2/5-2/11 資金調達を実施したプロジェクト 12選

2023/02/12・

あどまん

2/5-2/11 資金調達を実施したプロジェクト 12選

今週は資金調達を実施した中から12プロジェクトをピックアップしてご紹介していきたいと思います。

GammaSwapやSpaceID、Mino Games等すでに注目を浴びているプロジェクトが資金調達を発表しました。

また、VRRBやDymensionといった新規レイヤー1プロジェクトも開発が進められており、より一層レイヤー1の群雄割拠の時代が続きそうな印象も受けました。

それでは、紹介していきます。

目次

GammaSwap:$1.7m

Image

POINTSeed Roundで170万ドルの資金調達を実施。 Skycatcherがリードし、Dialectic, Spacewhale Capital, Modular Capital等が参加。

ボラティリティー(ガンマ)の取引を行うことができるDEX

GammaSwapは、ボラティリティ(ガンマ)をロングまたはショートできる分散型ボラティリティDEXです。

GammaSwapを通じて、ユーザーはUniswap/Sushiswap/Pancakeswapなどの流動性プロバイダー(LP)のポジションをヘッジし、ILから生じる損失を補償するための追加手数料を得ることができます。

現在、ユーザーがDEXに流動性を提供する場合、同時にショート・ガンマ・ポジション=市場のボラティリティをショートするポジションを持つことになります。つまり、流動性提供したトークンの価格が上昇したり下落した場合、Impermanent Loss(IL)を被ります。これはAMMへ流動性を提供する際のハードルになっており、変動損失を超える取引手数料と報酬としてのリワードトークン付与などのインセンティブを提供しなければ、流動性を集めることができません。

GammaSwapはこれらの課題を解決するために誕生したプロトコルであり、UniswapのようなDEXの上に新しい流動性レイヤーを構築し、ユーザーに市場のボラティリティに応じてロングまたはショートのオプションを提供します。つまり、ロングする人は市場価格が急激に変化したときに利益を得ることができ、ショートする人は市場価格が比較的低迷しているときに利益を得ることができます。

GammaSwapの仕組みは、流動性提供者がAMM DEXに流動性を提供することは従来通り行います。LPはトークンをGammaSwapに送り、GammaSwapはLPトークンと引き換えにCFMM (Uniswap、Pancakeswapなど) に預けます。

そこで作ったLPはトークンをGammaSwapに送り、GammaSwapLPトークンと引き換えにUniswapのようなDEXにトークンを預け入れます。LPトークンはGammaSwapに残り、GammaSwapは独自のGammaSwap流動性プールトークンを発行します。

これは、DEXの流動性プールにおける流動性プロバイダーの持分を表す流動性プールトークンと同じです。

流動性提供者は預けた流動性を回収しようとするとき、GammaSwapの流動性プールトークンをリザーブトークンと交換します。これを行うために、GammaSwapはDEXの流動性プールトークンでの表現を測定し、トークンをバーンし、DEXの流動性プールトークンを使って流動性プロバイダーが預けたトークンを取り出します。

GammaSwapでラップされたAMMプールから発生する手数料は、GammaSwap流動性供給者に、LPトークンを借りてボラティリティをロングする人が支払う追加資金率と共に発生します。GammaSwapで流動性を提供するインセンティブは、ボラティリティをロングする人々によって資金調達されたLPポジションから上昇した利回りを得ることができることです。

下図は、3つのリターンを示しています。

  1. 従来の流動性供給
  2. 従来の流動性供給・取引手数料
  3. 従来の流動性提供、取引手数料、GammaSwap利回り

CFMM に流動性を提供することでショート ガンマ ポジションが実現する場合、CFMMからショート・リクイディティを売却するとロング・ガンマ・ポジションが実現します。

これは、DEXから流動性を借りて、それによって表されるリザーブトークンを引き出し、保持することで不足する可能性があるため、一時的な損失を一時的な利益に変えることができます。一時的な利回りとは、借り手がリザーブ トークンを使用してより多くの LP トークンを購入できることです。

 借り手はもちろん、借りた流動性に対する取引手数料も支払う義務があります。

プロトコルについてより詳しく説明するために、以下のチャートはガンマスワップのライフサイクルの概要と、ガンマのショートポジションとロングポジションの間のファンディングレートを示しています。

GammaSwapの仕組みは非常に複雑であり、より細かい部分に関しては割愛します。

GammaSwapは新しいベースとなる流動性レイヤー上に構築することができるようになるため、GammaSwapはDeFiの全LPポジションを集約し、 従来の株式市場におけるシカゴ・オプション取引所のCBOEボラティリティ・インデックス(VIX)のような商品を構築できる革新性があり、ゲームチェンジャーになりうるかもしれません。

DeFiの幅広い新商品やポジション構築が可能になるかもしれないため、注目しておきたいプロジェクトの一つです。

企業や組織がブロックチェーンデータを安全に効率的に利用できるようにブロックチェーン分析のツールを提供しています。

  • Spotlight

Elementus Spotlightは、資金の流れを具体的かつ透明性をもって追跡するために構築されたツールです。残高、フロー、取引相手、参加者、リスクなど、チェーンに関する分析を行うことができます。

  • Radar

Radarは資金の流れをエンド・ トゥ・エンドで追跡してあらゆるリスク領域を特定するルーツです。

対象のトランザクションとウォレットを監視して、資金の流れをより正確に追跡し、不正な預金がないか等もチェックして、正確なリスクスコアを算出します。

  • Pulse

チェーン全体をマッピングすることで、ダッシュボード上ですべての資金の流れを把握できるようにします。的を絞った調査を行えるので不正取引が発生した場合はリアルタイムで特定可能。

個人投資家として投資判断を下すのにもデータなしには難しいので、より大きな資本を動かす企業の参入を促すには、Elementusのような正確で信頼できるデータを提供するサービスの普及が欠かせないと感じています。

Space IDはWeb3.0上のあらゆるIDをまとめて管理できるネーミングサービスプロジェクトです。

チェーンに縛られない分散型IDとして、1つのIDで仮想通貨取引・レンディング・NFTのミントなどを可能にすることを目指しています。

すでにイーサリアムには、ENS(Ethereum Name Service)が存在していますが、そのBNB版のようなサービスです。

これは自分の名前がリーダーボードやNFTの所有者リストに載るといった相互作用が生まれるだけでなく、IDやクレジットリストがないばかりに過剰担保となっているDefiローンの問題の解決にもつながります。

2022年9月に.bnbドメインサービスを開始し、すでに37万以上の登録と17万以上のドメイン所有者を獲得しています。

ドメインは公式サイトより取得することができます。

https://space.id/

Image

POINTPre-Seedで150万ドルの資金調達を実施。 Shima Capitalがリードし、IVF, Mask Network, Sam Thapaliyaが参加。

クロスチェーン分散型レンディングプロトコル


デジタル資産の保護や管理にまつわるさまざまなサービスを提供するプロジェクトです。

Image

SALTは仮想通貨を担保に法定通貨を借りることができるレンティングプラットフォームです。仮想通貨の特徴である大きなボラティリティに対応するため、担保である仮想通貨の価格によって借入可能額が変動するシステムを採用しています。これにより仮想通貨を売らずに一時的に現金を得ること可能となります。

サービスもローンチ済でしたが、FTX破綻の影響を受けて、プラットフォームの出金を停止せざるを得なくなり、カリフォルニア州でのライセンスを失い、事業は一時停止されたままになっていました。

今回の調達した資金を元に事業を再開させるとのことです。この発表を受けてネイティブトークンである$SALTは400%以上高騰しました。

投機的なバブルが崩壊したこと、FTXが破綻したことなどが重なりGenesis、BlockFi、Voyager Digital、Celsius Networkなど多くのレンディングサービスが連鎖的に破産しました。ギリギリで持ちこたえているSALTの復活を期待しています。

OWL ESGのチーフデータサイエンティストであるAndrew Smith 氏によって2020年に立ち上げられました。Andrew Smith 氏は元々Ethereumの投資家でしたが、PoS移行について分散化の観点から疑問を抱いたことから独自のコンセンサス・アルゴリズムProof of Claimを採用したL1ブロックチェーンの開発をスタートしました。

Proof of Claimを用いることでスケーラビリティの拡大・セキュリティ強化・完全な分散化の両立が可能になるとのことです。

銀行を通じてカーボンクレジットの買い手と売り手をつなぎ、効率的で安全な取引を実現することで、気候変動対策を推進することを目指したプロジェクトです。

カーボンクレジット市場を強化するという課題に取り組むために集まったCBIC・BBVA・ITAU・NABなどの銀行のグループによって2020年に設立された団体で、日本からは三井住友銀行が参画しています。

すでに世界的決済技術企業であるVisaやシンガポールのカーボンクレジットマーケットプレイスCIXなどと試験的取引を多数行っており、今年後半にプラットフォームがローンチされるとのことです。

今後カーボンクレジット市場の需要は2030年に15倍、2050年前に100倍に増加するとも予想されており、市場全体の動向に注目しています。

Theft Protection⇒ トランザクションを監視し、不正なアクセスによる異常を検知して被害を防止する。

サービスを利用しても保護されなかった場合は、規約に則った補償が受け取れるようになっており、保護だけでなく保険としての側面も持ち合わせています。内容が評価され、すでに200を超える仮想通貨関連の企業と提携済です。

仮想通貨関連のセキュリティのレベルが高まった後には、ソーシャルエンジニアリング(クラッキングなどの情報通信技術なしに口車などで重要な情報を騙し取ること)の横行がはじまることを見越しており、最終的には従来の金融機関では不可能な「誰かにそそのかされて行った送金の強制返却」をブロックチェーンテクノロジーで実現することを目指しているとのことです。

アーティストとファンをつなぐプラットフォームです。

アーティストは自身の限定コンテンツ(音楽・ビデオ・写真など)へのアクセスキーとなるNFT(Vault)を作成・販売し、売上の80〜90%を獲得できます。ファンはNFTを購入することで、所有権が証明されたレアなコンテンツを独占・再販可能と双方にメリットがある仕組みです。

アプリはすでにダウンロード可能で、現在はVault側が選出した専属クリエイターの作品のみが販売されています。

現在はSolana上に展開されており、アーティストはPhantomウォレットとコンテンツさえあればいつでも手軽にNFT(Valut)を販売可能です。購入側は$SOL・クレジットカード・PayPal・アプリ内決済にて支払いができます。

Dymension:$6.7m

画像

POINTSeed Roundで670万ドルの資金調達を実施。 Big Brain HoldingsとStratosがリードし、Matchbox DAO, Shalom Meckenzieが参加。

CosmosとCelestiaの技術を活用した「RollApps」と呼ばれるモジュール型ブロックチェーン

Dymensionは、スケーラビリティのためにロールアップ技術を組み込んだモジュール式のブロックチェーンプラットフォームです。

Dymensionは「RollApps」と呼ばれるモジュラー型ブロックチェーンのネットワークであり、開発者は誰でも自分のRollAppを構築し、デプロイできます。

RollAppsは、Cosmos Software development kit(SDK)をベースにしたDymensionのRollApp開発キット(RDK)で構築されており、データアベイラビリティレイヤーはCelestiaを活用しています。

2/15にテストネットを開始予定

今回のシード資金調達に伴い、Dymensionは2月15日にパブリックテストネットを立ち上げることを発表しました。第2四半期にはインセンティブ付きのテストネットが、第3四半期にはメインネットが立ち上がる予定なので、動向は注目しておきましょう。

また、Dymensionは、メインネットの立ち上げ前にさらに資金を調達する計画も立てており、2,000万ドル程度が目標調達額になる予定とのことです。

公式サイト:https://dymension.xyz/

Twitter:https://twitter.com/dymensionXYZ

Discord:https://discord.com/invite/dymension

Telegram:https://t.me/dymensionXYZ

Medium:https://medium.com/@dymensionXYZ

Doc:https://docs.dymension.xyz/

ニュース/解説記事

Enable Notifications OK No thanks