0xが発表した $ZRX トークンエコノミクス改善案『ZEIP-31』とは?
2019/04/17

0xが発表した $ZRX トークンエコノミクス改善案『ZEIP-31』とは?

Shota【CRYPTO TIMES 公式ライター】

ShotaCRYPTO TIMES 公式ライター

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ZEIP-31とは、分散型取引所のプロトコルである0xが発表したZRXのトークンエコノミクスに関する新たな改善案の一つです。

0xの長期的な発展に大きく寄与する可能性のあるこの提案は、コミュニティでも大きな注目を集めています。

本記事では、新たに発表されたZEIP-31にどのような特徴があるのか、具体的に何が改善されるのかという点に関して要約していきます。

ZEIP-31の概要

今回、0xによって発表されたZEIP-31とは、主にマーケットメイカーにliquidity(流動性)提供のインセンティブを付与するために考案された、ステークをベースとした新たなトークンエコノミクスの改善案になります。

以下、具体的な変更点の要約になります;

  • マーケットメイカーは0xのトークンZRXをステークすることで、liquidity提供に対する報酬を獲得することができる
    彼らはステークのプールを作成することができ、ユーザーも同様にステーキングを行い報酬の一部を獲得することができる
    ZRXをステーキングしている状態であっても、Votingなどのコミュニティのガバナンスは参加が可能
  • マーケットメイカー・テイカーはそれぞれ設定された手数料(ZRXではなくETH)をコントラクトアドレスに対して支払う必要性が生じる
    手数料はEthereumのネットワークに対して支払うものと同額なので、ユーザーに手数料の決定権がある
  • 手数料として支払われたETHはコントラクトアドレスにpoolされる
    この一部はZRXをステークするマーケットメイカーに対して報酬として支払いが行われ、その他はエコシステムに貢献するプロジェクト等に対してGrantとして適宜支払われる

この提案では、これまで0xの投票プロセスやガバナンスがより強力に、コミュニティ主導となるようにデザインが施されています

0xのエコシステムにおける参加者

0xのエコシステムには、以下の図に示されるよう①~③の参加者が存在します。

ここでは、改善案が実装される前のモデルとして解説をしていきます。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=s2wlzlQxd5E より抜粋

①のリレーヤー(Relayer)は主にオフチェーンでのオーダーブックの管理を行います。彼らは手数料を徴収する権利を持ちますが、取引を執行することはできません。

②のマーケットメイカーは売り買いの板を出すことで、マーケットに流動性を提供する役割を果たします。このプレイヤーは裁定取引(アービトラージ)により利益を得ることができます。

③の個人投資家(テイカー)は手数料(Ethereumのネットワーク手数料)を支払うことで流動性にアクセスし即座に取引を行うことができます。

今回の改善案の提案に関して

ZEIP-31の改善案においては、②のマーケットメイカーに対して、裁定取引という形ではなく0xのトークンであるZRXをステークさせ、それに対して報酬を付与するトークンエコノミクスを導入ことで、マーケットメイカーに対して流動性提供に対するより大きなインセンティブを提供していくことを目的としています。

また、マーケットメイカーはステーキングのプールを形成することが可能となり、これにより個人投資家もステーキングによる報酬を獲得することが可能となります。

提案の背景とされる以下のイメージは、現状の0x市場参加者の比率を表しています。

0x Mediumのアナウンスより抜粋

二つの項目;

  • traded on 0x (0x上で取引を行った)
  • hold ZRX tokens (ZRXトークンを保有している)

をもとにアドレスが3つのグループに分類されていますが、長期的な0xのエコシステムの発展を考える場合、イメージ中央の2項目に当てはまる人々が不可欠となります。

ZEIP-31実装において起こりうる事象の考察

具体的にこのZEIP-31を実装していくことでエコシステムにどのような変化がもたらされるのか、という点に関して考えていきたいと思います。

エコシステムにおけるユーザー層の変化

ZRXのステーキングに対する報酬が導入されることで、より多くの人々がZRX保有のメリットを享受することが可能となります。

また、流動性が高ければそれだけ0xのミッションである、価値が自由に行き来するエコシステムの実現により近づくものとなるでしょう。

取引に別のモデルで手数料を徴収するという部分に関して

これは、余分に手数料が徴収されてしまうことを考えると、ユーザー的にはマイナスであるように思われます。

しかし、裁定取引による利益獲得の機会を狙うBOTなどの存在からも手数料を徴収することが可能となるため、これは0xのエコシステムの発展に貢献することになります。

これにより取引BOTが消えるということであれば、ユーザーはより自由に取引を行うことができるようになるため、どちらにせよポジティブなものになると考えることができます。

ZRXのトークン価値について

Relayer(リレーヤー)は0xの仕組み上、マーケットメイカー・テイカーから自由に手数料を徴収することができます。

この部分を考慮すると、パブリックで流動性の高い取引を実現するというユーティリティに対して先ほどの中央の層が増えることで、ZRXの保有と0x上での取引という部分が一致していくことになります。

改善案の導入で、リレーヤー・マーケットメイカー・テイカーのインセンティブが上手くAlignedされた形になり、これまでよりエコシステムの拡大にZRXのトークン価値が敏感に反応するのではないかと考えています。

ZEIP-31 概要・キーポイントまとめ

今回発表されたZEIP-31の要点は以下になります。

  • テイカーが0xを利用した取引において少額の手数料を支払う
  • マーケットメイカー(MM)は流動性の提供に対する報酬を以下の二通りの方法で受け取る
    – テイカーが支払う手数料の一部
    – ZRXトークンのステーキング
  • ZRXを十分に保有していないMMはZRXのステーキングプールを形成することができる

また以下は今後の予定になります。

  • コミュニティによるディスカッション、詳細の確定、監査等
  • 2019年Q3を目途に実装を目指していく

0xが今後どうなっていくか要注目です。

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