材し、プロジェクトの背景や開発の様子、他プロジェクトとの比較や今後のプランなど気になることをたくさん質問してみました。
目次
SifChain Financeの概要と特徴
−SifChainの概要−
プロジェクト名 | SifChain Finance |
ネイティブトークン (ティッカー) | Rowan ($EROWAN) |
創設者 | Jazear Brooks |
特徴 | オムニチェーンDEX |
パートナー/インベスター | Alameda Research, NGC ventures, bitscale capital, Mechanism capital, AU21など |
公式リンク | Webサイト |
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Sifchain Financeのsif_moon氏にインタビュー
Sifchainはどんなプロジェクトか
─この度は取材に応じていただきありがとうございます。最初にsif_moonさんの自己紹介をお願いします。
sif_moon氏: こんにちは、sif_moonです。 Sifchain Financeでの最初の一年目はプロダクトマネージャーを担当し、DEXをローンチまで持っていく仕事をしていました。
その後はIBC(ブロックチェーン間のやり取りを可能にするプロトコル)を実装して生まれ変わったDEXのバージョン2のローンチを担当しました。
最近では、ビジネス開発・運営のリードに就任し、これまでのプロダクトマネジメントでの経験をビジネス側で活かすことになりました。
Sifchainに来る前は宇宙関連の企業やレイヤー1系のブロックチェーンプロジェクトでプロダクトマネージャーを務めていました。
─以前、CRYPTO TIMESでもSifchainに関しては取り上げましたが、改めてSifchainとはどういうプロジェクトなのか教えて下さい
sif_moon氏: Sifchainはオムニチェーン分散型取引所(DEX)です。分散型取引所/DEXは、「取引所の所有者が存在しない」ということを意味します。DEXはコミュニティとエコシステムによってコントロールされています。
私たちが開発しているのは、いつか私たち開発チームがなくなってしまっても半永久的に動き続ける、完全に分散化された「真のDEX」です。
次にオムニチェーンDEXについてですが、これはSifchainを空港と考えると理解しやすくなると思います。
今のSifchainという空港からは、Cosmosエコシステム(IBC経由)やイーサリアム(Peggyと呼ばれるソリューションを経由)に飛ぶことができます。
私たちはこのようにSifchainから飛んでいけるブロックチェーンをどんどん増やしていき、飛んで行った先からもさらに好きなところに飛んでいけるシステムを構築しています。
そして、Sifchainに戻ってきたときに必要なアセットを素早く、安くスワップすることができます。
こんな感じで、Sifchainは今までにないマルチチェーンハブとして機能し、どこのどんなアセットでも手軽にスワップできる場所になろうとしています。簡単に言えば「未来のDEX」ですね。
─Sifchainが解決する問題はどんなものでしょうか?
sif_moon氏: SifchainはEVM互換性のあるブロックチェーンのクロスチェーントランザクションを可能にし、どんなアセットもスワップできる究極のDEXになろうとしています。
Sifchainは手数料も安く、処理もとても速いです。Cosmos SDKで構築されているので、イーサリアムより100倍近い効率を発揮します。
私たちはユーザーにとって安くて速いトランザクションはとても重要なものであると考えています。
クロスチェーンの仕組みやRowanトークンについて
─SifchainがイーサリアムやCosmosベースのアセットとスワップできるのはどのような仕組みの上で成り立っているのでしょうか?
sif_moon氏: まず、ユーザーはイーサリアムからSifchain DEXにワンクリックでトークンをインポートすることができます。
このインポートというのは簡単に言うと「トークンとスマートコントラクトをペグする」ことに相当します。ペグされたアセットはこれで初めてSifchain DEX上で利用可能とみなされ、DEX上のすべてのアセットとスワップできるようになります。
CosmosベースのアセットはIBCを経由することで、Cosmos SDKを利用したチェーン間であれば容易に移動することが可能になります。
─Sifchainが提供する流動性プールはすべてRowanとのペアになっていますが、このトークンの上下でインパーマネント・ロス(IL)が発生するなどのデメリットはありませんか?
sif_moon氏: 私たちが流動性プールをすべてRowanとのペアにした一番の理由は、このトークンにユーティリティを与えるためです。
ユーザーはどのプールに流動性を提供するにも必ずRowanを保有していなければいけません。なぜかというと、Rowanはスワップ等すべての取引の決済通貨だからです。
こういったユーティリティさらにステーキングやデリゲーティングなどの機能も加えることで、Rowanはしっかりとしたユースケースを持ち価値を創り出すと考えています。
類似プロジェクトとの比較・2022年の展望
─Cosmosのエコシステムは最近急速に成長していて、OsmosisやGraviti DEXといった名前も目立ってきました。このようなプロジェクトと比較して、Sifchainの強みはどこにありますか?
sif_moon氏: 第一に、イーサリアムとのインポート・エクスポート構造が完璧に出来上がっているのはSifchainだけです。さらに私たちはこれだけにとどまらず、もっと多くのEVM互換チェーンとのコネクションも確立していきます。
加えて、マージン取引にここまでフォーカスしているプロジェクトもSifchainだけです。デリバティブの取引高が現物のそれよりも大きいのはどの金融商品でも一緒です。こういったマーケットは膨大なキャピタルを秘めていると思います。
─2021年はブロックチェーン業界にとって大きな飛躍を遂げた一年だったと思います。Sifchainの2022年のマイルストーンはどのようなものになると考えていますか?
sif_moon氏: 私たちの2022年の大きな野望は現実的に達成可能なものです。
まずはたくさんのEVM互換チェーンに対応したオムニチェーンDEXになり、いかなるアセットのスワップも可能にすること。さらにマージン取引をローンチして膨大なスワップ高、取引高、流動性を確保すること。
そして最後にSif DAOのセットアップを完成させて、Sifchainを真の分散型プロジェクトにすること。2022年にはこの3点を達成したいと思っています。
おわりに: 日本コミュニティへメッセージ
─Sifchainは日本にも大きなコミュニティがあります。このコミュニティに向けてなにかメッセージをお願いします。
sif_moon氏: 私たちは日本のコミュニティのみなさんからのサポートに大変感謝していて、これからもニーズに応えることで恩返しをしていきたいと思っています。
日本のみなさんのために私たちが何か改善できることがあったら、ソーシャルメディア等を通して気軽にご連絡ください!