「任天堂の世界を」DeFi&分散型ゲームエコシステムTreasureDAOとは

2023/01/25・

あどまん

「任天堂の世界を」DeFi&分散型ゲームエコシステムTreasureDAOとは

先日弊社のコミュニティboarding bridgeでAMAが行われたTreasureDAOのエコシステムについて解説していきます。

昨年末、Beacon(@The_Beacon_GG)というゲームが日本や中国を中心に突如話題になり、多くのコミュニティやメディアで取り上げられました。

BeaconはTreasureDAOによってインキュベートされており、Treasureエコシステムの1日のアクティビティは1500程度から6000程度に増え、TreasureDAOのトークンMAGICも期待の高まりと共に底値から約400%上昇しています。

この記事では、TreasureDAOの起源、トークンモデル、プロジェクトについて説明します。

TreasureDAOは”分散型任天堂”を目指すプロジェクト

TreasureDAOはArbitrum上で開発されているゲームやメタバースに特化した分散型エコシステムで、「The decentralized ‘Nintendo’」をテーマに掲げたプロジェクトとなっております。

なぜ、分散型任天堂と呼ばれているかというと、TreasureDAOはいわゆるNintendo Switch的な存在で、そのTreasureエコシステム上で様々なゲームが展開されているからです。

Treasureエコシステムにはユーティリティトークン「MAGIC」が流通しており、Treasure傘下にあるゲームプロジェクト全体の基軸通貨として機能しています。

冒頭でも挙げたBeaconを始め、Smol Brainsやbridge worldなど様々なゲームをプレイすることでMAGICを獲得することができます。

元々はLootから派生したプロジェクト

2021年8月、黒の背景に白地で8個の単語が並んだNFTテキストファイルが暗号資産界隈で話題になったのを覚えていますでしょうか?TreasureはこのLootから派生したスピンオフプロジェクトです。

Treasureは2021年9月にコミュニティ主導でローンチされ、TreasureエコシステムのNFTやMAGICなど全てのアイテムが無償で配布されたところから始まりました。当初はイーサリアム上で開発されていましたが、Gas代の高騰などの懸念から、ユーザーの参入障壁を下げるためにイーサリアム レイヤー2のArbitrumに移行されました。

2021年12月23日に、Treasure DAOは1kxとの戦略的パートナーシップを結び、1kxが主導のもと、Merit Circle、chain tour guild, AcadArena, Ready Player DAO、Axieが参加して300万ドル資金調達を行いました。Axie Infinityの共同創業者であるJiho氏も出資に参加しています。

Treasureエコシステムのプロジェクト

Treasureにはすでに多くのゲームプロジェクトが展開されています。

今回その中から特に注目を集めているプロジェクトを紹介します。

Smolverse

SmolverseはTreasureエコシステムにおける最初のNFTプロジェクトとして構築された、言わばTreasureDAOの「顔」となるプロジェクトです。Smolverseの中心となる猿のデザインをしたSmolBrainsは分散型任天堂における「マリオ」的ポジションにあたります。

このSmolverseは、NFTを段階的に進化させる方法を導入しており、Smol Brainsを学校に通わせたり(ステーキング)することで、IQを向上させて脳を肥大化させていきます。

まだSmolBrainsを活用してMAGICを獲得することはできませんが、将来的にはレーシングゲームで獲得したココナッツをMAGICに交換できる予定だと先日のAMAにて言及されていました。

そのレースはSmol Carsの能力であったりSmolBrainsのIQの高さ等が影響するかもしれないため、ステーキングで脳を肥大化させておくことで今後有利に働く可能性が考えられます。

また、SmolverseにはSmolBrains以外のシリーズも展開しています。

キャラクター一覧
・Smol brains:脳が肥大化していく猿。
・Smol brains Land:猿たちが暮らす土地。
・Smol Cars:MAGICを賭けたレースゲームに使用。
・Smol Brains Pets:SmolBrainsの赤ちゃん。
・SmolBodies:脳猿にかなり似ているが、ステーキングによって脳ではなく腕が肥大化する。

Smol BrainsはTreasureDAO独自マーケットプレイスTroveで売買することができ、現在880MAGIC(約1,100ドル)で売買されています。

The Beacon

The Beaconは、武器を選んでダンジョンを探索し、探索中に武器をアップグレードしながら戦っていく「Roughlite」的なアクションRPGです。ダンジョンはプログラムによって自動的に生成され、毎回異なるダンジョンを楽しむことができます。

現在遊ぶことのできるコンテンツは、「ホームステッドモード」「シングルプレイヤーPVEモード」「酒場クイズ」です。

ホームモード

初期の部屋に様々な家具を飾ることができる「ハウスエディター」です。

 

シングルプレイヤーPVEモード

ダンジョンに入り、決められた時間内にクエストをクリアすることで報酬を得ることができます。ダンジョンは毎日異なり、通過するまで何度でも挑戦できますが、通過できるのは一度だけとなっています(報酬は一日に一度しか回収できません)。

 

ダンジョン内で死亡すると再スタートとなります。ダンジョン内には異なる難易度の3つの出口があり、選んだ出口の難易度が高いほどレアな報酬を受け取れる可能性が高くなります。

酒場クイズ

酒場の一番奥にいる酔っ払いのオヤジが出す質問に答えて報酬を得るゲームです。

酒場にいるNPCは毎日違う会話をするので、彼らに話しかけて答えのヒントを得る必要があります。また、問題は毎日12時(BST)に更新され、正解したプレイヤーには「Gen 0 Pet Egg」のホワイトリストを獲得できます。

上位入賞を狙わない場合や、解答がうまくいかない場合は、こちらで答えが更新されるのを待ちましょう。

回答チャンスは1日5回までなので、不正解でチャンスを使い果たすと、その日の報酬を受け取れなくなります。

Beaconはトークンの詳細など非公開情報が多く、現在はエアドロップを期待して参入しているプレイヤーが多くいます。また、ロードマップによると、「一人用PVEモード」の次は「多人数協力型PVEモード」を導入するとのことなので、今後のアップデートにも注目しておきましょう。

公式サイト:https://www.thebeacon.gg/

Twitter:https://twitter.com/The_Beacon_GG

Discord:https://discord.com/invite/thebeacon

Kuroro

Polygon上で開発されていたWeb3版ポケモンこと「Kuroro」がTreasureエコシステムへ移行することが決定しました。

Kuroroは2021年11月末からNFTを販売し、「金のフェリーチケNFT」「銀のフェリーチケNFT」で300万ドル以上の資金を集めています。

チームメンバーは現在27名で構成されており、共同創業者はose氏とOtium氏の二人です。二人ともシリコンバレーの企業で技術部長クラスのポジションを経験した実績を持っており、ose氏は8歳から14歳の子供向けオンライン教材を提供するSynthesis社のCEOを務めています。

Kuroroのゲームコンテンツは「Beast Brawl」と「Wilds: Call of the Islands」の2つが用意されています。

Kuroro Beast Brawl

Kuroro Beast Brawlはポケモンに似たターン制バトルゲームです。

様々なビーストを集め、自分だけのバトルラインナップを設計して他のプレイヤーと戦い、ランキングを上げ、シーズンバトルで勝利することで報酬を手に入れることができます。

ビーストブロウを戦略性の高いゲームにするために、世界チャンピオンを含む3人のポケモンVGCプロプレイヤーがゲームの仕組みの設計に携わったようです。

現在、ビーストブロウはベータ段階で、事前登録を受付中です。

Wilds: Call of the Islands

Wilds: Call of the IslandsはMMORPGで、仲間と一緒にクロロ諸島の群島、古代人、そして彼らの失踪の秘密を解き明かしながら、ビーストのチームを集め、ストーリーを進めていくことができます。

こちらのゲームモードに関する詳細はほとんど出ておらず、アルファベータ版の事前登録は2023年第1四半期に開始する予定です。

また、KuroroにはBeasts OriginsとBeasts Scionsと呼ばれるNFTがあります。

Kuroro Beasts Origins

金のフェリーチケット/銀のフェリーチケットを交換することで、合計6600体のオリジンビーストを生み出すことができます。現時点で4,565体のOrigin Beastが生成され、OpenSeaでのフロアプライスは0.044ETHとなっています。

オリジンビーストのNFTを保有するメリットは以下が挙げられます。

  • Discordのプライベートチャンネルへの参加権
  • ゲームやスニークピークへの早期アクセス
  • ビーストブロウでチームに使用することが可能
  • $KUROのエアドロップ
  • クロロ・ビーストゲーム内の特別な仕組みや特典を利用できる。

ゲームが始まると各オリジンビーストに振られたステータスが重要になってきますが、今回は割愛します。

Kuroro Beasts – Scions

スターター・ビースト は現在971体しかいません。オリジン・ビーストと比較して、スターター・ビーストは「繁殖」できず希少性が高いNFTです。現在、Starter BeastはOpenSeaで0.068ETHのフロアプライスで売買されています。

スターターは、特定の特徴を持つ、限られた期間しか入手できない特別仕様のビーストNFTです。

Kuroroのトークンについて

Kuroroは、$KUROと$DIVのデュアルトークンモデルを採用しています。

$KUROはKuroroエコシステム全体のガバナンストークンで、$DIVはゲーム内Tokenとして機能する予定です。

オリジンビースト、スタータービースト、ゴールデントレーナーバッジの保有者は、$KUROのエアドロップを受け取ることができ、NFTを保有すればするほど、より多くのトークンを受け取ることができます。

Web3版ポケモンと呼ばれるゲームモデルは非常に注目を集め、今後のアップデートも追っていきたいと思います。

Trove

TreasureDAOは独自のマーケットプレイス「Trove」も展開しています。

TroveはTreasureDAO関連のNFTを売買することができ、TreasureエコシステムのNFTを購入する際はこのTroveを使います。

昨年12月には月間アクティブユーザー数が過去最高を記録し、ArbitrumでのNFTマーケットプレイスNo.1の地位を確固たるものにしました。

公式サイト:https://trove.treasure.lol/

MagicSwap

MagicswapはTreasureエコシステムのためのDEXで、現在はMagic/GflyとMagic/ELMの2つの取引ペアのみ対応しています。Magic/ELMの流動性は58万3000ドル、過去24時間の取引額は4万2,000ドル、Magic/Gflyの流動性は58万3000ドル、過去24時間の取引額は4万6000ドルとなっています。

ユーティリティトークン「MAGIC」について

MAGICの総供給数は3億5,000万枚です。

この内33%はTreasure farm、25%がMining、17%はステーキングと流動性プロバイダーのインセンティブ、15%はエコファンド、10%はチームビルディングに使用されます。

MAGICの半減期はビットコインが4年毎に行われるのに対してMAGICは毎年発生します。

また、2023/1/26(木)10:30に約6,300万枚のMAGICがアンロックされます。

TIP-23でゲーム優先の持続可能な成長モデルへの転換を図るために、「Atlas Mine」と呼ばれるステーキングで報酬を得るシステムを完全に停止する提案が98.25%で可決されたためです。

MAGICの循環枚数2億600万枚の約30%にあたる6,300万枚がロック解除されることで、大きなボラティリティが発生する可能性があるため、ポジションを持っている方は注意しておきましょう。

現在、MAGICはBinanceやCoinbase、OKXなど多くの取引所で取り扱われており、1/25からBinanceでデリバティブ取引が開始予定です。

TreasureDAOチームメンバー

Treasureのチームメンバーの大半はコミュニティから直接参加しており、開発者、プロダクトマネージャー、アーティスト、ブランド構築者、マーケティング担当者、経済学者、そしてゲーマーからなるグローバルな分散型チームで構成されています。

現在29名のメンバーがTreasureの構築に携わっており、John Patten氏は共同創業者兼CEOで、以前はOsmosisの成長責任者であり、Gaarp氏は共同創業者で成長責任者です。

日本からはjcheese(@jc_1917)氏がDevelopment (Front-End)として参画しており、フレンドリーにユーザーとコミュニケーションを交わしてくれることで有名で、先日のAMAにも参加してくださりました。

まとめ

TreasureDAOは分散型ゲームパブリッシングプラットフォームとなることで、アイデアを持つビルダーがゲームを構築、公開、マネタイズするためのツールやリソースを提供する重要な役割を担っています。

また、エコシステム内で構築された全てのゲームをMAGIC中心に据えることで、ブロックチェーンゲームの抱えるトケノミクスの課題も解決できる可能性を秘めています。

TreasureDAOの計画によると、Treasureは現在Arbitrum上で構築されていますが、将来的にはCosmos SDKを使って独自のアプリケーション専用チェーンを構築することも検討しているようです。

TreasureDAOは「レイヤー2」「ブロックチェーンゲーム」という2023年以降の注目テーマを掛け合わせており、多くのゲームプロジェクトもローンチを控えているため今後に注目です。

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