ビットコインの「隠れた爆弾」?投資家が知るべき水面下のリスク
Crypto Times 編集部

ストラテジー社(旧マイクロストラテジー)は、ビットコインを大量に保有する企業として広く知られています。
同社はその購入資金の多くを転換社債や株式を利用した資金調達で賄ってきました。この戦略はビットコイン価格上昇時には株価を押し上げましたが、同時に大きなリスクも内包しています。
本記事では、同社がもしビットコイン投資で大きな損失を被った場合に何が起こり得るかデータや予測を基に解説します。
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ストラテジー社が抱えるリスク
現在、ストラテジー社は現在価格で約6.7兆円相当の506,137 BTCを保有しており、その平均取得コストは1 BTC = 66,608ドルとされています。したがって、最も直接的なリスクはビットコイン価格がこの水準を大幅に下回ることです。
価格が下落すると同社は含み損を抱え、例えば1 BTCが50,000ドルを下回れば未実現損失は大幅に増加し、40,000ドル以下では保有ビットコインの評価額が200億ドル近く消失する可能性も指摘されています。
会計ルール上、こうした評価損は減損損失として計上され財務状況を悪化させます。実際に2024年第3四半期にはビットコイン価格が一時的に取得単価を下回った影響もあり、ストラテジー社では4億3260万ドルもの営業損失が計上されました。これは、同社の業績がいかにビットコイン価格に大きく依存しているかを明確に示しています。
負の連鎖反応の可能性も
さらに、ストラテジー社はビットコイン投資専門企業ではなく、主力のアナリティクスソフトウェア事業も抱えています。この事業の売上減少が続けば、財務的な支えを失うことになります。先の2024年第3四半期の営業損失拡大にはビットコインの減損損失だけでなくこの主力事業の売上減少も影響したと見られています。たとえビットコイン価格が安定していても、本業の悪化は投資家の信頼を損ない、株価下落や将来の資金調達に悪影響を与える可能性があります。
これらのリスクが顕在化した場合、連鎖的な悪影響が考えられます。まず、財務状況が悪化し債務返済や事業資金の確保が必要になれば、同社が「HODL」(長期保有)戦略を掲げていた場合であっても、ビットコインを売却せざるを得なくなるかもしれません。もし平均取得価格以下で売却すれば確定損失が発生し、例えばビットコイン価格が40,000ドルであれば1BTCあたり20,000ドル以上の損失が確定します。
加えて、同社は多額の債務を抱えており、その中にはビットコインを担保としたローンも含まれます。ビットコイン価格が下落すると担保価値が減少し、追加担保の要求やローン条件の悪化を招く恐れがあります。特に2028年に満期を迎える転換社債については、株価低迷時には株式転換ではなく現金での償還を求められ、資金繰りが厳しくなる可能性が指摘されています。さらに、ビットコイン価格暴落はストラテジー社自身の株価下落に繋がり、計画中の大規模な資金調達を含め、新たな資金調達を困難にするでしょう。
市場全体への波及リスク|売り圧への懸念と市場心理の悪化
こうしたストラテジー社の財務悪化や強制的なビットコイン売却は市場全体に動揺を与える可能性があります。同社による大量売却観測はパニック売りを誘発し、ビットコイン価格をさらに押し下げる悪循環を生むかもしれません。これは他のビットコイン保有企業や機関投資家にも損失をもたらし、市場心理を著しく冷え込ませる要因となり得ます。
最悪の場合、資金繰りが極度に悪化し債務の借り換えや返済が不可能になれば、債務不履行や経営破綻のリスクも現実味を帯びてきます。ストラテジー社の破綻は「企業によるビットコイン投資」というモデルそのものへの信頼を大きく揺るがし、他の保有企業への影響、一般投資家の市場離れ、そして暗号資産市場全体の長期的な低迷を招く懸念があります。
一方で現状では2028年までの資金繰りにはある程度の目処が立っており、ビットコイン価格が壊滅的に暴落する可能性は低いとの見方もあります。ビットコインETFを通じた機関投資家の参入が市場の長期的な安定に寄与するとの期待もあります。しかし、短期的には価格変動リスクは依然として存在します。
結論として、ストラテジー社の未来はビットコイン価格の動向に加え、主力事業の安定化、そして継続的な資金確保と計画的な債務管理にかかっています。同社が今後、借り入れた資金をどのように返済していくのか、その戦略と実行力が注目されます。
その動向はビットコイン市場全体に影響を与えうるため引き続き注意深く見守る必要があるでしょう。
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