そのプロジェクト、本当にブロックチェーンが必要ですか?ICOでお金を集めたいだけじゃないですか?
   公開日 : 2018/05/14

そのプロジェクト、本当にブロックチェーンが必要ですか?ICOでお金を集めたいだけじゃないですか?

YuyaCRYPTO TIMES公式ライター

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Crypto Times公式ライターのYuya (@yuyayuyayayu)です。

とても初歩的な質問ですが、ブロックチェーンは、なぜここまで人気なのでしょうか?

「ブロックチェーンが革新的な技術だから」というのはもちろんですが、それと同様に「資金が集まりやすいから」というのがとても大きいのではないでしょうか。

言い換えれば、ブロックチェーン系のビジネスは資金的に参入しやすい、ということです。

このため、ブロックチェーンを応用したプロジェクトのためにICOを行うのか、それともICOがしたいから既存のビジネスモデルにブロックチェーンを組み込むのか、の見分けがつきにくくなっています。

今回の記事では両者がどのように違うのか、また、ブロックチェーンが真に活躍できる分野はどこなのかを解説していきたいと思います。

なぜ今企業がブロックチェーンを取り入れたがるのか?

最近のトレンドとして、既存のビジネスモデルにブロックチェーンを付け加えるプロジェクトがたくさんあります。中には、ブロックチェーンやトークンの必要性を疑うようなものが数多くあります

このようなプロジェクト全てがブロックチェーンを無理やり組み込んでいる、とは一概には言えませんが、大企業やスタートアップがブロックチェーンを取り入れたがっているのは確かです。

その結果、「ブロックチェーンのためのICO」なのか「ICOのためのブロックチェーン」なのか、プロジェクトチームの意図が曖昧に見えてきてしまいます

これにはどういったわけがあるのでしょうか?

企業はどうしてもICOを実施したい

上記のようなブロックチェーンを組み込んだビジネスモデルが全て「お金目当て」などと言っている訳ではありません。

ブロックチェーン自体まだ発展段階の技術ですし、数多くのスタートアップは真っ当なビジョンを持って同技術の応用を試みているはずです。

しかし、ベンチャーキャピタルなどと比べ規制が緩く、より広い投資家層を得られるため、ICOを行うことのできるプロジェクトはビジネス参入への壁がかなり低くなります

ですから、多くの企業は「ICOで資金が集まるならブロックチェーンを使って何かやってみよう」という考えに至るものと思われます。

これはもちろん技術や市場の発展に貢献しますが、一方で投資家は、ブロックチェーンが適切な場面で使われているか、を見分けなければなりません。

話題の技術は言葉だけでお金になる

昨年末、Long Island Iced Teaという飲料品会社が社名をLong Blockchainに変更したことにより株価が290%上昇する、という事例が起こりました。

ブロックチェーンなどの話題な技術は、プロダクトに関係なくともその名前を載せるだけで大きなスペキュレーションや広告効果を生み出します

また、ブロックチェーンに加えて、「AI」「ビッグデータ」「マシーンラーニング(機械学習)」などといった単語をプロダクト前面に押し出すプロジェクトや企業もたくさんあります。

それっぽい画像と言葉だけで、なんとなくすごく見えてしまうのだ。

このような最先端技術は当然、あまり世間で深く理解されているものではありません。よって、そういった技術が使われているというだけで注目が集まります

しかし、このような技術が使われていることは良いですが、それが適切な分野に応用されているかを見落としてはなりません。

ブロックチェーンが本当に活躍できる分野はどこか

前項にも記述した通り、ブロックチェーンはどんな分野にも応用できる技術ではありません。

「ブロックチェーンの良さ」が活躍できる分野に応用されなければ、短期的にはICO等での収益が見込めても、長期的にはプロダクトとしての良さが残りません

ここでいうブロックチェーンの良さとはいったい何なのでしょうか。

BitfallsのBruno Skvorc氏は、プロジェクトが解決する問題が以下のどれかに当てはまる場合は、ブロックチェーンの利用が適切であるといいます。

  • 透明性の確立: 第三者、および個々人にデータの信頼性を監視させる必要がある場合。例: 不動産の所有権の管理など
  • 不変性の維持: データを半永久的に保存し、かつ物理的/ネットワーク上の攻撃から容易に復帰できるようにしたい場合。例: 犯罪歴や学歴の記録など
  • グローバリゼーション: 銀行等を介さずに世界中からの決済を受け付けたい場合。例: 優先電話等を経ずにデータサービス付きの携帯電話を導入した発展途上国など
  • 信用の確保: 第三者を介せずに、一定の条件を満たすと資産が取引されるシステムが必要な場合例: スマートコントラクト
  • 金融的自由: 政府にコントロールされない金融システムが必要な場合

どれもブロックチェーンやスマートコントラクトの基本的な利点を挙げているだけに過ぎませんが、実際のビジネスモデルと比較するとこのような点はとても見落としがちです。

まとめ

ICOがビジネス参入を容易にする画期的な資金収集法であることはとても良いことだと思います。

ベンチャーキャピタルなどと同様、このような資金収集法が現れると、数々のスタートアップが現れ新たなビジネスモデルの開拓を始めます。

もちろん、短期的な成功を収めるプロジェクトもあると思います。

しかし、投資家などICOを精査する側としては、こういったビジネスモデルが長期的に生き残るのかを見極めなければなりません

ここで大切になってくるのは、やはりブロックチェーンが適切に応用されているかということでしょう。

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